ヒーローのその後を描いたR15+の短編映画『ひどくくすんだ赤』がひどくカッコよかった件【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
12月の舞台に向けて脚本の執筆に励む毎日だったのですが、思いのほか調子が良く4日と5日のオーディションまであまり仕事が進められないというまさかの状況になっておりまして、note職人として粛々と文章を書く毎日となっております。
お暇な人は読んでね。
では今週も始めましょう。
特撮ヒーロー、もはや日本が生んだ“文化”と呼んで、過言ではないこのジャンル。
メジャーになるにつれ、パロディやオマージュ、アナザーストーリーなどが量産されましたが、ここまで痺れる作品は初めて観た気がします。
ストーリーは「レッドが58才になった世界」、短編なのでこれ以上は詳しく説明しませんが、タイトルをよく読んで頂ければわかっていただけるかと思います。
『ひどくくすんだ赤』
なんか陳腐になりそうなので、この喩えを使うのはためらうのですが、我慢できませんでした。
間違いなく日本版ジョーカー! ぶっちゃけ、文化圏が近い分、ジョーカーよりシビレたかもしれません。
スタンダップコメディと特撮というジャンルの国民的な理解度とでも言うのでしょうかね。
そういう「身近なものの内面と闇や影を描いている」という類似だと思います。
で、こっからなのですが“ダサくない”んですよね。
ヒーロー物のパロディーやオマージュって、皮肉は面白いけど、なんかダサい事が多くて、その原因が予算が原因であろう、衣装だったりアクションだったりの陳腐さなんではないかと考察します。もちろん、それ自体を「ネタ」として、撮った作品はいいのですが、大半が「お金なかったんだろうなぁ」と思わざるを得ない。
この映画には、一切それがない。
人間ドラマと特撮のリンクの仕方がハンパない。
アクションがめちゃくちゃカッコいい!
交通事故とか、子供たちのアクションシーンとか「どうやって撮ったの!?」の連続でした。
そして、季節感。長い年月の話なので色々な季節が描写されるのですが、これって実はすごく大変なことで、春なら桜の咲いている時期にしか撮影できなくて、そこに俳優さんのスケジュールを合わせなきゃいけない。髪型を変えてもらっても困る。
なんか、そういう繊細な努力や工夫が画面から溢れ出していて、作る側の立場から見ると「俺は、まだまだ修行が足りねぇな」と、胸に手を当て猛省しました。
まだまだ、映画祭などでの上映があるそうなので、是非公式サイトから確認して、観に行って下さい! 絶対面白いから!