Crystal Kay ドラマ主題歌大ヒットに葛藤した時期も…デビュー25年、38歳の今「歌うことを心から楽しめる」
1999年のデビュー曲「Eternal Memories」が清涼飲料水のコマーシャルソングとなり、13歳という若さに見合わぬ圧巻の歌唱力が大きな話題に。以降、R&Bのソウルと国際的なバックボーン、圧倒的な歌声を持つアーティストとして、日本の音楽界で唯一無二の存在感を放ってきたCrystal Kay 。そんな彼女が、今年デビュー25周年を迎える。「四半世紀ってあっという間ですね(笑)」と照れ笑いするCrystal Kayに今の思いを聞いた。
13歳で衝撃デビュー、学業と歌手活動を両立させた青春時代
「デビュー10周年や15周年のときは“長かったな…”と思っていたんですけど、なぜか25周年となると、あっという間だったなという感覚です。でもデビュー30周年のときもまだ43歳なんだと思うと、これからがますます楽しみです(笑)」
茶目っ気たっぷりに笑いつつ、あふれ出るのはやはりファンへの感謝の気持ち。
「今もこうやって歌わせてもらえる場所があり、聞いてくれる人がいるというのは本当にありがたいことだと思っています。今年は25周年の節目の年でもあるけど、改めて“ありがとう”を伝える機会でもあると思うので、いろんなところで歌って思いっきり、感謝を届けたい。日々、そんな思いを胸にステージに立っています」
13歳でデビューしてからも学業を怠ることなく、アメリカンスクールから上智大学へ。大学を卒業するまで学生生活と歌手活動を両立させてきた。
「学生時代はとにかく体力的にしんどかったです。寝る間もないようなときもありましたけど、宿題や課題もちゃんとやって、きちんと卒業しましたから自分でもよくやったなと思います(笑)。本当にきつかったけど毎日が楽しかった。メンタルが強いのか(笑)、そういうプレッシャーを乗り越えたりチャレンジすることが好きなんです。あんな10代を過ごせることもなかなか無いと思うと、本当に貴重な経験を積むことができたと思います」
ドラマ主題歌でファン層を広げるも…「ポップスの歌い方が分からなくなった」
早くからプロのアーティストとして活動を始めただけに、自身の方向性や音楽性について葛藤を抱えた時期もあるという。2005年、草彅剛主演のドラマ『恋におちたら〜僕の成功の秘密』の主題歌となった『恋におちたら』が大ヒット。新たなファン層を広げたが…。
「ドラマのおかげでたくさんの方に『恋におちたら』を知っていただいたのですが、実はあの曲は自分がそれまでやってきたR&Bサウンドとは異なり、J-POPテイストの曲だったので、これが私のサウンドだと言っていいのかと悩んだりもしたんです。『恋におちたら』で初めて私を知ってくれた方にとってはこの曲がCrystal Kayのイメージになりますし、ヒットしたことでレーベルからも同じテイストのサウンドを求められるようにもなって、ありがたい反面、実は葛藤や戸惑いもあったんです。一時期は、ポップスってどうやって歌えばいいのか分からなくなってしまい、まるで一人で戦っているような気持ちになったこともありました。いろいろな人がアドバイスをくれるけど、欲しいのはガイダンスなんですよね。でも結局、アーティストとしてどうするかは自分自身で切り開いていかないといけないもの。そう思うとアーティストってけっこう孤独なものかもしれません。ただ幸いにも、私の母も歌手だったので、よく話を聞いてもらっていて。一番近くにこんな頼もしい存在がいたのはとても幸運だったと思います。そんな葛藤を抱えていた時期もありましたけど、結果的にアーティストとしての幅も広がり、求められるサウンドと自分がやりたいサウンドのバランスを取りながら成長してこれたんじゃないかなと思っています」
迷いや葛藤も乗り越えて、家族やファンに背中を押されながら歌を愛し続けてきた。気づけば「けっこう緊張するタイプだったのが、今では歌っている間は自分をすべて捧げて楽しむことができるようになりました。だから今、ライブでも皆さんが楽しそうにしている姿がよく見えて私も本当に楽しいんです。長い時間かかりましたけど(笑)」