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聴けば体が動きだす!「ぜいたく」在日ファンク

2015.05.23 Vol.643

 こんなに『ぜいたく』なCDシングルがこれまでにあっただろうか。シングルなのに収録時間は60分強。それなのに収録曲は3曲。こんなことは在日ファンク以外にはおおよそできないだろう。楽曲はもちろん、やることがファンキーだ。タイトルトラック『ぜいたく』は、“ぜいたく”にホーンサウンドを使った豪華な楽曲。どれだけ叫ぶのだろうと思わずにはいられないほど『ぜいたく』という言葉が登場。聞くうちにこのフレーズが口から飛び出す魔性の楽曲だ。

 カップリングは、人気アニメ『おじゃる丸』のエンディングテーマとしておなじみの楽曲。呪文を唱えているようにも聞こえるこの曲は脳内リピート確実な楽曲だ。問題の3曲目だが、ツアーのライブ音源からメンバー監修のもとベストテイク集をパッケージしたもの。

聴けば体が動きだす!「 Bush」SNOOP DOGG

2015.05.23 Vol.643

 ヒップホップシーンの最重要人物の1人でありながら、そのポジジョンに固執することなくジャンルや年代といった枠をひょいっと飛び越え、おもしろい才能とタッグを組む軽やかさも持っているスヌープ・ドッグの最新作。『HAPPY』で世界を躍らせたファレル・ウィリアムスがソングライティングに関わり、さらに5曲でバックヴォーカルで参加。スヌープは本作を「最初から最後まで、俺とファレルで作った」と話している。

 全体的にディスコやハッピーなソウル、ファレルが自身の作品でも聴かせた“レトロだけれど新しい”という感覚がスヌープの新たな魅力を引き出しているように思える。ファレルの他、スティーヴィー・ワンダー、チャーリー・ウィルソン、T.I.、グウェン・ステファニー、ケンドリック・ラマー&リック・ロスと参加アーティストも豪華だ。

共鳴する音楽。「 SMOKE+MIRRORS 」IMAGINE DRAGONS

2015.05.10 Vol.642

 米ラスベガスから世界へ飛び出し、新たなオルタナティブロックの顔として認識されるようになって久しい、イマジン・ドラゴンズ。グラミーアーティストでもある彼らが最新アルバムをここ日本でもついに発表。本作には、映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』の主題歌となった『Battle Cry』、『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)のエンディングテーマ曲にもなっている、壮大なスケールの『アイ・ベッド・マイ・ライフ〜僕の人生をかけて』など日本盤のみに収録されるボーナストラックを含む全21曲を収録した。バンドは、人気夏フェスのサマーソニックへの出演が決まっている。

共鳴する音楽。 舞台「麦ふみクーツェ」オリジナルサウンドトラック集 トクマルシューゴ指揮 麦ふみクーツェ楽団

2015.05.10 Vol.642

 東京と大阪で上演され話題を集めた音楽劇『麦ふみクーツェ』のサウンドトラック。同作で音楽監督を務めたトクマルシューゴの最新作という側面もあって注目の作品だ。町民による吹奏楽団を軸に展開する舞台、本作も吹奏楽的な要素は強い。が、日用品を吹奏楽器に加工して演奏されていたり、熊谷和徳のタップダンスが収録されている曲ありと、一筋縄でないのはトクマルならでは。さまざまな分野の才能が集結し完成した作品は、舞台を見ていなくてもその魅力が伝わってくる豊かな内容。舞台を見た人ならその何倍も楽しめるだろう。

共鳴する音楽。「Why Make Sense?(Deluxe Edition)」Hot Chip

2015.05.10 Vol.642

 英ロンドンを拠点に活動するエレクトロポップバンドの最新作。デビュー以来、ソウルやR&B、ディスコなどさまざまなジャンルを取り込んだ独自の作品で国内外から高い評価を集める彼らだが、本作はその評価をさらに高く押し上げるものになりそう。収録曲の『Need You Now』では米R&BボーカルトリオのSinnamonsのソウルフルなアカペラをサンプリング。ドラマティックで少し切なさも漂うエレクトロポップソングに仕上げた。1曲目『Huarache Lights』は遊び心のある浮遊感のあるサウンドが心地よい曲。タイトルはNIKEのスニーカーに由来? レイドバッグした『Burning Up』など全10曲を収録している。

共鳴する音楽。「愛の点滅」クリープハイプ

2015.05.10 Vol.642

 突き刺さる歌詞とボーカル尾崎世界観のハイトーンボイス、そして独特な世界観を成立させるメロディーやアレンジメント……。今最も話題を集めるロックバンドのクリープハイプがファンはもちろん、そうではなかった人も夢中にさせてしまう理由だ。2015年最初のシングルとなる本作もまた、多くの人を魅了しそうだ。タイトル曲は、真木よう子主演の映画『脳内ポイズンベリー』の主題歌として書き下ろしたもの。尾崎は「頭の中で考えた事を相手に伝えるまでの迷い、不安、期待をしっかり描きたいと思って制作していく中で、登場人物の気持ちの移り変わりを信号に例えました」と話している。

共鳴する音楽。「共鳴」チャットモンチー

2015.05.10 Vol.642

 サポートメンバーを加えた4人の新体制でチャットモンチーが最新アルバムを完成させた。これまでの作品を振り返ってみると常に良い意味で自由な雰囲気を漂わせてきたバンドだが、本作からはこれまでの自由さとはまた違ったベクトルでの自由、バンドが変幻自在であること、自由自在な存在であるという印象を受ける。収録された12曲は、曲ごとに体制が異なる。男陣(恒岡章、下村亮介)、乙女団(世武裕子、北野愛子)それぞれとの4ピース、橋本・福岡と恒岡の3ピース、そして橋本・福岡の2ピースと4つの体制があり、当たり前のことだが体制ごとに曲のカラーや雰囲気が変わっている。そしてそれぞれが『共鳴』しあってこのアルバムが成立している。ロックな楽曲はもちろんだが、アイドルを思わせる楽曲、琴線を震わすメロディックなナンバーと自由に変化するチャットモンチーが聞ける。作家の西加奈子が作詞した『例えば、』も収録している。

浸みるグルーブと浸みるメロディー「DJ KAORI’S BEST POP HITS 」V.A.

2015.04.26 Vol.641

 プレイボタンを押した瞬間に気分が上がる人気ミックスCDシリーズの最新盤がリリース。春のポカポカ気分や新学期や新しい生活などのスタートを後押ししてくれる。最強ミックスと銘打たれた本作には、グラミー賞受賞曲、ビルボードヒッツ、世界中のフロアを加熱させているクラブチューンが満載。テイラー・スウィフト『Shake It Off』、ファレル・ウィリアムスの『Happy』、アリアナ・グランデの『Break Free feat.Zedd』といったおなじみの名前と楽曲が並ぶ。さらにアヴィーチー『The Days(Henrik B Remix)』、デヴィッド・ゲッタ『Lovers On The Sun feat.Sam Martin』などなど、全28曲が収録されている。冒頭からエンディングまで熱を帯びている作品。気分をあげたい、場を盛り上げたいときにはぴったりだ。

浸みるグルーブと浸みるメロディー「Mission」Kyoto Jazz Sextet

2015.04.26 Vol.641

 DJ・音楽プロデューサーユニットとして国境や文化を超えて活躍するKyoto Jazzz Massive。結成20周年を迎えた彼らが新たにスタートさせた新ユニットがこのKyoto Jazz Sextetだ。1960年代のブルーノートの新主流派であったモード・ジャズをベースに、ジャズの現在を表現することをコンセプトにしているという。メンバーは、クオジモードの平戸祐介、DCPRGなどの類家心平などといった名だたる面々によって構成されている。アルバムではブルーノートレーベルの有名無名の楽曲から7曲、Kyoto Jazz Massiveの1楽曲を加えた8曲。菊地成孔が参加したウェイン・ショーター『Speack no evil』、西岡ヒデローが参加したフレディ・ハバート『The Melting Pot』などジャズの魅力を堪能できる楽曲ばかり。格好良さにしびれる。

浸みるグルーブと浸みるメロディー「Sound & Color」Alabama Shakes

2015.04.26 Vol.641

 注目度上昇中の米アラバマ州アセンズ出身の4人組、アラバマシェイクスが最新アルバムを完成させた。世界で絶賛されたデビュー作『ボーイズ&ガールズ』に続き、今作でもまた多大な支持を集めることになりそう。セッションミュージシャンでありシンガーソングライターとしても知られるブレイク・ミルズを共同プロデューサーに迎えて制作した本作は、ギターリフやリズムセクションはファンキーかつグルーヴィー。紅一点のボーカル、ブリタニーのソウルフルな歌唱もさらに磨きがかけられた。すでにミュージックビデオが公開中の『Future People』を始め、『Don’t Wanna Fight』、『Gimme All Your Lo
ve』などを収録。リズム、リフ、声といった要素が聞くほどに浸みこみ、体にまとわりついてくる。

浸みるグルーブと浸みるメロディー「The Magic Whip」Blur

2015.04.26 Vol.641

 90年代にブリットポップの狂乱のなかで軸として存在。それが静かに終焉を迎えるもジャンルに捕らわれずに独自の音楽を追求し存在感を示し続けてきた英ロックバンドのブラー。メンバーの離脱や復帰、それぞれのメンバーが個人のプロジェクトに集中するなどいろいろな時期を経て、ついにオリジナルの4人編成で最新アルバムを完成。前作から約12年ぶり、4人編成では16年ぶり。本作は2013年のツアー中、5日間の休日に香港・九龍のスタジオでレコーディングされたものを元に、ブラーの作品を手掛けてきたプロデューサーのスティーヴン・ストリートと一緒に取り組んだ。メンバーが同じ方向を向いて作り上げられた本作には、ちょっとしさ寂しさや孤独、“ふざけ感”や“照れ隠し感”がちらほら。力強いギターサウンドも心を震わせる。

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