怪獣映画になっちゃった!それでもなお面白さは右肩上がり!『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
もう夏も終わりですね、と言いたいくらい若干涼しくなってきたんですが、とはいえまだ30℃になる日はありまして、まだ夏じゃん!と思う今日この頃です。
出演させていただいたカプセル兵団の舞台「うしおととら」の千秋楽の配信が9月4日までとなっております。行く夏の思い出にぜひ。
では今週も始めましょう。
そもそも、大雑把ですが「面白い」という感覚は“言われてみると確かに”と“まさか、そんな”の2種類に分かれます。
簡単に言えば、ビックリと理解できないの間の感覚が最高に面白いのです。
この“面白”の全部をやりきった傑作ジュラシック・パークから始まるジュラシックシリーズの「最終章」と、銘打たれた『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』。
1982年生まれの恐竜大好き少年だった筆者には「プテラノドン!トリケラ!ティラノ!」ぐらいまでで知識が凝り固まっているのですが、40年の時が経った今は、名前が変わったり「羽毛が生えてたんじゃない?」という学説が出てきたり、いまだに進化(もしくは深化?)を続ける恐竜業界。
1993年の第一作から「人気恐竜は全部出しちゃってる」「生態の解釈も全然変わってる」、あと「映像の技術も格段に進歩した」およそ30年の時の中で過去作を超える面白さを出す苦労は、途轍もなかったと思われます。
「映像技術の進歩」を、苦労に加えるのは「何でもできるようになってしまった為に、選択肢が無限になる」ということ。
しかも30年続くシリーズなので“テイスト”は、残さなきゃいけない。
実際、ストーリーも「恐竜と人間が共存している世界」とか「遺伝子をいじって新しく造られた恐竜」とか、シリーズ初期の「恐竜という生き物に振り回される人間」や「恐竜ってこんな暮らしをしていたんだな」という楽しみから大きく舵を切って、街で人が創作した恐竜が暴れてたら「もうそれ怪獣じゃん!」
実際カット割りとかも最近流行ってる「ハリウッド版怪獣映画」に、かなり近かったし、アニマトロニクス(ロボットや人形、アニメーションで動物を表現する撮影方法)だった初期に比べてCGによる自由度が高すぎて、なんかもう「サメ映画」の方向画進んでしまうんじゃないかと鑑賞中、不安になったのですが、そこはきっちり「その新しい世界に生きる人たちの物語」を中心に描き、お馴染みの恐竜も、羽毛の生えた恐竜も、過去作の主人公も!しっかり登場させながら「ザ・ハリウッド」と安心できるラプトルとのカーチェイスあり、飛行機での空中戦あり、太鼓判の映画でした。
クローン人間のヒロインが、そもそも一作目で、ストーリーの要となった「恐竜を復活させる」という遺伝子工学が、現代の解釈を交えて、きちんと話の中心にいたのもとても感慨深かったし、それがあるからこそ「新しい恐竜」に対しての違和感もなくなったというか。
今作で僕が一番好きな恐竜は、ケツァルコアトロスですかね。空中戦に参戦してくるんですがそのビジュアルもあって“映え”が凄い!「そう!ジュラシックではこういう画が観たいんだよ!」と、興奮がさめやりませんでした。
是非、劇場の大画面でこの感動を味わって下さい。
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1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。
公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23