平野レミ「みんな“ベロつながり”でつながっていく」最新エッセイで語る子育て、料理、家族
いつも明るい笑顔に元気なトーク、独創的なアイデア料理で人気を集める料理愛好家でシャンソン歌手の平野レミさん。最新刊『おいしい子育て』(ポプラ社)は、2人の息子さんとのエピソードをはじめ、家事、育児、料理、仕事などにまつわるエッセイと47のオリジナルレシピで構成されている。大好きな料理のこと、愛する家族のことを中心に、レミさんの元気の秘密についても聞いた。
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簡単でおいしい家庭料理が大好き。難しい料理はレストランで食べちゃえばいい
『おいしい子育て』は、1997年に出版した『笑顔がごちそう』をリニューアルしたものです。改めて出版のお話を聞いていかがでしたか。
「『笑顔がごちそう』を出版したのはずいぶん昔のことだし、今見たら当時の料理のレシピが全部恥ずかしくて! この25年の間に私も進化して、レシピは簡略化して味もおいしくなっているので、そこを全部変えちゃいました。文章も当時はすごく上品で丁寧に書いていたから、今の私に合わせてもっと元気な感じに変えました」
今回の本では和田誠さんのイラストが新たに挿画として入っています。
「和田さんの残してくれた素敵なイラストがたくさんあって、紹介する料理に合ったものを編集者と一緒に選びました。レシピの本からエッセイに生まれ変わって、料理もおいしくなっています。時代の流れで、調味料や食材も進化しているので、レシピをすべて見直して絶対においしくなった自信作ばかりです。全部変えちゃったから編集者には悪かったけど。
私はせっかちなので、パパッと作れない料理は嫌なんですよ。レシピ本を見ていても、作り方が13とか14まであるともううんざりしちゃう(笑)。家庭の料理は早くておいしいのが一番。パッと再現できたほうがいいと思いますし、今回の本はますますそういうお料理になっていますから。“イチニのサン、ホイ!”でできて簡単でおいしい、そういう料理が私は大好きなんです。難しい料理はレストランで食べちゃえばいいんだから」
当時のエッセイを今のレミさんの目で読み直してみた感想は?
「ちゃんと真面目に子育てしてたんだなと思いましたよ。2人の息子が小さい時から大きくなるまでをまとめていて、小さい頃のことは当時を思い出しながら書いていたの。出版社から“子育てをテーマに本を出しませんか”と言われて、私も“エーッ!”なんて思いながら書いたんだけど、昔のことを思い出してるとだんだんその頃のことがよみがえってくるのよね。
子どもが嫌いなピーマンを少しだけ幼稚園のお弁当に入れて、先生に連絡して食べたらほめてもらったり(笑)。“からだにいいんだから、食べなきゃだめッ!”なんて叱っていると、もっとピーマンを嫌いになるかもしれないし、お母さんのことも嫌いになっちゃうかもしれないじゃない。だから、いつもほめてほめて、ほめ殺ししてましたよ。ピーマンやにんじん、しいたけをみんな細かくしてハンバーグに入れちゃったり。ピーマンは火を通すと青くささや苦みがなくなって甘みが出るし、細かくすれば見た目も分からないじゃない。そうやって食べたらほめてあげて、何とか子どもに食べさせようと思ってずいぶん頑張りましたよ。おかげでうちの息子たちは全然好き嫌いがなくなりました」