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今、ココロを揺さぶるのは女性たちが作る音。『レベル・ハート』マドンナ

2015.03.07 Vol.638

 全音楽シーンのトップに立ち、サウンドの先進性はもちろん、音楽を見せるというスタンスにおいても、クイーン・オブ・ポップとして常に最前線にいて、リスペクトを集め続けるマドンナ。本作は、前作から約3年ぶりとなるオリジナルアルバムだ。

 収録曲には、何があろうと愛のために生きていると連呼するリードシングル『Living For Love』の他、ハイファッションブランドやガガまで固有名詞が次々飛び出す『Illuminati』など、良い意味で攻撃的。作品やパフォーマンスを通じてメッセージを投げかけ続けるマドンナならではの作品といえる。タイトルが示すように、反骨精神にあふれている。

今、ココロを揺さぶるのは女性たちが作る音。『上京証拠』ハナエ

2015.03.07 Vol.638

 ドリーミーでファンタジックな世界を音楽で描き出す、ハナエの最新アルバム。本作も引き続きポップマエストロ真部脩一とタッグを組んで、ハナエワールドを作り出す。『神様の神様』『おとといおいで』といったアニメ『神様はじめました◎』でおなじみの楽曲を始め、和テイスト、アーバンな雰囲気、宇宙遊泳しているかのようなキラキラ感あふれる楽曲など、収録曲はそれぞれ特徴があるが、どの曲も聴いたら脳内でループし続けるような曲で、中毒性が高い。また、『S-T-A-R-S』で初挑戦したラップも聴きどころ。

今、ココロを揺さぶるのは女性たちが作る音。『Secret Garden』Chara

2015.03.07 Vol.638

 味わいと温もりのある独特な歌唱方法でリスナーを包み込む、Chara。約2年半ぶりとなるフルアルバムでもまた、夢見心地でおとぎ話のようでありながらもリアルな楽曲の数々で魅了する。タイトルは女性の子宮をイメージするものだといい、アルバム全体から女性の持つ優しさや強さ、包容力といったものが伝わってくる。収録された11曲すべてを彼女が作詞作曲。サウンドプロデュースも自ら行っており、フォークトロニカ的なものから、アーバンなフレーバーを感じるもの、ポップ、オルタナティヴと彼女の音楽の奥深さを感じられずにはいられない内容で身震いさせられる。とても豊かなアルバムだ。

 韻シストのメンバー、agraph、THE NOVEMBERSなど参加アーティストも違いを知るメンバーばかりだ。

家入レオ 20代最初のオリジナルフルアルバム『20』 25日リリース!

2015.02.22 Vol.637

 本人が「大きな意味を持つ」と言う本作は、10代から20代へ「成人」という外からの圧力によって変化せざるを得ないという時期にあって、誰もが経験する感情に寄りそう作品だ。不安に満ちた気持ちを包み込む曲、さまざまな葛藤、そしてその先にある未来。家入の今が反映された作品になっている。先行シングル『miss you』を始め、『Silly』、そしてインタビュー中にも登場した『純情』などを含む、全12曲を収録。初回盤のDVDには、『miss you』のミュージックビデオ(アナザーバージョン)のほか、シングルとアルバムのメイキングムービー、さらには昨年12月13日に新木場STUDIO COASTで行われたライブからの映像(5曲)が収録されている。

音楽で旅をする「Chasing Yesterday」NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS

2015.02.22 Vol.637

 元オアシスという紹介がもはや必要なくなったノエル・ギャラガー。彼のソロプロジェクトであるノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズの最新作。初めてのセルフプロデュース作品となる本作はノエル曰く「すごくブリティッシュで、エッジがある」。その言葉の前半からオアシスの香りを想像したならこのアルバムはいい意味での裏切り。ロックという音楽の豊かさや懐ろの深さを感じさせ、サックスのソロまで飛び出して、いわゆる「ノエル」という枠や型からはみ出している。ノエルがまだまだ高く飛び続けることを宣言するアルバムと言えそうだ。

音楽で旅をする「SNOWTOWN」FOLKS

2015.02.22 Vol.637

 いま最も注目を集めるロックバンドのひとつ、FOLKSがセカンドミニアルバムを完成させた。本作は、北海道の冬をテーマにしていて、真っ白な世界やキラキラした空気感などがリリックとサウンドの両面から伝わってくる。バンドが北海道の恵庭市出身で、今もなおそこを拠点に音楽を作り続けていることもこのアルバムに多大な影響を与えているのだろう。海外のテイストを感じる楽曲は彼らの特徴だが、それを取り込んだうえで日本のリスナーの心の琴線を震わせるメロディーラインがあって、まさに音楽の国籍を問わない現代のらしい音は多くの支持を集めることは間違いなさそうだ。まだまだ寒さが続く。この冬一番のウインターアルバムである本作で北海道気分を味わおう!

音楽で旅をする「LOVE PSYCHEDELICO THE BEST I &II 」LOVE PSYCHEDELICO

2015.02.22 Vol.637

 今年デビュー15周年を迎えたLOVE PSYCHEDELICOが2枚のベストアルバムを同時にリリースした。それぞれに16曲ずつ収録、あわせて32のデリコサウンドが収められた。デビューもその後の活動のスタイルそのものもセンセーショナル、もしくはオリジナルすぎる彼ら。ベストとはいえ、どちらのアルバムを聴いても知っている曲しか入っていない事実には驚愕。32のうち20曲がなんらかの主題歌やテーマソングやイメージソング、CMソングなのだ。質の高い音楽をていねいに作り続け、歌い続けてきた彼らだからなのか、一般的なベストとは一味違った風合い。一貫した、ざらついたオーガニックなロック曲の数々がそれぞれ異なる景色を見せてくれる。

音楽で旅をする「Ibeyi」Ibeyi

2015.02.22 Vol.637

 昨年、英国のiTunesが2015年の期待のアーティストとして挙げたイベイーは、フランスとキューバをオリジンとするナオミとリサの双子姉妹によるデュオ。セルフタイトルの本作はリスナーを深い森へと誘い込むような魅惑的なアルバムで、無機質な打ち込みのミニマルなサウンド、オーガニックなアレンジメント、神秘的でありつつも都会のパリの空を思わせるような愁いのある歌声、そしてハーモニーと、魅力的なエレメントが重なり合ってリスナーを夢中にさせる。歌詞も英語やナイジェリアなどで使われるヨルバ語で歌われており、フルで聴くといろんな場所を訪ね歩いている気分が味わえる。ちなみに彼女たちの父はキューバを代表するパーカニッショニストのアンガ・デアズ。それもまた趣きを加える。

音楽で「つなげる」、「つないでいく」こと。
「イエスタデイ・アイ・ハド・ザ・ブルース」ホセ・ジェイムズ

2015.02.07 Vol.636

 ジャズとクラブをつなぐボーカリストとして注目され続けるホセ・ジェイムズが今年生誕100周年を迎えるビリー・ホリディに捧ぐトリビュートアルバムを発表。ニューヨークジャズシーン最高のプレイヤーとともに、昨年ニューヨークで録音された本作には『ボディ・アンド・ソウル』や『ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド』『月光のいたずら』『テンダリー』など彼女が歌った名曲の数々が並ぶ。黒人差別をテーマにした『奇妙な果実』も収録した。ビリー・ホリディは彼がシンガーを志したきっかけとあって、彼女と彼のスピリットが伝わってくる。良質なサウンドと優しいボーカルで豊かな気分を味あわせてくれる。

音楽で「つなげる」、「つないでいく」こと。
「Colour by Number」MONKEY MAJIK

2015.02.07 Vol.636

 バンド結成から15周年のアニバーサリーイヤーを迎えたMONKEY MAJIKが最新アルバム。スタート当初から現在に至るまで仙台に拠点を置き続け、そこから音楽で絆を結んできた彼ら。本作もまた、どんな時も音楽とともに歩んできたバンドの姿を浮き上がらせる。全11曲を収録。『夏の情事』『You Are Not Alone』とシングル曲はもちろん、『Frozen−Album version−』や『Beautiful』などおなじみのナンバーも収めている。心の琴線を震わせる美しいメロディー、壮大な世界感を持つ楽曲、すべての楽曲で光を感じさせてくれる。新たな一歩を踏み出すためのベストサントラだ。

音楽で「つなげる」、「つないでいく」こと。
「シャドウズ・イン・ザ・ナイト」ボブ・ディラン

2015.02.07 Vol.636

 ロック界のリビングレジェンドとして制作にライブにと精力的に活動を展開するボブ・ディラン。通算36作目となる最新作はカバーアルバム。それも全部一発録りだ。本作で歌うのは『フル・ムーン・アンド・エンプティ・アームズ』や『ステイ・ウィズ・ミー』などフランク・シナトラが歌って大ヒットさせた曲ばかり。ディランの渋い歌声がシナトラが世界に響かせた美しくシルキーなメロディーに乗ることで、ディランと名曲に新たな魅力をもたらしている。本作はディランにとっても勇気が必要だったよう。今もなおチャレンジをし続ける彼に敬意を払わざるを得ない。

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