愛、それはじゃがいも。開墾を巡る濃厚な人間ドラマを描いた映画『愛を耕すひと』を、観た!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
ガッツリ俳優をやらせていただいた四宮由佳プロデュース「どらきゅらぁズ」が26日に無事に終わりました。と思ったら次はこちら、三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.18「LALALA羅生門/ドララ羅生えもん」です。
2月11日初日ってもうすぐじゃん。こちらもご興味のある方はぜひ。
では今週も始めましょう。
史実を基に描かれた、18世紀のデンマークで起こる開拓を巡る物語り。
18世紀というと産業革命だったり、日本なら西郷さんの西南戦争だったり「とにかく人間が増えて、これからどうするんじゃい」と、いう時代。
そんな中で「荒れ果てた大地を開墾して、貴族の地位を得よう」と、尽力した1人の男が主役です。
「土地を耕して、じゃがいもが育てられればクリア」と、いう、現代人から見ると非常にイージーなミッションなのですが、映画になるほどの物語ですし、そうは行きません。
人間の歴史は、いつでも土地の奪い合いですが、この作品では火薬や核ではなく“芋”で、土地を手に入れようとします。
きっと、どこの文明でもこういうところから社会が始まっていったんだろうなと、思わずにいられません。
地質や天候との戦いは勿論、人間同士の、地位や名誉、政治、宗教、人種差別など様々な要素が絡み合っていきます。暴力、買収、暗殺、毒殺、セックス、なんでもありの場外乱闘が繰り広げられていく中で「やっとじゃがいもが出来る日」が、来るんですよ!
「オデッセイ」を、観たとき以来、10年ぶりに「じゃがいもへの感謝」を、思い出しました。
見どころは、そういう大局的な物語の中で形成されていく「小さくて歪な家族」のストーリーでしょうか。芋の先に家族がいて、その先に“愛”が、あるんです。
土、芋、家族、そして愛。このグラデーションがとてもきれいに描かれています。
映像もとても綺麗で、これは筆者が映画を見るうえで重視しているところなんですが「きちんと、お金持ちがお金持ちに見える」
上流階級の人間が関わる、建物や調度品がしっかり美しく描かれることで「土の物語り」に、説得力を持たせていました。
失いかけている、愛を耕したい人は、是非劇場へ駆け込んで下さい。