天才型は他人にも気を遣え、努力型は他人を慮れない……かもな説〈徳井健太の菩薩目線 第241回〉

2025.05.10 Vol.web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第241回目は、オンとオフについて、独自の梵鐘を鳴らす――。

 うまく説明することはできないけど、僕は飲食店の個室を利用したりタクシーに乗ったりすることがあまり好きではない。メシを食べるなら、できるだけ個人経営の雑多なお店に入りたいし、移動も電車の方が好き。「なんで自分はそうなんだろう」なんて考えながら、その日も丸ノ内線に乗っていると、ひらめくように僕なりの答えが降ってきた。

 僕は平均点を満たすものや利便性の高いものに興味がそそられない。その理由は、自分の欠点と関係している。例えばタクシー。めちゃくちゃトークスキルのある芸人であれば、そうした空間でも面白いトークをするだけの材料を集められる才能があると思う。でも、残念ながら僕にはそんなアンテナがないから、タクシーに乗って誰かに伝えたい話があるとしても、せいぜい愚痴の類になってしまう。これではなかなか「笑い」につながらない。

 限られた情報しかない環境を苦手とする僕は、気が付くと雑多でいろんなものがごちゃまぜになっているようなワケのわからない空間や場所を好むようになっていた。ここなら有能なアンテナがなくても、何かしら変なものを拾うことができる。鋭い視点を持ち、なおかつワードセンスに長けた芸人であれば、1を見て1を語ることができるだろうけど、僕は10を見て、1を語れるかどうか。タクシーに10回乗って、ようやく面白い話を1つ生み出せるかどうかの人間だから、情報量が交通渋滞を起こしているくらいの場所じゃないと安心できない。だから利便性が高く、スマートな場所が苦手――そんなことを丸ノ内線に乗りながら考えていた。

 僕は、昔から乗り換えが大好きだった。

 違う路線に乗り換えた瞬間、それまでとは明らかに違う人種が車内を占有している。どうして突然20代前半の若者が増えたのだろうと思っていると、「△△大学駅前」といった駅に停車し、合点がいく。僕が分析好きなのも、こうしたところによるところが大きく、詮索しがいのある空間やお店を好むのも、AとBとCの情報を勝手に集めて、「〇〇だからだ」なんて推論したいからだと思う。結果、少ない情報量から質の高い言説をアウトプットすることが苦手になってしまったのかもしれない。

 ここからは僕の極論を披露したい。

 人間は、この2つのタイプに大きく分けられるのではないか。個室やタクシーといった利便性が高く、機能的な空間が好きな人と、情報まみれとも言える闇鍋のような非利便的な空間が好きな人。そして、それは裏を返せば、前者は周囲に対して気を遣ってしまう人であり、後者はあまり周りを気にせずマイペースな人じゃないのかなって。どうして、個室やタクシーが好きな人が周囲に対して気を遣う人なのか? 

 仮に、気を遣うタイプが居酒屋で飲んでいたとする。そのお店は雑多で個室はない。常連もたくさんいるから、ある瞬間を境に話しかけてきたりする。そうしたとき、そのタイプは周りと波長を合わせようとする。一方、僕のような後者のタイプはいつもの調子と変わらないから、話しかけられてもマイペースにお酒を飲むだけ(話に付き合うかどうかも分からない)。

 気を遣う人は、マイペースにお酒を飲んでいる僕に対しても、「もっと愛想良くしたほうがいいんじゃない」と気を遣うだろうし、話しかけてきた酔客に対しても気を遣うから二重に気を遣うことになる。頭のリソースを多分に使うことになるから、できればそうした空間は避けたいと思うようになっても不思議ではない。

「オンとオフの切り替え」なんて言葉がある。実はこれって、周囲に対して気を遣ってしまう(オン)とタクシーなどのプラベートスペースが約束されている空間を好む(オフ)ってことなんじゃないだろうか。オンとオフがないって人は、僕のように雑多な空間に苦手意識がなく、気を遣わない人。こう考えると、僕が急にかしこまった空間のように感じるタクシーが苦手な理由も分かる。強制的にオフ世界に閉じ込められて、何をしていいか分からないのだ。

“感覚情報のゲーティング”と呼ばれる、情報の取捨選択を自動的に見分けてフィルタリングする脳の働きがあるらしい。雑音が多い場所では、それだけ多くの情報を脳が処理していると言われ、このとき必要か必要じゃないかを脳が選別するという。数多く意識に入ってくるということは、それだけ多くの情報を脳が処理しているから、人によってはめちゃくちゃ疲れてしまう。これがストレスになるかならないか……が、オンとオフの正体なのではないか。オフを求める人は、タクシーだったり、個室だったり、自分の精神衛生を考慮して、定期的にそういう場所を求めているのではないのかなって。求めていない僕は、無理やりオフ的な環境を作られるほうが、ストレスになるのだろう。

 利便的な空間が好きな人って、実は誰よりも気遣いの人なのかもしれない。あくまで極論。これも、僕なりの雑多な環境から拾い集めてきた推論。軽い気持ちで受け止めてやってください。

THE RAMPAGE 浦川翔平が動きまくりっ! 宮城 、大阪、東京、福岡を行ったり来たりのGW 話題の万博にもいってきた!〈BUZZらないとイヤー! 第98回〉

2025.05.07 Vol.Web Original

 THE RAMPAGEのパフォーマーとして活躍する一方で、DJ Sho-heyとして、TikTokerとして、日々バズることについて思いを巡らせている浦川翔平が、BUZZの中心に乗り込んだり、その兆しを探りながらBUZZのワケを探る連載企画「BUZZらないとイヤー!」。

 ゴールデンウイーク、楽しめましたか? 翔平さんは今年も動きまくり。THE RAMPAGEごと、MA55IVE THE RAMPAGEごと、EXILE B HAPPYごとで、移動しまくり動きまくり。“packed schedule” 状態な翔平さんのゴールデンウイークを翔平さん撮影の写真も交えてお届けします!

今年はホラー!? いよいよ幕が上がったSSFF & ASIA2025!1本目に選んだ映画はこれだ!『恐怖の耳垢』!耳クソ注意!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

2025.05.07 Vol.web original

 こんにちは、黒田勇樹です。

 どうやらゴールデンウイークが明けたようですね。皆さん、いろいろ楽しいお時間を過ごされたことと思いますが、お楽しみはこれからですよ!

 5月9日から四谷三丁目の三栄町LIVE STAGEで「ハイパー刑事のアルティメット捜査線」が始まりますので、ぜひ。

 では今週も始めましょう。

意外と簡単!バイオネスト〈黒谷友香の友香の素。vol.380〉

2025.05.01 Vol.Web Original

 新緑の美しい季節になりましたね~。外で過ごすのが気持ちが良いです。

 先日、庭番組黒谷友香、お庭つくりますのロケで、バイオネストを作りました。25年程、ガーデニングはやってましたがバイオネストを作ったのは今回が初めて。

 バイオネストとは、見た目は鳥の巣の様な形状の堆肥場(コンポスト)です。自然の力で堆肥を作る装置ですね!バイオは生命、ネストは巣という意味。直径は2メートルぐらいかな? 剪定した枝などを丸く積み上げて作ります。

山田洋次監督作品から生と死、青春や人生を考える回〈徳井健太の菩薩目線 第240回〉

2025.04.30 Vol.web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第240回目は、「今」の確認方法について、独自の梵鐘を鳴らす――。

 御年93歳だというのに、山田洋次監督が作・脚本を務める『わが家は楽し』というドラマが放映されていた。そのバイタリティーに対して、いろいろ突っ込んで聞いてみたいところがあるけど、今なお現役で、その時代時代の家族のあり方を描く作品を作り続けている山田洋次監督に、ただただ感嘆してしまう。

『わが家は楽し』は、熟年離婚を含めリタイヤ後の人生を描いたドラマなのだが、93歳という高齢である山田洋次監督の目に、60歳を過ぎたリタイヤ後の家族がどんな風に見えているのか、めちゃくちゃ気になってしまった。

 というのも、青春を描く映画やドラマがあるとして、青春真っ只中の人間が作ったら、それは面白くなるんだろうかって思うんです。

 30歳くらいを過ぎて、あの頃は若かったなぁなんて振り返って、「あのときの初恋の人って永遠の人だと思ったけど違ったんだな」というのが分かりつつ、それでも永遠がいいなって姿を描くから胸にストンと落ちる。ある程度過ぎ去らないと、そのときの瞬間をうまく説明することなんてできないと思うのだ。

 例えば、僕らが20代の若手芸人だった頃。売れなくて、それでもお笑いしかないってがむしゃらにもがいていた姿を、同じ時代に生きる20代の人が切り取っても、おそらくキラキラした側面とドロドロした側面、分かりやすすぎる描き方にしかならないような気がしてしまう。対して、40を過ぎたくらいの人が切り取ったなら、水も甘いも噛み分けて、 主観的にも客観的にもお笑い青春ド真ん中を描くことができるような気がする。

 20代の頃に、芸人をやめていく人間のことなんて考えたことがない。考えたとしても、諦めてレースから脱落した人――くらいにしか思わない。だけど、30代、40代になると、やめていった人たちのことを想像できるようになる。これからまだどんな道を歩むかわからない、その道を真っ只中で歩いている人が、その瞬間を切り出すことは果てしなく難しいことではないのかなって。切り出す暇があるのなら、駆け抜けてほしいとも思う。

 そんなことを考えると、熟年離婚だったり、自分が死ぬかもしれないといったことを考える50代60代には、そうした出来事をその只中で切り取って、描くことは難しい。描くことができないというか、説明できないんじゃないか。つまり、93歳である山田洋次監督だからこそ、すでに通り過ぎた50代、60代、70代に起こるだろう人間ドラマを描くことができるんだろうなって思ってしまったのだ。

 僕らが60歳くらいに体験するであろうことをきちんと説明するには、僕らは80歳くらいまで生きなければいけない。僕はいま40代だけど、40代だからこそ20代や30代に説明することができる。だから、歳を取っても映画を撮り続けることや、文章を書き続けることには、ものすごく大きな意味があるのだと思う。

 ともすれば、自分が死ぬという時期が来たとき。それは余命を宣告されたときなのか、あるいは体力的な衰えを感じたときなのか、いろいろな理由があるとは思うけど、一つだけ言えるのは自分が死ぬかもしれないという段階の話は、誰にも描くことができないのかもしれない――ということ。だって、それを俯瞰して確かめるには、死後20年経たなければ分かりえない。閻魔様のお膝元で、ようやく書けるか書けないか。それさえも、「いやいや本当は違ったんだよなぁ。俺はそのときそう書いてるけど、実はそんな風には今は思ってないんだよ」なんて、あの世から感じる可能性だってある。死んでいった人たちみんなに、そうした思い違いがあると思うと、天国と地獄からの添削をぜひ覗いてみたい。

 今のことを伝えるには、経験を20年くらい前借りするくらいの気持ちがないといけないんだろうな。できるだけたくさんの体験をして、生きている証を積み立てていくしかない。結局、今この瞬間を精一杯生きるかどうか。それしか今を確認する方法はないのではないでしょうか。

あのイギリスの紳士なクマが大冒険!映画『パディントン 消えた黄金郷の秘密』は、世界中の人の心の中の少年少女を楽しませること間違いなし!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

2025.04.30 Vol.web original

 こんにちは、黒田勇樹です。

 世の中はゴールデンウイークってやつが始まっているんですね? こちらは次回作「ハイパー刑事のアルティメット捜査線」の絶賛稽古中です。

 ゴールデンウイークが終わった5月9日が初日ですので、ご興味を持たれた方はそこまで元気とお金は残しておいてください。

 では今週も始めましょう。

マジで、おかしー!制作意図だけがわからない『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』が、最高に良作だった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

2025.04.23 Vol.web original

 こんにちは、黒田勇樹です。

 先日、お笑いのネタライブに出演しまして、ピン芸人としてデビューしてきました。3日前に出演が決まるという状況だったのですが、舞台をやっているという経験を生かして、何とかやり切りました。見に来ていただいた皆さん、ありがとうございました。

 さて次は5月9日初日の「ハイパー刑事のアルティメット捜査線」です。よろしくお願いします。

 では今週も始めましょう。

トランプ関税に立ち向かい、日本経済を立て直す!【長島昭久のリアリズム】

2025.04.22 Vol.web original

「歴史は繰り返さないが韻を踏む。」
 アメリカの著名な作家マーク・トウェインの言葉とされています。

 欧州ではウクライナ戦争が続き、アジアでも台湾海峡や朝鮮半島に不穏な空気が立ち込め、米中貿易戦争が激しさを増しています。

 世界経済が再びブロック化する様相は、百年前の1930年代の世界情勢と重なります。

 私は、国家安全保障担当の内閣総理大臣補佐官として、これらの地政学的リスクに的確に対応できる外交・安全保障体制の構築に全力を挙げて参ります

ライブ最高です🔥🎤〈Girls² 小田柚葉の柚葉24じ 第96回〉

2025.04.22 Vol.Web Original

こんにちはーー!!柚葉です🍋️🩵

「Girls² LIVE TOUR 2025 -ガルガルエイト-」
大阪、名古屋公演が終了し、折り返しとなりました!!

毎公演たくさんの方が私たちに会いに来てくださって本当に感動してます😭😭
ありがとうだよーーーー!!


名古屋公演の時のメイクがめっちゃ可愛くて好きだった
🥰🪞🪄︎︎


今週は、4/26に”SAPPORO COLLECTION “
来週は、ライブツアー福岡公演になります🔥

福岡公演もありがたいことにチケットSOLD OUT😭👏🏻

どちらのステージも胸を張って頑張ってきまーすっ!!

クリアソン新宿のおかげで、家族とお酒とご飯の関係性を見直せたお話〈徳井健太の菩薩目線 第239回〉

2025.04.20 Vol.Web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第239回目は、飲まずにメシを食べる幸せについて、独自の梵鐘を鳴らす――。

 

 第211回「僕は新宿が好きです。だから、クリアソン新宿を応援します! にわかです。でも、家族ぐるみで応援します!」で触れたように、JFLに所属するサッカークラブ、クリアソン新宿を欠かさずチェックしています。

 可能な限り、試合をYouTubeでチェックし、スケジュールが合えば家族で観戦しに行くことも続けている。やっぱり勝つと嬉しいし、こっちまで景気が良くなる気がする。推しチームがあるって、自分の日常に彩りを与えるものだと、つくづく感じている次第です。

 一方で、 小さい子どもを連れて電車を乗り継ぎ、試合会場まで行く。夏の暑い日や冬の寒い日ともなれば、家族の士気はどんどん下がる。とは言え、好きなチームを応援しながら、青空の下でビールを飲みたい。そんな気持ちから電車で移動していたけれど、人生というのはそんなにうまくいかないものです。

 試合に勝てば、まだ笑える。でも、負けるとなると、己の欲望は自分自身にすべてひっくり返ってくる。奥さんはクタクタになりながら電車に乗って、子どもも泣き出してしまう。ビールを飲みたいという欲が、こんな不幸な事態をもたらすことを理解した僕は、もう二度とこんなことをしてはいけないと悟った。その日を境に、今後は試合観戦に行くときはカーシェアを利用しようと決めた。少しでも快適な空間を作ることが、家族のためにも自分のためにもなると誓ったのだ。

 つい先日も車を借りて、調布にほど近いサッカー競技場まで試合を観に行ったのですが、府中にある美味しそうな焼肉店を見つけ、ご飯を食べることに。車があると周辺まで足を延ばしやすくなる。車のメリットがさっそく生きた証左です。

 反面、デメリットがないわけではない。そう。焼肉を食べるというのに、ビールをはじめとしたアルコール類が飲めません。「きっとビールの方がおいしいんだろうな」なんて食べる前は思っていた。ところが、実際にウーロン茶を飲みながら焼肉を食べると、何の不自由もないし、とても楽しい時間を過ごすことができた……肉が美味いんだから、ビールである必要などなかったのだ!

 お酒を飲めるようになってから、夜に外食をするときはお酒を一緒に飲まないと「気持ちが悪い」と思っていた。でも、“焼肉でお酒を飲まない”という初体験をしたことで、自分で勝手に決めつけていた思い込み、妄想のたぐいだったんだと視界が開けた気分だった。

 言われてみれば――。酔っぱらってしまうと、最終的にどんな味だったかを思い出すことができない経験は一度や二度じゃない。それなりに高い寿司屋さんへ行っても、ビールだ、日本酒だと楽しく飲み続けた結果、終盤に食べた寿司のネタの味なんてまるで覚えていない。それどころか翌日に、「俺って最後の方、何を食べていたっけ?」なんて味どころかネタすらも忘れている始末。せっかくうまい料理を食べたはずなのに覚えていないって、俺は一体何をしに行ったんでしょうか? これって、食べ物を残すこととと同じくらい“もったいない”ことをしているんじゃないのか……。

 僕はようやくこの歳になって気が付いた。

 ご飯を食べることと、お酒を飲むことは分けたほうがいいのかもしれない。お酒は好きだから、今のところ断酒する気はない。だけど、お酒を飲みながらご飯を食べると、僕の場合はついついお酒を頼みすぎてしまうから、ご飯の味はおぼろげになるし、コストもかかってしまう。かといって、お酒を控えて居酒屋を楽しむような飲み屋に対して失礼な態度も取りたくない。

 だったら、きちんとご飯を食べられるところでご飯を楽しみ、その後、場所を変えるなりしてお酒を楽しめばいい。そんなプランもアリなのではないかということを、クリアソン新宿のサッカー遠征で学んだのだ。今までとは違う行動をするようになると、今までにはない発見がある。当たり前だよね。自分で何かを変えることは難しいけど、環境によって何かが変わることは、想像している以上に簡単です。同じことばかりしているのは、もったいないことなのです。

THE RAMPAGE 浦川翔平が長崎で社会見学「もっとビールがおいしくなる!」〈BUZZらないとイヤー! 第97回〉

2025.04.16 Vol.Web Original

 THE RAMPAGEのパフォーマーとして活躍する一方で、DJ Sho-heyとして、TikTokerとして、日々バズることについて思いを巡らせている浦川翔平が、BUZZの中心に乗り込んだり、その兆しを探りながらBUZZのワケを探る連載企画「BUZZらないとイヤー!」。話題の長崎スタジアムシティにある日本で初めてサッカースタジアムでビールを醸造する「THE STADIUM BREWS NAGASAKI」で、スタジアム生まれのビールを「プハーッ!」とやって“ほどけた”翔平さん。醸造家の風間さんとのお話が盛り上がり、特別に醸造エリアも見学させてもらうことに……。(撮影・橋田隼平)

 

「このビールを作っている人とお話しながら飲めるなんて、すごい贅沢……」

 登場したばかりの白ビール「上町ヴァイス」のグラスを空にしながら翔平さんと風間さんの会話は盛り上がる一方。店内にずらりと並ぶタンクを見ながら飲む一杯は、言うまでもなく格別です。

 タンクは1階にある醸造施設とつながっていると風間さん。お願いして、特別に醸造施設を見学させてもらうことにしました。

 お店を出て醸造施設に向かう通路は白くて明るい無機質な空間。ムードたっぷりのレストランとは違い、ラボや研究室のような雰囲気です。トントントンと階段を降りる自分たちの足音に、ビール大好きな翔平さんはもちろん、スタッフも気分が高まります。

 立ち止まったのは重そうなドアの前です。「この奥でビールを醸造しています」と風間さん。指示に従って醸造施設内部に足を踏み入れます。

限定ビールの名前が並ぶホワイトボード

「ヴァイス! ってありますね」と白ビールに目ざとい翔平さん。最初に目に入ってきたのは壁のホワイトボードに書かれた表です。ヴァイスの他にも、ヴィ・ビール、スタジアムラガー、目覚町、チェリ―サワー……先ほどお店で飲んだビールの名前が記入されています。

「今現在、タンクの状況がどうなっているのか書いたものです。タンク1は洗浄が済んでいない。洗浄中と書いてあるところは明日ビールを仕込んだら入れられるなというふうに、見れば分かるようになっています」と、風間さん。

 醸造施設にあるタンクは全部で13機。シンプルに考えると13種類のビールを同時期に醸造できますが、「ヴィビール」(長崎産のかんきつ「ゆうこう」を使用したビール)や「スタジアムラガー」といった定番を常に提供できるようにしながら、月に5~6種類ぐらいのペースでビールを醸造しているそうです。仕込みにかかる時間は8時間ほど。そこから1カ月ほど貯蔵するとビールが出来上がります。

「ここでヴィ・ビールができるんですね!」 

 ビールの材料は基本的に〈麦芽(モルト)〉〈ホップ〉〈酵母〉〈水〉の4つ。そのうち、水が90パーセントぐらいを占めます。麦芽やホップ、酵母の種類や量、組み合わせを変えたり、温度や量、材料を入れるタイミングを変えながら香りや味わい、飲み心地などを追及していきます。

「麦芽にはそれぞれ特徴があるので組み合わせていくんです。例えば、単純に黒い麦芽だけだと色が付くだけで、ちょっと単調になってしまうから、香りが出るやつを組み合わせてみよう、とかですね。麦芽は大麦を発芽させてそのタイミングで産出される酵素を利用してビールづくりに利用するって考えると結構自然の神秘なんですよね」と、風間さん。

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