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江戸瓦版的落語案内【心眼(しんがん)】

2016.06.26 Vol.669

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

脱こじらせへの道 第25回 絶対ばれちゃうから嘘はつかないほうがいい!!

2016.06.24 Vol.669

 今回は、現在配信中の中島知子監督作品「秘密」にちなんで、
「彼に嘘をついたこと、ありますか?」というアンケートで話を進めてみたいと思います。

 嘘はついていないにしても、彼に黙っているという部分も含めて、彼に言えないことがあるという点では、ほとんどの方が当てはまるのではないでしょうか?

 特にGIRL’S CHのアンケートでは、やはり恋愛に関する嘘が多かったようです。
 不倫、浮気、経験人数(少なく伝えてしまう)などなど…。

 不倫や浮気は、今年に入ってからメディアで様々なニュースになっていましたね。
 最近も某アーティストさんがW不倫で話題になっていました。
 不倫に関することは過去にもこのコラムで何度も話題にしてきたのでそちらを読んでいただくとして、男と女、いつの時代もこの嘘はなくならないのでしょう。

 余談ですが、こういった不倫に関する話題を友人とするときは、完全に意見が分かれます。
「不倫なんて絶対ダメ!!」という不倫全否定派と(そういう人は過去にもこれからも不倫をしなさそうな性格だったり)、だいたい話を濁すのは経験者。
 不倫はする人は何回もするし、しない人は絶対しない、というのが私の経験上の意見なのですが、なぜでしょう?
 機会があれば考えてみたいものです。

 嘘の話に戻しますが、前提として「嘘はばれる」ものだと思います。

 小さい嘘をこつこつと積み重ねて収拾がつかなくなる人。
 ここ一発で大きな嘘をつく人。
「ここ一発で大きな嘘をつくために小さな嘘はつかない」という人もいるようです。

 昔、古畑任三郎が「嘘がうまい人は本当に嘘をつくべきところだけ嘘をつく」といったことを言っていたと思うんですが、後者はこういう人のことなんでしょうね。

 でも、ほとんどの嘘や隠し事が、結局ばれちゃうんですよね。
 人の口に戸は立てられないものです。「この人なら大丈夫」と信頼している人も、その人が思う「この人なら大丈夫」に話して次第にみんなが知っているなんてことも。
 不倫なんかの場合は、承認欲求を満たされたい、肯定されたい、という思いから話してしまうこともあるのではないでしょうか。

「とはいっても、どうしても嘘をつかなきゃいけない場面もあるんじゃない?」という声もありますが、そんな時ってあるんでしょうか。

「かわいい嘘はいいんじゃない?」というのもそう。
 つくほうが「かわいい嘘」と思っていても、つかれるほうはそう思わないかもしれませんから。

 例えば、経験人数や離婚経験に関するような嘘。
 私のまわりでは本当の経験人数や、離婚経験が言えない、という女性もいます。
 これは日本社会が女性に対して、
「清楚であること」「純潔であること」を必要以上に求めている結果とも言えるかもしれません。
 AVには清楚系という女優さんのジャンルがあるし、処女もの作品はなくなりません。それらは男性から一定の支持を受けているのです。
(某女優さんは、どんなにハードなプレイをしていても”永遠の処女”なんていう呼び名で呼ばれているくらいです)

 それを思うと、日本人男性の純潔・清楚への憧れがいかに強いものかがわかります。

 ただ、私もこうして年齢を重ねてきて、
 20代の頃は「二桁以上はヤリマン!」みたいな考え方をしていたこともありましたが、普通に恋愛をしていれば、経験人数は当然増えていきますよね。
 処女とかヤリマンとかそれ以前に、現実問題としてそういう事実があることを、男性も女性も正しく認識した上で、女性には自分の経験人数に自信を持ってもらいたいと思います。

 少ないことは、自分を大切にしてきたり、何かに打ち込んできた結果。
 多いことは、それだけの異性を愛すことができた人生経験。

 ということで良いのではないでしょうか。

新しい“ジブン発見”コラム My Discovery Vol. 04 武蔵(むさし)

2016.06.13 Vol.668

武蔵の“My Discovery” 戦う気持ちは、決して消えない。

鈴木寛の「2020年への篤行録」第33回「18歳選挙権」にわかブームにするな

2016.06.13 Vol.668

 衆参同日のダブル選挙は、熊本地震の影響もあって見送りになったものの、6月1日の国会閉会後、各政党は参院選に向け「選挙モード」に入っています。朝日新聞の世論調査では、参院選の投票先を選ぶ際にもっとも重視する政策を尋ねたのに対し、「医療・年金などの社会保障」が最多の53%。続いて「景気・雇用対策」(45%)、「子育て支援」(33%)と生活に密着した内容が相変わらず多く挙げられました。

 今回の参院選、なんといっても注目は「18歳選挙権」初適用です。諸外国では選挙権年齢が10代に引き下げられており、日本もやっとこの潮流に乗ることになりました。何よりも我が国は「シルバー民主主義」と言われるように、少子高齢化で多数派のシニア世代の意見が通りやすいのが実状です。若い世代の政治参画のすそ野を広げていくためにも、この「18歳選挙権」導入が実現することを心から歓迎したいと思います。

 一方で、参院選に向けた「18歳選挙権」を巡る報道を見ていると、各党の若者向けアピール合戦といった目先の現象にとらわれ、本質的な意義が正確かつ深く理解されないのではないかという危惧を抱いています。3年前の参院選をご記憶でしょうか。インターネットを使った選挙活動、いわゆる「ネット選挙」が解禁されたのがこの選挙戦でしたが、マスコミが大々的に報じた割に若い世代の投票率が劇的に改善することもなく、期待されたネット上の政策論議もあまり見られず、むしろ中傷やデマ、ネガティブキャンペーンが横行する等、「から騒ぎ」に終わった感があります。今では政治や選挙のネット利用の意義が忘れ去られています。

「18歳選挙権」は「ネット選挙」の轍を踏んではなりません。すなわち、にわかブームにしてはならないのです。

 政治や社会を変えるのは、とても時間がかかります。かのマックス・ウェーバーが「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら堅い板に力をこめて、ゆっくり穴を開けていくような仕事です」と述べたように、本来の政治は、地味で地道なことの積み重ね。さらに「子育て支援を充実するなら他の財源を削る」といった様々な矛盾や葛藤、トレードオフがあるのです。

 そうした現実を直視し、仲間たちと熟議する。待機児童問題に悩む子育て世代などの当事者たちに話を聞くと理解が深まります。もちろん、皆さんが当事者世代である奨学金問題や社会保障の世代間格差について、各政党・候補者がどのような公約を掲げているのか、他党の公約や専門家の指摘と擦り合わせて一つ一つ吟味をする―。初めての一票を投じるまで、その重みをぜひ感じてください。(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

江戸瓦版的落語案内 味噌蔵(みそぐら)

2016.06.12 Vol.668

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

脱こじらせへの道 第24回 性教育と避妊について真面目に考える

2016.06.10 Vol.668

 先日梅雨入りしましたが、梅雨があければもう夏!
 そして夏といえばアバンチュール!
 ……というのは言い過ぎかもしれませんが(笑)
 イベントや出会いが多い季節ということで、たまには真面目に性教育の話題でも。

 先日、他の配信サイトの担当者さんとお話したときに、「男性に向けて、コンドームを使おう!という記事を書いたら、女性ユーザーからの『よくぞ書いてくれた!』という称賛の声がとても多かった」ということを聞きました。

 女性としては、避妊はもちろん性感染症の予防のためにも、コンドームの着用は絶対にしたいもの。それでも、男性の「ナマでしたい!」願望は高いのですよね。

 このアンケートの結果を見ると避妊をしていない12%の中には妊活中の方もいらっしゃるので、ほとんどの方が避妊をしているという結果に。女性の避妊の意識は高いですよね。

 そして避妊方法については、予想通りコンドーム派が多かったです。
 男性の中には避妊についてはコンドームが一番効果があると考えている方が多いように思えますが、確率でいうと実はピルのほうが確実なんです。でも性病のことを考えるとやはりコンドームを併用するのがオススメ。接触で感染することが多いからです。

 AV業界にいるのであえて伝えておきたいのが、女優さんも男優さんも、性病には人一倍気をつけている、ということ。
撮影前には性病検査に行ったり、普段から体調管理にはすごく気をつけているのです。
 なぜなら性病になってしまったら撮影自体がなくなり、自分の仕事がなくなるだけでなく、メーカーさんにも迷惑をかけてしまいます。
 そんなことが続いたら、もう次は呼ばれなくなってしまうことも考えられます。

 また、性病だけでなく、ハードな撮影の事前準備なども念入りに行われています。
それでも、AVでは完成した表の部分しか見えないので、その苦労や手間が伝わらなかったりするんですよね。
だから簡単に、「真似したい」「やってみたい」と思って、ハードなプレイや生セックスをしてみたくなってしまう、と。

 でもこのアンケートにあるように、ほとんどの女性が避妊や性病の予防でコンドームの着用をしているし、したいと希望しています。
 これを読んでいる男性の皆さんには、そういうAVの裏事情を知った上で、コンドーム使用の重要性を理解していただきたいです。

 それとは反対に、こんなアンケート結果も。

脱こじらせへの道 第23回 性欲は日本人には義務かもしれない

2016.05.27 Vol.667

 今回は「みーんな大好き!? セックスは好きですか?」というアンケートをもとにお話をしてみようと思います。

 まず結果からいうと、「嫌い」という選択肢も用意したんですが、嫌いという人はいませんでした。「GIRL’S CH」のユーザーですから、それはそうでしょう、という結果です。

 いつもならこういう場合のこじれは、好きなのに「好き」というのが恥ずかしくて、「そうでもない」と言ってしまう状態になるというところに落ち着くかと思いましたが、今回に関しては、そういう考え方のほうがこじれているのかもしれないと、ちょっと思ってしまいました。

 人間の三大欲求って「食欲」「性欲」「睡眠欲」と言われていますよね。長さはともかく寝ない人はいないし、食事も取らなければ死んでしまうかもしれない。でもそれに比べて性欲って、セックスしなかったから死ぬということはないですよね。ゆるやかに人口が減っていった結果人類が滅びるということはあるかもしれませんが…。
 そんな好き嫌いの範疇でやるかやらないか選べるというものが、なぜ三大欲求に入っているのかなと疑問が湧いてきました。

 そんなこと考えながらググっていると、どうやら三大欲求というのは心理学から来ていて、日本特有の言い方らしいんです。

「三種の神器」とか「御三家」とか「三大首都圏」といった感じの“三大なんとか”というのがありますよね。どうもそれになぞらえて作られたのではという説があるようなんです。

 そう考えると、食欲と睡眠欲が先にあって、「もう一個欲しいな」ということで、無理やり加えられたものなんじゃないかっていう考えも浮かびますよね。
「やりたい」という意味では間違いなく欲求ですが、ほかのふたつと明らかに質が違うというのも、これで説明がつきます。

 もともと人間というものは存続するために性欲を持たなければならないとするなら、日本人は「三大欲求」と定義してまで性欲というものを意識しなければいけないということなんでしょうか。

 日本人はそんなにセックスは好きじゃないんじゃないか。でも好きじゃないとなると、子孫繁栄に大きな問題があるから、無理やり三大欲求に入れなきゃみんな自発的にセックスをしなくなるくらいの国民だったんじゃないか、きっと…といった感じです。

 回数が少ないということもいろいろな調査で明らかですし。

 自然発生的な欲求ではなく、ケツを叩かないとセックスをしないのが日本人なのかもしれません。

 となると今までの「好きで当たり前」「みんなセックス好きなはず」という、私の考え自体が誤りだったのかもしれないなと思いました。日本においては。

 その一方で、AVや風俗は本当に充実していますよね。
 AVのジャンルの多さや細かさは世界随一だと思いますし、風俗のジャンルも豊富です。
 市場として成り立っている以上、完全にセックスが嫌いだということはないはずです。

 その半面、テレビではおっぱいも見られないんですよね。有害図書に対する取り締まりも厳しくなっています。

 エロに対しては特に、反対する意見のほうが大きく聞こえます。
 GIRL’S CHでもそうです。レイプものの動画は注意喚起のポップアップをつけているにも関わらず、視聴して批判的な意見を書き込むユーザーさんがいらっしゃいます。もちろんそういうジャンルを好きな女性はいますし、ひっそりと見て楽しんでいらっしゃるのかもしれませんが、レビューでの書き込みを見る限りでは反対派が多いように見えてしまう。
 これは一例ですが、男性向けのAVやエロを扱うメディアでも同様です。そして結果的に、取り締まりが厳しくなっていく。

 何もかもこっそり見なければいけなくなってしまったら、人々はそれを「いけないこと」と思ってしまうのではないでしょうか。
 取り締まられるエロ=いけないこと。
そうして、これからセックスが嫌いな人がどんどん増えていくかもしれません。

 だからほうっておいたらどんどんそういう方向に進んでいって、嫌いな人がどんどん増えて行くような気がします。
 我々みたいなAVの人たちが頑張らないといけない。

 アンケートに戻りますと、セックスが好きな理由はだいたい納得できるものでした。
 わりといい話。楽しんでるなって思います。

「どちらでもない」と答えられた方も、前戯もセックスのうちと思えば、セックスは好きですよね。そう考えるとほぼ100%セックスが好きという回答でした。

 GIRL’S CHのユーザーさんは、みんな楽しんでくれているなっていう感じがします。前向きな意見が多くていいなと思いました。
 不倫のアンケートのときのように物語が入っちゃっている人もいない。こんなに自分語りがないのは珍しかったです。

「セックスが好きだ!」ということをみんなが言える状況になっていることはいいことです。特に女性にとっては。昔というより、少し前までは言えなかったですから。

 今回は、自分の大前提が揺らいだアンケートとなりました。
 随分大きな話になって収集がつかなくなりそうなので、今回はこれくらいにしておきます。

江戸瓦版的落語案内 【妾馬(めかうま)】

2016.05.23 Vol.667

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

【DJダイノジ あなたの好き、肯定します!】第2回:トラックの使い方は意外と真摯! RADIO FISH

2016.05.23 Vol.667

『DJダイノジ深夜の回転体』(ニッポン放送)の
DJダイノジ、放送に入りきれなかったトークは…?

大地:RADIO FISH(レディオフィッシュ)のアルバム『PERFECT HUMAN』が、25日にリリースになるんだってね。しばらく前になるけど、本人にも言われたんだよ、「ありがとうございます」って。

大谷:俺ら、2年前に特集してるんだよね、ラジオで。こいつら、やばいって(笑)。
大地:本当にそう思ったからね。
大谷:芸人ってさ、もう多様性じゃない? 何かいろいろなことができるのが芸人でしょって思うんだよ。
大地:そうだよねー。

大谷:誰かに言われたからやってるんですとかさ、バイトみたいな感じでやらせてもらってますとか、余白でやってるっていうとカッコいいと思うの。ああいうことってね。でもさ、あ、役者さんでさ、シャーっていう人いるでしょ?

大地:シャー?
大谷:いるじゃない、カッコ良くて。シャーって!
大地:……市原隼人君?

大谷:そう、彼はさどんな役を演じても、どうやってこの役に臨みました! 本気出しました!って感じでしょ。いいと思うんだよなあ。すべてにおいて、なんちゃってっておもしろくないと思うんだ。そのいい例がさあ……、今までの、芸人の言う音楽と笑いの融合ほどおもしろくないものはなかったんじゃない?

大地:豊満乃風、ね。途中からいろんなことをいわれたりもしたし、中途半端になっていたかもしれない。

大谷:RADIO FISHはやっぱり、中田のプロデュースがすごいってことだと思う。『PERFECT HUMAN』も中田が神様“PERFECT HUMAN”で、ダンサーはそれを真剣に信じて踊ってるっていうことがありうるんじゃないかなって思っちゃうもん。ほら、ザ・ブルーハーツはさ、ダサい名前をわざとつけて、それをやりきったよね。ダサいって言わずに、それがカッコいいんだって。

大地:ダサいって誰が仕分けしてるんだろね! こんなに情報が多様化してるっていうのに。

大谷:RADIO FISHさ、おもしろいんだけど、トラックの使い方はすごい真摯なんだよね。それもまた、「おもしろい」になっちゃうんだけど。

大地:EDMね。

大谷:世界的に流行っている、好まれてるサウンド。聴いた人がみんなで手を挙げて盛り上がれるクオリティーがある曲。DJダイノジだったら、今かけたら盛り上がるっていうタイミングに目の前に音源があったら迷わずかけちゃうよ。芸人がやってるからかけたとか、芸人がやってるからかけないとかそういうのは全然ないね。

『DJダイノジ深夜の回転体』次回放送は6月12日。

小池百合子のMOTTAINAI 伊勢志摩よりもヒロシマ訪問に注目!

2016.05.23 Vol.667

 G7伊勢志摩サミットが近づいたせいか、都内の道路が混んでいます。要所、要所に警察車両が陣取り、交通規制が行われているからでしょう。世界中でテロが多発している今日、無事に会議が終わりますように。

 前回、わが国が議長国を務めたのは2008年7月、8年前のこと。いわゆる洞爺湖サミットです。サミットは日本語では先進国首脳会議、英語の表記をそのまま訳すと、経済首脳会議となります。本来は世界経済を巡る会議として1973年の石油ショックで世界経済が混乱したことをきっかけに1975年に始まったことはご存知のとおり。

 前回は洞爺湖サミットの2か月後にリーマン・ブラザースが破綻し、世界金融危機が起こりました。ちなみに2008年は名目GDP世界二位の地位が日本から中国に入れ替わった年です。2015年の統計によると中国のGDPは日本の倍以上に急激に伸びました。
 8年間でサミットのテーマも大転換したわけですが、もはや2〜3年単位で世界の景色は激変しています。難民問題、石油価格の急落、パナマ文書など。このことはいかに我々が歴史の転換点に立っていることを示しています。

 ただ、今回は各国の思惑が大きく異なります。経済ひとつをとってみても、日本とドイツでは財政出動への姿勢が異なります。参院選を前に「アベノミクスは成功!」と強調したい日本は積極的。かたや憲法にあたる基本法で財政赤字は0.35%以内と厳しく律しているドイツは消極的で、一致点を見つけるのは至難の業です。

 話題のパナマ文書にしても、首脳自らや家族、企業の関与が取りざたされており、あまり大事にはしたくない。

 結局、今回の最大の成果はむしろサミット後のオバマ大統領との広島訪問となるでしょう。オバマ大統領としての自らの政権の最終コーナーでレガシー(遺産)が残せ、大いに意味があります。

 原爆を初めて使った国が被爆地を訪れる…。まさに歴史的な訪問です。

 その後は? 衆参同日選挙? いえ、都知事選を含めてトリプル選挙?

 さて。
(自民党衆議院議員)

脱こじらせへの道 第22回 なぜ女性はおごられたいのか?

2016.05.13 Vol.666

 前回は自己評価における他者の視点の介在、それが引き起こすコンプレックスについてお話しました。
 
 今回は「男性とのデート、支払いはワリカン? おごり? 何が理想?」というアンケートをもとに、また他者の視点の介在について探ってみます。

 デートの支払いで他者の視点の介在? と思われる方も多いと思いますがまあ聞いてください。

 まずアンケートを見ると、
「彼が多めに支払う」という意見が半数以上を占めました。
 そして「割り勘」「彼が全額負担」と続きます。
 一人だけ「自分が多めに払う」という人がいました。

 この結果を見て、アラフィフの担当編集Aさんは「最近の若い女の子はいくらかでも払ってくれるのか…。時代は変わったな…」とおっしゃってました。

 というように、このテーマは時代とともに結果も大きく変わってくる部分が大きいようです。

 Aさん世代だと男が全額払うというのがスタンダード。
 でも今は経済とかいろんな状況が変わってきたので、男が多めに払ったり(女性も払う)、割り勘というのが多くなってきています。それが当たり前になってきました。

 ここで注目すべきことなのは「多めに払いたい」という女性が少ないということと、「本音を言うと、彼が多めに払ってくれるとうれしい」という心の奥底の意見が見え隠れしていること。

「できるかぎり男性に多く払ってほしい」というのは、旧態依然な考え方に基づいているところもあるかもしれませんが、そればかりではないと私は思うんです。

 お金を多く出してもらえること=特別な女性として扱われていると思える、という意識が裏側にある場合があるのではないでしょうか。

 私はフェミニストではないのですが、少なくとも日本では、女性は化粧をしたり外見をきれいにしたりすることを求められますよね。
 一般社会では、化粧をしていることがマナーとすら考えられています。男性はすっぴんなのに、です。
 そういうところから女性は、社会から「女性であること」を求めてられているということがうかがえます。男性中心の社会だからこそ、男性とは異なる存在である「女性」として存在することを求められている、とも言えます。

 ただ、それ自体は仕方のないことだと思います。「女性の社会進出」という言葉があるくらい、社会は男性中心で動いてきた長い長い歴史があるのです。
 その点に関しては、今回のコラムでは一旦おいておきましょう。

 ただそういう「女性」としての存在を求められての弊害があります。
 女性が必要以上に「女性」であろうとしてしまうことです。
 いつもダイエットをしていたり、ネイルアートやまつ毛エクステも定番化。最近ではカラーコンタクトをしている女性がすごく多いことに、男性の皆さんは気づいているのでしょうか? プチ整形だけじゃない美容整形をする女性も少なくありません。

 もっとキレイになりたい、と理想の自分を追いかけて、自分磨きを続ける女性。
 最初は自分のためだったのに、いつしかそれを「認めてもらいたい」「ほめてもらいたい」と考えるようになってしまう。

 だから、自分には魅力や価値があり、その対価としておごってもらいたい。

 昔は男性のほうが稼ぎも良かったですから“依存”という側面があったと思うのですが、今は自分の価値を測るものさしになってきている。

 おごられる、たくさん出してもらえる特別な自分という考え。
 決して自分磨き=男性に愛される、という図式は成立していないにも関わらず、です。
 どうですか? こんな自分磨きはこじれてますよね。

 もちろんそうじゃない人もいますよ。純粋に美を追求したい、とか、メイクが大好き、という人もいると思います。

 でも、ネイルアートを新しくした、ダイエットスムージーを作った、とか、インスタグラムにアップしたりとかしますよね。
 その目的はなんでしょうか? 他者とのつながりですか? それとも、他者からの評価でしょうか?
 日本の女性は他者の評価に依存が非常に大きい、そして承認欲求も大きい。男性にそういう部分が皆無とはいいませんが、圧倒的に女性のほうがその傾向があると思います。

 GIRL’S CHでは、レビューに「わかる!」ボタンというものがあります。

 誰かのレビューに賛同したときに、「いいね!」のようにクリックしてもらうものなんですが、この「わかる」ボタンには、女性の承認欲求を満たしてレビューの書き込みを促進させたい、という目的もあるんです。

 先日、テレビでやっていたんですが、外国人は、日本人がSNSでご飯の写真ばかりを上げることを変だと思っているようです。

 外国人は自分を中心に考えているから、美味しいものを食べたとしても、美味しいものと自分で写真を撮る。
 日本人はご飯だけを撮る。

 自分が中心にいないというのは日本独特の文化かもしれないですね。
 これを広げていくと、他者に依存するという傾向が強くなってくるのではないでしょうか。

 アンケートをみると、割り勘と答えている人は20代〜30代が多いんです。
 それを見たAさん曰く「でも僕が20代の子と飲んだとしても、その子は割り勘にはしてくれないですよね」。

 でも時と場合によるんじゃないでしょうか。チェーン系の居酒屋で総額3000円くらいだったら「割り勘かよ!」と思うかもしれませんが、フレンチで2人で1万円とかする高いところだったら「2000円だけいい?」「分かりました」なんて感じになりませんかね。

 ちょっと勇気を出して言ってみればいいのに。
 結果がどうなるかは責任持てませんが。

 ただ合コンなんかは、まだまだ全額男性負担が多いですよね。
 まあ合コンは置いておくとして…、将来的にはもっと割り勘が多くなってもいいと思うし、そうなっていくんだろうと思います。

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