国宝「聖徳太子絵伝」が原寸大パネル、8K映像に!東京国立博物館「デジタル法隆寺宝物館」

 奈良・法隆寺から皇室に献納され、戦後国に移管された宝物300点あまりを収蔵・展示する「東京国立博物館」の展示館のひとつ「法隆寺宝物館」(東京都台東区)。同館 中2階に31日、通年で鑑賞できる新たな展示室「デジタル法隆寺宝物館」がオープン。同日から7月30日まで展示される国宝「聖徳太子絵伝(しょうとくたいしえでん)」のグラフィックパネルをはじめとする展示が報道陣に公開された。

「東京国立博物館 宝物館」に新たにオープンした展示室「デジタル法隆寺宝物館」

「デジタル法隆寺宝物館」とは、作品保護の観点から常時展示できない法隆寺ゆかりの名宝を、デジタルコンテンツや複製を使ってくわしく鑑賞、体験できる展示室。「法隆寺宝物館」中2階に設置され、国宝「聖徳太子絵伝」のグラフィックパネル(複製)と、大型8Kモニターで絵の詳細まで鑑賞できるデジタルコンテンツを同時に展示する。

 展示室に入ると展示される「聖徳太子絵伝」は延久元年(1069)、絵師・秦致貞(はたのちてい)によって描かれたやまと絵。かつて法隆寺の絵殿と呼ばれる建物の内側を飾った1面およそ縦1・9メートル、横1・5メートルの大画面絵画を原寸大グラフィックパネルとして複製し、絵殿にあった時と同じようにコの字型に配置して展示している。数ある聖徳太子絵伝の中で最も古く、長い年月を経たことで画面の痛みがひどいため、原本の一般公開は数年に一度ほどに限られて照明も制限せざるを得ないという。

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