人間は、愚かでワガママで美しい『パスト ライブス/再会』は、究極の恋愛映画だった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
僕が司会とかいろいろやってる、三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.∞
「四谷三丁目diary〜オフレコなしの無修正コメンタリー2024〜」がいよいよ今週末までとなっております。
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どうしようかと迷っている、そこの貴方、ぜひお越しください。
では今週も始めましょう。
来月公開の韓国発の恋愛映画『パスト ライブス/再会』を、ひと足お先に鑑賞させて頂きました。
めっちゃ良かった!
筆者の偏見ですが、韓流の恋愛モノは「大財閥の娘と貧民の男」みたいな組み合わせとか、どっちかが交通事故にあったりとか、声を張ってエモーショナルな会話シーンが続くイメージだったのですが、この映画はひたすら静か。セリフ選びも強い言葉は使わず、日常に散らばっている言葉の組み合わせ。なのに、主人公たちに感情移入して観ると、めちゃめちゃドラマチック。いい意味で、頭掻きむしりそうになりました。
この作品は幼い頃の初恋の相手が、アメリカに移住して離ればなれになり、ネット上で十数年ぶりにお互いを探し当てて繋がって、もう、観ててずっとモヤモヤする恋愛ドラマが繰り返されて、そこからまた十数年経って現実で再会するまでが描かれているんですが、これをエモいと言わないでなにをエモいというのかっていうぐらい「人間ってそうだよね」とか「恋愛ってそういうとこあるよね」みたいな、場面が続いていきます。
ちょっとマニアックな話になりますが、モブとかエキストラと呼ばれる「名前もセリフもない役」の人たちのキャスティングと配置が素晴らしいので2回目観るときはここに注目していただきたい。
報われない恋をしている場面で、周りにいる人が全員カップルだったり、あり得ない将来の話をしているときに家族連れとすれ違ったり、物凄く芸が細かい。
作中で、筆者の大好きな恋愛映画、ミシェル・ゴンドリー監督の『エターナル・サンシャイン』に一瞬だけ触れる場面があるんですが、結構こういう“引用”って、作り手のメッセージが強く出ていることが多くて「そうそうそう!」って、頭掻きむしりそうになりました(2回目)。
今、辛い恋をしている人も、素敵な恋愛をしている人も、なんもしてない人も、必ず感動できる傑作なので、ぜひ皆様御覧下さい!
映画『パスト ライブス/再会』4月5日(金)全国公開
監督/脚本:セリーヌ・ソン 出演:グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ 提供:ハピネットファントム・スタジオ、KDDI 配給:ハピネットファントム・スタジオ
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1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。
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