人間によるボクシングがすたれ、ロボット同士を戦わせる格闘技が世界を熱狂させている近未来を舞台に、試合を通して絆を取り戻していく父と息子の姿を描く、この冬イチオシの感動大作。スティーブン・スピルバーグとロバート・ゼメキスという巨匠2人の製作のもと、『ナイトミュージアム』シリーズを大ヒットさせたショーン・レヴィ監督がメガホンをとった。かつては才能あふれるボクサーだったが今では落ちぶれたロボット格闘技のプロモーターとして暮らすチャーリー役に『X-メン』シリーズのヒュー・ジャックマン。息子・マックス役を演じた新星ダコタ・ゴヨは、本作の熱演で天才子役として一躍注目を集めている。2人を見守る女性・ベイリー役にドラマ「LOST」シリーズのエヴァンジェリン・リリー。CGと実写で登場するロボットのリアルな迫力に、一見SFアクションかと思われがちだが核となるのは親子の成長物語。スクラップ同然のロボットで試合に勝ち進んでいくうちに、絆を深めていく親子の姿が感動的。日本のロボットアニメへのオマージュが見て取れるのも楽しい一本だ。
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『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』
あのタンタンがド迫力のCGアニメとなって登場!
©2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
トレードマークはニッカボッカとクルっとはねた前髪。相棒は勇敢なフォックステリア犬・スノーウィ。世界中で幅広い世代に愛される少年記者・タンタンが、世界中で冒険を繰り広げるベルギーの名作漫画「タンタンの冒険」が、迫力のCG映像で映画化!
長年、同作の映画化企画を温めてきたという巨匠スティーブン・スピルバーグ自らがメガホンをとった意欲作だ。映像スタッフには『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンと、『アバター』を生み出した彼のスタジオ「WETA」が参加。最新のフルデジタル3D技術を駆使して、タンタンの世界を迫力のアドベンチャー大作に仕上げている。さらに、映像をリアルにしているのが最新のパフォーマンス・キャプチャー技術。ボイスキャストを務めたジェイミー・ベルやアンディ・サーキス、ダニエル・クレイグらの感情豊かな演技を取り込み、デジタルキャラクターとして創造している。
実写では撮影不可能かつ、リアルなアクションシーンの数々に、スピルバーグの冒険映画愛が詰まった一本。
STORY:伝説の軍艦・ユニコーン号の模型を手に入れた少年記者のタンタンは模型に隠された羊皮紙を発見するが、何者かに拉致されてしまう。そこでユニコーン号の船長の子孫・ハドックと出会い…。
監督:スティーブン・スピルバーグ 声の出演:ジェイミー・ベル、アンディ・サーキス他/1時間47分/東宝東和配給/12月1日よりTOHOシネマズ スカラ座他にて公開 2D/3D http://tintin-movie.jp/
石井聰亙改め石井岳龍監督が12年ぶりの劇場用長編作
ブラッド・ピット「あまり野球を知らなかった」
ブラッド・ピットが最新主演映画『マネーボール』(ベネット・ミラー監督)のプロモーションのため、女優のアンジェリーナ・ジョリーと子供たちを引き連れて来日した。9日、東京国際フォーラムで行われたジャパンプレミアにはアンジェリーナとともにレッドカーペットをウォーク。温かい声援で2人を迎えたファンに「日本に来られてうれしいよ」と挨拶した。
翌10日には都内で行われた記者会見に出席。ブラッドは開口一番「あまり野球を知らずに撮影に臨んだ」と、渋い笑顔で告白した上で、「野球は背景にありますが、正義の話」と、最新作について語った。映画は、メジャーリーグの貧乏で弱小なチームだったオークランド・アスレチックスを、独自の理論を用いて、常勝軍団に育て上げた実在の人物ビリー・ビーンをめぐるストーリー。ビリーがなぜ勝てたかとの問いには「彼の目標はトロフィーやリング、新聞の一面を飾ることではなく、自分の山を登ることだった」と答えた。経済や社会情勢などを絡めた質問が続出したことを受けて、ブラッドは「映画のヘビーな部分ばかり話してしまったけど(笑)、笑えるし楽しい映画だよ」と付け加え、会場を後にした。
『新少林寺 SHAOLIN』
カンフー映画の金字塔が新たに誕生!!
©2011 Emperor Classic Films Company Limited All Rights Reserved
カンフー映画界の金字塔が、香港アクション映画界最高のスターを揃えて生まれ変わる! 1982年、日本でも爆発的なヒットを記録した名作『少林寺』が、29年の時を経て復活。『インファナル・アフェア』のアンディ・ラウを筆頭に、『孫文の義士団』のニコラス・ツェー、そして本作が99本目の映画出演作となるジャッキー・チェンも参加。ヒロインにはサントリー烏龍茶のCMでも知られるファン・ビンビン。監督は『香港国際警察/NEWPOLICESTORY』『プロジェクトBB』のベニー・チャン。
一級のカンフーアクションを堪能できることは言うまでもないが、少林寺の映像にも注目を。実は、劇中の主な舞台となる少林寺は、本作の撮影のために新しく建設されたもの。建物だけでなく、大仏や境内の大木、外壁に至るまで徹底的にリアルさを追求して複製が作られている。このリアルな少林寺が戦いの場となるクライマックスの迫力はまさに見もの。
命がけで民衆を守ろうとする男たちの姿が見る者の胸を熱くする感動の“カンフー”スペクタクルだ。
STORY:辛亥革命の混乱のなか少林寺の僧侶たちは懸命に人々を救助していた。あるとき粗暴な将軍・候杰が寺の中に逃げ込んだ敵を撃ち殺す。ところが候杰自身も、部下に裏切られお尋ね者となってしまう。
監督:ベニー・チャン 出演:アンディ・ラウ他/2時間11分/ブロードメディア・スタジオ、カルチュア・パブリシャーズ配給/11月19日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて公開 http://shaolin-movie.jp
塩にこだわって作った映画が12日に公開
ブラッド・ピット 東北の野球少年にサインボール
AKB秋元才加、小島よしおの新ネタにキックでダメだし!
『マネーボール』
ブラピが“メジャーボールを変えた男”に!
『ソーシャル・ネットワーク』の製作陣が、ブラッド・ピットを主演に迎え、メジャーリーグを舞台に描く奇跡のトゥルーストーリー。ブラピが演じるのは、卓越したチームマネジメントや球団運営で知られ、メジャーリーグの名GMの1人として称えられるビリー・ビーン。メジャーリーグの異端児といわれながらも、独自の理論を貫き野球界の常識を変えた人物だ。プロ野球選手から球団のフロントに転身した異色のGMが、いかにして貧乏球団を常勝軍団へと変えていったのか。彼が、イェール大経済学部卒だが野球経験の無いピーターと出会って生みだした“マネーボール理論”とは…?
短気で風変わりなビリーと野球経験のないピーターのコンビが、周囲からバカにされ空回りしながらも、しだいに大きな奇跡を成し遂げていく様子は痛快の一言。ビジネス書としても人気の原作を、感動のサクセスストーリーとして楽しめるおススメの一本。
STORY:元プロ野球選手のビリー・ビーンは若くしてアスレチックスのGMとなるがクセのあるマネジメントが災いしてか、チームは低迷続き。あるときビリーは、野球経験はないがデータ分析が得意なピーターと出会い、野球界の常識を覆す独自の理論を生みだしていく。
監督:ベネット・ミラー 出演:ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、フィリップ・シーモア・ホフマン他/2時間13分/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給/11月11日(金)より丸の内ピカデリー他にて公開 http://www.moneyball.jp
仲里依紗インタビュー 妊婦ヒーローになる!
気鋭・石井裕也監督最新作で“妊婦ヒーロー”役! 『ハラがコレなんで』
判断基準は粋か粋じゃないか。自分のことより他人のことを優先させる“妊婦ヒーロー”登場! この個性的すぎるキャラクターも、彼女が演じれば愛すべき主人公になる。注目の実力派女優・仲里依紗を直撃!
ヘアメイク:宮澤譲 スタイリスト:栗田泰臣(エトレンヌ) 撮影:神谷渚
思えば『ゼブラーマン ーゼブラシティの逆襲ー』をはじめ個性的なキャラクターを演じることが多いような…。「お話を頂いて脚本を読んでみると“今度もユニークな人物だなあ”って思うことが本当に多いんですよ。そういう役が求められる何かがあるのかな(笑)」
本作で演じるのは、さまざまな人を勇気づける妊婦という役どころだ。
「何しろ“妊婦ヒーロー”ですからね。最初にその言葉を監督から聞いたときに“え?”って思いましたよ(笑)。でも演じていくうちに、どんどん分かってきて面白くなっていきました。光子ってすごいんですよ。自分も大変な状況なのにそんなこと全く見せないで人のことばかり心配するし、思い切りの良さとかもハンパないし。そんな自分のペースに、どんどん周りを巻き込んでいくんです」
光子は、金無し、家無し、ダンナ無しの妊婦。“粋”に生きることを信条とし、少しのことでは動じない。かなり個性的な人物だが、仲が演じる光子は観客の心にすんなりと入り込んでしまう。
「確かにかなり強烈な人物なんですけど、実はちゃんと“女の子”の部分もあって、私はそこがすごく好きなんですよね。ラスト、産気づいた光子が陽一に支えられながら“一人じゃなくてよかった”と言うところがあるんですが、私はそこで、ヒーローじゃない光子の人間性を感じたというか。誰かに支えられてほっとする姿に、安心したんですよね。ただ、光子は一方的にワーッとしゃべるし、自分の妄想でいきなりもらい泣きするし(笑)、相手の人と芝居を作っていくというより、一人芝居状態になりがちだったので、そのあたりが難しかったですね」
かつて住んでいた長屋に戻った光子は、その“粋”な行動力で長屋の人々に変化をもたらしていく。旬な若手俳優・中村蒼が不器用な青年・陽一を好演。
「蒼くんとは何年かぶりの共演だったんですけど、すごく大人になられていて。この作品が、10代最後の作品だったんですよね。撮影中に20歳の誕生日を迎えたんですよ。大人になっていく姿を見ることができたなあ、と勝手にお姉さん目線で見ていました(笑)。蒼くんて、いわゆる“イケメン”という役が多いイメージがあったので、最初は陽一を蒼くんが演じると聞いてすごく意外に思ったんですよ。だけど、現場に入ったら“陽一”がいましたね。あの、もさっとした感じとか、ぜんぜん蒼くんじゃない(笑)」
陽一の叔父・次郎役はベテラン・石橋凌。
「石橋さんて、悪役とか重厚な役のイメージがありましたけど、今回は全然違っていて、さすがだなと思いましたね。光子にすごい勢いで一方的に説教されてオロオロして、あげくに頭叩かれて(笑)。石橋さんを叩くってすごい経験ですよね、二度と無いですよ(笑)」
不器用すぎて幸せをつかめない人々の中に飛び込んだ妊婦ヒーロー・光子の珍妙な活躍に大笑い間違いなし。
「いろんなことがハチャメチャなんですけど、実はすごく大きなメッセージが込められている作品なんです。少しだけでも、自分より誰かのために行動できたら世界は変わるんじゃないか…そんなことを、おもしろおかしく伝えるのも、この映画のいいところだと思います」
今こそ、求められるメッセージ。そう思わずにはいられない。
「今私が思うのは、自分にできること、目の前にあることをきちんとやろう、ということですね。光子って、とりあえず目の前で困っている人に精いっぱいの手助けをするんですよ。リストラされたサラリーマンになけなしの小銭をあげたり(笑)。後先のこと考えて何もしないくらいなら、小さなことでも目の前のことを片付けていくほうがいい。そうしたらいつかゴールが見えるかもしれない。で、ちょっと道に迷ったら光子のように昼寝して風向きが変わるのを待つ、と(笑)」
光子を通して女優・仲里依紗の“粋”が伝わる、おススメ映画!
(本紙・秋吉布由子)
『ハラがコレなんで』監督:石井裕也 出演:仲里依紗、中村蒼他/1時間49分/ショウゲート配給/11月5日より渋谷シネクイント他にて公開 http://harakore.com/ |
東京国際映画祭 グリーンカーペットに映画人が大集合!
(写真上段左)ミラ・ジョヴォヴィッチは沿道のファンを魅了 (写真上段中央)人気子役の芦田愛菜に“かわいい〜”の声 (写真上段右)ジャッキーは江角マキコと中川翔子に囲まれて (写真下段左)深紅のドレスで目を引いた仲里依紗 (写真下段右)野田佳彦内閣総理大臣と枝野幸男経済産業大臣も今日はにこやか
©2011 TIFF
第24回東京国際映画祭(以下:TIFF)が22日に開幕し、エコをテーマの1つとするTIFF恒例のグリーンカーペットイベントが六本木・けやき坂にて開催。ジャッキー・チェンが日本語版ボイスキャストの江角マキコ、中川翔子とともに登場したのを皮切りに、国内外の豪華なゲストたちが約200メートルのグリーンカーペットを練り歩いた。ハリウッド女優のミラ・ジョヴォヴィッチやヴィム・ヴェンダースといった海外組はもちろん、役所広司や阿部寛、小栗旬など日本映画を代表する俳優たちも登場。榮倉奈々や黒木メイサ、仲里依紗らカーペットを華やかに彩った女優陣のドレスアップ姿も注目の的となった。ピンクのドレス姿で登場した、人気絶頂の子役・芦田愛菜にも大きな声援が飛んでいた。映画が好きという野田総理は「三銃士のメンバーと歩けると思ったら枝野さんとだった。でも気持ちは(出演者の)オーランド・ブルームです」とご機嫌。グリーンカーペットのラストを飾ったミラは「3.11の後に来日できてうれしい」と語り、華やかなイベントを締めくくった。