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友香の素 vol.151 ハーブガーデンレストラン

2015.05.24 Vol.643

 ある日の夕方、ハーブガーデンを馬のヨモちゃんとお散歩をしていたら、ヨモがユーカリの葉っぱを発見。鼻を近づけて、フンフンっと匂い確認。馬は知らない食べ物は、食べられるかどうかを匂いで確認して、食べられると分かったら食べます。普段、人参、りんごやバナナ、黒糖などをおやつにあげたりしますが、香りが強い、甘くないハーブ類は食べないだろうなぁっと思ってたら、なんと、ユーカリを枝ごと引きちぎってムシャムシャと食べ出しました。食べるの?? びっくり!いつもだとガーデンに敷き詰められた芝生の草が伸びている所を探してむしゃむしゃと食べているヨモでしたが、これからはハーブもメニューに加わりました(笑)。ユーカリは葉っぱが可愛らしいハーブで、リース(輪っかになっている飾り)作りに使ったり、ドライフラワーにしたり私も好きなハーブです。

 そしてもう一種類、食べられるハーブメニューに加わったのがラベンダー。今の季節、ちょうどラベンダーが花をどんどん咲かせるので、ある程度花が咲いたら花を摘んで、次の花が成長するようにします。摘んだ花はそのまま活けたり、ドライフラワーにしたり。ラベンダーの良い香りにはリラックス効果がありますが、あまりにも良い香りなので、摘んだ花をヨモに嗅がせました。まずフンフンフン。良い香りだよね?なんて言いつつ嗅がせていたら、ムシャムシャ?! ラベンダーも食べました。びっくりしてたら、ヨモちゃんからラベンダーの良い香りが漂ってきて、今度は私がリラックスです(笑)。

 リラックスというとカモミールにもその効果があり、ガーデンのカモミールがそろそろ咲き出します。りんごのような甘い香りがするハーブなので、りんご好きのヨモちゃん、好きかもしれません。またハーブガーデンレストランに連れて行ってあげようっと!

格闘家イケメンファイル Vol.25 戦慄のブラジリアンフック 木村”フィリップ”ミノル

2015.05.24 Vol.643

 いつでも闘争心むき出しで、試合の前から相手への口撃が容赦のない噛み付きキャラの木村。しかし、最近はそのキャラが崩壊し、“本当はいい人説”も囁かれているが…。

「まあ、だんだんいい人だっていうのがバレてきているのは感じていますね(笑)。ただ全部作っているというのではなく、記者会見やカード発表で相手を見ると、自然にそうなっちゃう。絶対に倒してやるっていう思いが強い分、気持ちが抑えられなくなって、ガッと言ってしまう。でも注目してもらっている以上、本当の俺がどうであれ、横柄な態度をとって豪快でなければと思うんですね。それは格闘家として大切にしている心構えでもあるので」

 ビッグマウスのキャラクターに加え、とにかく試合が面白いと評判の木村。1月に行われた試合で、それまで9年間、対日本人戦無敗のK-1 −65kg初代王者のゲーオ・フェアテックスからダウンを奪い勝利したことは大きな話題をさらった。

「自分でいうのもなんですが、すごいっすよね。ストーリー性無限大です、俺(笑)。どんな試合でも絶対に負けない気持ちでやりますが、人間ですから負けることもある。でもその負けをいかにポジティブに変換して反省し、次につなげるかが大切だと思うんです。ですから昨年11月に大切なトーナメントの1回戦で負けたあと、その時の優勝者ゲーオ選手と1月にすることになった時に、これをストーリーにしてやろうと思った。自分がすぐに負けた試合の頂点に立ったチャンピオンに、次の試合で勝つ。そんなベタなドラマでも無いようなことを現実の世界でやる。そのストーリーを完成させようと思うのが自分の原動力ですね」

 21歳という若さながら、格闘技歴は12年目という木村は超ポジティブ。

「きっかけはテレビで見て、魔裟斗さんとかがかっこいいなって思ったこと。男の子って、絶対的な強さにあこがれる時期があると思うんですけど、僕の場合はそれがずっと続いている。リングにいる姿って単純に男としてかっこいいし、どんな展開になったとしてもリングにいる以上、かっこよくしか終わらないと思うんです。それが格闘技の一番の魅力じゃないかな。性格は超ポジティブで自画自賛タイプ(笑)。でも落ち込んだり反省したりすることも結構あるんですよ(笑)。辛いことや嫌なことがいっぱいあるし、日常生活で悩むことも多い。でもそんな時は開き直って堂々と胸を張っていようと。何があっても動じず、胸を張る。それで怒られようが別にいいんだって思うようにしています」

 そんな前向きパワーはどこからくるのか。

「海が大好で見ているだけで癒される。三浦半島はパワースポットなので、ゲーオ戦の前にも行って、海と自然からパワーをもらいました。太陽がめっちゃ照っていたので、太陽に向かって“勝ってくるからな!”って叫んで。で、実際に勝ったので勝利の報告にも行きましたよ。“勝ったよー”って(笑)」

 それは恋愛にも向けられる?

「基本一目ぼれ系で、ガツガツいくタイプ(笑)。人からはちょこちょこジャブをついて相手が来るのを待ちつつ1回よけて、またジャブを打って、効いたと思ったら攻めるんだよって言われますが、関係ないです。俺はマイク・タイソンなので、最初からガンガンいく(笑)。ガンガン行って、少しでも相手が揺らいだら、一気に仕留める。試合も恋愛も全部一緒です(笑)」

 7月4日に開催される「K-1 WORLD GP 2015 〜−70kg初代王座決定トーナメント〜」のスーパーファイト/K-1 −65kg Fightに出場。

「試合前からビッグマウスで大口叩きますが、それを有言実行できるかどうか、その目で確かめに会場に見に来てほしい。今度の試合もKOするって決めているので、お楽しみに。下手な勝ち方をしたら罵声をくれてもいいし、金返せコールもウエルカムなので。その前に記者会見やインタビューもチェックしてもらえれば。木村ミノルは記者会見とKOがお得なバリューセットになっておりますので(笑)。とにかくいろいろな意味で期待は裏切らないので、会場に足を運んで下さい」

江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE 本膳(ほんぜん)

2015.05.23 Vol.643

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

ノッポン弟オススメ! from TOKYO TOWER
夏恒例!「東京タワー 天の川イルミネーション」

2015.05.22 Vol.643

 今年も毎年恒例の七夕特別企画「天の川イルミネーション」の季節がやってきました! 合計13万個の青色と白色のLED電球が、天の川が架かった夏の夜空のよう。そんな幻想的にきらめく光景でみんなをお出迎えするよ。

 高さ150mの大展望台では、夜空に瞬く無数の星を「青色」、その中心で大きくゆったりと流れる天の川を「白色」のLED電球で表現。その星空の中に赤色の織女星(織姫)と白色の牽牛星(彦星)が輝き、さらに流れ星が不定期で現れるんだ。日が落ちてくると「天の川イルミネーション」の光りが大展望台の窓ガラスに映りこんで、下に見える東京の夜景の上空に本物の天の川が流れているような幻想的な景色を見せてくれるんだよ。

 そしてなんと今年は、昨年大人気だった約600段の昇りの外階段のイルミ装飾に加え、新たな試みとして、下り階段にも青色のLED電球を装飾。青い星の外階段を昇って、天の川に一番近い展望台へ。そんな体験型のイルミネーションも楽しめるんだ。期間中は平日の17〜22時、土日祝は11〜22時まで外階段を夜間開放しているので、ぜひぜひ東京の夜景と一緒に「天の川イルミネーション」を楽しんで! 外階段を昇ったみんなには、特典として非売品の「ノッポン公認昇り階段認定証」もプレゼントするよ!

 6月1日には19時から大展望台1階Club333特設ステージで「天の川イルミネーション点灯式」も行うので、時間がある人は僕と一緒に今年最初の「天の川」イルミネーションが輝く瞬間を体験してね。七夕に向けて気分が盛り上がること間違いなし!

江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE 本膳(ほんぜん)

2015.05.22 Vol.64

 ある村の庄屋の家で祝言が行われた。村人たちが祝いに一同で贈りものを送ると、その返礼として、村の主立ったもの36人が、宴会に招待された。そこではご馳走が振る舞われるということだったが、誰ひとりとして本膳の正式な作法・礼式が分からない。困った村の衆は、村長さんの前で恥をかくぐらいなら…と夜逃げの相談までする始末。するとあるものが「手習いの師匠なら、きっと正式な作法をしっているはずだから、教わりに行こう」と提案、師匠の所へ。

 師匠は「今夜中にひとりひとりに教えていたら間に合わない。しからば、私が上座に着くので、私を見て、逐一私がやることを真似れば大丈夫。ただし、羽織はきちんと着ていくように」とアドバイス。それならば簡単だと安心して帰路へついた。そしてあくる日、師匠がお辞儀をすればお辞儀をと、師匠の一挙手一投足を見つめる36人。いよいよ本膳のお椀が出てきた。その蓋を師匠があける。すると村人も一斉にあける。師匠が一口飲み込むと、村人も一口飲み込む…。「ん?お前、一気に全部飲んだらダメだよ。一口だよ、一口。お椀の中へ戻せ」と少しの違いもなく真似ようとする。次に平椀が出てきた。蓋を開けると、中身は里芋の煮っ転がし。

 しかも箸が塗り箸だったので、ツルツルしてなかなかつかめない。「エイっ」と持ち上げると運の悪いことに箸が滑って、膳の上に転がり落ちた。それを見た村人も、箸で里芋を外にコロコロ。ようやくその騒ぎがおさまったかと思うと、今度は師匠がうっかり鼻の頭にご飯粒を2粒くっつけてしまった。するとまた一斉に鼻の頭にご飯粒をくっつけだす。「おい、師匠は2粒くっつけてるんだよ。お前のは5粒あるじゃねえか」「本当か。じゃ、3粒食っちまおう」とまたもや大騒ぎ。師匠は「違う、違う。今のは作法じゃない」と言っても騒ぎに紛れてその声は届かない。“やめろ”の合図のつもりで、師匠、隣りの男の脇腹をゲンコツで突っついた。すると隣りの男、「変わった礼式だな」と言いつつ、その隣りの男に同じようにコツン。「痛てて、何するんだこのやろう! 本膳の礼式でこれを隣りに回すのか?」ということで、次々と隣りの人の脇腹をコツン。最後の36人目が「いよいよオラの番だ。思いっきり突いてやろう」と思って隣りを見ると誰もいない。

「先生、この礼式はどこへやるだ?」

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第39回「大谷に敵はいない」

2015.05.20 Vol.642

 先週末は「ABSまつり」で秋田に行ってきました。『キキマス!』でも話したし、自分のブログにも書きましたが、あったかくていいイベントでね。お客さんもたくさんきていただきました。秋田のお客さんは、しっかり見てくれてるんだなって感じでした。もしかしたら、人によっては「ノリが悪いな」って感じちゃう雰囲気なのかもしれないけど、じっくり見たうえで笑う、みたいな、僕にとってはすごくいい感じで。ついつい出演時間もオーバーしちゃいました。……秋田、好きだなあ。

 仕事でいろんなところに行かせてもらっていますが、お客さんだったり、その土地の食べ物だったり、いろんなことからその土地に想いをはせます。秋田でも鍋にトッピングされてた白いネギの甘さの向こう側、名産の「いぶりがっこ」もそうですね。帰りの空港で知った「ババヘラ」っていうアイスクリーム。おばちゃんたちが、ヘラでコーンに盛ってくれるジェラードっていうかそういうものらしいんだけど、そこからおばちゃんたちを想う……。やっぱり、秋田好きだなあ。

 行くところ行くところ、好きになっちゃうんだよね。本当に好きなところばっかりです。もう、みんな好き!

 そんなことを考えてたら、これって地方の魅力に限ったことじゃないかもしれないなと思いました。僕ね、映画にしても、音楽にしても、芸人にしても、みんないいなって思っちゃってるんですよ。どんなものでも一歩近づいてみると「おもしろい」だとか「いいな」ってところがあって、そう感じると好きになる。「自分の好みじゃないんで」って距離を取ってたら、この感覚はないんじゃないかなあ。

 で、思うんです。そういう俺、無敵じゃないかって。今の大谷に敵はいないぞって。なぜなら、みんな「いい」から。誰のことも敵だと思っていないからです。何を言ってるんだって言われるだろうけど、本当にそう思ってるんですよ。いろいろあっていい、いろいろあるからいいんじゃないって。そう思えれば、誰でも無敵。だから、俺は無敵なんです。

大谷ノブ彦 カタリマス! (裏) 第38回 「〇〇の日」は〇〇に想いをはせる日

2015.05.14 Vol.642

 ゴールデンウイークの連休明け、2日ほど布団に潜っていました。体調を崩しながらも、6日は駒沢公園の「肉フェス」から『キキマス!』の公開生放送をどうにか終え、病院へ。本当に声が出なくなってしまって、翌7日の放送はお休みさせていただきました。何年かに一度、何もできないほど体調を崩すことがあるんですよね……こればっかりは、どうにもならない。いい先生に診ていただいて、どうにか復活。9日の土曜日から仕事に戻りました。『キキマス!』にも月曜日から復帰。「よしもと」ってすごいね、月曜は仕事が6カ所でありましたよ…

 伏せっていた2日間、考えていたのが母や家族のこと。母親とあとどれぐらい一緒に時間を過ごせるんだろうなって。スペシャルウイークで介護のことが話題になったし、SMAPの中居さんが、ニッポン放送でやっている彼のラジオ番組でお父様が闘病の末に2月に亡くなられていたことをしゃべりましたよね。俺はまだ肉親を亡くした経験はないんだけど、中居さんとは同い年だしね。自分が体を壊してたことも影響してるんだろうけど、余計にそんなことを思ったんです。
 

 番組でも話したんだけど、そんなふうに考えていたことをツイートもしたら、いろいろな反響があって、みんなにとっても、あるあるなんだなって思いました。お母さんに想いをはせる感じとかがね。10日は母の日でしたけど、感謝するのはもちろん、そうやって想いをはせる日なのかなって思います。これが父の日でも、他の日でも同じです。きっと、そういうことに気づくために、あるんだと思います。

 今、アメリカで人気の動画があります。『World’s Toughest Job』っていうタイトルなんだけど、ビデオチャットで就職面接をするっていう内容で、面接官がすごいハードな仕事だ、時間は関係ないし休みもない、とすごい条件を付き突けるんです。…とどめにサラリーはゼロ円とくる。面接を受けている人は、無理だよっていう当然の反応です。で、面接官はいうんです、今もその仕事をしてる人がいるんですよ、「Mom(お母さん)」って。

 仕事に復帰した土曜の夜、焦りにも似た気持ちから、大分にいる母親に「1カ月でも2カ月でもいいから、東京に出てきて一緒に暮らさないか?」とメールしました。母親は今も大分にいて、弟が面倒を見てくれています。弟がずっとやっていることを、1カ月、2カ月っていう短時間でやろうしてるなんて都合がいいとは思うけど……。で、母親の返事はというと、「なんの罠?」でした。  

 あの時、母が何を考えていたのか。40を超えてくると、そういう思いに寄りそっていくのが生活の一部になってきているような気がします。母を、妻や息子に置き換えても同じですね。そういう家族っていう、ちょっと厄介なものが今、非常に楽しいんです。

鈴木寛の「2020年への篤行録」 第20回 新社会人が浴びる「プロの洗礼」

2015.05.10 Vol.642

 ゴールデンウィークが終わりました。新社会人のみなさんは研修期間に区切りをつけ、それぞれの職場で実地訓練が本格化していく頃だと思います。その一方で、仕事が厳しくなっていくのも事実。新年度スタートからの緊張感から一時的に解放された反動も重なり、いわゆる「5月病」が心配になる時期でもあります。

 近年は減少傾向にあるようですが、一頃、新卒入社から3年以内の離職率が問題視されました。昔から「石の上にも三年」「桃栗三年、柿八年」と言うように、相応の成果が出せるようになるまでには一定の年月と忍耐が必要です。「いまどき古いことを言うね」と、眉をひそめられるそうですが、どんな業界、世界でも、一旦入ったからには、その良いところも悪いところも見ないで辞めるのは勿体ないと思います。

 そういう私も実は、新社会人の最初の3カ月は辞めたくて、辞めたくて仕方がありませんでした。1986年、今の経済産業省、当時の通商産業省で社会人生活をスタートしましたが、霞が関のなかでも“通常残業省”と呼ばれるほどの激務。最初の1年間は100日、役所に泊まり掛けで勤務していました。とにかく山のように仕事が降ってきます。しかもいろいろな先輩からいろいろなことを同時に頼まれ、同期の新人も含めてキャパシティーがオーバーする。当時の通産省は体育会気質で、ミスをするとすごく怒られました。

 そんなある日、上司に怒られて深夜残業中の私に、隣の課の課長補佐が声をかけてくれました。先輩は「今しかミスはできないからね」とも言ってくれ、さらに、巨人軍の原辰徳選手の新人時代の話を引き合いに出されました。

 いまの20代の皆さんは原監督の現役時代をご存じないでしょうが、高校時代から注目を集め、巨人入団時には王・長島の後継と期待される等、鳴り物入りの新人でした。ところが、そんな大型新人に対して冷静な評価を下す「上司」がいました。巨人軍のV9を参謀として支え、久々に現場復帰していた牧野茂コーチです。牧野さんは原選手に対して「キャッチボールもできないからね」と語ったそうです。

 新人とはいえ、曲がりなりにもプロである原選手に対し、「キャッチボールができない」とはどういう意味でしょうか。それは「プロレベルのキャッチボールができるかどうか」ということです。原選手が守っていた三塁手ならば、どんなに難しい体勢で捕球しても、一塁ベース上の一塁手のファーストミットにめがけて、ピンポイントに投げられなければなりません。スピード、技術の精度が大学生とは違います。おそらく牧野コーチの目には入団当初の原選手の技術が物足りなく見えたのかもしれません。
 その話をしながら課長補佐は、「おまえが(ボールを)落とす、ミスをするのはしょうがない。なぜならスピードが全然違うから」と私に諭しました。私たちの世界でも、仕事の分量、スピードに対して反射神経的に対応できなければなりません。それはまさに「プロの洗礼」であり、天狗の鼻をへし折られるということ。

 公務員試験に受かって何となく“できる”気分になっている。論述試験でもそれなりのことが書けるつもりになっている。しかし、こと仕事の文書を書くとなると、「プロの目」からは水準に達していないわけです。私も議事録を取るのが苦手で先輩の筆で真っ赤に直されました。

 実は先輩や上司は、新人のあなたがミスをすることは想定内。そのリスクマネジメントが仕事です。逆に言えば、どこまでミスせずに頑張れるかを見ています。だから、何かミスをしたらすぐに報告・連絡・相談すること。初期消火が大事なのです。

 新人選手もプロの球のスピード、変化に慣れていき、本来の才能を発揮していきます。仕事はできる人に集中しますので、課題を乗り越えることで次につながります。そういう意味では1年目は勝負所。あなたも立派な戦力。仕事がふられることは信頼されている証しです。「プロの洗礼」は誰もが通る試練の道。頑張ってください。
(東大・慶大教授、文部科学大臣補佐官)

江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE 二階ぞめき(にかいぞめき)

2015.05.09 Vol.642

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)
第37回 子供が喜ぶことをしたい

2015.05.06 Vol.641

 ゴールデンウイークですね。『キキマス!』もゴールデンウイークムードで、4日、5日と放送がお休み。こどもの日にちなんでというわけでもないんですが、僕がやっている「キッズジャイアン」について話したいと思います。

「キッズジャイアン」というのは、DJ ダイノジでやっているパーティーのひとつです。タイトルの通り、子供も親も一緒に踊ろうよっていうことを意識したものです。子供の好きそうな曲をかけるっていうのもあるけど、ダンスを簡略化してみんなで踊ります。例えば、『恋するフォーチュンクッキー』のダンス。フリを完コピしてみんなで踊るのもいいんだけど、「そこはいらない!」と振り付けをシンプルにして一緒にやってみる。阿波踊りの踊り方を紹介してから「今日はこれを、ものすごい速さでやります。高速阿波踊り、できるかー!」と、すごい早い曲に合わせて踊らせる。みんな、大喜びです。

 最初は3年ぐらい前になるのかなあ。DJイベントに遊びに来てくれている子のなかに保育士さんがいて、「ぜひ、幼稚園に来てください」って言われたんです。幼稚園っていうと漫才っていう訳にも行かないし、DJだろうって。子供たちが好きな曲とかを散りばめたようなセットを持っていったんですが、すごい踊るんです。最後には手作りの金メダルをくれて……おじさん、感動しちゃった。子供が喜んでいるって純粋な快楽ですよ。それが、すべてのエンターテインメントのもとだろうと思ったし、だからこそ子供が喜ぶものを作らないとって思いました。それまではお金でしか考えなかったような僕が、そんな気持ちになるやり取りができたことは大きかったですよ。ここから始まって、復興地……僕は被災地ではなくてこう呼ぶんだけど、そこでも子供たちと踊りました。町のお祭りにも呼ばれたときは漫才もさせてもらうんだけど、最後に「じゃあ、ちょっと体を動かしましょうか」って、子供たちはもちろん、おじいちゃんやおばあちゃんも踊りましたね。おもしろかったなあ。

 選曲がカッコいいとか、テクニックがすごいとか、DJダイノジはそういったDJとは違います。DJがものすごくしゃべって、みんなで盛り上がって、一緒に踊る。パーティーもそういう雰囲気。僕らがDJをやってるのって、漫才やコントをするのと同じように、僕らの一つのネタであり、“芸”なんだよなあ。それをどんどん伝えていけたらいいのに。

「キッズジャイアン」は、今は呼ばれてやるスタイルですけど、定期的にやっていきたいと思っています。昼間のライブハウスとか、ショッピングモールとか、みんながふらっと来て楽しめるようなところでやりたい。そのためには、僕らはこういうこともできるよって、大地さんと僕がアピールしていかなきゃいけないと思っています。近々では、「Goody’z DANCE&MUSIC 2015」っていう5月23、24日に静岡の東伊豆町で開催される野外イベントでやります。僕たちの出演は23日です。お時間のある人はぜひ、来てほしい。イベントはもちろん、東伊豆も楽しいと思うしね。

 さて最後に、今週の『キキマス!』ですが、6日からスタートします。駒沢オリンピック公園で行われている「肉フェス」の会場から公開生放送です。これは、僕も楽しみだなあ。

大谷ノブ彦 カタリマス
第12回 人にはそれぞれの役割がある

2015.04.27 Vol.641

 ここ最近考えていることのひとつに「役割」っていうのがあります。というのも先日、日本はもちろん世界でも活躍しているギタリストのMIYAVIさんとご一緒する機会があって、そのなかで彼がこの「役割」ってことについて話してくれたからなんです。
 MIYAVIさん、ハリウッドで映画デビューも果たしているんですよ。アンジェリーナ・ジョリーが監督・製作した

『UNBROKEN』という作品で、日本では公開されてなくて、本国ではいろいろ話題になった映画です。それで、彼にアンジェリーナ・ジョリーから影響を受けたことについて聞いてみたんですが、「ミッション(MISSION、役割)を持っている」ってことを言ったんですよ。映画を制作するにしても、国際的な人道問題や難民問題、避難民などの問題提起にしても、母親として養子を迎えてたくさんの子供たちを育てていることだとか、全部そういうことは、自分の立場がどういう影響を与えるかを分かって、ミッションとしてやっている人だと。

 このこと、プロ野球、広島東洋カープの黒田投手の見方でも考えられますね。男気だ!って世の中が大騒ぎしているなかで、野球解説者の江本孟紀さんは『キキマス!』に来てかなり手厳しいことを言いました。黒田はいるかもしれないけれど他がいない、このままだとカープ危険だよって。それは、江本さんが野球解説者としてのミッションがあって発言しているわけです。その一方で、『週刊ベースボール』を読んでいたら、作家の北方謙三さんが黒田を大絶賛。黒田ほど分かりやすく男気というものを示した人はいない、子供たちに男気を教えたって、正反対なことを言っている。それが、北方さんの作家としてのミッションなんです。
 今、映画『セッション』について議論が起きていますが、これについても同じことが言えるでしょ。ジャズミュージシャンの菊地成孔さんに、映画評論家の町山智浩さんが反応してて、意見がぶつかり合っています。それも、それぞれがミッション、役割に基づいて、映画を見ているからなんです。

 プロ野球にしても、映画にしても、他のことにしても、それぞれにミッションがあり、役割に基づいてやってるって理解したほうがいいよって思います。それぞれの考え方に心酔している人たちが、「正しい」を一個にして、その「正しい」で裁こうとすることこそが、危険だと思うから。でも一番悪いのは、論争を読んで「じゃあ、行かない。見に行かない」ってなっちゃうパターンだけどね。

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