優希美青「不倫相手という“嫌われ役”ですが一途な思いを表現したい」ディープな大人の愛憎劇で新境地
NHK連続テレビ小説『あまちゃん』や『マッサン』など朝ドラでの好演も記憶に新しい女優・優希美青が新たに挑むのはディープな不倫愛! 4月、大人の女性をメインターゲットとした日本テレビの新ドラマ枠『金曜ドラマDEEP(ディープ)』がスタート。その第一弾『夫婦が壊れるとき』で、これまでのキュートなヒロイン役という印象を覆す大胆演技で、不倫相手を演じきった優希が、新たな挑戦について語った。
「実は母が本作の韓国版の大ファンだったのでぜひ演じてみたいと思ったんです。実家のある福島でも放送が見られるというのも大きかったです(笑)」と屈託なく笑う優希美青。
ドラマ『夫婦が壊れるとき』はイギリスでドラマ賞を総なめにした『女医フォスター 夫の情事、私の決断』の日本版。これまでにフランスや韓国、トルコなどでリメイクされ、中でも韓国版『夫婦の世界』は日本でもハマる人が続出。
公私ともに順風満帆に生きていたはずの女医・陽子(稲森いずみ)。しかしある日、夫・昂太(吉沢悠)の不倫に気づき、衝撃的な夫の本性を知ってしまう。やがて不倫相手の妊娠が発覚。それまでの人生が音を立てて崩れたとき、陽子は復讐を決意する…。
本作で優希が演じるのは、主人公の夫の不倫相手・理央。
「理央が極力、嫌な女になりすぎないように…ということは意識していました。監督ともお話して“どちらかの女性を選ばなければならないとき、昂太は自分がついていないと…と思う人を選ぶ。自立している陽子との対比として、昂太がそばについていてあげたいと思うところを表現していけるといい”と」
これまで、等身大のキュートな役どころも多かった優希。今回は新しいことにチャレンジしたいという思いもあったという。
「この役が発表されたとき、私のファンの皆さんの中にも、そういう役をやるのはちょっとショック…という複雑な反応をされた人も多かったんです。でもそういうお声も最終的には、この役をやってよかったねとなってくれるように頑張りたいなと思ってます」
劇中では、昂太と理央のディープなラブシーンも描かれる。
「監督に“キスシーンが淡泊だ”と指摘されたこともありました(笑)。過去にキスシーンを演じたことはあるんですけど“小鳥さんキス”みたいな感じだったので、今回のような大人なキスシーンは初めてで。相手とのタイミングの測り方とかが難しくて、これで正解なのかなといろいろ考えてしまったりしたんですけど、吉沢さんにもサポートいただきながら、最終的には落ち着いて演じることができました。キスシーンだけでなく、ラブシーンもあるので、これまで経験したことのないお芝居に不安はあるんですけど、今回の現場にはインティマシーコーディネーターの方が付いていてくださっているので、細かくアドバイスしてくださるので、安心して臨むことができました」
物語の中では主人公の“敵”役。陽子に共感する視聴者にとっては悪役キャラクターという位置づけになるが「せめて私は理央の味方でいてあげようと思っています」と優希。
「自分が演じるにあたり、やはりどうしても理央に感情移入してしまうところがあって。理央は一途に昂太を愛していて、陽子のつらさとは別に、理央にも“愛する人が別の場所に帰る”ということを認めなければならないというつらさがあることを、演じていて感じました。不倫は許されないことだけど、理央が人を好きになってしまった気持ちそのものは大事にして演じたいなと思いました」
ちなみに優希にとって“嫌な女”というとどんなタイプ?
「イヤミっぽい人とか、言動がキツイ人は苦手かな…。まあでも世間から見ると、人の夫を奪おうとする理央も、かなり嫌な女ですよね(笑)」
初めて挑んだ役どころを通して、不倫というディープなテーマを演じる視点も変わったという。
「これまではネットニュースで不倫の話題を目にしたりすると、こういうの嫌だなとか思ったりしたこともありましたけど今回、理央を演じ、その気持ちに寄り添ってみて、人それぞれに抱えている思いがあるんだなということを改めて感じるようになりました」
それぞれの思惑が絡み合うからこそハマってしまうディープな大人の深夜ドラマ。
「世の中的には不倫相手というと嫌われる役どころですが、理央なりの信念や思いを表現できたらいいなと思います。ラブシーンも美しく見えるよう頑張りたいです(笑)」
(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)