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刀剣×武者絵の世界! 江戸時代の人気絵師がヒーローを描いた“武者絵”と歴史的名刀が六本木に集結

2022.01.21 Vol.web original

 刀剣と武者絵のドラマティックな世界を堪能できる展覧会『ボストン美術館所蔵 THE HEROES 刀剣×浮世絵 —武者たちの物語』が21日から六本木・森アーツセンターギャラリーにて開催。会場では、世界最高水準の日本美術コレクションを誇るボストン美術館の所蔵品から厳選した刀剣と武者絵の浮世絵などを通して、日本美術に描かれたヒーローの世界に迫る。

 武者絵とは、『平家物語』のような軍記物語や、武勇伝説に登場する英雄(ヒーロー)を描いた絵のことをいう。江戸時代には武者たちを描いた浮世絵が人々の人気を博し、浮世絵の祖と言われた菱川師宣の時代から、江戸後期の歌川国芳にいたるまで、多くの浮世絵師が武者絵を手がけている。

 題材となるのは、源頼光や源義経、上杉謙信、武田信玄といった武将のほか、スサノオノミコトなどの神話や物語のヒーロー、さらには巴御前のような女武者の奮戦も数多く描かれている。

 今回の展覧会では、世界有数の浮世絵コレクションで知られるボストン美術館の所蔵品から、菱川師宣、北尾政美、歌川国貞、歌川国芳、歌川広重、月岡芳年など、有名絵師の武者絵を物語の時代に沿って紹介。武者絵118点すべてが日本初出品となる。会場では、武者絵と刀剣の鐔(つば)に描かれた共通のイメージを解き明かしながら、さまざまなヒーローたちの活躍を紹介していく。

新たな1年、感覚を広げるアート展「ミケル・バルセロ展」

2022.01.13 Vol.749

 1980年代より欧州を中心に活動し、現代スペインの代表的アーティストとなったミケル・バルセロの、日本では初めての大規模回顧展。

 バルセロは、1957年、スペインのマジョルカ島生まれ。1982年にドイツで開催された国際美術展「ドクメンタ7」で注目を集めて以来、世界各地に活動の場をひろげ、各地の歴史や風土と対峙するなかで制作を続けた。

 その制作は絵画を中心に、彫刻、陶芸、パフォーマンスなど領域を越えて広がっており、近年ではマジョルカ島パルマ大聖堂の内部装飾や、スイス・ジュネーブの国連欧州本部 人権理事会大会議場の天井画など、壮大な建築的プロジェクトも手掛けている。バルセロの作品では、海と大地、動植物、歴史、宗教といったテーマが大きな位置を占めており、さまざまな素材や表現を通して、それらのイメージを生き生きと生み出していく。

 本展で、長らく日本でほとんど未紹介であったバルセロの、国内美術館初の個展として、縦横2〜3メートルを超す大型絵画作品をはじめ、彫刻、陶芸、パフォーマンス映像など、約90点で、初期から現在までの活動を紹介する。

現代芸術家・中澤大輔が「働く意味」をテーマとした体験型作品「本郷職業紹介所」を2月から公開

2022.01.12 Vol.Web Original

 現代芸術家・中澤大輔の「働く意味」をテーマとした体験型作品「本郷職業紹介所」が2月5日から東京・文京区のトーキョーアーツアンドスペース本郷(TOKAS 本郷)で開催される企画展「ACT Vol. 4『接近、動き出すイメージ』」の一環として発表される。

 中澤は人や場所、社会や習慣といった日常の背後に潜む小さな物語に耳を傾け、収集された物語を点と点をつなぐように再構成することで、新たな物語を生み出す現代芸術家。これまでバックグラウンドである演劇・建築・文化人類学などの手法を用いることで、人々が参加し体感しながら、オルタナティブなものごとの見方を発見するための「体験型作品」を多く作り出してきた。

 今回、中澤は人生の時間の3分の1を費やしている「働く」ことに着目。当たり前すぎて「自分の働く意味」について改めて考える機会が少ない現代人の心の問題としては重要だがあまりケアされていない「働く意味」について振り返る。

過去最大級の『バンクシー展』が原宿で開催中!アートと社会課題に触れる年はじめ

2022.01.02 Vol.Web original

 世界中の注目を集めるストリートアーティストの鬼才、バンクシーのルーツを探る展覧会『BANKSY GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)』が現在、東京・原宿で開催されている。人気の展覧会が新たに日本初上陸のオリジナル企画を加え、過去最大級の規模で東京にやってきた。

 2018年からモスクワ、マドリード、香港、ニューヨーク、LA、そして日本各都市をめぐった同展。原宿展ではさらにパラーアップし、ニューヨークで好評を博したオリジナル企画を追加。オリジナル企画では、ポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホルやバスキアの作品とバンクシーの作品を比較展示することで、バンクシーが彼らにインスパイアされた様子や、現代社会へのメッセージに触れることができる。

日常に“自然”をもたらすデザイン&アート『深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」』

2021.12.23 Vol.748

 透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描き、今にも動き出しそうな立体感で見る者を圧倒する、唯一無二の作品で知られる深堀隆介の展覧会。

 アーティストとしての活動を悩んでいた時期、放置していた水槽で生き続ける金魚の存在に気づき、その美しさに心打たれた彼は、金魚をモチーフとした作品を手がけるように。2002年、器の中に樹脂を流し込み、絵具で金魚を描く技法“2.5D Painting”を編み出し、大きな注目を集めた。その独自の手法で生み出される圧倒的な世界観は、国内はもとより今や世界的にも高く評価されており、近年ではライブペインティングやインスタレーションにも力を入れ、表現と活動の幅を広げている。

 本展は、約300点もの深堀作品を展示する、東京の美術館では初めてとなる本格的な展覧会。升の中を金魚が泳ぐ〈金魚酒〉シリーズをはじめ、番傘の内側にたまった水に小さな金魚たちが息づく〈雫〉、木桶の中で、紅葉と黒い金魚が日本の秋を表現する〈秋敷〉など、歴代の代表的作品から新作までが一堂に会する。

 現実では目の当たりにできないような光景を、圧倒的なリアルさと臨場感で具現化する、深掘り作品の数々。絵画でありながら立体的な躍動感にあふれ、不思議な美しさを湛えた“深堀金魚”を楽しもう。

日常に“自然”をもたらすデザイン&アート「ザ・フィンランドデザイン展―自然が宿るライフスタイル」

2021.12.18 Vol.748

“幸福度世界一”として有名な北欧の国フィンランドは、イッタラやアルテック、マリメッコ、フィンレンソン、ムーミンなど、日本でも人気の高いプロダクトを生み出した、世界屈指のデザイン大国でもある。実用性と機能美を備えながら、自然が宿る魅力的なデザインはいかにして生まれたのか。

 ヘルシンキ市立美術館(HAM)監修のもと、約250点の作品と約80点の関係資料で、時代を超えて愛される名品が生み出されたフィンランドデザインの歩みに迫る展覧会。マリメッコやフィンレイソンのテキスタイル、カイ・フランクのガラス工芸の他、陶磁器や家具など、1930〜1970年代にデザイン・制作されたプロダクトとともに、同時代の絵画など、さまざまな切り口で多様なフィンランドデザインを紹介していく。

 大量生産と実用性をキーワードとする機能主義から生まれたロングセラーのデザインたち、1960年代のモダンデザイン、一大福祉国家でもあるフィンランドならではの子ども向けプロダクトの数々など、会場ではフィンランドデザインの多様な魅力を伝える作品がめじろ押し。

 名作テーブルウェア《ティーマ》シリーズで知られるカイ・フランクや、マリメッコ社の人気デザイナー、マイヤ・イソラ、アルテックのチェアのデザインでも知られる世界的建築家アルヴァ・アアルトなど、フィンランドを代表するデザイナーやアーティストたちの作品が一堂に会する貴重な機会をお見逃しなく。

日々の営みを見つめる絵画の世界、心落ち着く「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 ― 素敵な100年人生」

2021.11.20 Vol.747

 絵を描くおばあさんとして知られる、アメリカの国民的画家「グランマ・モーゼス」ことアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス(1860−1961)の生誕160年を機に開催される展覧会。国内で開催される回顧展としては16年ぶりとなる。

 農場の主婦だったモーゼスは70歳を過ぎてから絵筆をとり、農場をとりまく風景や生活を素朴な筆致で描いた作品で人気作家となったが、生涯、農家の主婦としての暮らしを守りながら、101歳で亡くなる年まで描き続けた。

 同展では、最初期の作品から100歳で描いた絶筆、また愛用品ほか関連資料まで、日本初来日を含む約130点を展示。モーゼスと縁のある場所や人生の転機となった作品や絵画を始める前から得意とした刺繍絵などを紹介する第1章「アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス」、地域の行事や日々の営みを見つめた作品を展示する第2章「仕事と幸せと」、農場の四季を描いた作品を紹介する第3章「季節ごとのお祝い」、そして、100歳で描き絶筆となった《虹》を含む、彼女が心から愛した自然を題材にした作品がそろう第4章「美しき世界」からなる4章構成。

片桐仁「日本人には粘土の成分が足りない!」過去最大の展覧会が20日開幕 粘土アート20年の集大成

2021.11.19 Vol.Web Original


 芸人、俳優、彫刻家として活躍する片桐仁の展覧会『粘土道20周年記念 片桐仁創作大百科展』が20日から東京ドームシティのGallery AaMo(ギャラリー アーモ)で開幕する。

 これまでにも各地で展覧会を行ってきた片桐だが、今回の展覧会は過去最大級の規模で行われるもの。「粘土道」として20年にわたって発表してきた作品を始め、学生時代の絵画作品や「テレビブロス」の連載で描いたイラストまで、380点を展示する。

 開幕を控えた19日に行われたメディア向けの内覧会では、片桐が巨大作品を背に挨拶。「僕に関するアート作品をすべて持ってきました」と胸を張り、「老若男女のみなさんに楽しんでもらいたい」と呼びかけた。

 

日々の営みを見つめる絵画の世界、心落ち着く「川瀬巴水 旅と郷愁の風景 」

2021.11.18 Vol.747

 大正から昭和にかけて活躍した版画家・川瀬巴水(1883〜1957)の回顧展。

 近代風景版画の第一人者として知られる巴水は、日本各地を旅しながら、庶民の生活が息づく四季折々の風景を生涯描き続けた。それは近代化の波が押し寄せ、街や風景がめまぐるしく変貌していく時代にあって日本の原風景を求める旅でもあった。

 そんな巴水の版画制作を支えたのが、浮世絵版画にかわる新しい時代の版画《新版画》を推進した版元の渡邊庄三郎。海外にも通用する木版「美」の構築をめざした2人によって生まれた作品は、郷愁や安らぎをもたらす木版画として今なお多くの人々に愛されている。また、旅の情緒にあふれる日本の風景は海外の愛好家も魅了し、欧米でも巴水の作品は今なお高く評価されている。

 同展では、初期から晩年までの木版画作品より、まとめて見る機会の少ないシリーズ(連作)を中心に構成。赤い寺門に白い雪が映える東京二十景《芝増上寺》、富士山と桜、湖の彩りが美しい《西伊豆木負》、つづら折りの山道を行く《塩原おかね路》など、四季折々、日本各地の風景を描いた伝統木版技術を駆使した詩情豊かな版画群を堪能できる。時を超えた旅情に浸ってみては。

マーベルヒーロー展を埼玉で満喫『マーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ』

2021.10.23 Vol.web Original

 埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサクラタウン」内の「角川武蔵野ミュージアム」EJアニメミュージアムにて、『MARVEL STUDIOS:A UNIVERSE OF HEROESマーベル・スタジオ/ヒーローたちの世界へ』がスタートした。本イベントは2008年公開の『アイアンマン』から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。同じ世界観の中でさまざまなヒーローたちが交差しながら物語を構築してきた。そして、2019年に公開され世界的に大ヒットした『アベンジャーズ/エンドゲーム』。MCUに登場したキャプテン・アメリカ、アイアンマン、ソー、ハルク、ブラックパンサーなど、マーベルヒーローたちの象徴するアイテムが身近に展示され、その世界観の中で、写真を撮りながら楽しむことができる体感型のイベント。今年4月に東京で開催された展示内容に、新しい展示品を追加しパワーアップした内容になっている。

唯一無二の“才能”に迫る!日本を代表するクリエイターたちの大規模展 「和田誠展」

2021.10.22 Vol.746

 知っているようで知らない国民的クリエイター“和田誠”の仕事の全貌に迫る、初めての展覧会。和田誠(1936−2019)はイラストレーター、グラフィックデザイナーとして広く知られているほか、装丁家や映画監督、エッセイスト、作曲家、アニメーション作家、アートディレクターなど多彩な顔を持ち、いずれのジャンルでも一級の仕事を残し高い評価を得てきた。

 本展では 和田誠を知るうえで欠かせないトピックを軸に、83年の生涯で制作した多彩な作品を紹介。およそ2800点の作品や資料で、和田誠の膨大で多岐にわたる仕事の全貌に迫る。

 書籍と原画だけでも約800点を展示。週刊文春の表紙は2000号までを一挙展示。他にも、手掛けた映画の脚本や絵コンテの展示、CMや子ども向け番組のアニメーション上映も予定。さらに、和田が手がけた作品にとどまらず、幼少期に描いたスケッチなども紹介し、その創作の源流をひも解いていく。

 展示では、約30のトピックスで和田誠の全仕事を振り返る。身近な人物を描いた小学生時代から、さまざまなジャンルの著名人の描いた“似顔絵”、谷川俊太郎との“絵本”の仕事、代表作の一つ『倫敦巴里』をはじめとする和田のユーモアにあふれる“パロディー”作品、広告制作会社ライトパブリシティの仕事、約9年間無償で制作したという新宿日活名画座のポスター、さらには丸谷才一や村上春樹などさまざまな作家の装丁の仕事など、貴重な原画などを交えてたどっていく。

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