前川清、板の上では「セリフは2行、動きは4畳半まで」藤山直美との明治座公演で

 歌手の前川清と俳優の藤山直美の舞台『前川清・藤山直美公演』東京公演が18日、明治座にて初日を迎え、合同取材会が行われた。

舞台『前川清・藤山直美公演』合同取材会より藤山直美(左)と前川清

 舞台は第一部を大阪の法善寺を舞台にしたお芝居『恋の法善寺横丁』、第二部を「前川清オンステージ」の二部で構成。

「まん延防止」延長の中で初日を迎えた感想を前川は「不思議なもので、今まで以上に頑張ってやれたような気がします。こういう状況でわざわざこられたお客様に、一生懸命に芝居したという気持ちが伝わればいいなと思って初日を迎えさせていただいた」、藤山は「今までは日にちがくれば初日が迎えられると思っていた。お客様にも安心していただければと思うんですけど、ご家族に高齢者の方がいれば“行かないでください”と言われるような状況と聞いている。きていただいたお客様によろこんでいただけるよう、出演者全員で一生懸命やっています」と語る。

 それぞれの役を演じる苦労を問われ、前川が「苦労はございません。楽をさせていただいている。長いセリフもあったんですけど、直美さんから“前川さんは物覚えが悪い”ということで……。とにかく私に与えられたセリフを一言一句心をこめて一生懸命、迷惑をかけないように頑張りたいと思っています」とにごすと、藤山が「前川さんはセリフを2行以上しゃべれない、間取りで言うと4畳半以上は動けない(笑)」とピシャリ。その後「役者が本業ではなく歌手ですので、歌の歌詞と同じでセリフの理解力が深いんです」とフォローも忘れない。

 前川は、藤山の魅力を「直美さんの芝居は“圧”があって、あたたかみがあって、息づかいがある。歌手は息づかいが分からないように歌うのですが、直美さんからは息づかいが聞こえる。藤山直美さんのすごさや個性をお客様よりも近くで聞いている自分に幸せを感じている」と讃えると、藤山も「ヒット曲を持っている方はたくさんいると思うんですけど、曲目の資料をいただいた時に“前川さん、この曲もあの曲も入ってませんけど”というくらい、現在進行形で歌える曲がたくさんある。クールファイブで歌っていた時と変わらず、変に歌を歌い上げたりアレンジしたりがなくストレートに歌ってくれる」と絶賛。

 最後にファンに向け、前川は「安心して楽しんでいただくのが一番。大阪の新歌舞伎座でも多くの方に見ていただきましたが、何かあったということは一切聞いておりません。よく考えると私たちの公演はロックコンサートではないですし、きている方の拍手もお参りしているみたいですから(笑)」とおどけ、藤山は「座っていただいた時点で大阪の法善寺の風情を味わっていただけたらうれしいなと思います」とPR。

『恋の法善寺横丁』が水掛不動尊の前から始まることにかけ「まだ水掛け不動さんの顔が見えていない、苔が生えた状態ですから」と前川がかぶせると、藤山が「あれやったの、前川さん? きれい好きでしょ」と爆弾発言。前川は「きれい好きだけど、俺じゃない! でも、ああいうお顔だって初めて分かりましたね」とタジタジだった。

明治座『前川清・藤山直美公演』
【期間】開催中〜3月13日(日)
【時間】11時/16時
【料金】S席1万3000円/A席6500円
【会場】明治座(東京都中央区日本橋浜町2-31-1)
【URL】https://www.meijiza.co.jp/