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江戸瓦版的落語案内【心眼(しんがん)】

2016.06.26 Vol.669

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

脱こじらせへの道 第25回 絶対ばれちゃうから嘘はつかないほうがいい!!

2016.06.24 Vol.669

 今回は、現在配信中の中島知子監督作品「秘密」にちなんで、
「彼に嘘をついたこと、ありますか?」というアンケートで話を進めてみたいと思います。

 嘘はついていないにしても、彼に黙っているという部分も含めて、彼に言えないことがあるという点では、ほとんどの方が当てはまるのではないでしょうか?

 特にGIRL’S CHのアンケートでは、やはり恋愛に関する嘘が多かったようです。
 不倫、浮気、経験人数(少なく伝えてしまう)などなど…。

 不倫や浮気は、今年に入ってからメディアで様々なニュースになっていましたね。
 最近も某アーティストさんがW不倫で話題になっていました。
 不倫に関することは過去にもこのコラムで何度も話題にしてきたのでそちらを読んでいただくとして、男と女、いつの時代もこの嘘はなくならないのでしょう。

 余談ですが、こういった不倫に関する話題を友人とするときは、完全に意見が分かれます。
「不倫なんて絶対ダメ!!」という不倫全否定派と(そういう人は過去にもこれからも不倫をしなさそうな性格だったり)、だいたい話を濁すのは経験者。
 不倫はする人は何回もするし、しない人は絶対しない、というのが私の経験上の意見なのですが、なぜでしょう?
 機会があれば考えてみたいものです。

 嘘の話に戻しますが、前提として「嘘はばれる」ものだと思います。

 小さい嘘をこつこつと積み重ねて収拾がつかなくなる人。
 ここ一発で大きな嘘をつく人。
「ここ一発で大きな嘘をつくために小さな嘘はつかない」という人もいるようです。

 昔、古畑任三郎が「嘘がうまい人は本当に嘘をつくべきところだけ嘘をつく」といったことを言っていたと思うんですが、後者はこういう人のことなんでしょうね。

 でも、ほとんどの嘘や隠し事が、結局ばれちゃうんですよね。
 人の口に戸は立てられないものです。「この人なら大丈夫」と信頼している人も、その人が思う「この人なら大丈夫」に話して次第にみんなが知っているなんてことも。
 不倫なんかの場合は、承認欲求を満たされたい、肯定されたい、という思いから話してしまうこともあるのではないでしょうか。

「とはいっても、どうしても嘘をつかなきゃいけない場面もあるんじゃない?」という声もありますが、そんな時ってあるんでしょうか。

「かわいい嘘はいいんじゃない?」というのもそう。
 つくほうが「かわいい嘘」と思っていても、つかれるほうはそう思わないかもしれませんから。

 例えば、経験人数や離婚経験に関するような嘘。
 私のまわりでは本当の経験人数や、離婚経験が言えない、という女性もいます。
 これは日本社会が女性に対して、
「清楚であること」「純潔であること」を必要以上に求めている結果とも言えるかもしれません。
 AVには清楚系という女優さんのジャンルがあるし、処女もの作品はなくなりません。それらは男性から一定の支持を受けているのです。
(某女優さんは、どんなにハードなプレイをしていても”永遠の処女”なんていう呼び名で呼ばれているくらいです)

 それを思うと、日本人男性の純潔・清楚への憧れがいかに強いものかがわかります。

 ただ、私もこうして年齢を重ねてきて、
 20代の頃は「二桁以上はヤリマン!」みたいな考え方をしていたこともありましたが、普通に恋愛をしていれば、経験人数は当然増えていきますよね。
 処女とかヤリマンとかそれ以前に、現実問題としてそういう事実があることを、男性も女性も正しく認識した上で、女性には自分の経験人数に自信を持ってもらいたいと思います。

 少ないことは、自分を大切にしてきたり、何かに打ち込んできた結果。
 多いことは、それだけの異性を愛すことができた人生経験。

 ということで良いのではないでしょうか。

新しい“ジブン発見”コラム My Discovery Vol. 04 武蔵(むさし)

2016.06.13 Vol.668

武蔵の“My Discovery” 戦う気持ちは、決して消えない。

【江戸瓦版的落語案内】味噌蔵(みそぐら)

2016.06.13 Vol.668

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

孤高の空手家 小宮山工介

2016.06.13 Vol.668

 6月24日(金)に国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2016 ~-65kg世界最強決定トーナメント~」のスーパーファイト -60㎏で卜部弘嵩と対戦する小宮山工介。意外ではあったが、格闘技ファンなら、絶対見てみたいカードだ。

「弘嵩選手といえば、弟の功也選手との兄弟対決で注目を集めていましたが、自分も男3兄弟で皆格闘技をやっているので、会場で2人の試合を見た時は複雑な気持ちでした。というのも、自分は2番目なので、兄の気持も分かるし、弟の気持も分かる。兄は弟に負けられないというプライド、弟はお兄ちゃんを負かしてやろうという気持ち。うちは父親が兄弟が戦う姿を見たくないと、空手をやらせる時に違う流派の道場に入れたんです。なので僕らは空手の世界では別々のところで戦っていた。それだけに、卜部兄弟の試合は複雑ではありましたが、ものすごく感動もしました。だって兄弟がチャンピオンベルトをかけて試合をするってすごいことじゃないですか。それをやったのもすごいし、そこで勝った弘嵩選手はすごいと思います」と史上最大の兄弟喧嘩と呼ばれた試合を振り返った。

「弘嵩選手ももともと空手出身ですし、兄弟そろって格闘技をやっているところなど、似ている部分はある。素晴らしいファイターで尊敬もしていますが、僕がK-1に参戦することで、何か変わるんじゃないかなという予感もします」

 地元と空手界では“天才空手少年ブラザーズ”として有名だったとか。

「どうなんでしょう。全国の空手大会を北は青森から南は沖縄、奄美まで回っていたので、地方に行くと言われることもありましたが、あまり意識はしていませんでした。あえてあまり感じないようにしていた部分もあります」

 空手での輝かしい成績が、のちに格闘技に向かわせる事に。

「中学卒業後上京し、極真会館という空手の名門に入門し3年ほどたった時に、K-1がすごく盛り上がっていて、自分の空手の技はキックボクシングのルールで通用するのかなと思い始めたんです。で、始めてみたら楽しくてどんどんのめり込んで、21歳でプロデビューし、24歳で他団体ですがチャンピオンになりました。空手はルールが結構制限されるのですが、キックボクシングは空手の技術も取り入れながら新しいルールででき、かつ試合もスリリングだったので、その辺がすごく楽しかったです。それにジュニアから空手をやって、66回優勝したんですが、慣れてきたというか、刺激が足りなくなっていた時期でもあったことかなと。もっと高いところを目指しますということがしばらくない状態で、なんとなくやっているような感じになったので、その辺りもキックボクシングにハマった理由ですね」

 会見では日本の-60㎏を極めたいと。

「僕はキックボクシングのスーパーフェザー級、-60㎏級なんですが、2014年に統一戦があって、そこで運よく-61㎏級のチャンピオンになったんです。ですから自分はこの階級で1番になったと思っていたんですが、K-1で同じ階級にチャンピオンができた。僕の本来の階級にチャンピオンがいると、胸を張って俺が一番だって言えなくて。周りからも卜部選手のほうが強いんじゃないかっていう声も聞こえてきたし、いろいろタイミングも合い、今回の試合が実現しました。念願かなって、真の-60㎏王者になる!…かどうかは分かりませんが(笑)、格闘技をやる以上1番を目指しています」

 試合に向けて見どころと意気込みを。

「僕の格闘技は、美しく倒すというのが見どころ。100本1000本どころか10万本、100万本、いやそれ以上パンチも蹴りもやってきているので、それをずっと続けると技が磨かれて研ぎ澄まされ、美しくなるんです。そこをぜひ見ていただきたいですね。また、相手はK-1のチャンピオンなので、勝ち負けはしっかりつけないといけないと思っています。ずばり、白黒をはっきりさせるためKO決着する。そのために死ぬ覚悟、倒れてもいいぐらいの覚悟で向かっていきたいと思います」

【鈴木寛の「2020年への篤行録」】第33回「18歳選挙権」にわかブームにするな

2016.06.13 Vol.668

 衆参同日のダブル選挙は、熊本地震の影響もあって見送りになったものの、6月1日の国会閉会後、各政党は参院選に向け「選挙モード」に入っています。朝日新聞の世論調査では、参院選の投票先を選ぶ際にもっとも重視する政策を尋ねたのに対し、「医療・年金などの社会保障」が最多の53%。続いて「景気・雇用対策」(45%)、「子育て支援」(33%)と生活に密着した内容が相変わらず多く挙げられました。

 今回の参院選、なんといっても注目は「18歳選挙権」初適用です。諸外国では選挙権年齢が10代に引き下げられており、日本もやっとこの潮流に乗ることになりました。何よりも我が国は「シルバー民主主義」と言われるように、少子高齢化で多数派のシニア世代の意見が通りやすいのが実状です。若い世代の政治参画のすそ野を広げていくためにも、この「18歳選挙権」導入が実現することを心から歓迎したいと思います。

 一方で、参院選に向けた「18歳選挙権」を巡る報道を見ていると、各党の若者向けアピール合戦といった目先の現象にとらわれ、本質的な意義が正確かつ深く理解されないのではないかという危惧を抱いています。3年前の参院選をご記憶でしょうか。インターネットを使った選挙活動、いわゆる「ネット選挙」が解禁されたのがこの選挙戦でしたが、マスコミが大々的に報じた割に若い世代の投票率が劇的に改善することもなく、期待されたネット上の政策論議もあまり見られず、むしろ中傷やデマ、ネガティブキャンペーンが横行する等、「から騒ぎ」に終わった感があります。今では政治や選挙のネット利用の意義が忘れ去られています。

「18歳選挙権」は「ネット選挙」の轍を踏んではなりません。すなわち、にわかブームにしてはならないのです。

 政治や社会を変えるのは、とても時間がかかります。かのマックス・ウェーバーが「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら堅い板に力をこめて、ゆっくり穴を開けていくような仕事です」と述べたように、本来の政治は、地味で地道なことの積み重ね。さらに「子育て支援を充実するなら他の財源を削る」といった様々な矛盾や葛藤、トレードオフがあるのです。

 そうした現実を直視し、仲間たちと熟議する。待機児童問題に悩む子育て世代などの当事者たちに話を聞くと理解が深まります。もちろん、皆さんが当事者世代である奨学金問題や社会保障の世代間格差について、各政党・候補者がどのような公約を掲げているのか、他党の公約や専門家の指摘と擦り合わせて一つ一つ吟味をする―。初めての一票を投じるまで、その重みをぜひ感じてください。
(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

格闘家イケメンファイル Vol.50 孤高の空手家 小宮山工介(こみやま・こうすけ)

2016.06.13 Vol.668

 6月24日(金)に国立代々木競技場第二体育館で開催される「K-1 WORLD GP 2016 ~-65kg世界最強決定トーナメント~」のスーパーファイト -60㎏で卜部弘嵩と対戦する小宮山工介。意外ではあったが、格闘技ファンなら、絶対見てみたいカードだ。

「弘嵩選手といえば、弟の功也選手との兄弟対決で注目を集めていましたが、自分も男3兄弟で皆格闘技をやっているので、会場で2人の試合を見た時は複雑な気持ちでした。というのも、自分は2番目なので、兄の気持も分かるし、弟の気持も分かる。兄は弟に負けられないというプライド、弟はお兄ちゃんを負かしてやろうという気持ち。うちは父親が兄弟が戦う姿を見たくないと、空手をやらせる時に違う流派の道場に入れたんです。なので僕らは空手の世界では別々のところで戦っていた。それだけに、卜部兄弟の試合は複雑ではありましたが、ものすごく感動もしました。だって兄弟がチャンピオンベルトをかけて試合をするってすごいことじゃないですか。それをやったのもすごいし、そこで勝った弘嵩選手はすごいと思います」と史上最大の兄弟喧嘩と呼ばれた試合を振り返った。

「弘嵩選手ももともと空手出身ですし、兄弟そろって格闘技をやっているところなど、似ている部分はある。素晴らしいファイターで尊敬もしていますが、僕がK-1に参戦することで、何か変わるんじゃないかなという予感もします」

 地元と空手界では“天才空手少年ブラザーズ”として有名だったとか。

「どうなんでしょう。全国の空手大会を北は青森から南は沖縄、奄美まで回っていたので、地方に行くと言われることもありましたが、あまり意識はしていませんでした。あえてあまり感じないようにしていた部分もあります」

 空手での輝かしい成績が、のちに格闘技に向かわせる事に。

「中学卒業後上京し、極真会館という空手の名門に入門し3年ほどたった時に、K-1がすごく盛り上がっていて、自分の空手の技はキックボクシングのルールで通用するのかなと思い始めたんです。で、始めてみたら楽しくてどんどんのめり込んで、21歳でプロデビューし、24歳で他団体ですがチャンピオンになりました。空手はルールが結構制限されるのですが、キックボクシングは空手の技術も取り入れながら新しいルールででき、かつ試合もスリリングだったので、その辺がすごく楽しかったです。それにジュニアから空手をやって、66回優勝したんですが、慣れてきたというか、刺激が足りなくなっていた時期でもあったことかなと。もっと高いところを目指しますということがしばらくない状態で、なんとなくやっているような感じになったので、その辺りもキックボクシングにハマった理由ですね」

 会見では日本の-60㎏を極めたいと。

「僕はキックボクシングのスーパーフェザー級、-60㎏級なんですが、2014年に統一戦があって、そこで運よく-61㎏級のチャンピオンになったんです。ですから自分はこの階級で1番になったと思っていたんですが、K-1で同じ階級にチャンピオンができた。僕の本来の階級にチャンピオンがいると、胸を張って俺が一番だって言えなくて。周りからも卜部選手のほうが強いんじゃないかっていう声も聞こえてきたし、いろいろタイミングも合い、今回の試合が実現しました。念願かなって、真の-60㎏王者になる!…かどうかは分かりませんが(笑)、格闘技をやる以上1番を目指しています」

 試合に向けて見どころと意気込みを。

「僕の格闘技は、美しく倒すというのが見どころ。100本1000本どころか10万本、100万本、いやそれ以上パンチも蹴りもやってきているので、それをずっと続けると技が磨かれて研ぎ澄まされ、美しくなるんです。そこをぜひ見ていただきたいですね。また、相手はK-1のチャンピオンなので、勝ち負けはしっかりつけないといけないと思っています。ずばり、白黒をはっきりさせるためKO決着する。そのために死ぬ覚悟、倒れてもいいぐらいの覚悟で向かっていきたいと思います」

※このインタビューは5月30日に収録されました

鈴木寛の「2020年への篤行録」第33回「18歳選挙権」にわかブームにするな

2016.06.13 Vol.668

 衆参同日のダブル選挙は、熊本地震の影響もあって見送りになったものの、6月1日の国会閉会後、各政党は参院選に向け「選挙モード」に入っています。朝日新聞の世論調査では、参院選の投票先を選ぶ際にもっとも重視する政策を尋ねたのに対し、「医療・年金などの社会保障」が最多の53%。続いて「景気・雇用対策」(45%)、「子育て支援」(33%)と生活に密着した内容が相変わらず多く挙げられました。

 今回の参院選、なんといっても注目は「18歳選挙権」初適用です。諸外国では選挙権年齢が10代に引き下げられており、日本もやっとこの潮流に乗ることになりました。何よりも我が国は「シルバー民主主義」と言われるように、少子高齢化で多数派のシニア世代の意見が通りやすいのが実状です。若い世代の政治参画のすそ野を広げていくためにも、この「18歳選挙権」導入が実現することを心から歓迎したいと思います。

 一方で、参院選に向けた「18歳選挙権」を巡る報道を見ていると、各党の若者向けアピール合戦といった目先の現象にとらわれ、本質的な意義が正確かつ深く理解されないのではないかという危惧を抱いています。3年前の参院選をご記憶でしょうか。インターネットを使った選挙活動、いわゆる「ネット選挙」が解禁されたのがこの選挙戦でしたが、マスコミが大々的に報じた割に若い世代の投票率が劇的に改善することもなく、期待されたネット上の政策論議もあまり見られず、むしろ中傷やデマ、ネガティブキャンペーンが横行する等、「から騒ぎ」に終わった感があります。今では政治や選挙のネット利用の意義が忘れ去られています。

「18歳選挙権」は「ネット選挙」の轍を踏んではなりません。すなわち、にわかブームにしてはならないのです。

 政治や社会を変えるのは、とても時間がかかります。かのマックス・ウェーバーが「政治という仕事は、情熱と判断力の両方を使いながら堅い板に力をこめて、ゆっくり穴を開けていくような仕事です」と述べたように、本来の政治は、地味で地道なことの積み重ね。さらに「子育て支援を充実するなら他の財源を削る」といった様々な矛盾や葛藤、トレードオフがあるのです。

 そうした現実を直視し、仲間たちと熟議する。待機児童問題に悩む子育て世代などの当事者たちに話を聞くと理解が深まります。もちろん、皆さんが当事者世代である奨学金問題や社会保障の世代間格差について、各政党・候補者がどのような公約を掲げているのか、他党の公約や専門家の指摘と擦り合わせて一つ一つ吟味をする―。初めての一票を投じるまで、その重みをぜひ感じてください。(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

江戸瓦版的落語案内 味噌蔵(みそぐら)

2016.06.12 Vol.668

 落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

脱こじらせへの道 第24回 性教育と避妊について真面目に考える

2016.06.10 Vol.668

 先日梅雨入りしましたが、梅雨があければもう夏!
 そして夏といえばアバンチュール!
 ……というのは言い過ぎかもしれませんが(笑)
 イベントや出会いが多い季節ということで、たまには真面目に性教育の話題でも。

 先日、他の配信サイトの担当者さんとお話したときに、「男性に向けて、コンドームを使おう!という記事を書いたら、女性ユーザーからの『よくぞ書いてくれた!』という称賛の声がとても多かった」ということを聞きました。

 女性としては、避妊はもちろん性感染症の予防のためにも、コンドームの着用は絶対にしたいもの。それでも、男性の「ナマでしたい!」願望は高いのですよね。

 このアンケートの結果を見ると避妊をしていない12%の中には妊活中の方もいらっしゃるので、ほとんどの方が避妊をしているという結果に。女性の避妊の意識は高いですよね。

 そして避妊方法については、予想通りコンドーム派が多かったです。
 男性の中には避妊についてはコンドームが一番効果があると考えている方が多いように思えますが、確率でいうと実はピルのほうが確実なんです。でも性病のことを考えるとやはりコンドームを併用するのがオススメ。接触で感染することが多いからです。

 AV業界にいるのであえて伝えておきたいのが、女優さんも男優さんも、性病には人一倍気をつけている、ということ。
撮影前には性病検査に行ったり、普段から体調管理にはすごく気をつけているのです。
 なぜなら性病になってしまったら撮影自体がなくなり、自分の仕事がなくなるだけでなく、メーカーさんにも迷惑をかけてしまいます。
 そんなことが続いたら、もう次は呼ばれなくなってしまうことも考えられます。

 また、性病だけでなく、ハードな撮影の事前準備なども念入りに行われています。
それでも、AVでは完成した表の部分しか見えないので、その苦労や手間が伝わらなかったりするんですよね。
だから簡単に、「真似したい」「やってみたい」と思って、ハードなプレイや生セックスをしてみたくなってしまう、と。

 でもこのアンケートにあるように、ほとんどの女性が避妊や性病の予防でコンドームの着用をしているし、したいと希望しています。
 これを読んでいる男性の皆さんには、そういうAVの裏事情を知った上で、コンドーム使用の重要性を理解していただきたいです。

 それとは反対に、こんなアンケート結果も。

脱こじらせへの道 第23回 性欲は日本人には義務かもしれない

2016.05.27 Vol.667

 今回は「みーんな大好き!? セックスは好きですか?」というアンケートをもとにお話をしてみようと思います。

 まず結果からいうと、「嫌い」という選択肢も用意したんですが、嫌いという人はいませんでした。「GIRL’S CH」のユーザーですから、それはそうでしょう、という結果です。

 いつもならこういう場合のこじれは、好きなのに「好き」というのが恥ずかしくて、「そうでもない」と言ってしまう状態になるというところに落ち着くかと思いましたが、今回に関しては、そういう考え方のほうがこじれているのかもしれないと、ちょっと思ってしまいました。

 人間の三大欲求って「食欲」「性欲」「睡眠欲」と言われていますよね。長さはともかく寝ない人はいないし、食事も取らなければ死んでしまうかもしれない。でもそれに比べて性欲って、セックスしなかったから死ぬということはないですよね。ゆるやかに人口が減っていった結果人類が滅びるということはあるかもしれませんが…。
 そんな好き嫌いの範疇でやるかやらないか選べるというものが、なぜ三大欲求に入っているのかなと疑問が湧いてきました。

 そんなこと考えながらググっていると、どうやら三大欲求というのは心理学から来ていて、日本特有の言い方らしいんです。

「三種の神器」とか「御三家」とか「三大首都圏」といった感じの“三大なんとか”というのがありますよね。どうもそれになぞらえて作られたのではという説があるようなんです。

 そう考えると、食欲と睡眠欲が先にあって、「もう一個欲しいな」ということで、無理やり加えられたものなんじゃないかっていう考えも浮かびますよね。
「やりたい」という意味では間違いなく欲求ですが、ほかのふたつと明らかに質が違うというのも、これで説明がつきます。

 もともと人間というものは存続するために性欲を持たなければならないとするなら、日本人は「三大欲求」と定義してまで性欲というものを意識しなければいけないということなんでしょうか。

 日本人はそんなにセックスは好きじゃないんじゃないか。でも好きじゃないとなると、子孫繁栄に大きな問題があるから、無理やり三大欲求に入れなきゃみんな自発的にセックスをしなくなるくらいの国民だったんじゃないか、きっと…といった感じです。

 回数が少ないということもいろいろな調査で明らかですし。

 自然発生的な欲求ではなく、ケツを叩かないとセックスをしないのが日本人なのかもしれません。

 となると今までの「好きで当たり前」「みんなセックス好きなはず」という、私の考え自体が誤りだったのかもしれないなと思いました。日本においては。

 その一方で、AVや風俗は本当に充実していますよね。
 AVのジャンルの多さや細かさは世界随一だと思いますし、風俗のジャンルも豊富です。
 市場として成り立っている以上、完全にセックスが嫌いだということはないはずです。

 その半面、テレビではおっぱいも見られないんですよね。有害図書に対する取り締まりも厳しくなっています。

 エロに対しては特に、反対する意見のほうが大きく聞こえます。
 GIRL’S CHでもそうです。レイプものの動画は注意喚起のポップアップをつけているにも関わらず、視聴して批判的な意見を書き込むユーザーさんがいらっしゃいます。もちろんそういうジャンルを好きな女性はいますし、ひっそりと見て楽しんでいらっしゃるのかもしれませんが、レビューでの書き込みを見る限りでは反対派が多いように見えてしまう。
 これは一例ですが、男性向けのAVやエロを扱うメディアでも同様です。そして結果的に、取り締まりが厳しくなっていく。

 何もかもこっそり見なければいけなくなってしまったら、人々はそれを「いけないこと」と思ってしまうのではないでしょうか。
 取り締まられるエロ=いけないこと。
そうして、これからセックスが嫌いな人がどんどん増えていくかもしれません。

 だからほうっておいたらどんどんそういう方向に進んでいって、嫌いな人がどんどん増えて行くような気がします。
 我々みたいなAVの人たちが頑張らないといけない。

 アンケートに戻りますと、セックスが好きな理由はだいたい納得できるものでした。
 わりといい話。楽しんでるなって思います。

「どちらでもない」と答えられた方も、前戯もセックスのうちと思えば、セックスは好きですよね。そう考えるとほぼ100%セックスが好きという回答でした。

 GIRL’S CHのユーザーさんは、みんな楽しんでくれているなっていう感じがします。前向きな意見が多くていいなと思いました。
 不倫のアンケートのときのように物語が入っちゃっている人もいない。こんなに自分語りがないのは珍しかったです。

「セックスが好きだ!」ということをみんなが言える状況になっていることはいいことです。特に女性にとっては。昔というより、少し前までは言えなかったですから。

 今回は、自分の大前提が揺らいだアンケートとなりました。
 随分大きな話になって収集がつかなくなりそうなので、今回はこれくらいにしておきます。

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