9月3日は、睡眠や健康への意識を高めるための「秋の睡眠の日」。普段は何気なく取っている睡眠だが、ぐっすりと良質な睡眠を取るために必要なこととは? 自律神経研究の第一人者で順天堂大学医学部の小林弘幸教授に聞いた。
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「がんの匂い」を嗅ぎ分ける線虫で、新たな診断法。膵臓がんの早期発見に期待
がんの中で、肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんに次いで死因の第5位に当たる「膵臓がん(膵がん)」。他の臓器に比べて腹部の奥まった場所にあるため、早期発見が難しく、発見されたときには手遅れとなることも多いことから、「サイレントキラー」とも呼ばれる。
そうした中、「匂い」を感じる能力が高い「線虫」を使った膵臓がんの早期診断が注目を集めている。線虫とは、線形動物門の総称で、人と比較して「匂い」を感じる能力が優れているのが特徴だ。今年8月、米科学誌「Oncotarget」に公開された研究では、大阪大学大学院医学系研究科の石井秀始特任教授らの研究グループと、線虫がん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」の技術を持つ株式会社HIROTSUバイオサイエンスが、産学連携で共同研究を行った。
アミノ酸にカテキン。活況呈するコロナ対策研究、多方面から知見集まる
長引く新型コロナウイルスの感染拡大で終息が見えない中、いま各所で研究や商品開発が盛んだ。毎日の食事や生活習慣で取り入れられるものも多く、感染予防をする上で、意外な発見もある。各社・研究機関が力を入れるコロナ対策関連の商品を調べてみた。
花粉症と新型コロナ、症状の違いは何?コロナ禍での花粉症シーズンで知っておきたいこと
本格的な花粉症シーズンを前に、鼻づまりや目のかゆみを感じ始める時期がやってきた。鼻や目をこすって感染リスクが高まるなど、今年はコロナ禍における花粉症対策の注意点も気になるところ。そうした中、花粉問題対策事業者協議会は1月28日、都内でウェビナーを開催し、花粉症と新型コロナウイルスとの症状の違いや見分け方、コロナ禍における花粉症対策などについて解説した。
新型コロナウイルス感染症対策分科会委員である東邦大学医学部教授の舘田一博氏はまず、「花粉症の鼻の違和感は感染症の症状とオーバーラップするところがある。花粉症と思う人の中に感染者がいる可能性があるので、耳鼻科と感染症領域の医師が連携して情報発信することが大事」と話し、それぞれの症状の違いを知る重要性を示した。
では具体的に、花粉症と新型コロナ感染症の症状の違いはどんなところか。日本医科大学 耳鼻咽喉科教授の大久保公裕氏は「鼻の症状」と「鼻以外の症状」でそれぞれ特徴の違いを挙げた。花粉症に代表される季節性アレルギー性鼻炎で起こる鼻の症状として、朝方に鼻水やくしゃみが強く起こるモーニングアタックをはじめ、突発的で連続する症状や、鼻づまりがよくある点を挙げた。一方、新型コロナに関しては、少量でサラッとした鼻水が特徴で、鼻づまりは時々ある程度だとした。
国内初のGBAC STAR認証、パレスホテル東京に学ぶ感染症対策
本格的な冬の到来を前に、新型コロナウイルス感染症対策の重要性が一段と高まっている。感染予防と社会経済活動の両立が課題となる中、店舗や施設など事業者の中には、国際的な認証を取得して利用者の安心につなげる取り組みも始まっている。
今年8月、パレスホテル東京は、感染症予防対策において国際的な衛生基準を満たした施設であることを証明する「ジーバック・スター・ファシリティ・アクレディテーション(以下、GBAC STAR™認証)」を国内の宿泊施設で初めて取得した。
世界的な衛生基準
GBAC STAR™認証とは、世界的な洗浄業界団体ISSA(アイエスエスエイ)にて洗浄、消毒および感染症予防のプロトコールを実施する施設の運営基準を提唱している部門、Global Biorisk Advisory Council (以下、GBAC)による国際的認証プログラムだ。
認証はGBACが専門家と共に定める国際的衛生基準ガイドラインを満たしている宿泊施設に進呈されるもので、認証を取得するためには洗浄、消毒、感染症予防に関する項目や従業員の役割・責任などの細かな基準を満たす必要がある。今年7月にはアメリカン航空が2020年度内の取得を目指すと発表するなど、宿泊業界や航空業界をはじめ、大規模スポーツイベントでも、こうした認証取得が注目されている。
「育毛剤」と「発毛剤」の違いって? 正しく理解している人はわずか6%
秋風が吹くようになると寂しく感じるのは、どうやら気持ちの問題だけではないらしい。体毛の生え変わりや猛暑のダメージ、疲労の蓄積やストレスなどさまざまな要因から、夏から秋にかけては1年で一番抜け毛が増える時期だと言われている。
そんな中で、予防医学を取り入れたエイジングケア商品で知られる「アンファー」が行ったインターネット調査で、気になる結果が判明した。20〜60代の男性を対象に、薄毛や抜け毛の悩みに対する対処法「育毛剤」「発毛剤」についての理解度を調査したところ、それぞれの効果や効能を正しく理解している人はなんと6%にとどまったというのだ。
「手洗い」の重要性を発見 知られざる“消毒の父”ゼンメルワイスとは?
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化している。いまだに特効薬やワクチンがない中で、感染予防にもっとも有効なのが「手洗い」「手指消毒」だろう。現代でこそ当たり前の「手洗い」だが、その概念がなかった19世紀に「手洗い」の重要性を説いたのがハンガリー人の医師、ゼンメルワイス・イグナーツ(1818〜65)である。公益社団法人東京都医師会の角田徹副会長に解説してもらった。
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マスク肌荒れは夏に起こりやすい?皮膚科医が教える原因と対処法
マスクを着ける時間が増える中、マスク着用時ならではの肌の不調を感じる方も多いのでは?なかでも多いのが、マスクによる肌荒れやニキビ。肌のざらざら感やポツポツしたニキビは、なぜ出来てしまうのか。「Dクリニック」総院長で皮膚外来担当医でもある川島眞先生に、原因や対処法について聞いた。
マスクが肌に擦れることによって、肌のざらつきやニキビが気になるという女性が多いと聞きます。原因として何が考えられるでしょうか
川島眞(以下、川島)「マスクという今まで常用することのなかったものが毎日ほぼ一日中肌に密着するようになりました。いわゆる敏感肌など、外的な刺激に弱い方々は、普段は見た目にはほとんど問題ありませんが、一般の人よりもバリア機能が低い皮膚を持っています。そのため、マスクの外的刺激が加わることによって、こすれた部分に湿疹ができやすくなります。ですから、敏感肌の自覚のある方は、普段よりも保湿を心がけて皮膚のバリア機能、つまり刺激からの防御能を高めておく必要があります。」
息苦しい夏の長時間マスク、外すタイミングはいつ?救命救急医が教えるコロナ禍の熱中症対策
これから本格的な夏がやってくる。新型コロナウイルスの感染者が増え続ける中、今年の夏はより一層の感染予防が必要になってくるが、同時にマスク着用で体温が上がりやすいなど、熱中症リスクも心配される。感染症対策と熱中症対策のバランスはどう両立すればいいのか。熱中症になりやすい日常生活でのシーンや、効果的なマスクの選び方、着脱の目安など、コロナ禍での熱中症に関する素朴な疑問に、帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長の三宅康史先生が答えた。
年代別に異なる熱中症リスク
日本救急医学会の2017年調査によれば、日常生活の中で10代はスポーツで熱中症になる人が圧倒的に多く、40代は肉体労働で、60代以降は家の中で熱中症になる人が多い。特徴としては、スポーツや肉体労働など筋肉運動をともなう「労作性熱中症」は男性が圧倒的に多く、短時間で急激に発症することが多い。一方、筋肉運動をともなわない「非労作性熱中症」では男女差はなく、数日以上かかって徐々に悪化することが多いという。
三宅先生によれば、高齢者が家の中で「扇風機を回しておけば大丈夫」と猛暑日、熱帯夜で室内の温度が下がらないまま何日間か過ごしてしまい、基礎疾患がある人は食欲もなくなり健康状態が悪くなるという複合的な状態で重症化するケースが多いという。まずは、年代別にかかりやすい熱中症の環境が異なることに留意して、自分や家族がどちらの危険性が高いのか知っておくことが重要だ。
ミキ・昴生の入院で話題になった「結腸炎」とは?【気になる医療キーワード】
お笑いコンビ「ミキ」の昴生さんが「結腸炎」のために入院し、先日復帰を果たして話題となった。「結腸炎」とはどのような病気なのか、公益社団法人東京都医師会の角田徹先生に解説してもらった。
アルコール消毒による「手荒れ」はどう防ぐ?皮膚科専門医に聞いた
感染防止を目的に手や指の消毒で利用されるアルコール消毒液。「新しい生活様式」のもと、今や欠かせないものとなっているが、同時に消毒の刺激による手荒れに悩む人も多い。アルコール消毒による手荒れのメカニズムや具体的な症状、対処の仕方を「Dクリニック」総院長で皮膚科専門医でもある川島眞先生に聞いた。
アルコール消毒による「手荒れ」は、どのようにして起こるのでしょうか
川島眞(以下、川島)「アルコールには消毒・殺菌効果があるのですが、一方で、皮膚の脂を取ってしまうということが起こります。具体的に、手の平には皮膚の脂を出す脂腺がなく、皮膚の細胞自体が生み出す脂である“角質細胞間脂質”が角層内にあるのですが、アルコールがこの脂を溶かし出してしまいます。
このことで皮膚表面に何が起こるかというと、防御する能力いわゆるバリア機能の低下につながります。つまり、アルコールが “角質細胞間脂質”を取ってしまうことで、“手荒れの準備状態”が出来てしまっているんです。普段なら何でもない日常行為、たとえば書類を扱うとか、キーボードを叩くとか、ドアノブを握るとか、そういった事でも手荒れを起こしやすい状態になっているんです。アルコールそのものが手荒れを引き起こすというよりは、アルコールが準備状態を起こして、バリア機能を落とすことが原因だと思います」