アメリカで最も権威のある文学賞「全米図書賞」の翻訳文学部門を、柳美里著『JR上野駅公園口』(河出書房新社)の英語版『Tokyo Ueno Station』(モーガン・ジャイルズ訳)が受賞した。翻訳文学部門は2018年に新設され、多和田葉子著『献灯使』の英語版 『The Emissary』(マーガレット満谷訳)が日本の文学作品として36年ぶりに受賞。今回の受賞はこれに続く快挙だという。出稼ぎのために上野駅に降り立った福島県相馬郡(現・南相馬市)出身の男の生涯を通じ、高度経済成長の光と闇、社会の片隅に追いやられた人々を描く。受賞直後に文庫版がAmazon.jpの書籍総合ランキング1位を獲得するなど話題を呼び、発行元は文庫版と単行本それぞれ緊急重版を決定した。
【TOKYO HEADLINEの本棚】カテゴリーの記事一覧
TikTokで話題!7万5000部を増刷 人気の文庫『あの花』の続編が発売
汐見夏衛著『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(スターツ出版文庫)が、読者の「TikTok」投稿をきっかけに「大号泣」「映画化してほしい」の声が殺到。6月から3カ月間で異例の7万5000部増刷、累計発行部数10万部を突破した。母とケンカして家を飛び出した百合。目を覚ますとそこは戦時中の日本だった――。28日に続編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』も発売。刊行を記念し2冊セットで3名にプレゼント。(係名:「あの花/あの星」)
【応募の〆切】2021年1月11日(金)23時59分
以下のリンクのフォームからご応募ください。
http://www.campaign-kenshou.com/campaign.php?id=4164
闇と光の対比が美しいjunaidaの傑作絵本『怪物園』
はるかいにしえの時代から、たくさんの怪物たちをのせて長い長い旅をつづけていた「怪物園」。ある静かな夜のこと、怪物園がうっかり玄関口をあけたまま、いびきをかいてウトウトしていたあいだに、怪物たちが外の世界へとぬけだして……。
『Michi』『の』など、繊細であたたかみのある絵で、独特な世界観の絵本を世に送り出してきた画家・junaida(ジュナイダ)。新作絵本では、生き物のような建物のような「怪物園」から抜け出し、街までやってきて通りを行進する怪物たちと、彼らをよそに空想の旅に出かける子どもたちを描いた。
怪物たちの闇の世界と、子どもたちの光の世界の対比が美しく、現実と空想が混じり合うように物語が展開していく。何日も行進をつづける怪物と、外で遊べなくなった子どもという構図は、どこか今日的なテーマとも重なる。
本体表紙の透明箔押し、黒の見返しにかけて印刷された一枚絵など、祖父江慎と藤井瑶(cozfish)の装丁がまた素晴らしい。
フィジカルトレーナーの吉田輝幸が新著でビジネス×トレーニング論
フィジカルトレーナーの吉田輝幸が『6つの力を養い、理想の働き方を叶えるトレーニング』を上梓した。
五輪のメダリスト、EXILE、トップ経営者などを指導してきた吉田が、ライフスタイル誌『GOETHE[ゲーテ]』のウェブサイトで行っている連載を大幅に加筆し、書籍化したもの。<分析力は整った「呼吸」で決まる>、<決断力は「心臓」の強さで決まる>、<挑戦力は「お尻」の大きさと柔らかさで決まる>など、最短で最大の効果を出すビジネス×トレーニング論。正しい食事についても触れている。
幻冬舎より発売中。
深川麻衣 主演映画『おもいで写眞』オフィシャルブック発売「懐かしい気持ちもあるんですけど、 最近のことのようにも感じる」
2021年1月29日に公開予定の映画『おもいで写眞』の主演を務める深川麻衣が、映画のロケ地である富山に再び訪れて、この書籍のために新たに撮り下ろした写真と、撮影現場での“おもいで”を語った 『映画オフィシャルブック おもいで写眞 深川麻衣』が2021年1月20日に発売されることが決定した。
映画『おもいで写眞』は、熊澤尚人監督が長年温めていた企画を小説として発表、さらには監督自ら映画化した、オリジナル脚本で描く感動作。 芸能プロダクション・テンカラットの25周年企画作品でもある。
そのオフィシャルブックとして、深川麻衣が再訪した富山にて、映画の撮影を振り返ってのおもいでや感じたことを語っている。また役柄と自分との共通点や“笑顔封印”で演じた難しさなどを話したロングインタビューも掲載。
共演した高良健吾、香里奈との対談も必見。お互いの印象や役づくりについて感じたことなどを語りあっている。撮り下ろしの2ショットカットも見逃せない。
さらには、この書籍でしか見られない貴重なオフショットカットや、深川麻衣自身が描いた“たい焼き”のイラストに込めた思いなど、見どころ満載の内容となっている。
【深川麻衣コメント】
映画の撮影をした大切な場所・富山に再び訪れることができて、すごくうれしかったです。
懐かしい気持ちもあるんですけど、最近のことのようにも感じる、すごく不思議な感覚でした。
【インタビュー】ジェーン・スー、新刊で悩める女性にエール「悶々と悩むのもその人にとって必要な時間」
等身大かつ独自の視点で同世代の女性から圧倒的な支持を得るコラムニストのジェーン・スーさん。雑誌「Oggi」の人気連載を書籍化した最新刊『女のお悩み動物園』(小学館)では、「王子様の登場を待ちわびるラクダ」から「美しくしなやかに群れるイルカ」まで、悩んでいる人のタイプを16種類の動物に分類して実践的なアドバイスをまとめている。日々、自身のもとに寄せられる〈悩みごと〉への向き合い方とは?
中世的ファンタジー世界が息づく不思議の国「ミャンマー」に迫る『黒魔術がひそむ国 ミャンマー政治の舞台裏』
表紙カバーに個性的な書体で書かれた「黒魔術」という文字を目にして、一体何の本なのだろうと興味をひかれた。実用書やライトノベルかと思いきや、さにあらず。呪術や占星術、数秘術、人相・手相術などの「おまじない」から、ミャンマー政治の舞台裏を探るという奇想天外なルポであった。
新聞記者として、途上国や新興国の駐在を歴任してきた著者。最後の赴任地であるミャンマー最大の都市ヤンゴンで、時のテインセイン大統領の正確な「生年月日」が分からないことがきっかけで、その理由に「黒魔術」の存在があることを知り……というのが第1章のあらすじだ。
その後、2年以上経過しても「生年月日」は不明なまま。情報省の幹部に「黒魔術」のやり方を聞き、占星術師組織の会長、テインセイン大統領の兄、テインセイン政権の「お抱え占い師」だったという人物、そしていよいよ念願のテインセイン大統領本人のインタビューへ。宗教観や死生観、占いの知識にふれながら迫る真実とは?
「黒魔術」をひもとけば、不思議の国ミャンマーがより身近に思えてくる。
11月で発売20周年!『チーズはどこへ消えた?』4色の限定カバーに
日本で400万部、全世界で累計2800万部を突破して今なお読まれ続ける世界的ベストセラー『チーズはどこへ消えた?』。米国の医学博士で心理学者のスペンサー・ジョンソンが執筆し、童話でありビジネス書でもある同書の発売20周年を記念して、「変化を受け入れ、いかに楽しむか」というテーマをより強く訴える4色の書店限定カバーが登場する。各色はそれぞれピンクは恋愛、イエローは将来、ブルーは仕事、グリーンは人間関係を表現しており、求める「変化」に合わせて好きな色を選べるほかギフトにも最適な一冊。予定枚数に達し次第終了なので早めにゲットしよう。
伝説のホストがルポ『夢幻の街』作家にホストクラブの50年を語る
(10月31日、森沢拓也×手塚マキ×石井光太「伝説のホストが語る歌舞伎町ホストクラブ50年史」@本屋B&B)
旅行者目線で見た新たな「東京」の魅力『地球の歩き方 東京 2021〜2022』
海外旅行ガイドブックの定番といえば『地球の歩き方』。今年で創刊41年目にしてシリーズ初の国内版「東京 2021〜2022」が話題を呼んでいる。別冊MAPを含めて500ページ超のボリュームに、東京都の基本情報や祝祭日、気候といったものから安全情報、習慣とマナーに至るまで事細かに紹介。巻頭特集では伝統工芸のものづくり体験、最強パワースポット、おすすめ東京みやげ、文豪の愛した名店、商店街、銭湯、東京発祥グルメなど、旅の定番から意外な穴場までひと通り網羅している。
駅名は違うが徒歩で乗り換え可能な駅、駅名は同じでも乗り換えが遠い駅、お得なきっぷ一覧、駅近コインロッカー情報、観光費用の目安など、知っているようで知らない豆知識も豊富。伝統文化に親しみたい人には歌舞伎や寄席、大相撲の楽しみ方なども解説されている。個人的には老舗だけでなくラーメンやレトロ喫茶、オーセンティックバーなど、幅広く東京らしい店が載っているところがうれしい。
住んでいると気づきにくい東京の魅力。旅行者目線で見るだけで新しい「東京」が見えてくる。
村上春樹に親近感!?売り切れ続出「文學界」ジャズ特集をジャズ喫茶で語る
1933年創刊の老舗文芸誌「文學界」11月号(文藝春秋)が、文芸誌初のジャズ特集として145ページの総力特集「JAZZ×文学」を組み、発売から2日で重版されて話題を呼んでいる。発売直後の10日には、四谷のジャズ喫茶「いーぐる」にてオンライントークセッション 「ジャズ×文芸」が行われ、今号に寄稿したジャズ評論家・編集者の村井康司、「いーぐる」店主の後藤雅洋、音楽評論家の柳樂光隆の3人が語り合った。ジャズを知らなくても楽しめるジャズ談義の一部をお届けする。