三田佳子、90歳の老婦人役「私、若すぎないかな」と背筋や声の高さもこだわり
公開中の映画『湖の女たち』の舞台挨拶が18日、都内にて行われ、W主演を務めた福士蒼汰、松本まりか、共演の三田佳子、浅野忠信と大森立嗣監督が登壇。三田が90歳の老婦人役を振り返った。
吉田修一の傑作同名小説を『さよなら渓谷』でもタッグを組んだ大森立嗣監督・脚本で映画化した衝撃のヒューマン・ミステリー。
刑事と容疑者でありながら、インモラルな関係に堕ちていくというどころを体当たりで演じた福士と松本が、難しい芝居を振り返りつつ、懸命に言葉を探しながら本作への特別な思いを語ると、ベテラン・三田佳子も「突然、真ん中に出て来てすべてを表現して消えていかないといけない。難しい役をよく言ってきてくれました(笑)」と大森監督を苦笑させつつ「役者冥利に尽きる役」。
大森監督からも「戦争の負の部分を戦後も一人で背負い続けてきた女性。1シーンでそれを表現しないといけない難しい役だった」と言われると三田は「分かってたのね、監督(笑)」。
本作では90歳の老婦人という役どころを演じた三田に、大森監督は「こんなにおきれいなのにすみませんでした(笑)。それを気にしていただいて“私、若すぎないかな、姿勢が…とか、声が高かったかなとか」と振り返ると、三田も「原作の中では、すっと背が伸びている老婦人とあるんですが、そう表現するとダメなんですね」と姿勢や声の高さにもこだわったことを明かし「この作品をやれて、もう一度ご一緒できればと思っています、生きていれば(笑)」と監督との再タッグを希望。
松本が役どころへの思いを語りながら涙をあふれさせると、三田は「そういうのうらやましいですね。私もそういうのを何度も通り越してきて…今も思いはあふれているんですけど…もっと出たかった」と笑いをさそいつつ「日本映画って、こういう作品はめったに撮れない。ぜひ広めていただければ」と胸を張っていた。