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EXIT兼近、初の小説『むき出し』は「人に優しくなれる本」

2021.10.08 Vol.746

 お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹が初の小説『むき出し』(文藝春秋)を27日に出版することが発表された。兼近は自身のツイッターで「人に優しくなれる本になっていて、本を普段読まない人にも読んで欲しいし、本が好きな人はいろんな意図を読み取りながら、主人公の刹那的思想を脳にぶち込んでくだされ」「こんな日が来る事を夢みて生きてました。生きとし生けるものに感謝。」と報告。芥川賞作家でお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹は、兼近の作家デビューに「優しい眼差しが 純粋な言葉が 誠実な覚悟が 重要な小説を生んだ。」とコメントを寄せている。

 芸人の枠を超えて幅広く活動する兼近。どのような小説なのか発売が待たれる。

EXILE NESMITH絶賛「ネコザイル」掲載の写真集『おどるネコうたうネコ』

2021.09.21 Vol.web original

 SNSフォロワー28万人超を誇り、『必死すぎるネコ』『残念すぎるネコ』などで猫写真集界に旋風を巻き起こした猫写真家・沖昌之氏の最新作が18日に発売され話題だ。タイトルは『おどるネコうたうネコ』(税込1320円)。

 人のように、いや人よりも軽やかにダイナミックに歌い踊るのは…猫たちはEXILEを思わせる、猫5匹による合作「ネコザイル」をはじめ、かわいくっておもしろいステージパフォーマンスてんこ盛り。
EXILEのNESMITHも「完璧な『Choo Choo TRAIN』!ヤバいです!」と大絶賛のおもしろさだ。

不可解な間取り図の「家」に隠された真実とは?異色の不動産ミステリー『変な家』

2021.09.21 Vol.745

 奇妙な間取り図から始まる異色のミステリーが売れに売れている。ウェブライターでホラー作家の雨穴(うけつ)による不動産ミステリー『変な家』(飛鳥新社)がそれだ。

 2020年にYouTubeで公開され、再生回数850万回を突破した人気コンテンツ「【不動産ミステリー】変な家」に書き下ろしを加えた完結編。オカルト専門のフリーライターとして活動している「私」。仕事柄よく耳にするのが「家」にまつわる怪談や体験談だが、その「家」の話はどこかが違っていた。間取り図に不可解な点があったのだ。

 一階には必要のない謎の空間、二階の二重扉、そこに続くのは窓が一つもない子供部屋、シャワー室とは別にあるやはり窓のない浴室……。

 間取り図を重ねることで見えてくる一つのストーリー。その家の話を「私」が記事にしたことで、予想外の事実が次々と浮かび上がる。謎が謎を、間取り図が間取り図を呼ぶ新感覚のミステリー。

言語が消滅する世界を描いた傑作 筒井康隆『残像に口紅を』

2021.08.15 Vol.744

 夏の文庫フェアの季節が到来した。読む機会のなかった古典や名作に触れられるのは、文庫本の良さでもあるだろう。中でもロングで売れ続け、最近改めて話題を呼んでいるのが、1995年に刊行された筒井康隆の『残像に口紅を』(中公文庫)だ。

『残像に口紅を』はある「ことば」がひとつ、またひとつと消えていく世界を舞台にした実験的長篇小説。たとえば「あ」が使えなくなれば、文中の「愛」も「あなた」も消えていく。評論家の津田は言う。

「そして当然のことだが、ことばが失われた時にはそのことばが示していたものも世界から消える。そこではじめて、それが君にとっていかに大切なものだったかということが」

 2017年にも「アメトーーク!」でカズレーザー氏が絶賛してブームが巻き起こり、今回はTikTokで紹介されたことをきっかけにヒット。言語が消え、表現が消える不条理な世界で何が残るのかを描いた傑作は、新しい読者によって何度でもよみがえるのだ。

うつすだけでパラパラマンガ作家に!?お笑い芸人・鉄拳初の練習ドリル『鉄拳のパラパラマンガうつすだけドリル』

2021.08.11 Vol.744

 お笑い芸人・鉄拳が初のパラパラマンガ練習ドリル『鉄拳のパラパラマンガうつすだけドリル』を発売した。

 本に描いてあるイラスト1〜30コマをなぞりながらうつすだけで、動物や乗り物、おばけが回転したり飛んだりするパラパラマンガのできあがり。巻末にハサミで切って使えるオリジナルの用紙がついているので、買ってすぐにパラパラマンガを描くことができる。描けるパラパラマンガは「くるくる回る人」「落ち葉とミツバチ」「潜水艦と船」「鳥のフンとクマのぼうし」「おばけの野球大会」の5作品。登場するキャラクター数ごとにうつす難易度も変わるので、この夏の自由研究にもおすすめだ。スペシャル特典に鉄拳の人気作品「スケッチ」の一部も掲載。

渋谷・新宿・銀座・上野…80年代と現在を定点観測『東京タイムスリップ1984⇔2021』

2021.07.19 Vol.743

 雑誌「平凡パンチ」特約フォトグラファーだった著者が、写真専門学校の卒業生有志で行った展覧会のために撮影した1984年の繁華街。コロナ禍でネガフィルムの整理をはじめたことで、時空を超えて現在の同位置・同角度からの写真を新たに撮影し、対照的に並べて比較した写真集が本書である。

 いつの時代も若者の街だった渋谷や新宿が、37年を経るとこんなにも変わるものなのか。著者がモノクロ撮影を主戦場としていたこともあって、経過した年月以上に失われた時間や風景を思わせる。当時を知る人には懐かしさやノスタルジーが、今の若い人には目新しさが感じられる構成。写真の下に添えられているキャプションにも、思わず「そうそう」とうなずいたり新たな発見があったり。

 現在の街並みは2020〜2021年にかけて撮影されているが、このコロナ禍の風景もきっと数十年後に懐かしむ日が来るのだろう。

1137日間にわたる国立競技場建設ドキュメント『国立競技場 Construction』

2021.07.19 Vol.743

 いよいよ始まる東京オリンピック・パラリンピック。その主会場となるのが、建築家の隈研吾氏が設計を手がけた「国立競技場」(=オリンピックスタジアム、新国立競技場)である。同所が誕生するまでの一部始終を、定点カメラにより撮影した写真集が『国立競技場 Construction(コンストラクション)』(一般社団法人共同通信社著、河出書房新社刊)だ。

 刊行する河出書房新社の所在地は、新しい国立競技場の目の前。同社の好立地を生かし、共同通信社が建設に向けた準備工事の始まった2016年10月から完成した2019年11月まで24時間、1137日間にわたって屋上にて定点撮影した。トータルで約16万枚にも及ぶ膨大な写真の中から厳選し、日本を代表するスタジアムが完成するまでのドラマを克明に描き出す。

料理家・谷尻直子と建築家・谷尻誠が夫婦でトーク『HITOTEMAのひとてま 第二幕』ができるまで

2021.07.09 Vol.743

 スタイリストを経て料理家となり、現在は渋谷区の予約制レストラン「HITOTEMA」を主宰する谷尻直子。新刊『HITOTEMAのひとてま 第二幕』(主婦の友社)の刊行を記念し、夫で「HITOTEMA」の空間設計に携わった建築家の谷尻誠氏と同店から配信イベント「HITOTEMAのいま」を行った。主催は六本木 蔦屋書店。

“現代版のお母さん料理”をコンセプトに、週に一日だけ開店する「HITOTEMA」のレシピをまとめた書籍の第2弾。谷尻は「一作目から2カ年を経て、特にお客様に喜んでいただけたレシピをまとめたいなという思いで出版を決めました」といい、誠氏に「私が料理に興味を持ったのはかなり小さな頃ですが、それを仕事にするという思いはまったくなかった。誠さんに出会って『お店をやったらいいんじゃない?』と言ってくれて、この人が私を信じてくれるから、私にその力があるんじゃないかと自分を信じることができたんです」と感謝を述べた。

作家・辻仁成が息子に伝えるための渾身の家庭料理集『父ちゃんの料理教室』

2021.06.25 Vol.742

 息子が小学生の時に離婚し、シングルファーザーとなった芥川賞作家の辻仁成。本書はフランス在住の著者が、現在高校生となる息子にロックダウン下のパリの台所で始めた料理教室がベースとなっている。だが、いわゆる料理本を想像してページをめくると、予想外の構成に驚いた。

 たとえば、冒頭の「フランス風イカめし」の書き出しからしてこうだ。「あのね、なぜ生きるのはこんなに大変なんだろうって、思うことあるだろ?」本書は数字を順に振って、調理工程を説明しているといったレシピではない。親子の会話を通し、生きるとは、食べるとは、料理とは何かが描かれているのだ。工程の文章が文学的、会話調といったレシピ集はあるけれど、これはキッチンに救われたという作家が息子に伝えるための渾身の家庭料理集である。

 ひとつの料理につき3〜4ページの読み物と、最後に材料の表記があり、料理に託された生活の知恵が自然と身につく。著者本人が撮影したという写真がまた、あたたかみがあってすこぶるおいしそうだ。

『10年かかって地味ごはん。』10万部突破記念!和田明日香が感謝を込めて読者30名とオンライン飲み会開催

2021.06.21 Vol.742

 料理家で食育インストラクターの和田明日香が今年4月に出版した書籍『10年かかって地味ごはん。』(主婦の友社)が、発売から1カ月で累計発行部数10万部を突破するベストセラーとなったことが分かった。

 料理愛好家の平野レミの次男と結婚するまでは料理歴ゼロで、「キャベツとレタスは同じ葉っぱだと思っていたほど料理音痴だった」という和田。結婚後に毎日の食事を作り始め、現在では家族5人分の夕飯4品を、早炊きモードでお米が炊けるまでの36分間で作ることが可能なのだとか。そんな和田が迷わずおいしい料理を作れるようになるまでの長い道のりを思い出し、家族のために作り続けたレシピを「遊びに来た友達に話す感覚で書いた」のが本書。

「10年料理をし続けて、辿り着いたのは、名もなき地味なごはんばかり」という、茶色っぽい色合いの一見地味な料理たち。家族の歴史が詰まった懐かしくもしみじみおいしそうなレシピは、発売前に2度の重版が決定するなど料理好きから初心者までハートをわしづかみし、その後も順調に売れ続けた。

「明日香風の定番料理」「毎日開店! 居酒屋 和田屋」「家族が大好きな野菜料理」「和田家のキッチンへようこそ」の4章立てで、家庭料理からおつまみ、よく使う調味料やストック食材まで網羅。レシピ名も「たどり着いた肉じゃが」「わたしの都合の油淋鶏」「デジコギ?って言うの?」「今ちょうどいいおひたし」と親しみやすく、玉ねぎを炒める工程は「お肉やじゃがいもにとろとろ玉ねぎが絡む姿を想像しながら根気よく。」など、語りかけるようなやさしい文章もポイント。

 同書の10万部突破を記念し、30日まで「#地味なのは和田さんのせい」SNS投稿キャンペーンを開催。応募者の中から抽選で30名を著者の和田と過ごす〈一夜限りでオープン! オンライン居酒屋「和田家」で暑さを取っ払おう!〉へ招待、さらに応募者全員に書籍に未掲載の“地味ごはんレシピ”1品分のPDFがプレゼントされる。イベントの様子は後日YouTube「主婦の友チャンネル」にて公開予定。

“海の宝石”タカラガイの魅力に迫る決定版!『日本と世界のタカラガイ』

2021.06.17 Vol.742

 丸みのある形と光沢が特長で、その美しさや多彩さから「海の宝石」とも呼ばれるタカラガイ。海水浴場のお土産屋さんで、貝殻や笛、アクセサリーに加工されたタカラガイを見たことがある人も多いだろう。

 本書は亜種を含め日本近海で見られる91種と、世界の海で見られる165種の合計256種のタカラガイを収録した専門図鑑。さらにコレクション魂をくすぐるニューカレドニア黒化型・嘴型7種、近縁の7種の標本写真と解説も掲載した。識別ポイントや生息域、和名の由来、収蔵の経緯を記した解説も読み応えたっぷり。最新のデジタル技術を駆使してタカラガイの光沢、紋様、造形を表現した写真で、初心者からコレクターまでタカラガイの世界を堪能できる。

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