熊谷俊人千葉県知事に聞く「誕生150周年」とこれからの千葉県

 千葉県は今年6月15日に「誕生150周年」を迎える。同日から1年かけてさまざまなイベント等が開催されるのだが、それを前に熊谷俊人知事に現在の千葉とこれからの千葉について聞いた。(聞き手・一木広治)

熊谷俊人千葉県知事(撮影・上岸卓史)

 熊谷知事は千葉市長を3期務めた後、2021年の千葉県知事選挙に立候補し当選を果たしました。今年の3月で知事就任2年目ですがここまでの手応えを聞かせてください。
熊谷「首長は2回目ということで、ある程度、自分の中でも見通しを持ちながら、この4年の中での1年2年ということでやってきましたが、県庁の職員の皆さんがいろいろな形でついてきてくれました。特に今回の予算案についてはこの10年で一番新規事業が多いのですが、各部署が新しい取り組みに挑戦してくれ始めている、そんな2年間だったんじゃないかと思います。コロナもあって目の前の危機管理対策に私自身も職員のリソースもある程度割かざるをえないところはありましたけれど、千葉県の将来にとって必要なそれぞれのステップは今、踏み始めているんじゃないかと思っております。非常に手応えは感じています」

 今年の6月に木更津県と印旛県の合併による千葉県誕生150周年を迎えます。6月の記念式典や周年に向けた行事などについて教えてください。
熊谷「まず、僕らからすると、この150周年は単に行政的周年行事をお祝いするというのを目的とするというのはもったいないということで、それよりは改めてこの150年の振り返りをした中で、千葉県の各地域の可能性とか歴史とか文化といったものを掘り起こして、150周年が終わった後も各地域で残っていく、そういう取り組みをやっていこうというのが僕たちの趣旨なんです。今年は、オープニングイベントを松戸市でやります。今までは県民の日のイベントは幕張メッセでその前後でやっていたんですが、初めて東葛地域で行います。常磐線エリア、もしくはつくばエクスプレスもそうですが、東葛北部の方々は東京に行くほうが近く、県庁のある千葉市方面や南房総方面にはそうそう来られないので、初めて僕ら自身があちらに行って千葉県を意識してもらおうという、そういう取り組みをやります。

 あとは『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』が去年から千葉にやってきて、これで3大フェスのうちの2つが千葉で行われることになりました。僕らは単にイベントとして呼んだだけではなく、音楽や文化イベントとしてとらえているので、バックヤードツアーもやります。将来を担うような子供たちにああいうイベントの裏側がどういう人たちの技術で成り立っているのかということを見せてもらうということと、若者バンドがあそこに出られるようにしています。今回、高校生枠を150周年の記念事業ということで作ったので、若者にとっては、あのROCK IN JAPANの舞台に立てるという、非常に大きな夢のあるものができるのではないかと思っています。

 そして中央博物館などで、150年の歴史を伝える写真の展示などをやります。各市町村がそれぞれ150周年に連携した記念事業をやるんですが、統一感のある企画になるように、Mr.Childrenのプロデューサーでもある小林武史さんに総合プロデューサーをやっていただきます。そして総合ディレクターはアートディレクターの北川フラムさんにお願いしました。どちらも千葉県にゆかりのある豪華なお2人。千葉が今年の6月から来年の6月にかけて面白くなると思います」

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