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鈴木寛の政策のツボ 第十六回

2012.06.04 Vol.554
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五輪招致でニッポン復活!

 5月23日、IOC(国際オリンピック委員会)理事会により東京が2020年の夏期オリンピック・パラリンピック大会候補都市として一次選考を通過しました。同じく選定されたスペインのマドリード、トルコのイスタンブールと来年9月の最終選考に向けて競うことになります。  2016年夏期オリンピック・パラリンピック招致に東京が他の都市に惜しくも敗れたことはみなさんのご記憶にも新しいと思います。前回の反省を生かし、今回は招致委員会の組織、超党派の招致議連、国会での招致決議など、政府による支援の速やかさが高く評価されました。昨年成立したスポーツ基本法、国立競技場の建て替えもこれを後押しする結果となりました。招致委員会の評議員の一人として大変うれしく思います。  しかし最終選考に勝ち残るにはいくつか課題もあります。一つは昨年の震災に端を発するエネルギー不安や地震への不安です。「開催に伴い増える電力消費量は都全体の0.1%程度」と東京都は説明していますが、政府によるエネルギー基本計画の取りまとめを慎重に進めていくことが求められています。  また、招致に対する市民の支持率が低いことも懸念です。IOCによる都市の世論調査の結果、東京の支持率は47%でした。他の候補都市は70%以上の市民の支持率があり、大きく水を空けられています。都民、国民のみなさまにご協力いただくために、招致の目的をきちんと伝えていく努力が求められています。  今回のテーマである「ニッポン復活」は、まさに全国民が手を取り合って目指すべきものです。大変心強いことに、EXILEの皆さんが招致の主旨に深く賛同し、今年3月より無償協力でキャンペーンキャラクターを務めてくださっています。オリンピック・パラリンピックの開催がニッポン復活の明るい兆しになるよう、これからも招致の準備を進めていきます。

長島昭久のリアリズム 第十回

2012.05.21 Vol.552
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「海洋国家日本」の外交・安全保障戦略(その7)

 さて、本シリーズの締めくくりにあたり、我が国の外交・安全保障戦略について3回に分けて論じてみたい。まず第一に、日本独自の努力について明らかにする。冷厳な国際社会の現実は、今も昔も「セルフ・ヘルプ」の一語に尽きる。自助努力なしに、安易に他国(たとえ同盟国といえども)に頼れば、それは「依存」に他ならず、米国とてそんな友人を本気で相手にしまい。  国家目標も戦略もはっきりしない「顔の見えない」国などと揶揄されることの多い我が国だが、一昨年の暮れ5年ぶりに「防衛計画の大綱」を改定し、防衛計画にとどまらず安全保障戦略について明確な方向性を打ち出したのである。その最大の眼目は、活発化する中国の海洋行動とそれを支える軍事力の拡張に鑑み、中国軍事力のプレッシャーを正面から受ける沖縄をはじめとする我が国の南西方面における「動的防衛力」をいかに整備して行くかだ。  冷戦以来、防衛力整備の基本構想だった北方重視の「基盤的防衛力」を脱却し、より柔軟で機動性に富む即応性の高い防衛態勢を目指すものだ。予算制約の中で、海空戦力を充実させ、陸上自衛隊の一部に海兵隊的な機能を担わせる方針を打ち出したことは特筆に値する。とくに、平素から警戒監視能力を高め、有事に際し迅速に所要兵力を緊急展開できるよう海空の輸送力を拡充し、島嶼防衛において自律的な能力を整備して行くことが明記された。  第二の課題である日米同盟の深化をめぐっては、本年2月、日米両政府が普天間飛行場の移設と米海兵隊のグアム移転のペースを切り離す決断をした。これにより、日米協議の正面から普天間問題を取り除き、「アジア太平洋地域に日米共同の動的抑止体制をいかに構築すべきか」という日米両政府が本来取り組まねばならない課題に注力できる環境を整え得たのである。ここで目指す共同の「動的抑止体制」とは、動的防衛力の整備を目指す我が国の新防衛大綱の趣旨と米国の新国防戦略指針で明らかにされた「分散化」の方向性をシンクロさせたものといえる。  すなわち、日本全国の米軍基地を日米で共同使用したり、有事の際に我が国の民間港湾や空港を米軍に開放することや、場合によっては自衛隊の哨戒機をグアムに常駐させる、あるいはテニアンで米軍との共同訓練をやる、インド洋のディエゴガルシアも日本が米英と共同で使用する、といったダイナミックな運用の可能性をも見据えているのだ。このような日米共同の動的抑止力を、前回までに詳述してきたアジア太平洋の戦略情勢にどのように展開して行くかにつき次回で論じてみたい。

小池百合子のMOTTAINAI 第14回「場当たり的ではないリアルな政治を!!」

2012.05.14 Vol.551

「脱」「卒」「反」だと、原発を巡る言葉遊びを続けているうちに、日本にあるすべての原子力発電が停止しました。42年ぶりの脱原発です。

 こどもの出産や入学、卒業など、将来の日程が明確であるように、13か月ごとの定期検査を考慮すれば、原発の全停止は十分予測されていたはずです。この1年間、いったい何をしていたのか。

 消費税増税に「政治生命」と全エネルギーを傾ける単線志向の野田総理ですが、「日本のエネルギー問題」こそ喫近の国家的課題。おまけに電力不足は国民の生命にも関わる問題です。複線志向で、目指す方向を決めながら、次に何をするかを考え、一つひとつ実行する…。政府の役割はこれに尽きるのではないですか。

 3・11以後、多くの国民、そしてほとんどの日本の政治家は、濃淡はあれど、原発に依存しない社会を望むようになりました。世界のすう勢が原発推進の流れだとしても、地震や津波の危険性の高い日本では慎重にならざるをえないことは当然というものでしょう。

 ただ、電力を所管する大臣が「5月6日から一瞬ゼロになる」と言い放ち、「集団自殺するようなことになる」と与党幹部が脅したりと、事態は複雑、かつ情緒的になるばかりです。場当たり的な政策や判断の繰り返しが、ますます国民を不安と混乱に陥れているわけです。

 技術的、科学的、客観的な判断を下す組織が必要であり、原子力規制庁の設立が急がれます。環境省の外局方式を主張する政府・与党案、いわゆる三条委員会方式で独立性の確保を重視する自民党案などの折り合いがつかず、いまだ宙ぶらりん状態です。早急に結論を出しましょう。そのためにもさっさと問責を受けた2大臣の入れ替えが必要です。

 また、地球温暖化対策として二酸化炭素の25%削減や、原子力発電計画の倍増を謳ってきた民主党です。改めるべきは、改め、早急に今後のエネルギー政策を明らかにする責任があります。

 その上で、どの原発は安全性が高く、どの原発に不安があるか、より明確に、率直に国民に説明をすべきです。この1年間に生じた「すべての原発が危険」との印象を抱かせている現状では、かつての「原発の安全神話」の裏返しになりかねません。オール・オア・ナッシングではリアルな政治とはいえないのです。

 原発問題だけでなく、あらゆる分野での日本政府のモタモタぶりを世界が見ています。現政権には、そのことを心していただきたいものです。

(自民党衆議院議員)

鈴木寛の政策のツボ 第十五回

2012.05.07 Vol.550
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智恵を駆使し教育の現場でも節電の工夫

 東京では日差しも強くなり、汗ばむ季節となってきました。夏にはクーラーなどに対し、たくさんのエネルギーが使われる傾向にあります。  今年も電力供給が十分でなく、皆さんの節電が望まれます。停電が起これば、日常生活に大きな支障が生じます。生活家電が使えなくなる(タイマー等の設定内容が消滅したりすることも考えられます)ことはもちろんのこと、突然の停電の場合にはエレベーターに閉じこめられることもありえます。上水道の断水、信号機の停止や電車の停止などの交通の混乱、通信の支障もおこりえます。  停電は想像以上に色々な影響を与えます。停電にならないようにするための心構えが必要です。  たとえば、東日本大震災が起きた去年の春の甲子園では、試合の時間をずらし、ナイター試合が自粛されました。  昨年3月には、震災の影響で電力供給不足が懸念されているなか、文部科学省は開幕延期とナイター自粛をセ・リーグに要請しました。セ・リーグが示した4日間の延期案に対し、選手会が異議申し立てを行い、熟議の結果、セ・リーグは、4月12日にパ・リーグと同時に開催されることになりました。  また、東京都で一番電力消費が多い東京大学はいろんな知恵を駆使して25%超の節電を実現しました。  困難が生じた時こそ、知恵を働かせるべきだと私は思います。ひとりひとりが知恵を出し合い、熟議することが、最善の解決法を私たちに示してくれるのだと思います。

小池百合子のMOTTAINAI 第13回

2012.04.16 Vol.548
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気まぐれ国家 北朝鮮の暴走はいつまで続くか

 毎度、お騒がせの北朝鮮が、4月15日の太陽節(金日成生誕100周年記念日)を祝うため、「人工衛星」と称する事実上のミサイル発射準備を着々と進めています。  今回のミサイル発射計画は先代の金正日時代からのもので、わずか29歳の後継者・金正恩の実績作りというわけではありません。せっかく久々の米朝合意でそれなりの栄養支援物資を確保したばかりなのに、明確な国連決議違反です。支援を反故にしてまでも、なぜ強行するのか。  特に、今年は2月16日の金正日生誕70周年、4月15日の太陽節、同月25日には人民軍創建80周年と、周年行事が目白押しで、そのたびのパレードや祭に加え、人民への食糧プレゼントなどで莫大な費用を必要としているにもかかわらず、です。  唯一の答えは、「だって、北朝鮮なのだから」。王たる金正日の遺言がすべてに優先するのが、北朝鮮だからです。  70、80代の先代、先々代からの軍や党の取り巻きを相手に、何の経験もない金正恩には、父親の遺訓に反することはできません。  また、「もし失敗したら、どうなるのか」といった議論が交わされていますが、「失敗」はありません。理由は「だって、北朝鮮なのだから」。たとえ失敗したとしても、国内的にはすべて「成功」なのです。  ミサイル発射は北朝鮮政府にとっていいことずくめです。第一に、「衛星」を載せる長距離弾道ミサイルの射程距離は遠くグアムにも届く可能性もあります。何よりも弾頭に核を載せれば、アメリカを刺激するには十分です。  第二に、ミサイルの威力を見せ付けることで、イランなどの顧客を引き付け、貴重な外貨獲得の道が開けます。つまり営業用の見本市なのです。  第三に、金日成生誕百周年である太陽節を祝い、国威発揚の場となります。  莫大な資金を投入しても、北朝鮮人民にとっては何のプラスもありません。ましてや、米国からの栄養支援など、各国からの支援が断ち切られるマイナスの効果さえあります。  これらの判断はいったい誰が行っているのでしょう。私は、実力者として取りざたされがちな金正日の妹の夫である張成沢ではなく、むしろ妹の金敬姫だと、かねてより申し上げています。席次も、つねに敬姫が夫より高い。  理由は金王朝の血を引いているからです。  強引、気まぐれ、アル中などとその評判は散々ですが、病床の兄・金正日に代わり、指揮をとっていたのは彼女なのです。気まぐれが破綻する日は、そう遠くないことを祈るばかりです。

鈴木寛の政策のツボ 第十四回

2012.04.09 Vol.547
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困難を乗り越え、努力し続ける球児たちにチャンスを

 今回の第84回選抜高校野球大会(春のセンバツ)も多くの感動に包まれました。

 今年は先の大震災で被災した石巻工業高校が21世紀枠として選ばれ、さらに選手宣誓を同校の主将が務めるなど、復興への兆しを見せる象徴的な大会となりました。

「21世紀枠」はその名の通り2001年から始まり、何らかの困難を克服して健闘しているチームや、他校の模範となっているチームが選ばれるものです。

 石巻工高はグラウンドが水没し、部員の7割の自宅が全半壊するなど甚大な被害を受けました。そんな中、昨年の夏の大会予選に出場できたのは、全国各地から被災地支援をしたいという方々が、文部科学省が立ち上げた「子どもの学び支援ポータルサイト」などを通じて、バットやグローブなどの必要物資が支援をしてくださり、部活を早期に開始することができたからです。そして秋季大会で、石巻工高は地区大会を勝ち上がりました。まさしく困難を乗り越えたチームだといえるでしょう。

 また、今大会おなじく21世紀枠に選ばれている兵庫県の洲本高校は、1995年の阪神・淡路大震災の直後に生まれた世代が中心選手となって県内の強豪校と競り合ってきました。北海道の女満別高校も、極寒の地で部員が少ない中で健闘したチームです。困難を乗り越えて努力を続ける球児たちにとって、21世紀枠というチャンスがあるということは非常に喜ばしいことだと思いますし、そうした高校生の姿に我々も心洗われ、甲子園の魅力もさらに高まっています。

(参議院議員)


あと2分、しゃべらせて! TOKYO HOT WHEELS

2012.04.09 Vol.547

最終回:車内の静粛性と音響システム

クリス・ペプラーがプライベートをシェア。大のクルマ好きである本人が、通常のコラムの特別番外編として、3週にわたってクルマライフを語ります!

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 今年の1月にレクサスから発売されたGS。僕は1カ月間、GS 350 F SPORTをモニター試乗している。1カ月間というのはあっという間で、今回が、僕のGSレビューの最後となります。第3回目の今回は、「車内の静粛性と音響システム」について。

 このクルマに乗ってみて、一番驚いたのは車内の静かさ。普段、僕はドイツ車に乗っているんだけど、静粛性は別物。仕事での移動に最適で、非常にリラックスできる。とてもストレスフリーな空間が静粛性によって演出されている。僕の仕事は不規則で、一日に数カ所移動しなくてはならない。仕事から仕事の合間、気持ちのリセット&リフレッシュにこの車は最適。

 と言いつつも、僕が試乗している車種はシリーズ中、最もスポーティーなバージョン。スポーツモードにした時の、スタートからの加速で徐々に高まっていく重厚感あふれるエンジンサウンドもたまらない。

 あと、運転中、僕はよくiPhoneをクルマにつないで音楽を聴いているんだけど、USBとAUXの入力端子も付いているから早速接続してみた。なんと、このクルマには「マークレビンソン」性のスピーカーが17個も車内についている。先日、TOKIO HOT 100にゲストで遊びに来てくれたm-floの新曲を早速聞いてみたけど、音質の良さと包まれ感に圧倒された。

 12.1インチのナビモニターも標準装備で付いている。車内があまりにも快適な空間なので、長時間運転しても飽きないクルマ。

 ちなみにオンボードのオーナーズデスクも使ってみた。かみさんと“お昼、メキシカン食べたいね”ということでオペレーターに最寄りのそれ系の店を訪ねたら、ナビシステムにルートが自動でインプットされた。びっくり。

 ぜひ、皆さんも、レクサスの販売店でチェックしてみてください!

番外編「クリスペプラーのTOKYO HOT WHEELS」は3回に渡ってお届けします!
試乗したレクサス「GS」についてはウェブサイト(lexus.jp/newgs/)をチェック! QRコードからもアクセスできます

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DiVA’s Happy Life Vol.17

2012.03.26 Vol.546
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AKB48の秋元才加、梅田彩佳、増田有華、宮澤佐江により結成されたDANCE&VOCALユニット。昨年末追加メンバーが加わり10人に。3rdシングル「Lost the way」が発売中。また、映画「ウルトラマンサーガ」が3月24日より公開!

増田有華

AKB48から生まれたDANCE&VOCALグループDiVAのメンバーが、隔週でコラムを連載。日々の出来事を写真とともにつぶやきます。

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毎日がDiVA DAY!

 どうも!DiVAの増田有華です(^O^)/

 最近はDiVAのリリースなどなどありましてDiVAデイでございますっ★

 24日に公開されたウルトラマンサーガはご覧いただけましたでしょうか?

 こちらDiVAの新曲が主題歌になってます\(//∇//)\ そして私も出演しています! 試写会でみたんだけど感動しまくって泣いちゃいました。

 ウルトラマンは子供が見る映画。と思ってる方ほど一度みにいってほしいです! そしてエンドロールまでみてくださいね★

 以上、最近洗濯物にハマってるゆったんでした。笑にゃもし(*´ω`*)

増田有華
1991年8月3日生/大阪府出身
「DiVA」~DANCE&VOCAL UNIT FROM AKB48~メンバーとして2011年、デビューシングルをリリース!AKB48teamBメンバーとしても活躍中!

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あと2分、しゃべらせて! TOKYO HOT WHEELS

2012.03.26 Vol.546

Vol.2 安定性・安心感のある走り

クリス・ペプラーがプライベートをシェア。大のクルマ好きである本人が、通常のコラムの特別番外編として、3週にわたってクルマライフを語ります!

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 今年の1月にレクサスから発売された『GS』に1カ月間、僕がモニター試乗しています。短い期間だけど、試乗してみて僕が感じたポイントを、皆さんにお伝えしていきます。

 第2回目の今回は、その「走り」について。

 前回もお伝えしましたが、今回僕が試乗しているグレードは『GS 350 F SPORT』。その名の通り、いろんなところがスポーツ仕様にチューニングされているそうです。専用のエアロパーツを装備しているだけでなく、専用サスペンションや専用ブレーキが設定されているそうで、この装備が走りを向上させているそうです。

 実際に運転してみると、スムースでありつつ、ずっしりした骨っぽさを感じる。特にコーナーを抜ける瞬間の踏ん張り感は最高! 車両の安定性も高く、安心してコーナーを曲がれる。ステアリングにあるパドルシフトも、マニュアル感覚で楽しめます。いわゆる、「ぶんまわす」という感覚。

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 また、ドライブモードがセレクトできるのも、気分、TPOに合わせて都合がいい。「SPORT S」「SPORT S+」「NORMAL」「ECO」の4つのモードをセレクトできるけど「SPORTモードのいずれか」がおすすめ。「NORMAL」はまるで別の車のような感覚。とても静かでスーパーなめらか。まあ、このあたり、なかなか言葉でいい表せないので、ぜひ皆さんもレクサスの販売店でチェックしてみてください!

 次回は車内についてのインプレッションを報告します。

番外編「クリスペプラーのTOKYO HOT WHEELS」は3回に渡ってお届けします!
試乗したレクサス「GS」についてはウェブサイト(lexus.jp/newgs/)をチェック! QRコードからもアクセスできます

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長島昭久のリアリズム 第九回

2012.03.19 Vol.545
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「海洋国家日本」の外交・安全保障戦略(その6)

 もちろん、このような中国による「アクセス拒否能力」の拡大を前に、米国が拱手傍観しているわけでは毛頭ない。この憂慮すべき将来見通しに立って、約10年に及ぶ中東でのテロとの戦いで疲弊した米軍を立て直し、アジア太平洋・ピヴォット(基軸)を改めて鮮明にした米国防戦略指針を年初に発表。一昨年2月に公表された「4年ごとの国防政策の見直し」(QDR)で、打ち出した新たな構想「エア・シー・バトル・コンセプト」(Air-Sea Battle Concept)をアップデートした。空と海における新たな統合作戦によって、中国が保有しつつある多様で大規模な「アクセス拒否能力」を無力化してしまおうという戦略だ。すなわち、米本国から長躯投入される米軍のパワー・プロジェクション(戦力投射)能力を再構築するもので、とくに「アクセス拒否」能力の前に脆弱な前方展開基地を「地理的に分散させ、作戦上の抗堪性を確保し、政治的に持続可能な」(2012年米国防戦略指針)ものにつくり変えて行こうというものだ。

 我が国の安全保障を考えるとき、当然のことながら米国の新戦略といかに連動して行くべきかが鋭く問われることになる。我々がこの努力を怠れば、まさしく孫子の教える「上兵は謀を伐つ。其の次は交を伐つ。次は兵を伐つ。其の下は城を攻む」の正しさを自ら証明してしまうことになりかねない。すなわち、近年中国が仕掛ける「三戦」(輿論戦、法律戦、心理戦)によって幻惑され(つまり、謀を伐たれ)た上に、劉華清の海洋強国戦略によって米国のパワー・プロジェクション戦力が寸断され(つまり、兵を伐たれ)、有事に米軍の来援が遅れたり断念されたりするような事態に直面した場合、同盟国たる日本や台湾で米国に対する不信や猜疑が巻き起こることは避け難く、やがて同盟関係は分断され(つまり、交を伐たれ)てしまうに違いない。これを避ける唯一の道は、米国のこの地域へのコミットメントを意思と能力の両面で確保すること。そのためには、我が国自身による国防と外交の両面にわたる特段の自助努力が死命を制することを決して忘れてはならない。

 そこで、次回最終回にあたり、本テーマである「海洋国家日本の安全保障戦略」の結論として、第一に、日本独自の努力について。第二に、日米同盟の深化に向けた課題。そして、第三に、すべての安全保障努力の前提として力を注ぐべき国際社会との外交的協調の在り方について考えてみたい。

内閣総理大臣補佐官(外交・安全保障担当) 衆議院議員 長島昭久


あと2分、しゃべらせて! TOKYO HOT WHEELS

2012.03.19 Vol.545

vol.1 レクサス「GS」に試乗した!

クリス・ペプラーがプライベートをシェア。大のクルマ好きである本人が、通常のコラムの特別番外編として、3週にわたってクルマライフを語ります!

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 今年1月に発売されたレクサス「GS」を1カ月モニター試乗することになりました。1カ月という短い期間だけど、試乗してみて僕が感じたポイントをみなさんにお伝えしていこうと思っています。

 第1回目の今回は、『デザイン』について、僕の思った点をいくつか上げましょう。

 まず最初に目が行くところ、そして前車との最大の違いは、個性を主張する新デザインのフロントマスク。

 形が糸睡(いとすい)に似ているということで、『スピンドルグリル』と名付けられたそうだけど、シャープでアグレッシブでドライビングスピリットを駆り立ててくれる。前のデザインもシンプルでシックで好きだけど、今回のグリルはストレートに「走り」を予感させてくれる。僕が試乗しているのが「GS 350 F SPORT」というグレードなので、より一層、体は意を表していると思う。いたるところに、スポーツ・チューニングがほどこされているので、他のグレードにはない、メッシュ仕様になっていてワイルド感がより引き立っています。

 サイド・ビューも4ドアながら、スレンダーでスマートに仕上がっています。スムースな走りを象徴するような流れが組まれています。

 僕の試乗車は外装がブラックで、インテリアはシートがガーネット(えんじ)とブラック。オーナメントパネルはつや消しのほどこされた(マットな)渋いアルミで形成されています。なかに入った瞬間、外車にはない、日本特有の感性そして質に包みこまれます。とても豪華で優雅なひと時を楽しめる事間違いなし! ぜひ皆さんも試乗を!

 次回は走りについてお伝えします。

番外編「クリスペプラーのTOKYO HOT WHEELS」は3回に渡ってお届けします!
試乗したレクサス「GS」についてはウェブサイト(lexus.jp/newgs/)をチェック! QRコードからもアクセスできます

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