“サラリーマンの聖地”に変化!JR「新橋駅」SL広場に日本最大級のコンテナ型喫煙所
“サラリーマンの聖地”として知られるJR「新橋駅」のSL広場に今年1月、ランドピア社製の国内最大級のコンテナ型喫煙所「コンテナ型喫煙所 新橋駅前SL広場」がオープンした。1カ月で約50万本、1日でおよそ1万6000本の喫煙需要があるともいわれるSL広場。従来のパーテーション型からコンテナ型喫煙所を導入して何が変わったのか。港区環境リサイクル支援部の大浦昇課長、齊藤和彦係長に聞いた。
JR「新橋駅」SL広場のこれまでの喫煙環境について教えてください。
大浦昇(以下、大浦)「2014年7月に『港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例』で、たばこを吸う人も吸わない人も快適なまちを目指す『みなとタバコルール』が制定されました。それに伴って駅前の仕切りがなく、いくつか灰皿が置かれた状態を整備し、パーテーション型の屋外喫煙所を設置しました。JR『新橋駅』はコロナ下の前は1日平均20万人以上の乗降客数でしたので、喫煙所にも非常に多くの方が集まっていたと思います」
今回、SL広場にコンテナ型喫煙所を採用した狙いは?
大浦「2018年7月に『健康増進法』の一部を改正し、2020年4月から全面施工されました。これによって望まない受動喫煙の防止を図るため、屋内は原則禁煙、屋外での受動喫煙対策の徹底が求められるようになりました。
私どもも繁華街や指定喫煙場所を中心に巡回指導員を増員するなど、受動喫煙の防止に積極的に取り組んできたのですが、近年は指定喫煙所以外でのはみ出し喫煙やパーテーション型喫煙所の外に煙が漏れるなど、受動喫煙を不安視する方からのご意見が多く寄せられる状況でした。こういったことから、より分煙効果の高い屋外密閉型のコンテナ型喫煙所の整備を計画し、可能な場所から密閉型に切り替えていこうということで今回の設置に至りました」
コンテナ型喫煙所の整備を計画したところから設置までの期間は?
齊藤和彦(以下、齊藤)「予算要求をした時から数えると、約1年半ですね。令和2年度に議論が深まり、屋外密閉型喫煙所を整備する機運が高まっていきました」
コンテナ型喫煙所の導入の際に出てきた課題と、その対策を教えてください。
大浦「SL広場というのは歩道上にあたるので、基本的に建物を建てることができません。今回、初めてのコンテナ型喫煙所の設置ということで、まったく手探りの状態で進めていったのですが、まずは建築審査会の同意を得る必要がありました。警察、消防、道路管理者、地元の皆さんなどと協議を重ねて実現に至りましたが、現場の担当者は大変苦労したところだと思います。工事を進めている途中にも地下から埋設物が出てくるなど、常に何らかの課題があって、それを一つひとつ乗り越えながらようやく実現できました」