羽生善治九段、29年在籍の順位戦「A級」から陥落「まだ何も考えていない」
将棋の羽生善治九段が4日、東京都渋谷区の将棋会館にて行われた「第80期順位戦A級8回戦」で永瀬拓矢王座に敗れ、29期連続で在籍したA級からの降級が決まった。
2017年、永世七冠の記者会見での羽生善治九段(写真:Natsuki Sakai/アフロ)
「順位戦」とはタイトル戦となる「名人戦」の予選にあたり、A級からC級2組までの5クラス。A級は10人による総当たり戦で、原則として成績下位の2名が降級となる。この日の対局は午前10時から羽生九段の先手でスタートし、午後10時22分に78手で投了。本局に敗れた羽生九段は2勝6敗となり、3月3日の最終局を待たずにB級1組への降級が決まった。
羽生九段は1985年に15歳2カ月でプロ入りし、89年に当時史上最年少の19歳で初タイトルとなる竜王を獲得。96年に当時の七大タイトルを独占する史上初の七冠を達成したほか、2017年には永世称号のある七大タイトルすべてを制覇する史上初の永世七冠となり、将棋界初の国民栄誉賞を受賞した。
対局後、羽生九段は「押さえ込まれそうな形になってしまったので、ちょっとまずくしてしまったかなと思いながら指してました」「内容も結果も伴わなかったので致し方ない結果かなと思います。(来期について)特にまだ何も考えていないので、次の一局に全力を尽くしたいと思います」とコメントした。