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劇団かもめんたるの新作公演は「ラサール石井さんのアンチも楽しめる作品」と岩崎う大

2020.11.25 Vol.Web Original

12月2日から東京・池袋の東京芸術劇場 シアターウエストで開幕

「劇団かもめんたる」は2013年の「キングオブコント」で優勝したお笑いコンビ「かもめんたる」が2015年に旗揚げした劇団。

 当初は岩崎う大と槙尾ユウスケのかもめんたるの2人の他は小劇場系の俳優を客演で呼ぶ、限りなくプロデュース公演に近い形だった。

 しかし定期的に公演を打ち、キャストのオーディションも行い、やがて常連の出演者が劇団員になるなど公演を重ねるごとに成長を遂げ、「お笑い芸人が片手間に演劇をやっているのでは?」という一部にあった意地の悪い見方も完全に覆し、今ではすっかり劇団として認知されるようになった。

 もっとも、もともとかもめんたるのコントは演劇的な要素を含むものが多く、劇団でも脚本・演出を務める岩崎の描く世界がごく自然に演劇好きにも受け入れられたのはある意味必然。昨年12月に上演した『GOOD PETS FOR THE GOD』では岸田國士戯曲賞の最終候補にも残るなど、劇作家としての才能も高く評価されるようになった。

V6坂本昌行、最新舞台でA.B.C-Z河合郁人と共演「一役者として向き合いたい」2月上演の『Oslo』

2020.11.14 Vol.Web Originaⅼ

 V6坂本昌行が来年2月上演の舞台『Oslo(オスロ)』に主演する。トニー賞を筆頭にさまざまな演劇賞を受賞して米演劇界を席捲した話題の舞台が日本に初上陸。共演の安蘭けい、福士誠治、A.B.C-Z河合郁人らとともに、「合意という困難な壁に挑む」人間たちの姿を、舞台の上に“再生”する。

 1993年のイスラエルとパレスチナが和平交渉に合意した『オスロ合意』が題材。奇跡の瞬間までに何が行われていたのか、合意の実現に寄与したひとりの男と、彼の熱意に突き動かされた人々の5カ月を描く。

 坂本が演じるのはノルウェーの社会学者テリエ・ラーシェン。「題材になっているオスロ合意に関してはニュースでしか知らなかったので、色々と調べていくうちに、様々な背景がある作品にお声がけいただいたんだなと改めて認識しました。当時の新聞記事に「忍耐と信頼」とありました。僕らも良く使う言葉だけれど、実際に経験された方から出る、重みを感じます。人が動くことで国をも動かす大きな話ですが、その人物の根底にある、軸にあるものを表現できたら」と、意気込む。

 安蘭は、テリエの妻で外交官のモナ・ユールを演じる。「遠く離れた国に起こった実話で、なかなかなじみのない話かもしれませんが、坂本昌行さん演じるテリエと私の演じるモナという夫婦の、ふたりで世界を変えようと一歩踏み出した“信念”の物語でもあります。国や世界という大きな話ではなくとも、自分ではなく人のために、という想いはきっと皆さん持っていらっしゃると思います。ぜひ劇場で、同じ時間を共有しながら、彼らの熱い想いを一緒に感じてください」と、メッセージする。

 福士が演じるのは、イスラエル側の代表となる外務省事務局長のウリ・サヴィール役。

「歴史的にこういうことがあったと演劇を通して知っていただけることや、立場の違う人たちが色々な感情をむき出しにしながら良き答えを導き出そうと繰り広げる討論、会話劇はとても魅力的で、刺激的な舞台になると思います。難しく考えずに、劇場に足を運んでいただけるとうれしいです。キャストの皆さんとの関係性、人間性の化学反応も楽しんでいきたい」と、やる気だ。

 河合郁人は、モナの上司であるノルウェー外務副大臣のヤン・エゲランなどを演じる。

「台本を読み進めていく中で、セリフの量はもちろん、長セリフが数多ある事に驚きました。しかも二役。二役とも交渉を行っていくという責任感のある役ですが、実際の生活では経験したことが少なく、使う事の少ない言葉も出てきますが、僕の役どころ、キャラクターを考えると、明るく出来るのかな、と想像しています。あまり硬くなりすぎずに、決めるところは決める、というのを出せたらいいなと思います」

 主演の坂本は、ジャニーズ事務所の先輩。

 河井は「坂本さんという舞台界において一流の先輩とご一緒できるのも心強いです。これまでミュージカルや舞台で沢山経験されたお話を聞かせて頂き、近くで勉強したいと思います」

 坂本も、「同じステージに立ったら、当たり前のことですが、先輩後輩は関係なく、一役者として向き合いたいので、自由にやってほしい」と熱いエールを送っている。

「本作は、人間性の豊かさや対話の奥行といった硬軟併せ持つ色彩で綴られます」と、演出の上村聡史。「合意という困難な壁に挑む登場人物たちを、14名の頼もしいキャストの魅力を生かして、今に再生したいと思います」と話している。

 2021年2月6~23日まで、東京・新国立劇場の中劇場で上演。その後、宮城・東京エレクトロンホール宮城、兵庫・兵庫県立芸術文化センター の阪急中ホール、福岡・久留米シティプラザのザ・グランドホール 、愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホールで公演がある。

【演劇・ミュージカルに復活の兆し】good morning N°5『ただやるだけ』

2020.11.12 Vol.735

「good morning N°5」は女優の澤田育子(拙者ムニエル)と藤田記子(カムカムミニキーナ)がただただ「面白いことがやりたい、というか、面白いことしかやりたくないッ!!」という思いで2008年に立ち上げた劇団。

 作・演出を担当する澤田が描く世界は、愛情とくだらなさ、そして華やかさが満載。加えて、この2人、もともと小劇場界では一癖も二癖も…どころではない女優として名をはせる存在とあって、とにかくはちゃめちゃ。そして2人の顔の広さもあって、客演陣もとにかく豪華。

 今回の作品も「世界平和を願いながら、愛とくだらなさが全力でメチャクチャに交差する全力投球型ド派手なヘンテコリン世界。バカバカしくも号泣必至(?!)」とのこと。

 今回は劇団結成13周年記念公演として劇団初のロングラン公演を敢行。当初は全30ステージに日替わりゲストを呼び、華やかなロングラン公演とする予定だったのだが、ご時世柄、日替わりゲストは断念した。しかしレギュラー出演者自体が入江雅人、音楽も担当する中村中ら豪華な布陣となっているので、華やかさについては心配ご無用。

 なお11月1日からMotionGalleryにてクラウドファンディング( https://motion-gallery.net/projects/gmn5_cf )を実施。上演作品DVD、グッズなど全て今後一般販売の予定のないものがリターンとなっている。

【演劇・ミュージカルに復活の兆し】新宿梁山泊『唐版・犬狼都市』

2020.11.10 Vol.735

 新宿梁山泊は今年6月に花園神社特設テントで『唐版・犬狼都市』の上演を予定していたのだが、新型コロナウイルスの影響で、延期に。その公演が本多劇場グループテント企画として、11月14日から下北沢駅前の線路街 空地に特設紫テントを立てて上演することとなった。

 本作は澁澤龍彦の「犬狼都市」に想を得て描かれた唐十郎の珠玉の名作。東京の大田区の地下にあるという犬の町「犬田区」を舞台とした物語。そこに生息するしがない人間のドラマが展開される。

 新宿梁山泊の役者陣に加え、小劇場界で活躍する宮原奨伍、オレノグラフィティ、実力派俳優・松田洋治ら豪華な客演陣を迎えて送る。

 同作は状況劇場で1979年に初演。場所は新宿西口公園に建てられた状況劇場の紅テントだった。当時の状況劇場の客は新宿という街が生み出す猥雑な空気につかりながら唐の作る幻惑の世界の一員となっていた。

 開発されてしまった下北沢という街にはかつての新宿のような空気は望むべくもないが、その中で新宿梁山泊はどのような世界を見せてくれるのか…。

 新型コロナによる感染症対策として、テント演劇の定番である桟敷をなくして全席指定席のみとし、客席数も通常よりも大幅に減らし、また入場時に検温、50分に1回はテント全面で換気するなど、万全の対策を取っての公演となる。

どんどん舞台に活気が戻ってくる予感 劇団鹿殺し『ザ・ショルダーパッズ』

2020.11.01 Vol.734

 新型コロナウイルスの感染拡大防止による劇場の休館で3月の東京公演が中止となってしまった鹿殺しが劇場に帰ってくる。

 3月の大阪公演はなんとか実施したものの、他の劇団同様、そこから長く沈黙せざるを得なかった彼らだったが、8月には劇団活動の「再起動」を宣言。11月に劇団公演を実施することを発表した。

 今回の「ザ・ショルダーパッズ」は男性の衣装は2枚の肩パットのみで行われる。このスタイルは2004年の劇団公演を皮切りに、ライブハウスでの音楽劇、PLAY PARK2012、福岡演劇フェスティバルなどさまざまな公演・会場で上演されてきたもので、劇団鹿殺しの伝統表現の一つの集大成といえるもの。シンプルな肉体と、想像力の翼のみを武器に演者と観客、双方の世界を無限に解放することに挑戦していく。

 今回は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と江戸川乱歩の「少年探偵団」の2作品をそれぞれ上演。この名作を丸尾丸一郎が戯曲化し、菜月チョビによる「ザ・ショルダーパッズ」ならではの演出で作品世界を美しく立体化するという。

どんどん舞台に活気が戻ってくる予感 ロームシアター京都 レパートリー作品 木ノ下歌舞伎『糸井版 摂州合邦辻』

2020.10.19 Vol.734

 京都を拠点とする木ノ下歌舞伎は歴史的な文脈を踏まえつつ、現代における歌舞伎演目上演の可能性を発信している団体。

 本作は京都のロームシアター京都のレパートリー作品で昨年2月から行った初演の際には、公演地によっては追加公演も発生した話題作。当時は東京での公演はなく、東京のファンの中ではかねてから再演を望まれていた作品だ。

 木ノ下歌舞伎ではあらゆる視点から歌舞伎にアプローチすることを目的としているため、主宰の木ノ下裕一が指針を示しながら、さまざまな演出家による作品を上演するというスタイルを取っており、本作はFUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介が演出を務める。

「摂州合邦辻」は運命に翻弄される2人の男女を軸に血族の悲劇を描いた作品なのだが、本作では原典とされる能の「弱法師」や説教節の「しんとく丸」などの要素に改めてスポットを当てて再解釈。“剥き出しの生”を壮大なスケールで描く音楽劇となる。

 初演でも喝采を浴びた主役の玉手御前役は内田慈が続投。俊徳丸役には声優としても活躍する期待の若手俳優・土屋神葉が抜擢された。

どんどん舞台に活気が戻ってくる予感 ミュージカル『ローマの休日』

2020.10.18 Vol.734

 土屋太鳳が朝夏まなととのダブルキャストで主演する日本発のオリジナル・ミュージカル『ローマの休日』が上演中だ。オードリー・ヘプバーンが主演した同名の名作映画を世界で初めてミュージカル化した作品で、上演されるのは約20年ぶりとなる。

 ヨーロッパ歴訪中だったアン王女が、旅の途中のローマで1日だけ自由な時間を過ごす。髪を切ったり、ジェラードを食べたり、スクーターでローマの街を走ったり、船上パーティーでド派手にやらかしたり……これまで経験したことがない時間を過ごす。そしてそこには忘れられない恋も……。土屋と朝夏演じるアン王女、新聞記者のジョー・ブラッドレー、カメラマンのアーヴィングはWキャスト。公演ごとに異なる組み合わせで上演する。好奇心旺盛な少女から凛とした王女へと変化する土屋、堂々たるパフォーマンスでオーディエンスを圧倒する朝夏、そして加藤和樹と平方元基が演じるちょっとワルだけど純情なブラッドレーのやり取り、恋物語に胸を締め付けられる。

北乃きい「想像のもっと上だった」。シェイクスピア原作『真夏の夜の夢』が開幕

2020.10.16 Vol.Web original

 東京芸術劇場開館30周年記念公演『真夏の夜の夢』が15日、東京芸術劇場プレイハウスで開幕した。

 シェイクスピアの不朽の名作『真夏の夜の夢』を劇作家・野田秀樹がダイナミックに翻案した本作。ルーマニアを代表する演出家・シルヴィウ・プルカレーテを演出に迎え、演劇界を代表する2人の巨匠が初タッグを組む。

 愛する者と駆け落ちする割烹料理屋のピュアな娘、ときたまごを演じた女優の北乃きいは「私が台本を読んで想像するところは、プルカレーテさんの中での10%くらいで、プルカレーテさんは私にはない世界観で、想像のもっともっと上をいっている、そんな驚きのある稽古場でした。想像のつかないシーンばかりで、“芝居には正解が無い”とよく言われますが、今回改めてそう思いました」とコメント。

 「見たことの無い世界観、聞いたことのない音楽であふれている作品です。今回、ツアーで5カ所回りますが、行ったことのない地域もあるので、とても楽しみにしています。ぜひ、観に来ていただければと思います」と呼びかけた。

 舞台『真夏の夜の夢』は、同所で11月1日まで。

葵わかなと三吉彩花がLGBTQの女子高生カップル! 地球ゴージャスがブロードウェイミュージカル

2020.10.12 Vol.Web Original


 岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニットの地球ゴージャスが初のブロードウェイミュージカルに挑戦する。2018年にブロードウェイに登場し話題を集めた『The PROM』で日本では初上演。2021年3月に開幕し、東京と大阪で上演する。

 LGBTQのティーンエイジャーが自分らしい生き方を貫く物語。LGBTQの高校生のエマが、同性のパートナーとプロム(卒業パーティー)に参加することを表明したことがきっかけでプロムは中止に。インディアナの小さな町で女子高生カップルが引き起こしたできごとは報道されて全米から注目を集める。そこに彼女たちを応援するという名目でイメージアップを図ろうと、落ち目のブロードウェイの俳優たちが乗り込んできて……。

 主人公のエマは葵わかな、その恋人アリッサを三吉彩花が演じる。

 地球ゴージャスに初参加の葵は、「演出の岸谷さんはじめとする共演者のみなさんとお稽古させていただく中で、どんなエネルギーが生まれるのか、今からとてもワクワクしています」としたうえで、「この作品を通してエマの中で一貫していると感じたのは、いつでも自分を誇りに思っているという事です。そんな風に、かっこいいくらいに優しいエマの思いに寄り添いながら、精一杯務めていきたいです」

「お話を伺った時、口が開いたまま暫く瞬きが出来ないくらいうれしかった」と三吉。「プレッシャーを感じておりますが、生き生きとした三吉彩花を皆様にお見せできるように。そして男女という壁にとらわれず、ありのままの自分でいることの素晴らしさを皆様に伝えられるように、チームの力をお借りしながら精進して参ります!」と、意気込んでいる。

 日本版脚本、訳詞、そして演出は岸谷が担当する。

 他出演に、大黒摩季、草刈民代、保坂知寿、霧矢大夢 佐賀龍彦 (LE VELVETS) TAKE(Skoop On Somebody) ら。岸谷、寺脇もキャストに名を連ねる。

 東京公演は2021年3~4月にTBS赤坂ACTシアターで、大阪公演は同5月にフェスティバルホールで行われる。

岸谷五朗 コメント
今年、10万人のお客様に観劇いただけなかった25周年祝祭公演。
あの無念を心に、地球ゴージャスが満身創痍の中お贈りする新作は初のBroadway Musical!
しかも!2019年度のトニー賞候補作品。
しかも!世界初の海外プロダクション公演。
しかも!Netflix版が完成した直後に日本での舞台公演!

2019年、実際にBroadwayで観劇してから日本で絶対に公演をしたいと思った作品です。コロナを吹き飛ばすには最高の演目、骨太なテーマに巧みな登場人物。Broadwayならではのコメディーセンスと最上級のダンス・ナンバー!
ゴージャスがゴージャスにBroadwayを料理する、大ミュージカルになるでしょう!乞うご期待下さい。

寺脇康文 コメント
今回のキーワードは、「リベンジ&チャレンジ!」そう、リベンジ。悔しかった。25周年祝祭公演が8公演しか出来ず、皆さんとの貴重な共有時間が奪われてしまった!その想いを胸に、皆さんでリベンジしましょう!
そして、チャレンジ。
地球ゴージャス初のブロードウェイ作品への挑戦!ゴージャスパワーとの化学反応へチャレンジします!
そして今回も、豪華キャストが集ってくれました。劇場でお待ちしております。皆さんと共に前へ!

どんどん舞台に活気が戻ってくる予感 座・高円寺レパートリー『男たちの中で~In the Company of Men~』

2020.10.12 Vol.734

 座・高円寺のレパートリー作品として昨秋、日本で初上演された『男たちの中で~In the Company of Men~』が今年も上演される。

 同作は“反骨の劇詩人”ともいわれるイギリスの劇作家エドワード・ボンドが1980年代に書いた巨大軍需企業を舞台とした作品。

 座・高円寺の芸術監督で本作の演出を務める佐藤信は劇場の演劇学校「劇場創造アカデミー」の研修生の修了上演で、ボンドの8時間に及ぶ長大作『戦争戯曲集 三部作』を上演し続けるなど、かねてからボンドの戯曲に注目してきた一人だ。

 物語は軍需企業の買収を巡り、父と息子、部下、敵対企業といった立場の男たちが二重三重の駆け引きを展開していく。シェイクスピアの『オイディプス王』や『ハムレット』的な人間関係の要素はもちろん、権謀術数にたけた6人の男たちによって繰り広げられるドラマはドラマとして単純に見応えのあるものだ。

 その一方でボンドはこの戯曲のなかで政治権力の構造や権力が人間性を奪っていくさまをスリリングな言葉と言葉の応酬で見せていくのだが、それはネオ・リベラリズムとグローバリズムに支配されつつある現代の我々にとってはただ楽しいと言ってもいられない切実な問題として提示される。さて、見た後に我々は何を感じ、どのような“気づき”を得ることができるのか…。

【ウィズコロナの演劇シーン】東京芸術祭 2020 芸劇オータムセレクション『ダークマスター VR』

2020.10.01 Vol.733

 タニノクロウが主宰を務める庭劇団ぺニノの代表作『ダークマスター』がVR作品となって上演されることとなった。

 これは今秋開催される「東京芸術祭2020」で東京芸術劇場のオータムセレクション作品として上演されるもの。

 本作は庭劇団ぺニノが2003年に初演した代表作『ダークマスター』を現在の社会状況を踏まえて新たに構想し直し、今回の上演用に新たに撮影したパフォーマンス映像を特別仕様の演劇的空間で各回20人限定でVRゴーグルをつけて観劇する。

 これまで新型コロナウイルスの感染拡大防止については各団体でさまざまな方策が取られてきたのだが、それでも不安を感じる人はいるようだ。

 こればかりは個人の感覚の問題でどうしようもないことなのだが、「ならば」とばかりにタニノは俳優をVRの世界に移動させ、1回に収容する観客数も20人までとした。

 上演と書いていいのか、上映と書くべきなのか。演劇の概念さえぶち壊すタニノの試み、というかさまざまな投げかけを観客たちがどう受け止めるのか。

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