舞台監督が創り出す、リアルな美術やアイテムの数々。 今ようやく明かされる「美術監督はじめて物語」。 【映画『リ、ライト』】
【こころに残る映画ができるまで】vol.5 美術監督編
なんと1年ぶりの寄稿になってしまいました(涙)。まずお伝えしたいのは、ここで監督やキャスト、ミュージシャンにインタビューを続けてきた映画『リ、ライト』が、いよいよ9月17日から劇場公開されるということ!他の作品同様、コロナの影響でズリズリと後ろにずれましたが、ようやく大きなスクリーンで観ていただけることになりました!お楽しみに!!
そして今回は、映画『リ、ライト』のストーリーを語る上でも重要な役割を果たす、リアルな美術セットやアイテムの数々を生み出してくれた、魔法の手を持つ美術監督、林大介さんの登場です!実は林さんは舞台監督なんですが、遠藤がかなり強引に映画の世界へ…。映画の美術監督としてオファーしてしまいました汗。インタビュー当日は、林さんが経営する小田原の居酒屋「おにいちゃん」で、お酒を片手にほっこりと、お話を伺いました!
映画初参戦!撮影現場の緊張感はハンパなかった
舞台監督経験22年の林さん。映画『リ、ライト』の撮影現場は「初めてのことだらけだった」と振り返ります。「舞台の場合は、作品をつくって板の上に乗せたら終わりだけど、映画は撮り終えてもまだ制作段階。編集とか音のこととか、そこからまた映画の制作が始まっていくわけじゃん。舞台人の立場からすると、まずそこが不思議。お客さんはまだ誰も観てないのに、俺らは作品の面白さを知っちゃったりするわけだし、なんか隠し事しているみたいでww」。シーンを細かく割りながら撮影していく工程も新鮮だったと話す林さん。「たった40秒、1分のショットでも、俺からすると一つひとつがワンステ。ずっと緊張感が大切だと思っていたし、常に違う作品を作り続けている感覚だったね」。
そんな林さん、撮影現場では別の意味でも常に緊張状態にさらされていたそうですよ。「だってさ、本番は物音を一切立てられないわけじゃない?僕ら舞台人は本番中でもトイレにいけるし、バックヤードや楽屋で水を飲むこともできる。でも、撮影中は絶対NGだもん!音声担当のすーさん(菅野さん)のすぐそばにいることが多かったんだけど、すーさん、ヘッドホンをガチッと抱えて変えて全集中してるんだよね。ずっと息を潜めているもんで、カットがかかった瞬間ハァァ!ってなってたよw」