矢沢永吉「こんな感謝はない」デビュー50周年でライブ 国立競技場初の有観客2デイズ MISIA、B’zも盛り上げる

クレジット記載のない写真はすべて・HIRO KIMURA

 矢沢永吉の50周年記念ライブ「50th ANNIVERSARY TOUR “MY WAY”」が8月27、28日の2日間にわたり、東京・国立競技場で開催された。新しくなった国立競技場で行われる初の有観客音楽ライブで、約2時間の公演のフィナーレには、歓喜のタオルが宙に舞った。

 初日は、辟易するほどの熱気ムンムンの熱帯夜のライブに。途中、ゲストのMISIAも登場し、暑くて熱いステージを繰り広げて、オーディエンスを喜ばせた。2日目は一転、何度も立ち上がる火柱の演出が温かく感じられるような涼しい環境でのライブ。矢沢は「今から2時間、50周年ヨロシクゥ!」と、真っ白なマイクスタンドを操り、時にはそれをギターに持ち替えながら、エンディングまでロックし続けた。

写真・達川範一


 セットは、『I LOVE YOU,OK』『YES MY LOVE』などを筆頭に、半世紀におよぶ矢沢のキャリアを輝かせ続けているナンバーで構成。

 中盤の『黒く塗りつぶせ』では、曲の途中で、矢沢が自ら「すげーゲストが駆けつけてくれてます!」とアナウンスし、B’zの2人が登場。松本孝弘のギターが唸れば、矢沢と稲葉浩志はハンドマイクを手にステージ中央で向かい合って掛け合い。さらにマイクをリレーして歌うと、ステージの上も下もハッピーな笑顔であふれた。矢沢は「たまんないねえ、もうね俺幸せ」。さらに「すごいメンツが集まってるんだから、もう1曲やろうぜー!」と『ファンキー・モンキー・ベイビー』。ノリノリのリズムとおなじみのメロディーに合わせ、稲葉と矢沢の歌声、松本のギターソロが会場に響き渡った。

 アンコールの『止まらない Ha~Ha』では、客席にはオーディエンスが投げあげたタオルでカラフルなウェーブが出来た。その様子を見た矢沢は再び「たまらねぇよぉ」と笑顔。そして『トラベリン・バス』になだれ込むと、客席のタオルはさらに大きく波打った。矢沢の「ヘイ!」の掛け声がかかるたびにより高くタオルが投げられる様子は矢沢流のコール・アンド・レスポンスだった。矢沢がステージを後にしてもバンドの演奏が続く限りタオルも投げられ続けるエモーショナルなエンディングだった。

 
 途中のMCで、「50年、歌えると思ってなかったね。あっという間だった」と矢沢。「音楽以外にも、なんか俺出来ることがあるんじゃないかということで、いろんなトライしたんだけど、結局ダメだったね。ダメでいいんだ。何何でもいいからひとつもらえたらと思ってたけど……こんな感謝はないなと最近はつくづく思います」としみじみと語っていた。

 ツアーは今後、福岡、大阪と続く。

 矢沢は今年デビュー50周年のアニバーサリー・イヤーに合わせて、コンセプトライブなどさまざまな取り組みを展開している。「50th ANNIVERSARY TOUR “MY WAY”」はその締めくくりとなる。

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