タイトルで心を鷲掴まれた2分半弱の短編映画『餃子の暴動』! 今年もSSFFが始まる!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 今週のコラムは配信日時の都合で1日ずらしての公開になります。そうなんです。「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」の季節なんです。

 そして私事ですが、この23日で42歳になりました。いや、誕生プレゼントとかは結構ですから! 本当に結構ですから。

 それでは今週も始めましょう。

U-25 プロジェクト出品作『餃子の暴動』監督・田邊 悠斗(© 2024 Short Shorts Film Festival & Asia.)『SSFF & ASIA 2024』リアル会場:6月4日(火)~6月17日(月)/オンライン会場:4月25日(木)~6月30日(日) https://www.shortshorts.org/2024/

 餃子が暴動を起こす!? 蟹とか海老とか、チキンとかならまだわかるけど、餃子って!
 毎年開催されているショートフィルムの祭典「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024」、事前にいくつか作品を観させていただいたのですが、まず目を引いた作品がこの『餃子の暴動』。
タイトルの時点で、イカれてる。

 餃子に暴れられたら、手を付けられないじゃないですか…。
 熱いし、臭いし、汁出るし…栄養のバランスも良いし…。
 観てみると、ストップモーションアニメで作られている作品で、餃子が…多分一人暮らしであろう主人公(?)…いや、主人公は餃子なのか…?とにかく
 焼いて食べようとする男に、反乱を起こすというストーリー。

 サンリオのキャラクターのようなポップなデザインで描かれる餃子の愛おしい表情と「結果、食べられるんだろうな」という既定路線(さて、どうなるかは、観るまでお楽しみ)。

 上手いこと言うようで恥ずかしいですが、餃子のように「短編であることの面白さ」が、ギュッと詰まっている作品でした。
“工夫”“技術”“おかしみ”“かなしみ”全部をこの時間で表現したことは、本当にすごい。

 夏目漱石か誰かが「短い手紙ほど、書くのが難しい」といっていた通り“短編”を、創ることは、けっして楽な作業ではなく“洗練”が、必要な作業で、新しい才能たちの、そういう珠玉の作品が会場でも配信でも沢山観れる「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024」、注目です!

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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