ピシッとしたスーツ、ネクタイにハット。ぶっといシガーはまるでアクセサリー。本作は、いわゆるファッションフォトをまとめたものとは一線を画する、アフリカのコンゴで息づく『SAPEURS(サプール)』という文化を写真で切り取ったものだ。
エレガンスこそすべて。高級な服を着る人間はそれに見合う高貴さを備えていなければならない。おしゃれが好き! 着飾るのが好き!というのとは異なる、ひとつ生き方の選択をした人々の姿が収められている。
ファッション文化ではかねてから注目されていた彼らだが、日本では、NHKのドキュメンタリー番組が取り上げたことで大きな反響を集めた。それがきっかけとなってこの話題の写真集の日本版が敢行されることになった。それぞれの生き方がにじみ出るショット、精神性が伝わるフレーズの数々に心を揺さぶられる。コーディネート、カラーの合わせ方など既成概念を覆されることしかり。ピシッと決めることの格好よさにしびれる。