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心は自由に。世界へ、宇宙へと広がる。「最果タヒ展 われわれはこの距離を守るべく生まれた、夜のために在る6等星なのです。」

2020.12.11 Vol.736

 映画、WEB、広告、音楽、アートなど、さまざまなジャンルで数々の新しい詩の運動をまきおこしてきた注目の現代詩人・最果タヒの“詩の展示”が全国巡回決定。本年夏、福岡にて開催され話題を呼んだ展覧会が、渋谷他にて巡回展として再登場する。

 スマートフォンで詩を書き、現代の感情を繊細かつ鋭く表現する最果タヒの作品発表の場は、書籍はもちろんインターネット上にもとどまることなく広がっている。本展は、そんな最果タヒの詩の数々をインスタレーションによって展示。空間全体で、詩の世界を体感することができる。

 展示されるのは、2019年2月に約1カ月間で3万人以上が来場した『氷になる直前の、氷点下の水は、蝶になる直前の、さなぎの中は、詩になる直前の、横浜美術館は。―― 最果タヒ 詩の展示』でのインスタレーションを含む、新作の“詩の展示”。新たなタイトルとともに、それぞれの会場に合わせた空間デザインで展開される。

 会場に散りばめられているのは、作品が、来場者に読まれることにより初めて意味を持つものであってほしいと願う最果タヒによる「詩になる直前」の言葉たち。会場内をめぐり一つひとつの言葉をたどる体験を通して、言葉との新たな出会いを感じるはず。

【芸術の秋! 世界のすべてからアートが生まれる】GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ

2020.11.25 Vol.735

 いまや世界共通言語となった日本の漫画=MANGAの“ルーツ”が大集合する注目の展覧会。

“漫画”の起源にはさまざまな説があるが、本展では印刷文化が発展した江戸時代の風刺表現である戯画を現代日本で認識されている漫画的な表現の出発点として、総数約270点の「漫画のルーツ」を一挙紹介する。

 幕府の改革、幕末の動乱、近代化、社会の矛盾や事件、庶民の日常など、浮世絵の「戯画」はさまざまな事柄を時にユニークに、時に辛らつに世の人々に伝えた。そして明治になり、新聞や雑誌など近代的ジャーナリズム媒体の誕生と共に「戯画」は挿絵へ、そして漫画へと姿を変え、漫画雑誌が刊行されるに至り、大衆が楽しめる新しい絵画表現として確立。本展では、江戸時代の浮世絵版画から明治・大正時代の風刺漫画雑誌、昭和戦中期の子ども漫画等、日本の漫画の変遷を展覧する。

 総展示作品数は約270点。会期中は、同館初となる前期・中期・後期の3つの会期で展示替えを実施。

 現代の漫画表現にも通じる、当時の生き生きとした絵画表現を貴重な作品群で楽しむことができる。

現代アートの祭典「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020」が開幕。社会との橋渡し目指す

2020.11.18 Vol.Web original

 障害者と多様な分野のプロフェッショナルによる現代アート国際展「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020」が18⽇、横浜市役所で開幕した。オンラインとリアルが融合した全く新しい形で、コロナ時代の新たなイベント像を世界に発信する。

 横浜市の東京2020参画プログラム「文化オリンピアード」として、障害のある・なしに関わらず文化芸術活動に参加したい誰もが出会い、共に創るアートプロジェクトを目指して誕生したヨコハマ・パラトリエンナーレ。2014年の「はじめてに出会える場所」、2017年の「とけあうところ」に続き、2020年は「our curioCity ‒好奇心、解き放つ街へ」をテーマに、様々なプログラムで7日間の祭典を盛り上げる。

【芸術の秋! 世界のすべてからアートが生まれる】石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

2020.11.14 Vol.735

 アートディレクター、デザイナーとして世界を舞台に活躍した石岡瑛子(1938-2012)の世界初の大規模な回顧展。初期の広告キャンペーンから、映画、オペラ、演劇、サーカス、ミュージック・ビデオ、オリンピックのプロジェクトなど、その唯一無二の個性と情熱にあふれる作品を総覧する。

 マイルス・デイヴィス、レニ・リーフェンシュタール、フランシス・フォード・コッポラ、ビョーク、ターセム・シンら名だたる表現者たちと緊張感に満ちたコラボレーションを繰り広げ、画期的な作品を生み出し続けた石岡。展示では、集団制作の中で個のクリエイティビティーをいかに発揮するかに賭けた「石岡瑛子の方法」を、デザインのプロセスを示す膨大な資料とともに紹介し、その秘密に迫る。

 また、アカデミー賞を受賞した映画『ドラキュラ』(1992)や『落下の王国』(2006)、『白雪姫と鏡の女王』(2012)、オランダ国立オペラ『ニーベルングの指環』(1998-1999)など、ハリウッド・アカデミーをはじめ世界各国のアーカイブから集められた衣装展示も必見。他にも前田美波里を起用したデザイン史の金字塔とも言うべき資生堂のポスター(1966)や、1970-80 年代のパルコの広告などの初期の仕事から、海外に拠点を移した挑戦の数々も紹介する。

【宮崎・日南】離島「南郷大島ミュージアム」で自然とアートの融合を体験

2020.10.31 Vol.web original

 宮崎の日向難に浮かぶ無人島「大島」で島全体を博物館に見立て、地元にゆかりのある芸術家や南郷町の人々を中心としたアートプロジェクト「南郷大島ミュージアム」が開催されている。このプロジェクトは、第35回国民文化祭・芸文祭みやざき大会の「さきがけプログラム」だ。

 会場は「人と自然とアートの融合を体験する」をテーマに大島を7つのエリアに分け、宮崎出身のアーティストが大島の美しい景観にマッチする芸術作品を島内に演出した「アート基地」、地元の大人たちが童心にかえって本気で制作した「秘密基地群」や、地元南郷地区の5つの小・中学校の児童・生徒が、地域の大人たちの協力のもと制作し展示した「飫肥石アート作品展」の他「学習会、ウォーキング会、島の図書館」「あけぼの号アートシップ」「南郷大島古写真館」「かつお一本釣りギャラリー」といったさまざまなアート企画が用意されている。

東京ドームシティで「中村佑介」展覧会 過去最大規模の300点以上を展示

2020.10.31 Vol.734

 東京ドームシティ「Gallery AaMo(ギャラリーアーモ)」で「中村佑介展 BEST of YUSUKE NAKAMURA」を開催。これまで携わったほぼすべての仕事が一堂に会し、過去最大規模の300点以上を展示。期間中、入館者特典として中村佑介が描き下ろしたアマビエの「オリジナルマスクケース」をプレゼント。

ミッキーマウスの過去と未来を旅する日本初上陸の展覧会が六本木で開幕

2020.10.30 Vol.Web original

 ミッキーマウスの知られざる過去と未来を旅する展覧会「ミッキーマウス展THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」が30日、森アーツセンターギャラリーで開幕した。世界中の人々に愛され、親しまれてきたミッキーマウスの歴史を振り返るとともに、個性豊かな現代アートで未来の姿を表現する。

 本展はミッキーマウスのスクリーンデビュー90周年を記念して昨年までニューヨークで開催された人気展覧会「MICKEY: THE TRUE ORIGINAL」の作品を中心としたもので、2020年は日本展オリジナル企画として、未来へ向けた「& BEYOND」のコンセプトを新たに加え、日本初上陸した。

【作品集】さきがけプログラム南郷大島ミュージアム

2020.10.30 Vol.web original

東京の過去、現在、未来を見つめる「アイラブアート15 生きている東京展」

2020.10.25 Vol.734

 9月に開館30周年を迎えたワタリウム美術館が、同館に関わったアーティストたちの作品を通して、東京を再考する展覧会。コレクションを中心に島袋道浩、寺山修司、JRら12作家の作品や未公開ドキュメント、会田誠らゲストアーティスト3組を交えて作品約100点を展示する。

 1985年、渋谷区神宮前のトライアングルの地に、建築家マリオ・ボッタによる「ワタリウム建築プロジェクト」がスタート。ボッタが最初に考えたことは「まず正面に大きなファサードをおく、街に豊かさを与える都市の新しい顔となるために」ということ。1990年9月、多彩な人々が行き交う街の日常の中に生まれたワタリウム美術館は、アートファンのみならず世代性別を超えさまざまな人々に、アートを軸とした出会いを届けてきた。そして2020年、パンデミックの状況下、世界規模で何かが大きく変わろうとしている今、1990年の開館以来“東京からアートを”とさまざまな作品を生み出してきた同館で、この30年間アーティスたちが見た“東京”を再び見つめなおす。

東京の過去、現在、未来を見つめる「東京好奇心 2020 渋谷」

2020.10.20 Vol.734

 国内外の写真家100名の強い“好奇心”と、写真作品を通して「今という時代に向き合って欲しい」という思いから生まれたプロジェクト『東京好奇心 2018-2020』が、パリ(パリ市4区庁舎)とベルリン(ベルリン市庁舎およびベルリン日独センター)での展覧会を経て日本に凱旋! 同プロジェクトの集大成として、東京・渋谷の地で展覧会を実施する。

 会場では、16の国と地域の写真家100名による写真作品約200点を展示。森山大道や細江英公、東松照明といった日本写真界の代表的写真家から、本城直季や野村佐紀子といった気鋭の写真家たち、さらにサラ・ムーン、レナート・ダゴスティンといった海外の著名写真家も数多く出品。

 新しい生活様式が求められる中、世界中が注目する「東京」という都市において、何を大切だと感じ、何を美しく、また悲しく思い、そしてどんな可能性を見つけるのか。常に変化し続けてきた東京、そこで暮らす人々の姿、記憶の彼方に葬ってはいけない歴史、そして時代を超えて輝きを放つもの…。東京をテーマとしたさまざまな表現を通して、東京という都市の未来と可能性が広がっていく。

アートと対話するひと時「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」

2020.09.28 Vol.733

 草間彌生、李禹煥(リ・ウファン)、宮島達男、村上隆、奈良美智、杉本博司。日本の現代美術界に燦然と輝く、世界が認める6名のスターたち、その初期作品と最近作が集結。現代アートファンはもちろん、「日本の現代美術」入門として現代美術初心者にもおすすめの展覧会。

 大型のインスタレーションや迫力の映像など、体感を重視した作品展示もスケール感満点。

 奈良美智作品では、初公開を含む初期作品約20点や中期の代表的なインスタレーション《Voyage of the Moon(Resting Moon) / Voyage of the Moon》(2006年)、新作《Miss Moonlight》(2020年)を含む大型肖像絵画、そして奈良本人の多様なコレクションなどを展示。

 さらに本展では、充実のアーカイブ展示にも注目を。日本の現代美術の歴史や作家のキャリアについて学ぶ資料展示によって、作家や作品についてさらに理解を深めることができるはず。

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