黒柳徹子が「今は仮名をふっていないので小さい子が本を読めなくなった」と読み仮名の復活を要望
「続 窓ぎわのトットちゃん」発売記念会見
俳優、司会者、エッセイストとさまざまな分野で活躍する黒柳徹子が10月3日、都内で「『続 窓ぎわのトットちゃん』発売記念会見」に出席した。同書は1981年に刊行し国内で800万部、全世界で2500万部を売り上げた大ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』の続編。
前作では小学1年生で最初に通っていた学校を退学になった黒柳を受け入れた「トモエ学園」のこと、黒柳にとって救いの存在となった小林宗作校長先生のこと、そしてたくさんのユニークな個性を持った友人たちとの交流といったさまざまなエピソードが描かれ、最後は戦争が始まり満員の疎開列車の中で眠りにつく場面で終わった。今回はそこから先のお話を描いている。
42年の月日を経ての続編ということで、初めて「トットちゃん」に接する子供たちに黒柳は「本を好きになってもらいたい。最近の子供たちはテレビを見ちゃうから、どうしてもああいう動くものを見たがって、なかなか本を読まないと聞きますが、私が子供のころは本しかなかったので本を読みまくった。それで本って本当に面白いとつくづく感じていました。ですから子供たちにも本は面白いということを感じてもらいたくて、トットちゃんを書いたわけなんですが、どうですかね」と読書の魅力を語ったうえで「昔の本は全部“仮名”をふっていた。今は仮名をふっていないので小さい子が読めなくなった。昔は志賀直哉の『暗夜行路』に“あんやこうろ”って仮名がふっていた。だからなんでも読めたんですが、そこが残念。もうちょっと仮名をふればいいのになと思います。そうすれば子供はどんな本でも読める。どんな本でも読めると、子供って面白くてたくさん読むようになると思うので、ぜひ仮名をふることを戻していただきたいと、この際お願いしたいと思うんですけど」と出版界に読み仮名の復活を要望。
そして「本をたくさん読んだことによって知的になったかどうかは分かりませんが、いろいろな想像力が増幅されるというか、自分の知らない世界だったり、感じたことのない感覚だったりを教えてくれる。今でも寝る前に本を読むんですが、読むたびに、本はいいなと思っています。どんなつまらないような本でも読んでみると面白いことが多く、大げさですが、そこからいろいろなことを学んでるんだなと思います」と今も変わらぬ読書ライフを続けていることを明かし、読書を勧めた。