広がり見せるフェムテック・フェムケア業界の今

 フェムテックと呼ばれる業界が今、日本で大きく成長してきている。2012年頃から世界で広まったこの言葉は、もともとAIやアプリで、月経など女性特有の課題を解決するテクノロジーのことを指していた。現在は女性の社会進出やフェミニズムの潮流も後押しし、さらに広く女性が抱えるさまざまな課題をケアするものとして「フェムケア」という概念も広がってきている。テクノロジーに留まらず、女性の課題を緩和しているフェムケアグッズも増えている。最新のフェムケア事情を追いかけてみた。

女性特有の課題を解決するフェムテック業界が成長し、フェムケアの概念も広がってきている(写真はイメージです)

ウェルネス領域にも広がりつつあるフェムケア

 フェムテック・フェムケア業界は、生理や妊娠などにまつわる女性ならではの悩みを心地よくアシストできるものを、という声から始まった。生理や妊活の管理アプリに始まり、今ではフェムケアに特化した専門店もネットを中心に増えているが、ショップをのぞいてみると生理用品に限らず、さまざまな商品を取り扱っている。

 フェムケアは今、ウェルネスに近い文脈で語られることも多い。ウェルネスとは心身を良好に保つことで、自分らしい生き方やライフスタイルを確立させていこうという思想や活動のことだ。女性には、生理や妊娠によるホルモンバランスの乱れがある。心身を良好に保つために、ホルモンバランスによる体型の変化や精神状態の変化にアシストが必要な場合もある。だからこそ、フェムケアは今「女性の体調や精神を、日々前向きにしてくれるもの」として求められているのだ。

女性のために開発された植物性プロテインや生理中にリラックスできるワイヤレスブラも(筆者撮影)

 たとえば、ホルモンバランスで変化する胸の張りに合わせて、ワイヤレスブラを取り入れること。生理前の体型管理のために、女性向けに配合されたプロテインを飲むことを選択すること。これらも、フェムケアのひとつなのだ。体調や睡眠管理のためにCBD(植物の麻から抽出されるカンナビジオールという成分およびそれを使用した製品のこと)や女性向けのサプリメントを取り入れることなどもそう。フェムケアは今「女性をケアする」という大きな概念のもと、女性の暮らしをよりよくアシストできる製品がどんどん増えている、という状態にある。

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