納得の大胆アレンジ!三谷幸喜の傑作“ザ・マジックアワー”を見事にアレンジした中国映画『トゥ・クール・トゥ・キル~殺せない殺し屋~』【黒田勇樹のハイパーメディア映画鑑賞記】
こんにちは。黒田勇樹です。
三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.14「この暗闇を超えて温泉に行こう!GOLD」が6月25日に無事、千秋楽を迎えることができました。すべての皆様に感謝です。
今回は作・演出に出演、そして「J-BOTケロ太」のほうの監督としても頭を使わねばならない時もあり、かつてないほど過酷な期間だったのですが何とか乗り切りました。またひとつ成長させていただきました。改めてありがとうございました。
さて、今週も始めましょう。
まず、三谷幸喜監督って、あまり自分の脚本を他人に渡したがらないというか「あてがき(俳優さんに合わせて役を作る)だから、自分で演出しないとわからない台本」みたいな事を仰っていて、これも傑作「笑の大学」の落語化を許可する時も「大学の先輩だったから」なんて逸話を聞いたことがあります。
そんな三谷作品が、中国で映画化!? しかも筆者の中では、かなり上位に食い込む傑作『ザ・マジックアワー』!!
どんな密約が交わされて実現したんだろうと思ったのですが、見たら納得。単純に、面白かった!
かなり設定が変わっていて、どう説明したらいいだろうな。
「デスノートの“ノートのルール”だけ、持ち込んだ」ぐらいの大胆なアレンジ。
でも、しっかりと原作オマージュはしていて、佐藤浩市さんがやっていた主演を、次長課長の河本さんみたいな面白丸顔の俳優さんがやっているんですが、あの、ナイフのシーンとかはこれでもかというぐらいコッテリやってくれています。
セットとかもかなりテイストを寄せていたし、後半の画の撮り方はかなりリスペクトを感じました。
どちらを否定するわけでもありませんが、三谷作品て、上品な印象があるじゃないですか?
それを中国チームがいい感じにブっ壊してくれていて、エロやバイオレンスの描写も存分に、描かれていたのが、いい意味で”ラフプレー”であり「そうそう!中国の映画はこうじゃなくっちゃ!」と、楽しめました。
主人公が映画好きの俳優で、後半に、とあるミュージカル映画のオマージュをする場面があるのですが、日本映画が原作で、中国で撮られた映画に、アメリカ映画の名場面が出てくる。
「文化で、世界は平和になる」と、頑なに唱えている筆者としては、涙がちょちょぎれる場面でした。
間もなく公開なので、是非、皆様劇場でご覧下さい!
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1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。
公式サイト:黒田運送(株)
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