関東大震災100年目の節目を迎える今年、東京都は災害時に備え都民の安全・安心を確保できる強靭で持続可能な都市の実現を目指し「風水害」「地震」「火山噴火」「電力・通信等の途絶」「感染症」の5つの危機や複合災害を念頭に「TOKYO強靭化プロジェクト」を始動。気候変動により頻発化、激甚化する風水害や、大規模地震など、いつ起きてもおかしくない災害に備える東京の災害対策最前線を取材した。
東京都は7月24日、26日の2日間にわたり、東京都が進める「TOKYO強靭化プロジェクト」関連施設のメディア向けインフラツアーを実施。26日に行われた2日目のツアーでは電力対策に関連する施設「丸の内二重橋ビルプラント」・「丸の内仲通り洞道」と風水害対策関連施設として「高潮対策センター」「辰巳水門」「辰巳排水機場」を視察。
【丸の内二重橋ビルプラント】
災害時、深刻な二次的被害をもたらすのがエネルギーの消失。東京都では「災害時の電力不安に強いまちづくり」を推進し、自立分散型電源確保の促進や、エリア一帯に効率よくエネルギーを供給するための導管整備に際する助成やエネルギー供給プラントの建設支援を行っている。
その一つ「丸の内二重橋ビルプラント」・「丸の内仲通り洞道」は、大手町・丸の内・有楽町エリアのエネルギー供給網の要となる重要施設。
「丸の内二重橋ビルプラント」は従来の蒸気供給に加え、新たに冷温水供給やコージェネレーションシステム発電による電力供給により、有楽町地域のエネルギー安定供給を支えている施設。
2機のガスコージェネレーションシステムで計2000kwの熱源を作り出すことができ、年間を通じて電力を高効率で製造。蒸気と温熱の併用方式により周囲の建物の異なる需要にも対応可能となっている。
丸の内二重橋ビルプラントのガスコージェネレーションシステム
プラントで作られたエネルギーは洞道を通る配管からエリアへ供給