ファンタジー“で、あって欲しい”韓国発の政治サスペンス『対外秘』がエグかった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
12月3日から始まる三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.17「いつの日か、また会おう!」の稽古がそろそろ始まるので、来年2月の公演の台本を書き始めています。
この12月の舞台が15日までで、ひと息ついたら2月の公演。年末年始はお芝居漬けの素晴らしい日々になりそうで、今からぶるぶるしてます。
どちらも良かったらぜひ見に来てください。
では今週も始めましょう。
昨今、世界各国で政治の話題が繰り広げられて注目を集めている中、「こんなにエグく描いていいの!?」という、
「にんにくマシマシ」みたいな政治サスペンス映画が、誕生しました。
政治家を主役に置いて、反社会的組織、資産家、マスコミ、政界の黒幕などが入り乱れ、ドロドロの立身出世劇が行われます。
本当に、エグい。
「政治をする人って“社会を良くしたい人”なんじゃないの?」と、泣きそうになりました。
でも、最後の方には”正義”と”残酷”が、共存する、背中が痺れるようなシーンもあって、本当に面白かった。
真に受けると、人間も政治も信じられなくなること、間違いなしです。
映画はフィクションですから! フィクションであってくれ!
韓国らしい、デフォルメたっぷりのケレン味(ごまかしやハッタリを利かせ、俗受けを狙った演出や見た目本位の奇抜さをねらった演出のこと)がある作品だったのですが、そこに妙な真実味があり「モデルになった事件でもあったのだろうか」「取材してゼロから作ったんだったら、監督、頭おかしいな」と、思える傑作でした。
それぞれの信念がきちんと描かれているうえで、誰も正しくなくて“正しい”。
なに言ってるかわかんないと思いますが、映画を観たらわかってもらえると思います。
結局1本しっかり観ないと映画の抱えているメッセージなんて伝わんないんですよね。
ヤ◯ザが、一番かっこよくて悲しいのも、制作側のやり口がズルい。
汚い大人しか出てこないはずなのに、観終わったあと、なぜか爽快感すら感じる不思議な作品でした。
これから、映画祭などで展開したあとに、年末には劇場公開されるらしいので、皆様、是非ご注目下さい!