古き良き体育館【アフロスポーツ プロの瞬撮】
スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
前は好きじゃなかった曲が今なら好きになれることってある。
その曲自体は変わらないのに、自分の価値観や取り巻く環境が変化することで
嫌いが好きになる。こんな感じの話を今回はしたいと思う。
今回掲載した写真はFリーグ・プレーオフ決勝の第二試合、駒沢体育館で行われた一戦だ。
駒沢体育館は、正直言って以前は好きじゃなかった。照明による陰影がつきやすく、水銀灯の老朽化も相まって、選手があまりきれいに撮れないからだ。
僕たちは選手の顔や競技を分かりやすく撮ることが大きな仕事の一つであるので、自分の仕事をするにはあまり適していないと思っていた。
ただ今回改めて駒沢体育館に行って考えが変わった。
まずはFリーグの演出が良かった。
真っ黒のコートは駒沢体育館のコントラストの高い照明との相性が良く、影が更に締まる印象だ。顔に陰影がつきやすいので、ドラマチックに写すには適していた。
二つ目の理由は体育館の造りだ。
近年建てられる体育館は照明がキレイでとても撮りやすい。ただ良くも悪くも優等生的だ。
照明がLEDか水銀灯かの違いもあるのかもしれない。その点駒沢体育館は、味がある。
天井のデザインもとても個性的だ。まだまだ駒沢体育館にも頑張ってほしい。
そんなことを思っていたら、今春から改修工事が始まるという。
古き良き体育館がまた一つ減ってしまうことは寂しくもあるが、生まれ変わる駒沢体育館も楽しみだ。
■カメラマンプロフィル
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
★インスタグラム★
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1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。
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