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EXILE TETSUYA  DANCEの道

2012.12.17 Vol.576

 2012年もあと少し。振り返ってみると、念願だったダンスのテキストブックを作ることができたり、被災地をはじめたくさんの子供たちにレッスンをしたり、THE SECOND from EXILEが始動したりと、実りある1年だったと思います。 
 女子サッカーの澤穂希選手と対談できたのはうれしかったですね。前回のこのコラムで実現したわけですが、お話をするなかで、自分が持ち続けている「ダンスをスポーツに」という軸を再確認できただけでなく、さらにそこから広がりを感じることもできて、大きな収穫のあった対談でした。
 そして、ヨーロッパに行ったことも大きかったです。僕は今、スポーツブランドのアディダスさんとさまざまなコラボをさせていただいていますが、そのアディダスさんの本拠地に行ってきました。1年ぐらい前から温めていた計画なので、ひとつの目標を達成できた気がしています。
 本社に行きたいと思ったのは「ダンスをスポーツに」という想いから。コラボを進めていくなかで、アディダスさんも同じ考えを持っていることが分かったので、それだったら本拠地に飛び込んでそのテーマを根っこから学んでしまおうと思ったんです。
 そんな気持ちで、アディダスさんの本社がある、ドイツのヘルツォーゲンアウラッハに向かいました。ニュルンベルグの近郊にある町です。ニュルンベルグは、サッカー日本代表の清武選手が現在所属するサッカーチームのあるところとして知っている方も多いかもしれませんね。現地では本当にいろんなものを見せていただきました。これから世に出ていくであろう新商品はもちろん、世界のトップアスリートが新商品を試している様子。さらには、商品開発のためにさまざまなデータを取ってるところまで! 楽しかったです。僕は以前から、アディダスの「miCoach(マイコーチ)」というパーソナルトレーニングツールを使っていて、ステージパフォーマンス中のデータを取っては「意外とバラードの時に心拍数が上がってるんだな」なんて、一人悦に入ったりしていることもあるんですが(笑)、本社のシステムは本当にすごかった!
 とはいえ、一番インスピレーションを受けたのは、アディダスで働く人たちの姿です。自転車やランで通勤する人を多く見かけたし、休み時間には敷地内のグラウンドでストレッチをしたりジョギングしたり、体を動かしているんです。エネルギッシュというか、体に気を使っている人が多いんですね。その姿に感化されて、僕もホテルから街までランニングしてしまいました。街を走るのって気持ちがいいんですよ。日本に帰ってきてからもそれを続けてみようと思ってやっています。 
 間もなく新しい年がやってきます。2013年も、グループでも個人ベースでもいろんなことにチャレンジして、僕の「DANCEの道」を突き詰めていきたいと思います。

第2回 SPECIAL対談 澤穂希×TETSUYA
第1回 “ダンスを伝える”がライフワーク

EXILE TETSUYA「DANCEの道」第04回「2013年、僕が行くDANCEの道。」

2012.12.15 Vol.DANCEの道

 みなさま、明けましておめでとうございます。この連載をみなさんにより楽しんで読んでいただけるように、心を込めてつとめさせていただきますので、今年もどうぞよろしくお願いいたします!

 EXILEは2013年、『EXILE PRIDE』というテーマを掲げ、春からドームツアーをやらせていただきます。また全国のみなさんと最高の笑顔で会えることを楽しみにしています。前回も書かせていただいたヨーロッパで学んだ事をたくさん取り入れて、更に高いパフォーマンスを目指したいと思っています。

 そんな2013年にまず僕が取り掛かることは、2月1日から品川ステラボールにて始まる舞台『DANCE EARTH 〜命の鼓動〜』。主演・サルタ役で出演させていただきます。これはプロデューサーでもあるEXILEメンバーUSAさんのライフワークプロジェクトが 、新たに”グローバルダンスエンターテインメント”として、お芝居ともミュージカルともいえる新感覚な舞台になったものです。USAさんの独特なダンスは昔から見ているのですが、僕がいうのもなんですが、日々変化と進化を繰り返しています。世界中を旅していろんな場所の、いろんなリズムと出会って帰ってきたUSAさんのダンスは、EXILEメンバーにいつも刺激を届けてくれます。地球は僕らのダンスフロア。どんな場所にも踊りがあって、それぞれのリズムで、それぞれのダンスをしていて…。「人はなぜ踊るのか?」なんてことは考えもしなかった僕が、USAさんと出会って、今回の役と出会って、改めて考えています(笑)。そこに答えがあるのかないのかまだわかりませんが、この舞台を見終わった皆さんが「何だかよくわからないけど踊りたいな!」なんて感じてくれたらうれしいです。

 そして今回は何といっても、俳優・岸谷五朗さんが演出として参加してくださいます。僕も大好きな舞台『地球ゴージャス』もやられていますし、本当に素敵な方です。すでに稽古も始まっているのですが、岸谷さんの稽古はまず発声から始まり、ストレッチ、アップ、そしてマット運動とかなり念入りに行っていきます。もちろんケガの防止が最優先のアップですが、今までやったことのない事や自分の得意な事、不得意な事をたくさん発見することが出来ています。今回のこの経験で自分のダンスやお芝居を超えた表現を見つける事を課題に頑張らせていただきます。

 また、新しい試みとして客席の3分の2がバランスボールになっています。ただ座っているだけでもトレーニングになりますが、この舞台を観て体幹を鍛えたりストレッチしてみたり、はたまたみんなでバウンドして踊りだしてみたり(笑)。もちろん普通の客席もご用意していますがオールキャスト、オールスタッフ、たくさんのワクワクしてくる仕掛けを用意して皆さんをお待ちしていますのでぜひ楽しみにしていてください。

鈴木寛の政策のツボ 第二十回

2012.12.10 Vol.575

 12月25日、クリスマスに国立競技場で一大フェスティバルを行います。日本をより一層元気づけるために、オリンピアン・パラリンピアンたちが手を取り合って「Cheer! NIPPON」という一大フェスティバルを開催します!

 昨年3月の大震災以降の日本を元気づけてくれたのは、なでしこジャパンやロンドンオリンピック・パラリンピックの選手団の活躍でした。特に今年8月に行われたオリンピック選手団凱旋パレードでは、銀座に50万人もの大観衆が全国から駆けつけ、選手たちに声援を送りました。こうしたアスリートやアーティストの活躍が、日本全体を奮い立たせたのです。そして現在では、「この感動を次は、ニッポンで!」を合言葉に2020年オリンピック・パラリンピック招致に向けた活動が盛り上がりを見せています。

 こうした勢いを受けて、『ニッポンの元気を湧かしていく』という想いのもと、第一線で活躍するアスリートたちが手を握り合い、クリスマスの国立競技場で大きなフェスティバルを開催することになりました。

 当日はスポーツなど、多くの人々が参加でき、汗を流し、歓声をあげることで感動を共有できる企画を用意しています。また、震災からいちはやく復興することを願うとともに、被災地を元気づけるために、子どもたちを無料招待することにしました。このイベントが、地域や世代を超えて人々が参加し、日本全体で感動の熱を共有し、未来を明るくしていくムーブメントを起こすきっかけにしたいと願っております。

 みなさん、12月25日はぜひ国立競技場にお越しください!
(元文部科学副大臣・参議院議員)
※「Cheer! NIPPON」公式ホームページはこちら: http://cheernippon.jp/

長島昭久のリアリズム

2012.11.26 Vol.574

 11月16日、衆議院が解散されました。12月16日総選挙で、わずか1カ月の電撃戦となります。ことの発端は、解散2日前の党首討論。野田佳彦総理大臣は「『近いうちに国民の信を問う』と言ったことにウソはない」「(国家・国民のために)後ろに区切りを付けて、(特例公債法案や身を切る改革に)結論を出しましょう。16日に衆院を解散します。やりましょう!」と安倍晋三自民党総裁に迫ったのです。
 野田総理の解散宣言。私としては万感胸に迫るものがありました。遂に、胸にしまってきた積年(日)の思いを吐き出されたな、と感じたからです。さすがの安倍総裁も虚を突かれ狼狽を隠せませんでした。じつは、この間、私は煙たがられても遠ざけられても、総理の耳元で叫び続けてきました。どうか、後ろを振り向く(党内融和に腐心する)ことなく、国家国民のため総理がやらねばならないと信ずる政策を断行してくださいと。心ない批判に晒されながら、解散先送りの党内圧力に苦悶しながら、離党者続出の責めを一身に背負いながら、一日千秋の思いでこの瞬間を模索していたのだろうと推測します。さすがに堪忍袋の緒が切れたのは、同僚議員たちによる解散阻止・離党謀議という醜態だったのではないでしょうか。
 もはや野田総理の眼中には、民主党、自民党、第三極などという国内政局など微塵もない。ただ国益の一点を見詰め、この国を根本から立て直すために必要とされる政治家集団を真剣勝負で国民有権者に選んでもらおう。これに尽きると思います。ならば、私も覚悟を決めて、野田総理の掲げる「明日への責任」の大義を果たすため、全力を尽くして来るべき決戦に臨もうと決意を新たにいたしました。
 来るべき総選挙は、民主党(政権)を守る選挙ではありません。ましてや、震災復興に便乗し「国土強靭化」という名のもとで200兆円もの大型公共事業で税金無駄遣いを目論む自民党へ政権を戻す選挙でもありません。第三極をのさばらせ、国政全体を不安定の混乱に陥れるような時間的余裕はもはや我が国にはありません。来るべき総選挙は、政治家と有権者の覚悟を問う選挙です。
 未曾有の国難に正面から立ち向かい、社会保障、経済再建、外交安全保障といった「明日への責任」を果たすため、決めるべきことを、決めるべき時に、決め抜く政治を断行する本物の政治家は誰なのか。政治家の覚悟と共に有権者の眼力が問われる日本憲政史上始まって以来の大総選挙となると思います。皆さんも覚悟の選択をして下さい。
(防衛副大臣 長島昭久)

DANCEの道 vol.2 SPECIAL対談 澤穂希×TETSUYA

2012.11.19 Vol.573

TETSUYA「澤さんと初めてお会いしたのは、共通の友人のお店でしたよね。後日、すごく丁寧なメールをいただきました。テレビなどで芸人さんが澤さんからメールが来たという話を聞いたことがあったので、本当にそうなんだなって」
澤「お世話になった方にはちゃんとお礼はしなくちゃと思っているので、よくメールはさせていただきますね」
TETSUYA「それ以来、僕も影響を受けて、真似するようになりましたよ」
澤「本当に?(笑)」
TETSUYA「本当ですよ! こういうことって大事だなって思いました。ロンドン五輪の前も応援のメールを出させていただいたら、丁寧な返事をいただいて。それであの結果ですから、感動しました」
澤「世界タイトルを取ったあとで、注目度も高かったし、メダルは取れるでしょうっていうのもあって、みんな口にはしなかったけど、プレッシャーがあるなかで、いい結果を残せたと思います」
TETSUYA「女子サッカーの活躍で、日本は元気になりましたよ」

鳥肌が立った凱旋パレード

TETSUYA「パレード、すごかったです」
澤「感動したし、涙が出たし、震えました。鳥肌が立ちました。あんなに多くの人を一度に見たのは初めてです」
TETSUYA「日本人の五輪への関心が高まっているのを実感しました。五輪そのものもそうですが、ああいう場にいると、やはり『日本』を感じますか?」
澤「感じますね。それと、国家斉唱の時はいつも感じますし、震えます。日本を代表している、日の丸を背負ってるんだなって思うんですよね」
TETSUYA「僕も、子供のころ『君が代』を聞いてもなんとも思わなかったのに、今、聞くと震えるんです。愛国心っていうのがようやく分かってきたのかな」
澤「最近ね(笑)」

世界レベルのプレーを日本で!

TETSUYA「五輪以降、女子サッカーも盛り上がっていますね」
澤「はい。たくさんのお客さんが試合を見に来てくれてすごいうれしいです。私はもちろん、選手みんなのモチベーションも上がっています」
TETSUYA「お客さんがいると違いますよね。ダンスにしても同じです。一人でも見てくれる人がいるだけで、踊りが変わりますし。磨かれていきますね。見るほうにしても、やっぱり生で見られるのってすごい体験。僕は、ロンドンに行けるなら行きたかったですから」
澤「サッカーも、他の競技にしても、自国でやるのは、選手にとってすごい力になります。それに、応援してくださる方々にとっても、生で世界のスター選手を見られるという楽しみも増しますしね」
——世界レベルのプレーといえば、22日と25日に日本で国際女子サッカークラブ選手権が開催されます。日本からは、澤さんが所属するINAC神戸レオネッサと、日テレ・ベレーザが出場します。
澤「フランスのリヨンとオーストラリアのキャンベラが来るんですよね。リヨンはフランスの五輪代表の半分以上が所属している強豪。ロンドンでは苦戦しました。そのチームを相手にクラブチームで戦います。なかなかない機会なので頑張りたいですし、たくさんの人に見てもらえたらうれしいですね」

2020年に五輪を東京で!

TETSUYA「また2020年に東京での五輪が実現したら見られるんですよね……ぜひ、実現してほしいです。その時に、ダンスも五輪競技になってたらうれしいんですけど」
澤「それいい! その場合は、判定競技になるのかな?」
TETSUYA「そうですね。フィギュアスケートみたいな感じで。選手としては難しいかもしれないけど、EXILEでオープニングやれたらいいなとは思います」
澤「私は……女子委員長? でも何らかの形で関わっていたいですね」
(構成/本紙・酒井紫野)

EXILE TETSUYA「DANCEの道」第03回「「ダンスをスポーツに」という軸」

2012.11.15 Vol.DANCEの道

 2012年もあと少し。振り返ってみると、念願だったダンスのテキストブックを作ることができたり、被災地をはじめたくさんの子供たちにレッスンをしたり、THE SECOND from EXILEが始動したりと、実りある1年だったと思います。 

 女子サッカーの澤穂希選手と対談できたのはうれしかったですね。前回のこのコラムで実現したわけですが、お話をするなかで、自分が持ち続けている「ダンスをスポーツに」という軸を再確認できただけでなく、さらにそこから広がりを感じることもできて、大きな収穫のあった対談でした。

 そして、ヨーロッパに行ったことも大きかったです。僕は今、スポーツブランドのアディダスさんとさまざまなコラボをさせていただいていますが、そのアディダスさんの本拠地に行ってきました。1年ぐらい前から温めていた計画なので、ひとつの目標を達成できた気がしています。

 本社に行きたいと思ったのは「ダンスをスポーツに」という想いから。コラボを進めていくなかで、アディダスさんも同じ考えを持っていることが分かったので、それだったら本拠地に飛び込んでそのテーマを根っこから学んでしまおうと思ったんです。

 そんな気持ちで、アディダスさんの本社がある、ドイツのヘルツォーゲンアウラッハに向かいました。ニュルンベルグの近郊にある町です。ニュルンベルグは、サッカー日本代表の清武選手が現在所属するサッカーチームのあるところとして知っている方も多いかもしれませんね。現地では本当にいろんなものを見せていただきました。これから世に出ていくであろう新商品はもちろん、世界のトップアスリートが新商品を試している様子。さらには、商品開発のためにさまざまなデータを取ってるところまで! 楽しかったです。僕は以前から、アディダスの「miCoach(マイコーチ)」というパーソナルトレーニングツールを使っていて、ステージパフォーマンス中のデータを取っては「意外とバラードの時に心拍数が上がってるんだな」なんて、一人悦に入ったりしていることもあるんですが(笑)、本社のシステムは本当にすごかった!

 とはいえ、一番インスピレーションを受けたのは、アディダスで働く人たちの姿です。自転車やランで通勤する人を多く見かけたし、休み時間には敷地内のグラウンドでストレッチをしたりジョギングしたり、体を動かしているんです。エネルギッシュというか、体に気を使っている人が多いんですね。その姿に感化されて、僕もホテルから街までランニングしてしまいました。街を走るのって気持ちがいいんですよ。日本に帰ってきてからもそれを続けてみようと思ってやっています。

 間もなく新しい年がやってきます。2013年も、グループでも個人ベースでもいろんなことにチャレンジして、僕の「DANCEの道」を突き詰めていきたいと思います。

小池百合子のMOTTAINAI

2012.11.12 Vol.572

 卒業旅行のつもりでしょうか。
 今月5日、野田佳彦首相はラオスで開かれたASEM(アジア欧州会議)を「最後」の外遊先として出席したものの、中国の温家宝首相にまたも「しかと」されてしまいました。中国のリーダーの頑なな態度は、どこか子供じみ、芝居がかっていて、痛々しささえ感じます。
「近いうち」解散の約束も守らない、日本国と日本国民を拉致し、国益を毎分毎秒棄損する野田・民主党政権に対する憤りはありますが、礼を失した中国の対応には、一人の日本人として失望するばかりです。

 日本の特命全権大使公用車の日本国旗を奪い、日本大使館や日本企業に投石をはじめ、まるで楽しむかのように乱暴狼藉を働く中国での動向を見るにつけ、まともに話せる相手ではないと感じるのは、私ひとりではないでしょう。

 昨年7月、かの「人民日報」の電子版が報じたニュースを目にした時も、まともに話せる相手ではないと感じました。

 2003年以降、8年間で報道されただけでも「72人の大富豪が死亡し、その多くが非業の死を遂げている」というものです。さらに、死因の内訳には驚かざるをえません。病死19人、事故死が7人ですが、他殺15人、自殺17人、そして死刑14人だというのです。

 今、共産主義の国、中国で億万長者が続出しています。中国の民間調査機関の調べによると、資産が1000万元(約1億2000万円)以上の富豪が102万人に上ったと発表しました。人口比で1300人に1人が億万長者という計算になるとのことです。

 どんなに億万長者になっても、どんなに国内外での贅沢三昧の生活を送り、子弟を海外、特にアメリカ、カナダ、イギリスに留学させても、結末が自殺、他殺、そして死刑では、浮かばれません。

典型的な例が、権力闘争の標的となり、本人は失脚、妻はイギリス人殺害容疑で執行猶予付き?の死刑を求刑された薄熙来氏のケースです。息子はハーバード大学に留学、高級車を乗り回し、交友関係も派手であったとされます。

 また、最近、ニューヨーク・タイムズ紙が報じたところでは、清廉とされてきた温家宝首相も、指導部入り後、首相夫人を含む一族で巨額の財産を築いたとされます。その額は27億ドル(約2200億円)に上ると聞いて、驚きます。

 日本でも若者の就職難が問題となっていますが、毎年700万人もの大卒者が輩出される中国で就職問題は深刻です。格差が広がる一方の13億人を抱える国の将来は、決して明るいものとは思えませんが、その腹いせがわが国に向けられることのないよう、立派な対応を心がけたいものです。      

(自民党衆議院議員)

鈴木寛の政策のツボ 第十九回

2012.11.05 Vol.571

 京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学・生理学賞を受賞されるという、日本全体にとって大変喜ばしいニュースがありました。山中教授、教授のご努力と長年支えてこられたご家族、研究環境を応援してこられた京都大学はじめ関係者の皆様に心から御礼とお祝いを申し上げたいと思います。私も京都大学iPS細胞研究所設立をはじめ、再生医療の実現化に力を注いできた身として、山中教授の受賞を大変嬉しく思っています。

 政権交代以降、我々は一貫してiPS細胞等の研究をはじめとする医療イノベーションの推進に力を入れてきました。2010年6月に閣議決定された新成長戦略では「ライフイノベーションによる健康大国戦略」を7つの戦略分野の一つと位置づけ、2011年1月には内閣官房に「医療イノベーション推進室」を設置しました。この医療イノベーション推進室は、産学から広く人材を集め、オールジャパンで医療イノベーションを推進する体制を整え、国際競争力を持った日本発の医薬品・医療機器・再生医療などを次々と生み出し、世界に誇れる「医療イノベーション」を起こすことを目標にしています。

その中でもiPS細胞等の研究については、早期の再生医療の実現化を図るべく、基礎研究、臨床、事業化の3フェーズに分けて各関係省庁と連携して予算を大幅拡充することに努めてきました。iPS細胞を用いて、機能不全になった細胞、組織や臓器の一部を修復する再生医療に加え、iPS細胞から作った細胞や組織などを創薬の基礎研究の材料に使ったり、治験の際の有効性や安全性の事前チェックに用いたりと、創薬プロセスのイノベーションの可能性も大いに期待できます。

 医療イノベーションを起こす上で大切なことは、基礎研究と人材育成をしっかりと行うことです。山中教授のノーベル賞受賞は、まさしくこの2つの大切さを裏付けています。私も医療イノベーション実現のためにこれからも引き続き全力を尽くしていきたいと思います。
(元文部科学副大臣・参議院議員)

長島昭久のリアリズム

2012.10.22 Vol.569

 去る10月2日、外交安全保障担当の内閣総理大臣補佐官を退任し、約2年ぶりに防衛省へ戻り、副大臣として森本敏防衛大臣を支えつつ陸海空自衛隊を統括する任にあたることとなりました。森本大臣とは2004年に共著(もう一人の共著者は石破茂自民党幹事長!)もあり、米国留学時代にお世話になって以来15年来の師弟コンビなので不安はまったくありません。
 ところで、約1年間務めた総理補佐官としては、試行錯誤の繰り返しでしたが、総理を援け官邸を中心とした外交安保政策の推進に力を注ぎ、いくつかの成果も挙げてきたと自負しています。たとえば、昨年末の官房長官談話による武器輸出三原則の緩和措置は、1976年以来約40年ぶりの政策転換です。また、一時期動揺を来した日米同盟を立て直し、4月末のワシントンでの日米首脳会談では、日米安保協力の射程を日本およびその周辺から、アジア太平洋・インド洋地域へ、宇宙から、海洋、サイバー空間へと拡大するとともに、日米の任務、役割、能力分担をさらに深化させる合意を実現しました。さらに、TPPへの参加表明や海洋秩序づくりの提案など、これまで、ともすれば受け身になりがちだった戦後日本の外交姿勢を抜本的に転換しました。9月には日中関係に深刻な緊張が走りましたが、懸案だった尖閣諸島の「所有権移転(国有化)」も実現しました。今後は、事態をこれ以上エスカレートさせることなく、多少時間がかかることを覚悟の上で、両国の戦略的利益(短期的な利害得失に目を奪われることなく、中長期的な視野でアジアの両雄関係を発展させていく利益の共有)に基づいた「新たな日中関係」を構築して行くべく努力してまいります。
 さて、防衛副大臣としての最大の使命は、国民の生命財産を守り、主権と国土、領海を護り、国家の生存と繁栄を保障することです。そのためにも、自民党政権以来11年連続で減少してきた国防予算を増額に反転させることが、まず何よりも喫緊の課題です。2年前、党の外交安全保障調査会事務局長として策定に関わった防衛計画の大綱に盛り込まれた南西方面の防衛態勢強化を中核とする「動的防衛力」の整備を行うためにも、必要な予算を確保せねばなりません。また、日米同盟の健全な発展のためには、オスプレイの配備が開始された普天間基地の移設を加速させ、併せて米海兵隊のグアム移転に伴う嘉手納基地以南の土地の返還を推進し、沖縄の皆さんの負担を目に見える形で軽減していくことも、私の重要な使命です。いずれにせよ、一日一日に全身全霊全力を傾けて国防の任務に邁進してまいります。
(防衛副大臣 衆議院議員 長島昭久)

EXILE TETSUYA「DANCEの道」第02回「SPECIAL対談 澤穂希×TETSUYA」

2012.10.15 Vol.DANCEの道

TETSUYA「澤さんと初めてお会いしたのは、共通の友人のお店でしたよね。後日、すごく丁寧なメールをいただきました。テレビなどで芸人さんが澤さんからメールが来たという話を聞いたことがあったので、本当にそうなんだなって」

澤「お世話になった方にはちゃんとお礼はしなくちゃと思っているので、よくメールはさせていただきますね」

TETSUYA「それ以来、僕も影響を受けて、真似するようになりましたよ」

澤「本当に?(笑)」

TETSUYA「本当ですよ! こういうことって大事だなって思いました。ロンドン五輪の前も応援のメールを出させていただいたら、丁寧な返事をいただいて。それであの結果ですから、感動しました」

澤「世界タイトルを取ったあとで、注目度も高かったし、メダルは取れるでしょうっていうのもあって、みんな口にはしなかったけど、プレッシャーがあるなかで、いい結果を残せたと思います」

TETSUYA「女子サッカーの活躍で、日本は元気になりましたよ」

鳥肌が立った凱旋パレード

TETSUYA「パレード、すごかったです」

澤「感動したし、涙が出たし、震えました。鳥肌が立ちました。あんなに多くの人を一度に見たのは初めてです」

TETSUYA「日本人の五輪への関心が高まっているのを実感しました。五輪そのものもそうですが、ああいう場にいると、やはり『日本』を感じますか?」

澤「感じますね。それと、国家斉唱の時はいつも感じますし、震えます。日本を代表している、日の丸を背負ってるんだなって思うんですよね」

TETSUYA「僕も、子供のころ『君が代』を聞いてもなんとも思わなかったのに、今、聞くと震えるんです。愛国心っていうのがようやく分かってきたのかな」

澤「最近ね(笑)」

世界レベルのプレーを日本で!

TETSUYA「五輪以降、女子サッカーも盛り上がっていますね」

澤「はい。たくさんのお客さんが試合を見に来てくれてすごいうれしいです。私はもちろん、選手みんなのモチベーションも上がっています」

TETSUYA「お客さんがいると違いますよね。ダンスにしても同じです。一人でも見てくれる人がいるだけで、踊りが変わりますし。磨かれていきますね。見るほうにしても、やっぱり生で見られるのってすごい体験。僕は、ロンドンに行けるなら行きたかったですから」

澤「サッカーも、他の競技にしても、自国でやるのは、選手にとってすごい力になります。それに、応援してくださる方々にとっても、生で世界のスター選手を見られるという楽しみも増しますしね」

—世界レベルのプレーといえば、22日と25日に日本で国際女子サッカークラブ選手権が開催されます。日本からは、澤さんが所属するINAC神戸レオネッサと、日テレ・ベレーザが出場します。

澤「フランスのリヨンとオーストラリアのキャンベラが来るんですよね。リヨンはフランスの五輪代表の半分以上が所属している強豪。ロンドンでは苦戦しました。そのチームを相手にクラブチームで戦います。なかなかない機会なので頑張りたいですし、たくさんの人に見てもらえたらうれしいですね」

2020年に五輪を東京で!

TETSUYA「また2020年に東京での五輪が実現したら見られるんですよね……ぜひ、実現してほしいです。その時に、ダンスも五輪競技になってたらうれしいんですけど」

澤「それいい! その場合は、判定競技になるのかな?」

TETSUYA「そうですね。フィギュアスケートみたいな感じで。選手としては難しいかもしれないけど、EXILEでオープニングやれたらいいなとは思います」

澤「私は……女子委員長? でも何らかの形で関わっていたいですね」

(構成/本紙・酒井紫野)

澤穂希(さわ・ほまれ)…1978年9月6日生まれ。東京出身。兄の影響でサッカーをはじめ、1993年に日本女子代表としてデビュー戦を飾る。アメリカのプロリーグに参加し、2003年に帰国後は日本女子サッカーリーグに復帰。現在、INAC神戸レオネッサ所属。五輪には、アトランタ(1996)、アテネ(2004)、北京(2008)、ロンドン(2012)に出場。2012年1月に「FIFA女子年間最優秀選手」を受賞。

小池百合子のMOTTAINAI「山中教授のノーベル賞受賞で思うこと」

2012.10.15 Vol.568

 気がつけば、神無月。そろそろ来年のカレンダー制作にとりかかる時期です。
 内外ともにパッとしない今日この頃ですが、ここへきて明るいニュースが次々に飛び込んできました。
 7日、三重県の鈴鹿サーキットで行われたF1日本グランプリで小林可夢偉が3位に入り、悲願の表彰台に上りました。同日、パリのロンシャン競馬場では昨年の三冠馬オルフェーヴルが惜敗の2位に。そしてテニスの錦織圭がジャパン・オープンで堂々の優勝、ときました。
 それだけではありません。8日にはiSP(人工多能性幹)細胞の研究で、京大の山中伸弥教授がついにノーベル医学・生理学賞を受賞されました。自民党の世耕弘成参議院議員と中高の同級生だった縁から、数年前の研修会で山中教授の講演を伺う機会がありました。研修後の懇親会ではカラオケでデュエットもさせていただきました。曲名は忘れましたが、とてもシャイな歌い方でした。
 山中教授の地道で真摯な研究は、うつむき加減の日本と、病に苦しむ人々、総じて人類に希望を与えてくれました。山中教授とその仲間の皆さんに心から感謝し、実用化に向け、さらなる活躍をお祈りしたいものです。必要な研究環境の整備とともに。
 ノーベル賞の選考は物理学賞、化学賞、経済学賞の3部門についてはスウェーデン科学アカデミー、生理学・医学賞はカロリンスカ研究所、平和賞はノルウェー国会、文学賞はスウェーデン・アカデミーがそれぞれ行いますが、その過程は公表されていません。
 実は、私は沖縄担当大臣の際に、候補者の絞り込み過程を垣間見ることができました。沖縄・恩納村に世界最高水準の研究機関「沖縄科学技術大学院大学」を創設するため、世界最高の研究者と知己を得ることができたからです。
 利根川進氏(87年生理学・医学賞)、ジェローム・フリードマン氏(90年物理学賞)をはじめ、トーステン・ヴィーゼル氏(81年生理学・医学賞)、シドニー・ブレナー氏(02年生理学・医学賞)、スティーブン・チュー氏(97年物理学賞・現米エネルギー庁長官)など、全員がノーベル賞受賞者ばかり。会議の合間に、「次のノーベル賞受賞者は誰にしようか」「彼はまだ早すぎる」「あと数年、成果を見なければ」といった会話が飛び交うのです。正式な選考会の前に、こうやって専門家同士で絞り込みをするのだなと理解しました。これらの専門家の視野に入らなければ、ノーベル賞の候補にもなりえないことも。
 この大学院大学計画は、例の「仕分け」の対象にもなりましたが、ぜひとも次代のノーベル賞受賞者を輩出できる「ゆりかご」となることを期待しています。       
(自民党衆議院議員)

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