第6回沖縄国際映画祭が24日閉幕し、Laugh部門・海人賞グランプリに本木克英監督作『超高速!参勤交代』、Peace部門・海人賞グランプリにファン・ドンヒョク監督作『怪しい彼女』、そしてゴールデンシーサー賞(審査員特別賞)には、品川ヒロシ監督作『サンブンノイチ』が輝いた。
トロフィーを手に「映画は俳優やスタッフをはじめ多くの仲間と一緒に作るもの。この喜びを早くみんなと分かち合いたい」と語った品川監督。ところが「でもこの場に僕しかいないので分かち合えないんです(笑)。実は、主演の藤原竜也が韓国の空港で迷子になって、飛行機に乗り遅れまして…」と明かし、会場の笑いをさそった。
結局藤原は、映画祭終了後に沖縄に到着。受賞者の囲み取材の最中に品川監督と電話がつながったものの「韓国の空港でゲートを間違えてしまって…」と、受賞の喜びより先に謝罪のコメント。その後に監督と合流した藤原は「品川監督、よくやってくれました!」と歓喜の言葉を贈った。
クロージングセレモニーでは『第七回沖縄国際映画祭』の開催も発表。期間は2015年3月25日から~29日の5日間となる。
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観光スポット・沖縄国際通りで映画祭初レッドカーペット開催
第6回沖縄国際映画祭のレッドカーペットイベントが23日、那覇の国際通りにて行われ、約5万8000人の観客が鈴木福、岡田将生、田中聖らに声援を送った。
今年は、毎回行われている宜野湾会場でのレッドカーペットイベントに加え、映画祭史上、
初めて国際通りでレッドカーペットイベントを開催。人気の観光地に設置された約150メートルのレッドカーペットを370人余りの映画人が歩いた盛大なイベントとなった。
『ピラメキ子役恋物語』出演の鈴木福は共演のはんにゃらから「初めての沖縄でレッドカーペットを歩けてうれしかったです」と観客からの大声援に照れた笑顔を見せていた。他にも『サンブンノイチ』監督の品川ヒロシと田中聖、『オー!ファーザー』の岡田将生、忽那汐里ら、海外作品からは『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』のジョニー・ノックスヴィルなどが登場した。
映画祭を主催する吉本興業の大崎洋社長は「国際通りといえば、沖縄の戦後復興の象徴として
“奇跡の1マイル”と呼ばれた場所。そこでみんなが笑顔になるイベントを開催できた事は本当にうれしい」と語った。
映画祭は24日にコンペティション授賞式などが行われ閉幕となる。
あのドッキリが感動の映画に!? ジョニー・ノックスヴィル
「生きた人間でサメが釣れるか」など体を張ったトンデモ企画や、ガチンコのドッキリで騒動を巻き起こすおバカ集団・ジャッカス。メンバーの中心人物、ジョニー・ノックスヴィルいわく「“線引き”は…あまり無いんだよ(笑)。ま、バカな奴らがカメラを持って走り回ってるだけだから。大抵、その場の思いつきなんだ(笑)。最低限の事はスタジオ付きの弁護士に相談することもあるけど、医者とかスタジオのお偉いさんとか、良識ある人に事前に相談なんかしないよ。“そんなことはやめなさい”と言われるのは分かってるし(笑)」。挑戦企画だけでなくドッキリでひどい目に遭うことも。「一度、イタズラされる側に回ったことがあるんだ。日焼け止めの容器に馬の精液を入れるイタズラをする予定が、車に置いてあった僕の日焼け止めの中にソイツを入れられちゃってね(笑)。全然気づかなくて、こーんな感じで(顔中に塗りたくるしぐさ)塗ったよ。妙に粘っこいなと思ったんだけど、暑かったから変質したのかくらいに思って、結局6週間くらい使い続けてたかな。でも肌の調子は良かったし、みんなにウケたからいいけどね。特に僕の家族や友人に(笑)」。そんなジョニーが、特殊メイキャップで86歳のスケベじいさん・アーヴィングに扮し、8歳の孫・ビリーとともに人々にドッキリをしかける人気企画が今回、映画化。パワーアップした仰天ドッキリをしかけながらも最後にはみんな笑顔になる作品だ。騙された人も含め…。「本気で怒っちゃう人もいたよ。何週間も電話で謝り続けたし」。それでも笑いに手を抜かないのが彼ら。日本の下ネタ用語をいくつも覚えてくれたことだし、次回作はぜひ日本で“クソジジイ”っぷりを発揮してもらいたい!
人生は、空想よりも輝ける!『LIFE!』
毎日同じような生活を繰り返す日々。もし自分に人生を変える勇気があったなら…。誰もが抱く思いを抱えた平凡な男の、思わぬ大冒険を描いた感動作がついに日本公開。ダニー・ケイ主演の『虹を掴む男』を現代人にも共感度満点の作品としてよみがえらせた注目作。わずか13分のフッテージ映像を見た関係者の間で共感と感動を巻き起こしすぐさま製作が決定したイチオシの一本。
監督&主演を務めるのは、監督作『リアリティ・バイツ』で演出力を実証し、『ナイト・ミュージアム』シリーズなど数々の主演作で注目を集めるベン・スティラー。ベン演じる主人公・ウォルターは、片思いする女性に面と向かって声をかけることもできない不器用で臆病な男。単調でサエない自分の人生から逃れるかのように、時おり突飛な空想にふけるのが彼のクセ。そんな男が、ひょんなことから冒険家のカメラマンを追って、北極圏のグリーンランドへ旅立った。しかしそれは、空想をはるかに超える大冒険の、ほんの始まりに過ぎなかった…! ウォルターを待ち受けるのはまさに“小説よりも奇なり”な冒険の数々。必死で立ち向かうウォルターが、しだいに変化していく姿をベンが生き生きと演じきる。名優ショーン・ペンが物語の鍵を握るカメラマン役で、茶目っ気のある演技を披露している。
『第37回日本アカデミー賞』今年も華やかな顔触れ!
その年、日本で公開された優れた映画を表彰する『第37回日本アカデミー賞』の授賞式が7日、都内にて行われ、石井裕也監督作『舟を編む』が作品賞、監督賞、主演男優賞など最優秀賞6冠に輝いた。
アカデミー賞といえば、豪華な映画人たちが一斉に集う映画の祭典。注目はやはり、華麗な女優たちのファッションだ。黒のスーツと赤いルージュでマニッシュに決めたファッションで目を引いたのが、最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞をW受賞した真木よう子。上戸彩は主演作『武士の献立』にふさわしく着物姿で、宮崎あおいはエスニック柄のドレス、『そして父になる』『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』の尾野真千子は、背中が大胆に開いたセクシーな白のタイトドレスで登場。結膜炎で眼帯を付けた蒼井優は黒を基調としたシースルーのドレス。話題賞のプレゼンター・大島優子はパステルカラーの肩だしドレス。新人俳優賞の壇蜜は、淡い色のシースルードレスで上品かつセクシーに登場。『おしん』主演の子役・濱田ここねの着物姿にも会場から「かわいい」と声援が上がっていた。
ちなみに今年は、西田敏行と樹木希林という大御所ペアが司会を担当。オダギリジョーの奇抜ファッションに樹木が斬り込んだり、最優秀主演男優賞に輝いた松田龍平に西田が「無口だから、コメントしてくれるかな」とぼやいたり、マイペースな大御所2人による受賞者インタビューが会場を多いに沸かせていた。
日本列島に映画の春、到来
『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014』
早春の北海道・夕張市の風物詩『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』が今年も2月27日から3月3日に開催され、多くの映画人と地元市民らが一体となり盛況のうちに幕を閉じた。地方開催の映画祭の中でも、映画祭に参加するリピーターが多いといわれるのが、この“ゆうばりファンタ”。イマジネーションとエンターテインメント性豊かな作品が集うだけでなく、インディペンデント映画の魅力を再発見できる映画祭としても注目を集めている。映画ファンと作り手からこよなく愛されるファンタスティッな映画祭、その魅力をリポート!
『第6回沖縄国際映画祭』魅力その3 豪華ゲストが映画祭を盛り上げる
映画の出演俳優や監督ら著名人が数多く参加するのも本映画祭の魅力。今年も、豪華ゲストが映画祭に登場予定。もちろんよしもと芸人たちも大活躍だ。〈地域発信型映画〉プログラムには、ガレッジセール・ゴリの監督作『ロクな人生』が出品。 かつてコザと呼ばれていた町の魅力をユニークな視点で描いた作品。また、今回独立部門となった〈TV DIRECTOR’S MOVIE〉では、動画再生回数300万回以上を記録した鉄拳のパラパラ漫画を中村獅童、小西真奈美ら豪華キャストで実写映画化した『振り子』も上映。同部門では、昨年の映画祭で前作が上映され好評を博したシリーズ第2弾『NMB48 げいにん!THE MOVIE リターンズ 卒業!お笑い青春ガールズ? 新たなる旅立ち』も上映。豪華ゲストを見るなら、舞台あいさつの情報はぜひチェックして。他にも、芸人たちが監督に挑戦したショートフィルムの上映ではティーチインもお見逃しなく。
『第6回沖縄国際映画祭』魅力その2 沖縄の開放感の中で超話題作を鑑賞
豪華な話題作を、リゾート感満載の会場で鑑賞できるのも、この映画祭の魅力。中でも〈特別招待作〉は邦画・洋画ともに超話題作が集結。伊坂幸太郎の同名小説を岡田将生主演で映画化した『オー! ファーザー』、シルベスター・スタローンとロバート・デ・ニーロがリングで対決する『リベンジマッチ』、さらにはベン・スティラー監督の話題作『LIFE!』をナインティナイン・岡村隆史の吹き替えで上映。
さらに、海辺に面した屋外会場に特設されるオープンスクリーンでの上映も見逃せない。今回もスイスより運ばれた世界最大の移動式野外スクリーン(幅26.65m×高さ14.76m)を使用。この圧倒的なスケールと開放感の中で今年上映されるのは、本年度アカデミー賞受賞作『ゼロ・グラビティ』と、沖縄県出身のレゲエダンサー、I−VANがジャマイカの魅力に迫るドキュメンタリー『ジャマイカ日記 ウソみたいなホントの話』。それぞれ、満点の星空を眺めながら、南国の波音を聞きながら鑑賞するのにぴったりな作品。椅子席が満員だったとしても砂浜に座って楽しめるという気楽さも、他の映画祭では味わえない。
『第6回沖縄国際映画祭』魅力その1 “ラフ”と”ピース”があふれてる
沖縄国際映画祭のテーマ、それは“Laugh & Peace”。コンペティションでは、「笑える、もしくは見終わった後に幸せな気分になれる」というテーマに沿った長編作品を、Laugh部門とPeace部門に分け、それぞれグランプリの海人賞(うみんちゅしょう)を競う他、両部門を通じた1作品に審査員特別賞としてゴールデンシーサー賞(金石獅子賞)が贈られる。今年は『極道の妻たち』シリーズを手掛けた中島貞夫、映画プロデューサー・奈良橋陽子、映画コメンテーターのLiLiCoらが審査員を務める。
今年の出品作は注目作が勢揃い。Laugh部門には、品川ヒロシ監督&藤原竜也主演の『サンブンノイチ』、アメリカの伝説的テレビ番組“ジャッカス”から生まれたロードムービー『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』、佐々木蔵之介主演の異色の時代劇『超高速!参勤交代』など豪華作品がエントリー。Peace部門でも、芦田愛菜主演&行定勲監督の『円卓』、ゴリラがプロ野球チームに入団するという奇想天外なストーリーで注目の『ミスターGO!』など力作揃いだ。
また、次世代を担う人材発掘を目的とした『クリエイターズ・ファクトリー』や、結婚式余興映像NO.1を競う『にーびち映画祭』など、その他のコンペも沖縄国際映画祭ならでは。
日本列島に映画の春、到来
20日開幕!『第6回沖縄国際映画祭』
“逆転人生”が映画化! オペラ歌手 ポール・ポッツ
「震災が起こった後の公演で日本のみなさんから“ありがとう”というメッセージをたくさん頂きましたが、僕のほうこそ応援し続けてくれてありがとうと言いたいです」。そう語りながらはにかんだように微笑む瞳に宿るのは戸惑いや不安ではなく、ユーモアと温かい親しみだ。イギリスの国民的オーディション番組に出場、見事な歌声で世界中を感動させ、ケータイ販売員から一夜にしてオペラ歌手となったポール・ポッツ。その奇跡の実話が映画化され注目を集めている。
「完成した作品は、純粋に映画として楽しんで見ることができました。初めて作品を見たのはプレミア試写会の時で、妻や映画のキャストたちと一緒に見たんですが、僕の妻の役を演じたアレクサンドラが、スクリーンよりも妻の反応を気にして妻の顔ばかり見ていたのが印象的でした(笑)」。奇跡の逆転劇もさることながら、パヴァロッティからダメだしされたり、肝心なときに病気や事故に見舞われたりというエピソードにも驚かされる。「実際にはパヴァロッティの前では褒めてもらったんです。でもステージには向かないと後で言われたというのが本当のところで、そのあたりは映画的な演出が加えられていますけど、基本的にはほとんど本当です。というより実際のほうがもっとすごいエピソードがたくさんあるんですよ(笑)」。でもどんなことも妻は笑い飛ばしてくれるんです、とポール。「よく夫婦円満の秘訣を聞かれますけど、夫が妻のいうことを何でも聞くこと、これにつきます(笑)」。
世界中を魅了するポールの歌声は、奥さんにとって“愛する理由”第何位だと思う?と尋ねると「それは慎重に答えないと(笑)。うーん、僕のどんなところも同率1位で好きでいてくれると思いたいなあ」と照れまくり。彼がなぜここまで人を魅了するのか、その秘密が分かる1本だ。