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中村玉緒、サッチャー元首相になりきり「主人に見せたかった」

2012.03.29 Vol.546
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鉄の女・中村玉緒はグフフ笑いを封印?

 映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』のヒット記念イベントが29日、都内映画館にて行われ、女優の中村玉緒がマーガレット・サッチャーに扮して登場した。普段はあまり着ないというスーツ姿を披露した中村。「サッチャー元首相も、(サッチャー役を演じた)メリル・ストリープも尊敬していたので、こんな格好ができて幸せ」と笑みを見せ、司会者から「よくお似合いで」とほめられると「足もちゃんと細いんでございます。(この姿を)主人に見せたかった」とすっかりご満悦。

 サッチャー本首相の夫婦愛にも感動したという中村は「俳優として勝新太郎を尊敬していました」と振り返り「俺は毎日が誕生日だと言って誕生日を忘れてしまうのに、なぜか結婚記念日だけは一緒に過ごしましたね。今も記念日には遺影にケーキを備えるんです」と、劇中のサッチャー夫妻に劣らぬ夫婦愛を見せていた。




『アーティスト』

2012.03.26 Vol.546

映画界の歴史を塗り替えた話題作、日本公開!

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© La Petite Reine Studio 37 La Classe Americaine JD Pr

 モノクロで、サイレントで、セレブ俳優もいないにも関わらず、本年度のアカデミー賞で作品賞他最多5部門を受賞し大きな注目を集めた“異色づくし”の話題作。受賞ラッシュと同時に、83年ぶりとなるサイレント映画の受賞、史上初となるフランス映画の作品賞受賞、主演男優賞のフランス人初受賞という快挙も達成している注目の一本だ。サイレント映画の大物、ジョージ・ヴァレンティンを演じ見事オスカーを手にしたのは、フランス人俳優ジャン・デュジャルダン。本作のミシェル・アザナヴィシウス監督が手掛けたスパイコメディー映画で注目を集めた男優だ。ペピーを演じたのは、『ブラウン夫人のひめごと』のベレニス・ベジョ。アザナヴィシウス監督は彼女の夫でもある。もう“1人”注目を集めたのが、ジョージの愛犬を演じた俳優犬・アギー。本作で見せた名演により、第64回パルムドッグ賞や第1回ゴールデン・カラー賞(金の首輪賞)を受賞した。

 サイレントからトーキーへと移り変わるハリウッドを舞台に、古き良き映画の黄金時代を追体験できる作品。

STORY:1927年、ハリウッド。サイレント映画界の大物スター・ジョージは新人女優・ペピーと出会う。ペピーはトーキー映画の隆盛に乗り瞬く間に人気女優となるが、サイレントに固執するジョージは落ちぶれていき…。

監督:ミシェル・アザナヴィシウス 出演:ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、ジョン・グッドマン他/1時間41分/ギャガ配給/4月7日よりシネスイッチ銀座他にて公開 http://artist.gaga.ne.jp


「一歩踏み出す」エンタメ特集

2012.03.19 Vol.545

新生活にエールを送る、春の注目DVD紹介

新たな生活が始まる春のこの時期、勇気をくれるエンタメ作品は必需品! 不安や迷いを吹き飛ばし、頑張る気持ちを応援してくれるおススメの作品とは? 新たな一歩を踏み出すすべての人に贈りたい新作DVD&ブルーレイを紹介します!

もう一度、みんなと立ち上がりたい人におススメ!
『新少林寺/SHAOLIN』

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 カンフー映画の名作を、アンディ・ラウ、ジャッキー・チェン、ニコラス・ツェーといった香港映画界を代表するスターの競演でリメイクした話題作。

 20世紀初頭。辛亥革命の混乱のなか、少林寺の僧侶たちは戦火に追われる民衆を救助していたが、軍閥の将軍・候杰が少林寺にまで突入し横暴を働く。ところが候杰自身も、部下に裏切られお尋ね者に。少林寺の厨房係に救われた彼は、僧侶となり戦火に追われた平民を守るため立ち上がるのだが…。

 少林寺の全面バックアップを得て製作された本作。一級のカンフーアクション、莫大な費用をかけて建設された少林寺のセット、そして混乱のなかで正義とともに生きようとする男たちの物語は、見る者に大きな勇気と感動を与えてくれる。チャン監督はこう語る。「これまでの“少林寺映画”で描かれたことのない“禅武”をテーマにしたかった」。“武”をもって“禅”を修めるという少林寺の真髄に迫るドラマも見ごたえ満点。

 単なるリメイクを超えた、感動のカンフー・スペクタクル!

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ジャッキーが久々にコミカルアクションをしっかり披露! カンフーがヘタというまさかの設定

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候杰
(アンディ・ラウ)

傲慢な将軍。部下・曹蛮の裏切りにより軍を追われ、少林寺の僧となる。

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悟道
(ジャッキー・チェン)

少林寺で暮らす厨房係。武術が苦手で、少林寺の僧になることができなかったが…。

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曹蛮
(ニコラス・ツェー)

候杰の腹心。自らの野望のため候杰を裏切り、その命を狙う。

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顔夕
(ファン・ビンビン)

候杰の妻。夫と幼い娘を愛していたが、曹蛮の裏切りにより運命が大きく変わる。

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『新・少林寺/SHAOLIN』
スペシャル・エディション(2枚組) ブルーレイ5250円 DVD3080円(各税込) 販売元:ハピネット
★レンタルはTSUTAYAだけ! 3月23日よりレンタル開始
©2011 Emperor Classic Films Company Limited All Rights Reserved


今、エールをくれるカンフー映画が熱い!?

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ハリウッドアニメmeetsカンフー
『カンフーパンダ2』

 小心者でぐうたらな異色のヒーロー、パンダのポーが、新たな敵に立ち向かうシリーズ第2弾。本作ではなんとポーの出生の秘密が明らかに…! ハリウッドアニメならではのユーモアとハートフルなストーリーに加え、カンフーアクションも楽しめる作品。本場・香港映画界からはジャッキー・チェンやミシェル・ヨーが参加している。

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販売元:パラマウント ジャパン 発売中 ブルーレイ+DVDセット3990円(税込)
©2011 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved. Kung Fu Panda 2
©2012 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.


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(Photo/AFLO)

ジャッキーがハリウッドで新境地
『ベスト・キッド』

 あの名作のスピリッツがカラテからカンフーに受け継がれた大ヒット作。アメリカから北京へとやってきた少年がカンフーの達人と出会い、成長していく姿を描く。主演はウィル・スミスの息子、ジェイデン・スミス。達人を演じたジャッキー・チェンが演技派の一面を見せているのにも注目。師匠のジャッキーがときおり見せる、技の“本物”感はさすが。

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販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント コレクターズ・エディション 発売中 DVD1480円(税込)


黄金期の名作カンフー映画がDVD / ブルーレイで復活!

 カンフー・アクションの金字塔『片腕ドラゴン デジタル・リマスター版』やジェット・リー主演作『カンフー・カルト・マスター/魔教教主』、サモ・ハン・キンポー主演の爆笑シリーズ『燃えよデブゴン』など、懐かしの香港映画が廉価版DVD・ブルーレイで続々復活中! あの感動と興奮をもう一度味わってみて!


頑張る君に! まだまだあります! 春の新作DVD

孤軍奮闘している人にはコレ!
『マネーボール』

 ブラッド・ピットが、卓越したチームマネジメントや球団運営で知られるメジャーリーグの名GMビリー・ビーンを演じた話題作。“異端児”扱いされていたビリーがイェール大経済学部卒だが野球経験の無いピーターと出会い“マネーボール理論”生み出し弱小チームを強豪へと変えていく物語。異色コンビが周囲の反発をよそに奇跡を起こす様子はまさに痛快。孤軍奮闘している人、必見!

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販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 3月21日(水)発売 2980円(税込)
©2011 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.


何かに挑戦したい人にはコレ!
『はやぶさ/HAYABUSA』

 2010年、世界で初めて月以外の小惑星のサンプルを持ち帰るというミッションを成し遂げた日本の小惑星探査機・はやぶさ。その波乱に満ちた道のりと、偉業の陰で奮闘した人々の姿を、豪華キャストで描く感動作。未知なる挑戦に立ち向かい、決して最後まであきらめず幾たびもの難局を乗り越えたはやぶさチーム。彼らの姿が、チャレンジする勇気を与えてくれるはず。

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販売元:20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 発売中 3990円(税込)
©2012 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
©2011「はやぶさ/HAYABUSA」フィルムパートナーズ


大きな難局に立ち向かうならコレ!
『カウボーイ&エイリアン』

 19世紀の西部の町にエイリアンが襲来するという奇抜なアイデアもさることながら、ダニエル・クレイグ、ハリソン・フォード、オリヴィア・ワイルドという豪華キャストの共演も話題の一本。反目し合うカウボーイと土地の有力者が、異星人の襲来を受け協力して立ち向かう。強大過ぎる敵との戦いに挑むヒーローたちの姿に熱くなる一本。アクションやCGも見ごたえたっぷりな娯楽作。

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販売元:パラマウント ジャパン 3月23日(金)発売 DVD4179円(税込)
©2011 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. TM, ® & Copyright © 2012 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.


家族や仲間と一致団結したい人に!
『ハッピーフィート2 踊るペンギンレスキュー隊』

 歌は苦手だがダンスは得意な変わり者のペンギン・マンブルの冒険を描いた人気作の第2弾。今度の主人公はマンブルの息子・エリック。父に反発していたエリックが、危機に立ち向かう父の姿を見て成長する姿を描く。親子や仲間の絆や環境保護の大切さを家族で一緒に考えることもできる一本。

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販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ 3月20日(火)発売 ブルーレイ&DVDセット 3980円(税込)
©2011 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI)LIMITED


ミシェル・ウィリアムズ インタビュー 「マリリン・モンローを分析」

2012.03.19 Vol.545

『マリリン 7日間の恋』 伝説的女優マリリン・モンローの秘められた恋とは

マリリン・モンロー没後50年を迎える今年、ミシェル・ウィリアムズが在りし日のモンローを生き生きと演じ、賞レースでも注目を集めている話題作!

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撮影・蔦野裕

 今なお世界中の人に愛され続ける女優マリリン・モンロー。彼女がローレンス・オリヴィエの『王子と踊り子』の撮影のため英国に滞在した日々に生まれた、秘密の淡い恋を描いた話題作。『ブロークバック・マウンテン』や『ブルーバレンタイン』の演技派ミシェル・ウィリアムズが、マリリンの夢見るまなざしを21世紀によみがえらせた。本作で大きな評価を得たミシェル。世紀のスター・マリリンの役作りについて彼女はこう語る。

「とにかくたくさん資料を読んで、彼女の演技を自分なりに分析するところから始めたの。10代の後半に出演していたコマーシャルと、その後のパフォーマンスを見ると、だんだんと歩き方や声の使い方に変化が表れてくる。つまり、マリリン・モンローとして進化していく過程が分かったの。最初は、歩き方もいわゆる“モンロー・ウォーク”ではなかったし、声も少し低めで私たちがよく知るささやき声ではなかった。あまり皆に知られていない彼女の知性や、物事に真剣に向き合う姿といったところを発見しながら、自分なりの役作りをしていったわ」

 ミシェルは、カメラを向けられていないときのマリリン、スター・マリリンを演じてみせるマリリン、劇中劇の役どころという3つの顔を演じ分けている。

「確かに3つのキャラクターを演じているようなものだけど、私の中ではすべてのもとはノーマ・ジーンという1人の女性だった。3つそれぞれに演じるのではなく、1人の人物による3つの表現というふうに考え方を変えて演じていたわ」

 撮影現場でのプレッシャーに押しつぶされそうになるマリリンの姿を、同じ女優としてミシェルはどう感じただろう。

「まず、マリリンと私とでは全然違うわ、いろいろな点でね(笑)。彼女が経験したスターダムと、自分が今経験しているものとは大きく違っているし、演じる役も違うわ。私がよく演じるのは地下鉄に乗っているような、日常的で親近感を覚える女性たち。でもマリリンが演じていたのは、誰も手に入れることのできない“夢の女”だった。それが周囲の熱狂を生んだんだと思う。プライバシーの問題もね。彼女はマスコミをからかってみたりして、わりと積極的に接していたけれど、私の場合はシャイなので “交渉”しながらうまく付き合っていく感じ(笑)。彼女はマスコミに対して求めたものを得たけれど、おそらく彼女は人生の後半で、自分が怪物を作り出してしまったことに気づいたんじゃないかしら。自分のプライバシーに大きな影響を与える状況を作り出してしまったということに気づいて、ただのセックスシンボルではない、もっと違う自分を見せたいと思っていたはず」

 演じる前と後で、マリリンに対する思いに、何か変化はあった?

「やはり変わりました。私は少女のころ寝室の壁にマリリンの写真を飾っていたんだけど、それはマリリンがセックスシンボルではなく、彼女が林を走っている姿が写っているもので、私にとってその写真の中の彼女は一緒に手をつないで歩くことができるような女の子だった。13歳のときに彼女の伝記を読んだけれど、実際は本作に出演するまで、彼女についての詳細や全部の作品までは知らなかった。だから今回、念頭に置いていたのは先入観を持たないこと。彼女の繊細な一面も、今回初めて知ったことだったわ。リサーチの段階で会った人から“これまで自分が出会った中で最もさみしい女性だ”という言葉を聞いたんだけど、そんなイメージはまったく予期せぬものだったの」

 秘めた恋とともに、ミシェルが演じてみせたマリリンの知られざる一面が、彼女の伝説に新たな1ページを加えるはず。

(本紙・秋吉布由子)

『マリリン 7日間の恋』

監督:サイモン・カーティス 出演:ミシェル・ウィリアムズ、ケネス・ブラナー他/1時間40分/角川映画配給/3月24日より角川シネマ有楽町他にて公開 http://marilyn-7days-love.jp/
©2011 The Weinstein Company LLC. All Rights Reserved.

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『僕達急行 A列車で行こう』

2012.03.19 Vol.545

森田芳光監督からのラストエール!!

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©2012 「僕達急行」製作委員会

 現在は大河ドラマ「平清盛」で主演を務める松山ケンイチと、社会派からエンタメまで多彩な作品で存在感を放つ瑛太。日本映画界に欠かすことのできない2人の男優が、初共演を果たした注目の一本。

 松山演じるマイペースな青年・小町と、瑛太演じるシャイな青年・小玉。鉄道という同じ趣味を通じて知り合った2人が、恋や仕事、友情と、少しずつ世界を広げていく姿を、ユーモラスかつハートフルな目線で描いていく。他、貫地谷しほり、ピエール瀧ら個性派キャストが揃う。『の・ようなもの』『家族ゲーム』『間宮兄弟』など、現代を生きる人々を独特なユーモアと視点で描き続けた森田芳光監督が十数年前から温め続けてきた作品。昨年、森田監督は本作の公開を待たずに急逝してしまったが、本作はこれまでの作品以上に、多くの人を笑顔にしてくれるはず。

 もちろん、劇中に登場するさまざまな電車たちも電車好き、旅行好きを楽しませてくれる。

STORY:大企業の社員・小町と、鉄工所の二代目・小玉はともに鉄道を愛する者同士。ふとしたことから知り合いすぐに仲良くなる。そんな趣味がきっかけとなり2人の仕事にチャンスが巡ってくる。しかしそれぞれの恋は“鈍行”で…。

監督:森田芳光 出演:: 松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほり、村川絵梨、ピエール瀧 他/1時間57分/東映配給/3月24日より丸の内TOEI他にて公開 http://boku9.jp/


役所広司、復興ドキュメンタリー映画に参加

2012.03.15 Vol.544
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スペシャルサポーターとしてナレーションを務める役所広司

 宮城県南三陸町の災害ラジオ局・FMみなさんを中心に追いかけたドキュメンタリー映画『ガレキとラジオ』が、2012年秋に公開されることが決定した。

 東日本大震災の発生により、町の人口の約半数となる8000人以上の人々が避難生活を送ることとなった宮城県南三陸町を舞台に、津波で流された防災無線の代わりに震災後に生まれた小さなFMラジオ局を通じて、希望を胸に生きる人々の姿を追う。

 本作の趣旨に賛同した俳優・役所広司がスペシャルサポーターとして、ナレーションで参加。役所は「この記録映画が、日本だけでなく、世界中に笑顔の輪を広げ、東北の復興の力になるよう祈ります。この企画に参加できて幸せです」とコメントしている。

 被災地支援を目的に制作される本作は、収益の寄付、チャリティーなどを予定している。




シック派VSセクシー派! 日本アカデミー賞ドレス対決

2012.03.12 Vol.544
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[1]『八日目の蝉』で最優秀主演女優賞の井上真央(右)と最優秀助演女優賞の永作博美 [2]『モテキ』で話題賞(主演女優)を受賞した長澤まさみ [3]『八日目の蝉』で助演女優賞を受賞した小池栄子 [4]『ツレがウツになりまして』で主演女優賞を受賞した宮崎あおい [5]話題賞の俳優部門を受賞した前田敦子

 第35回日本アカデミー賞授賞式が2日、都内にて開催された。日本アカデミー賞といえば毎回、注目されるのが女優たちの華やかな衣装。今年、特に視線を集めたのが、ピンクのシースルー衣装で登場した『モテキ』の長澤まさみ。大根仁監督いわく「とびきりのエロい服で来いと指示しました(笑)」。司会の関根勤と深津絵里も見とれたのが、胸元のレースがセクシーなロングドレスで登場した『八日目の蝉』の小池栄子。対してシックな春色ドレスで会場の目を奪ったのが、同作で最優秀主演女優賞を受賞した井上真央と、最優秀助演女優賞を受賞した永作博美。井上は「撮影は本当に大変だったんですが、逃げなくて良かった」と目を潤ませていた。他、黒できめた宮崎あおいや中谷美紀、麻生久美子や桜庭ななみの着物姿、前田敦子のキュートな花柄ワンピースも目を引いた。

 ちなみに受賞者や出席者たちが身に着けていたコサージュとリボンは、東日本大震災の被災者が大漁旗などを使って制作したもの。

 受賞結果は『八日目の蝉』が作品賞など10部門で最優秀賞を受賞した他、故・原田芳雄が遺作『大鹿村騒動記』で主演男優賞を受賞した。


鉄の女メリル・ストリープ 首相にアドバイス

2012.03.12 Vol.544

 米アカデミー賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープが7日、都内で行われた受賞映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(フィリダ・ロイド監督、16日公開)の来日会見に登壇した。

 同作でサッチャー元英首相を演じた。報道陣から「震災で国を救う課題を持つ野田首相にアドバイスを」と言われ、「演技のアドバイスをお求めならぜひ、いらしてください」と笑顔を見せた。

 この日は、英国旗が描かれた樽酒の鏡開きに大興奮。樽のなかの日本酒を指ですくってなめ、グーサインを作るなどご機嫌だった。

 前日6日に行われたプレミア試写会には、サッチャー元首相と同時期に首相だった中曽根康弘氏も鑑賞に訪れ、“首脳同士”が握手を交わす一幕もあった。


『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』

2012.03.12 Vol.544

名女優が渾身の演技で挑んだ“鉄の女”

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©2011 Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute

 英国史上初、かつ唯一の女性首相となり、今なおその業績を称えられるマーガレット・サッチャー。当時の封建的な男性社会の中でも強力なリーダーシップを発揮した彼女を、人は“鉄の女”と呼んだ。そんな生きる伝説・サッチャー元首相の半生を、ハリウッドが誇る名女優、メリル・ストリープが熱演。『マンマ・ミーア!』に続くフィリダ・ロイド監督とのタッグにより“鉄の女”の生身の姿を見事、体現してみせた話題作だ。本作の演技により、ストリープは英国アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞ほか数々の映画賞で主演女優賞を獲得。さらに今年の米国アカデミー賞でも見事主演女優賞を受賞し、3度目のオスカーを手にした。先日の来日会見でストリープ自ら喜びのコメントを語ってくれたのも記憶に新しい。

 政治家を目指したきっかけ。初めて出馬した下院議員選挙での落選。生涯、彼女を支え続けた伴侶・デニスとの出会い。そして、政治家として頭角を現す一方で味わった孤独感…。“鉄の女”の涙に心揺さぶられる一本。

STORY:雑貨商の家に生まれたマーガレットは初めての下院議員選挙に落選後、心優しい事業家・デニスと結婚。しだいに政治家として頭角を現していくが、その一方で家族との時間を犠牲にして孤独を抱えるようになる。

監督:フィリダ・ロイド 出演:メリル・ストリープ、ハリー・ロイド他/1時間45分/ギャガ配給/3月16日(金)よりTOHOシネマズ日劇他にて公開 http://ironlady.gaga.ne.jp/a>


松山ケンイチ

2012.03.12 Vol.544

『僕達急行 A列車で行こう』

松山ケンイチmeets瑛太。数々の話題作で唯一無二の存在感を築き上げ、現在放送中の大河ドラマ『平清盛』では主演を務める松山ケンイチ。最新主演作は、故・森田芳光監督作による“人生を楽しむためのエール”!

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撮影・蔦野裕

 電車という趣味を通じて知り合った青年、小町と小玉。“電車が好き”という気持ちが、しだいに彼らの世界を広げ、つながりを作っていく…。松山ケンイチと瑛太が、鉄道ファン、いわゆる“鉄ちゃん”を演じる注目の一本。共演の瑛太の作品は数多く見てきたと松山。

「本当にいろいろな役を演じられてるので、実際の瑛太さんがどんな人なのか想像できなかったんです。一見、無表情な感じがあるじゃないですか。でも中に熱いものを持っている気がして。独特な空気を持った方だな、と思っていたんです。実際に会ったら、すごく柔らかい空気感の持ち主で、話をしていてもすごく自然体で、人を緊張させないので、そんなところがいいなと思いました。あと、やっぱり面白い方だな、と。(演技に)ちょこちょこ面白い動きを入れてきたりするんです。森田監督は、あまりアドリブを許さない方なんですけど、今回はわりと許したほうだなとおっしゃっていましたね(笑)。監督も僕らのやりとりを面白いと思ってくれてたのかな、と」

 出会いの一方、別れもあった。『椿三十郎』『サウスバウンド』で仕事をしてきた森田芳光監督との早すぎる別れ。

「昨年に森田監督が亡くなられて、監督の遺作になってしまったこともあり、本作には特別な気持ちを抱いてます。なるべく多くの方に見て頂きたいですね。森田監督のコメディーって、すごく独特なものがあるんですよ。笑わせようという、作られたコメディーではないというか。普段の生活のなかで“ニヤッ”とさせる笑いみたいなものがたくさんある。そんなところを、お客さんがどう反応するかを僕も映画館に見に行きたいです」

 思えば、松山演じる小町と瑛太演じる小玉の関係や人物像は、コメディー映画のセオリーからするとかなりユニーク。

「そのあたりは監督のこだわっていたところでもあるんです。よくあるボケとツッコミという関係になると普通のコメディーになるんです。監督は、そうなることをかなり嫌っているところがあって。とにかく真面目に楽しんでくれればいいから、と言われたんです。真面目にやればやるほど面白くなってくるから、と」

 小町にしろ小玉にしろ、もっとモテてもよさそうなのに…。

「でも僕だったら(彼女と2人で)電車に乗っている時に、1人で音楽を聴いたりなんてしないですね(笑)。イヤホンを片側だけでもあげればいいものを、小町は1人で聞いていましたからね、あれは相手も腹立つでしょ(笑)。2人とも“恋は鈍行”なんですよね」  同年代の同性から見た小町と小玉は? 「いい生き方してんな、とは思いますね。すごく充実している感じがする。僕ぐらいの年代になるとそろそろ地に足をつけてとか人づきあいも社交的にとか思うようになるんですけど、2人とも、そういうこともちゃんとできているし」

 松山自身の趣味は?

「将棋とか、ゲームをよくやるんです。勝負することが好きで。でも、瑛太さんはオセロがめちゃめちゃ強いという情報が入ったので“オセロやろう”とは言いませんでした(笑)。でも将棋とかやっていても会話ないですからね。瑛太さんとは、普通に酒飲みながら話したいです」

 小町と小玉の酒のつまみは電車。松山と瑛太の場合は、やはり役者について?

「打ち上げのときに、少しそういう話をしたんですよ。これからどんな作品やりたいかとか。僕も、これまでいろいろ面白い仕事をさせて頂いてきたと思っているんですけど、瑛太さんもそうだし。そういうことを話せる相手は大事ですよね」

 好きなものがあること。同じ情熱を持つ人がいること。それは人生の必需品。

「森田監督は、いつも楽しみながら現場にいましたね。そんなところも小町や小玉に通じているのかな、と思います。そんな、人生を楽しんでいる感じが見ている人に伝わればいいですね」

 松山ケンイチの“芝居が好き”という気持ちが、人生の楽しさを感じさせてくれる。そんな贈りもののような作品だ。

(本紙・秋吉布由子)

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『僕達急行 A列車で行こう』

監督:森田芳光 出演:松山ケンイチ、瑛太他/1時間57分 /東映配給/3月24日(土)より丸の内TOEI 他にて公開 http://boku9.jp
©2012『僕達急行』製作委員会


七変化する田中麗奈

2012.03.05 Vol.543

映画、大河ドラマなど出演作が続々登場!

田中麗奈が輝いている。出演映画が続々公開、大河ドラマ『平清盛』でも出演回の放送がスタート。オンエア中のCMも含めると、毎日どこかで彼女の顔を見かける状況だ。田中をマークすれば今が分かるかも?

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撮影・蔦野裕

 田中麗奈が注目を集めている。昨年末、映画『源氏物語‐千年の謎‐』と映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』が、年が明けると映画『麒麟の翼〜劇場版・新参者〜』と出演作が続々公開。2月中旬からはNHK大河ドラマ『平清盛』で、清盛のライバルである源義朝の妻・由良御前として、インパクトのある演技を見せている。作品ごとに印象を変える田中を見ていると、女優としての成長期を迎えているように感じる。

「いろんな役ができる役者になりたいなっていう気持ちはいつもあります。ただ、年齢を重ねてきたことで、以前とは質感の違う役を演じる機会が出てきたところもあって、いろいろ得るものが多くなってるなとは思いますね。それと同時に、足りないことがいっぱいあることも思い知らされるんですけど」

 さまざまな役柄を演じているなかで、ほぼ等身大の女性を演じたのが、17日公開の映画『種まく旅人〜みのりの茶〜』。デザイナーの仕事をリストラされたヒロインが、有機緑茶農家の祖父を訪ね、さまざまなことが重なって、自分も畑に出ることになるというストーリーだ。

「演じているみのりという女性は、ごく普通の人。身近にいそうだし、自分と年齢も近くて、すごく等身大です。こうした役って意外と難しいんですよ。自分の自然体ではなく、彼女の自然体って何だろうって考えなきゃいけないですから。だけど、そういう部分は、撮影の環境だったり、共演者を含めた周りの環境に助けられましたね」

 撮影は、大分県の臼杵市で行われた。

「映画の力が働いているって、心から感じられた現場でした。雨が降ってもその後に虹が出たり、夕焼けがすごくきれいだったり。それに、雨に打たれた茶葉が日に当たるとキラキラ輝いて見えたりしたことも。そこに自分がいることで、彼女の心の動きに触れられたし、彼女が変わっていく様子をじっくり表現することが大切だって思えました」

 田中も茶畑で多くの時間を過ごした。

「一生懸命頑張ると答えてくれる、逆にさぼっちゃうとダメ。そういうのをこの役を演じることで体験して、農家の方々に比べたら足元にも及ばないですけど、農業って自然の力と人間の力の共同作業なんだって再確認できたし、すごく豊かな気持ちになりました。そういうことに普段から触れているからなのかな、農家の方ってキラキラしているんです。それを見ちゃうと、自分もこれから自然や土に触れる機会を意識的に増やしていきたいと思いますね」

 静かながらもドキッとするフレーズが散りばめられた映画だ。

「“晴れの日もありがたい、雨の日もありがたい”だとか、“喜ぶ顔が見たくてやっている”だとか、素敵な言葉がいっぱいあるんですけど、そのまま自分自身に返ってきていて、映画を見終わったお客さんがこういう顔になっていたら理想だなとか、こういう感想が出てきたら喜ばしいなあ、なんていうのがふわっと浮かんだりします。今後もこの気持ちって続くんでしょうね。だから今思うのは、そこに行きつくまでにどうすればいいのかなってことなんです」

 それこそ、みのりが劇中でつぶやく言葉「かっこいい」につながる。

「どんな仕事でも一つひとつのことを大切にして作るってかっこいい。それが専業主婦の方でも一緒で、自分の意志を持って一つひとつ何かをする、しっかり育くむ。子供だったら子供を育てる。それってすごくかっこいいと思います。経験や年齢を重ねながら、私もいつかそうなれたらいいなと思います。そのためにもチャンスがいただければいろいろな役を演じていきたいですね」

 田中は、今日も、この瞬間も、かっこいい女優街道を丁寧に一歩ずつ進む。

(本紙・酒井紫野)

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映画『種まく人〜みのりの茶〜』

3月17日公開。オフィシャルサイト(http://www.tanemaku-movie.com/


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