舞台『泥人魚』が6日、東京・Bunkamuraシアターコクーンで開幕する。5日、初日を控えて、プレスコールが行われ、一部が公開された。
2003年に初演された唐十郎の傑作戯曲で、18年ぶりの上演。
都会の片隅にあるブリキ店で暮らす蛍一(磯村勇斗)を探して、やすみ(宮沢りえ)という女が現れた。「ヒトか魚か分からぬコ」と呼ばれるやすみは、ある約束を果たしに来たと言う。蛍一の前で見せた、やすみの片方の足には、一条のきらめくものがはりついていて──。
舞台『泥人魚』が6日、東京・Bunkamuraシアターコクーンで開幕する。5日、初日を控えて、プレスコールが行われ、一部が公開された。
2003年に初演された唐十郎の傑作戯曲で、18年ぶりの上演。
都会の片隅にあるブリキ店で暮らす蛍一(磯村勇斗)を探して、やすみ(宮沢りえ)という女が現れた。「ヒトか魚か分からぬコ」と呼ばれるやすみは、ある約束を果たしに来たと言う。蛍一の前で見せた、やすみの片方の足には、一条のきらめくものがはりついていて──。
城山羊の会はCMディレクターの山内ケンジの脚本・演出による演劇プロデュース・ユニット。山内は2004年に「CMディレクター山内健司の演劇」として演劇活動を始め、2006年に「城山羊の会」を発足。以降、コンスタントに作品を発表し続け、2015年には『トロワグロ』で第59回岸田國士戯曲賞を受賞している。
その作品は一言で言うと「大人の会話劇」。このジャンルには多くの作家がいるが“ここでしか味わえない”感の強さは群を抜いている。設定自体は特に奇抜なわけではなく、登場人物も特に変な人ではないのだが、登場人物たちの人間関係を深くえぐることによって、なんとなくおかしなところが浮かび上がってくる。劇場ではユーモアにあふれた会話でクスリとさせられ、帰り道ではこの人間関係の描き方を思い出してじわじわとさせられる。
今回はワクチンを接種したある年配の夫婦のその夜のお話。正直、日本全国で多くの人が経験したシチュエーションで、奇抜な登場人物も出てこない。先に説明した城山羊の会の定番スタイル。そう考えると「日常って、よ〜く見てみると思っているより面白いんじゃないの?」と思わされる。「つまらない日常」みたいなフレーズに踊らされてる人にはぜひ見てもらいたい作品。
昨年からの新型コロナウイルスの影響で世の中には「リモート」という便利なシステムが出来上がってしまった。実際に会わなくても仕事ができてしまうことに最初のうちは便利さを感じていた人も多かったのだが、今もそうなのだろうか。
演劇界でも苦肉の策として「配信」が取り入れられた。それはそれで地方在住のファンやさまざまな事情で劇場に来られない人たちに向けて今後も残っていくかもしれない。しかし演劇の醍醐味はやはり生身の人間が目の前で演じるものを見ることに他ならない。
そんな演劇体験を嫌というほど感じさせてくれるのが桟敷童子の舞台。作・演出の東憲司が作り出す物語は自身が幼少期に過ごした福岡の炭鉱の町・筑豊や霊場巡りで知られる篠栗での原風景をもとに、困難に立ち向かう人々の壮絶な生きざまを描いたもの。そして劇団員全員で作り出す大掛かりなセットは劇場でありながら野外公演かと思わせるほどのリアリティーと迫力のあるもので、劇場に入った瞬間から観客を強引に物語に引きずり込んでいく。
今回は「二又トンネル爆発事故」という1945年に福岡で実際に起きた事故をモチーフとした最新作。こんな時代だからこそ、究極の演劇体験を!
増田貴久がブロードウェイミュージカルに初挑戦したことで話題も注目も集めたミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』が戻ってくる!
トニー賞7冠のコメディーミュージカルの決定版。ビルの窓ふき清掃員のフィンチが「努力しないで出世する方法」という本を読んで一念発起、次に「入るべきは大企業」という本の教えに沿って、ワールドワイド・ウィケット社に飛び込み、社長に直談判。人事部長に社長の関係者だと勘違いされて入社を果たし、トントン拍子に出世していく。全てが順調だったある日、重大なアクシデントが発生して……。
ポップで力強い楽曲、軽快でパワフルなダンス、出世街道を楽しそうに駆けあがって主人公の姿にウキウキワクワクが止まらない。増田演じるポジティブなエネルギーに満ちたフィンチを筆頭に、『レ・ミゼラブル』のエボニーヌ役を筆頭に多数のミュージカルに出演する唯月ふうか、アーティストとしても活動する松下優也ら豪華キャストの一挙手一投足に心が踊る。
年末年始を前向きに乗り切るパワーを本公演からいただこう!
この『鷗外の怪談』は高名な作家として尊敬を集める一方で、政権中枢に近い陸軍軍医総監でもあった森鷗外を家庭生活の場から描き、その内面の謎に迫った作品。2014年に初演され、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞および芸術選奨文部科学大臣賞(永井愛)を受賞するなど、高い評価を受けた。
この永井愛近年の代表作の一つが出演者を一新し、7年ぶりに再演される。
言論・表現の自由を求める文学者でありながら、国家に忠誠を誓う軍人でもあるという、相反する立場を生きた鷗外役に松尾貴史。松尾は二兎社が2018年に上演した『ザ・空気 ver.2』では“総理のメシ友ジャーナリスト”を演じ好評を博した。
松尾自身、かつては多面性の極みのような芸を披露し、今もテレビ・ラジオはもちろん、映画・舞台、イベントなど幅広い分野で活躍する。そんな松尾が鷗外の二面性にどうアプローチするかはとても興味深いところだ。
総選挙も終わり、自公で絶対安定多数を確保という結果に終わった。ということは大きく世の中は変わらない。日本の劣悪な子育て環境も多分そんなにすぐには変わらない。そんな中でも子育てをある種のエンターテインメントに昇華し活動しているのがママさんコーラス演劇「うたうははごころ」。「ん?『うたうははごころ』って?」ということで代表の菊川朝子と広報の稲毛礼子に話を聞いた。
小川絵梨子氏が新国立劇場の芸術監督に就任した際に打ち出した支柱の一つ「演劇システムの実験と開拓」として取り入れたのが、すべての出演者をオーディションで決定する「フルオーディション企画」。今回はその第4弾として2011年10月に倉持裕が新国立劇場に書き下ろした『イロアセル』が倉持自らの演出で上演される。
舞台は海に浮かぶ小さな島。その島に住む人たちの言葉にはそれぞれ固有の色がついていて、いつ、どこで発言しても、誰の言葉なのかすぐに特定されてしまう。だから島民たちはウソをつかないし、ウソをつけなかった。そんな中、丘の上に檻が設置され、島の外から囚人と看守がやって来たのだが、彼らの言葉には色がなく、彼らの前で話をする時は島民たちの言葉にも色がつかなくなった。以来、これまで隠していた島民たちの本心が徐々に明かされていくことになり…。SNSが発達し匿名での無責任な発言があふれ、コロナ禍で対面を必要とせず、言葉だけに頼るコミュニケーションツールが発達、増加した現代に、日常における対話や発言の在り方を改めて問いかける作品。約10年前に書かれたとは思えない、現在を揶揄したようなお話だ。
ダンスアーティストで女優の仲万美が手掛けるプロジェクト「Juliet aria」の第1弾。沖を筆頭に、ダンサーやポールダンサー、 アイドル、アクロバットダンスパフォーマー、バイオリニストなど世界的な女性パフォーマーが集結したダークファンタジーショーを展開する。
本当か嘘か分からない情報が飛び交う中に存在した都市伝説のようなショー「DustBunnySHOW」を軸に展開。 感情を失ったダンサーは、Mr.Blackが支配する豪華客船「DustBunny」に連れてこられる。バニーと名付けられた彼女は、そこで7人の女性パフォーマーと出会う。 自分と似ている彼女たちに失った感情を抉られたバニーが「DustBunny」の中で選ぶ道とは…。
プロジェクトを手がけ出演もする沖は、20年以上のキャリアのなかで、加藤ミリヤ、BoA、椎名林檎らのバックダンサーも務めた経験があり、マドンナにはバックダンサーとして約1年半同行している。また、映画『チワワちゃん』、舞台RockOpera『R&J』ではヒロインを務めるなど精力的に活動している。そんな彼女と才能あふれる女性パフォーマーたちが創り上げる舞台は必見。演出・脚本は三浦香が担当。
本公演は今年4月に開催予定も全公演中止となっていた。
劇団た組は2013年に結成された、加藤拓也が脚本・演出を務める劇団。丁寧な言葉とドラマ運びで、底抜けた暴力性と虚無感がねっとりと複雑に立ち上がる物語を上演している。
加藤は演劇ばかりではなく映像でも演出を担い、2018年にはフジテレビ『平成物語』でドラマ初脚本で市川森一脚本賞にノミネート。同年、日本映画専門チャンネル25周年記念の映像作家に選ばれ、2019年にはフジテレビ『不甲斐ないこの感性を愛してる』で再び市川森一脚本賞にノミネートされるなど幅広いフィールドで活躍している。
2018年には演劇に不確定要素として実際のスポーツを持ち込んだ『貴方なら生き残れるわ』が大きな反響を呼び、映像が公開された時には1週間で1万回以上再生された。
今回の作品は子供の預かりバイト中に大災害に巻き込まれた女性が「仕事とお金の責任の範囲」について思いを巡らす物語。置き去りにされた5歳の男児が一夜にして43歳の姿になってしまうというファンタジーというか、ちょっとした恐怖というか不思議な要素を含みながらも、その一方で生々しい物語が展開される。そもそも「ぽに」って?といったことも含め、諸々気になる作品だ。
映画監督の飯塚健が脚本・演出・選曲を務めるエンターテインメントショー、コントと音楽 vol.3『くたばるものかよ』が丸の内のコットンクラブでスタートした。vol.2.5「番外配信編」を経て約1年ぶりの有観客公演。キャストは新メンバーに落合モトキ、川久保拓司、傳谷英里香、片岡礼子を迎え、vol.2「他人関係」より足立梨花、関めぐみ、山中聡が続投する。開演前日には関係者向けのゲネプロが行われ、生まれ変わった「コントと音楽」が幕を開けた。
劇団献身は早稲田大学演劇倶楽部出身の奥村徹也が、卒業後1年間のサラリーマン生活を経て2014年に旗揚げした劇団。
“3秒に1度放たれる”ともいわれるノンストップでギャグを放り込む独特のスタイルでコメディー作品を次々と発表。着実にファンを増やし、昨年には今後の飛躍が期待される若手劇団を集めて行われる三鷹市芸術文化センターの名物企画『MITAKA“NEXT”Selection』にも選ばれた。
昨年の9月といえば、コロナ禍が一時収束し、エンターテインメントが復活しつつも、いつまた中止になってもおかしくないような微妙な時期。そんなやる側も見る側も気分が停滞しそうな状況でいつも以上にふざけまくって、みんなのストレスを笑いに変えた。
今回は昨年4月に新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための緊急事態宣言により全公演が中止となった第13回公演『スケール』を改め『スケールⅡ』としてパワーアップして挑むという。
劇団としては初めての「恋」や「家族」を真ん中に置いた物語。もっとも「いずれにせよ行き詰まる、男と女の物語」とのことで、いつものテイストはもちろんそのままに新味をプラスアルファ。新たな境地に足を踏み入れる作品となる?