泉房穂前明石市長、岸田首相に「国民の生活の大変さを分かってますかと聞きたい」
前明石市長の泉房穂氏が27日、著書『政治はケンカだ! 明石市長の12年』(講談社)出版記念記者会見を「ブックファースト新宿店」にて行った。
2011年5月から明石市長に就任し、3期12年を務め上げた泉氏。市長退任翌日の1日に発売された同書は、すでに4刷2万5000部を突破する売れ行きだが、泉氏は開口一番「ぶっちゃけた話すると、もっと売れるかと思っていたので “この程度か” とすごくショック」と吐露。
本書の内容を「明石市長を必死にやってきた12年間は、奥歯にモノが挟まったようにしかしゃべれなかった。ついに公職を離れた翌日に出す本だったので、ある意味生々しい話を含めて書かせていただいた。この本を読んでいただくと明石市の12年だけでなく、今の日本における政治行政のブラックボックスが見えてくる」とアピールし、「何よりも伝えたいのは政治は変えられる、まちは変えられる、私たちの社会は変えていけるんだというメッセージ。そういう意味ではもっと売れないと、この程度では世の中は変わらんがなと思うので、何でアイドルの写真集に負けるのか。アイドルの水着写真集に勝っていかないと世の中は変わらない」と悔しがった。
在任中は “5つの無料化” をはじめ、子育て政策に尽力した泉氏。現在、政府では少子化対策の財源確保に社会保険料の上乗せが検討されているが「最近の報道で国民負担率(国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担割合)が47.5%と言われていますが、すでに他の国と同じように負担しているのに、お金がないというのは政治家や官僚の言い訳。他の国はそのお金で十分やっているんだから、日本だけできないわけがない」とバッサリ。
「お金が必要だからといって、地下室でお金を刷ったら捕まりますやん(笑)。明石市だってやりくりだけで子ども予算を倍以上に増やすことができるわけですから、地方自治体にできて国ができないわけがない。明石市の子育て政策は全国に波及していて、一気に流れができてきています。地方がやれているんだから、早く国のほうでも全国一律でやりはったらという思い」