都医師会・尾﨑会長「医療機関にマスク、高齢者や基礎疾患ある方はワクチン接種」お願い
東京都医師会は11日、都内で新型コロナウイルスの現在の感染状況について定例記者会見を行った。
尾﨑治夫会長は「5類移行後もまだまだ新型コロナウイルス感染症は続いている」としたうえで、現在の感染状況について「定点観測ですが、新規感染者数は5類移行前に比べて約4~5倍、増加比は約1.1倍。約4週間後に約1.5倍になると予想され、入院患者数や東京ルールの適用件数を見ても新型コロナで医療がひっ迫している状況ということはあまりない」と報告した。
「ただし、この猛暑で熱中症などが加わっており、昨日は救急車の出動台数が3000台以上が出ているという意味でひっ迫している。また、小児科で新型コロナ以外の感染症が増えていて、外来が大変だということは聞いている」と言及。
改めて「5類に移行したことで “新型コロナは普通の風邪なんじゃないの” という解釈が若い方を中心に増えていて、外来や医療機関にくる時にマスクを外している方が非常に増えている。診療科によっては8割くらいの人がマスクをしていないクリニックがあるとも聞いている」といい、「今、どんな医療機関でも基礎疾患を抱えている高齢者の方がたくさんいらっしゃる。ぜひ診療科に関わらず医療機関を受診する、あるいは高齢者施設に行く時は、着実に感染者が増えているのでもう一度しっかりマスクの着用をお願いしたい」と呼びかけた。
さらに、高齢者や基礎疾患のある人に向け「最近、静岡県内で入院した中等症II以上の高齢者を調べ、ワクチン接種回数が0~3回の方が多いという結果が出た。今、高齢者や基礎疾患のある方を対象にワクチン接種を行っているので、まだワクチン接種を済ませてない方はぜひこの機会に接種してもらいたい」と注意喚起。
今後、感染拡大させないために「以前のように隔離などは必要ないわけですけど、ご自分で今日は体調が悪いな、ちょっと熱っぽいなという時には自主的に仕事や学校を休むなどしていただきたい。医師会が経済社会活動をどうしろということは、私は一切言うつもりはありませんし言う資格もありませんが、一人ひとりが気をつけながら経済社会活動を回していくことがこれから大事になってくると思う。猛暑なので冷房をかけて部屋を締め切っていることが多いと思うが、その中でも定期的に換気をしていただくことも大事」などと説明した。
また、都医師会の新役員について発表。6月18日に行われた定時代議員会で新役員が選出され、会長は現職の尾﨑治夫会長が5期目を務める。副会長は猪口正孝氏と角田徹氏が退任し、蓮沼剛副会長、土谷明男副会長が新たに就任。新しく増田幹生理事、小平祐造理事、荘司輝昭理事の3名の理事が選出された。