青空のもと、いつものフジロックが苗場で開幕 31日まで国内外のアーテイストがパフォーマンス
日本を代表する夏の野外音楽フェスティバルのひとつ「FUJI ROCK FESTIVAL」(以下、フジロック)が29日、新潟県湯沢町の苗場スキー場で開幕した。
複数あるステージのなかで最も大きい「GREEN STAGE」には、モンゴル発のトラディショナル・メタル・バンドの「THE HU(ザフー)」がトップバッターで登場。平日の午前11時の登場とあって参加客はまだまばらだったが、モリンホールやトプショールなどモンゴルの伝統的な楽器を取り入れた演奏や、馬のいななきでスタートする楽曲などでパワフルなパフォーマンスで参加者を喜ばせた。また、デスボイスで「ありがとう」「私たち、初めての日本で皆さんと一緒でうれしいです」などたくさんの日本語でのMCを準備してきており、それもまたオーディエンスを笑顔にした。
サイケデリックなサウンドで世界を魅了する5人組バンド、KIKAGAKU MOYO(幾何学模様)もFIELD OF HEAVENに登場。10年のキャリアのなかで世界各地に熱狂的なファンが散らばる。今年いっぱいで無期限活動停止を発表していること、また3年ぶりの日本でのライブということもあって、出番前のサウンドチェックからファンたちは最前列でメンバーの一挙手一投足にくぎ付け。本番では演奏曲を重ねるほどに、観衆が集まり、終わるころには見回す限りは「観客で埋まっている」といった状態だった。メンバーたちも演奏を終えるたびにうれしそうに笑顔でアイコンタクトしていた。ステージでは、無期限活動停止に入る前、12月に再び来日し東京で公演することをアナウンスし、ファンを喜ばせた。
初日のヘッドライナーは、米バンドのVAMPIRE WEEKEND。明日30日は、インドのインディアン・フォーク・メタル・バンドのBLOODYWOODを皮切りに、英バンドのFOALS、ARLO PARKSらがラインアップ。ヘッドライナーはJACK WHITE。国内勢は、ORANGE RANGE、GRAPEVINE、折坂悠太、東京スカパラダイスオーケストラ、Corneliusらが登場する。最終日の31日は、JAPANESE BREAKFAST、SUPERORGANISM、MOGWAI、MURA MASAらで、ヘッドライナーはHALSEY。国内勢は、ハナレグミ、ずっと真夜中でいいのに、中村佳穂、PUNPEE、マカロニえんぴつ、鈴木雅之らが出演する。
アーティストのパフォーマンスはすべてではないが、YouTubeで生配信されている。
今年は「特別なフジロックから、いつものフジロックへ」として、昨年は控えられていたアルコール類の販売も行われている。マスクの着用も呼びかけられているが、初日は太陽が雲から顔を出すと汗が流れ出すような熱さなこともあり、必要に応じて状況を見ながら個人で判断するようにと何度もアナウンスされている。ただほとんどの人がライブ鑑賞中はもちろん、移動中も着用したまま。ネコやドクロデザインのマスクなどをロックTシャツに合わせるなど、フェスならではマスクファッションを楽しんでいる女性たちも見かけられた。
ステージ前のソーシャルディスタンスの確保を促すマーキングや飲食エリアに広いスペースを確保すること、メッセージボードの掲出など、昨年行っていた多くの取り組みは引き続き行われている。