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『ブラック・スワン』

2011.05.09 Vol.508

世界が絶賛した“表現者”ナタリー・ポートマン

 本年度のゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞をはじめ今年の賞レースでナタリー・ポートマンが主演女優賞を総なめにした超話題作! ミッキー・ロークの復活作となった『レスラー』で高い評価を得たダーレン・アロノフスキーという気鋭監督と、ナタリー、こだわり派同士のタッグが見事世界中を魅了した。プリマのチャンスを与えられたバレリーナが、難役に挑むうちに、自らを狂気に追い詰めてしまう姿を描いたドラマ。今回ナタリーは、10カ月にも及ぶ過酷なトレーニングの末、バレリーナ特有の肉体を獲得。ナタリーは劇中の舞踏シーンの大半を自ら演じており“バレリーナそのもの!”と大絶賛。そんなフィジカル面に加え、主人公・ニナの光と闇を鬼気迫るリアリティーで演じきり、ナタリー・ポートマンという表現者の真髄を全世界に見せつけた。本作の撮影で出会ったイケメンダンサーとのゴールインそして妊娠も話題になった。

STORY:ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナに、新作『白鳥の湖』のプリマとして白鳥・黒鳥を演じるチャンスが訪れる。しかし優等生タイプのニナにとって黒鳥は大きな挑戦だった。さらに黒鳥役が似合う奔放な新人ダンサー・リリーの出現もニナを追いつめていく。役作りに没頭するニナはしだいに自らの心も闇にむしばまれ…。

監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル他/1時間48分/20世紀フォックス映画配給/5月11日(水)よりTOHOシネマズ日劇他にて公開 http://movies2.foxjapan.com/blackswan/


『少女たちの羅針盤』成海璃子

2011.05.09 Vol.508

ピュアな女子高生×ダークな殺人ミステリー

2005年ドラマ『瑠璃の島』の初主演で注目を集めて以来、実力を認められ多くの主演作も経験してきた成海璃子。本作『少女たちの羅針盤』は、そんな成海をして“マズイ!!”と思わせたというから、注目せずにはいられない。

同世代との共演は「難しいけど楽しいんです(笑)」

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撮影:蔦野裕 ヘアメイク:竹下あゆみ スタイリスト:杉山まゆみ
ワンピース1万290円、腰に巻いたシャツ9345円/goocy 原宿(03-5771-2325)/リボンパンプス2万4150円/BLAZE(03-3874-6444)

「今回は、これまでとまったく状況が違ったんですよ。脚本をもらった時、どんな作品になるのか、良い悪いや面白いかどうかを一言で言えなかったんです」

 女子高生劇団< 羅針盤> はいかにして伝説となったのか。かつて、そのメンバーの1人を殺したという女優・舞利亜の正体とは。舞利亜の秘密を暴こうとしているのは誰なのか。過去と現在が絡み合う物語に加え、キラキラした女子高生たちの青春ストーリーと、ダークな殺人ミステリーという異なる要素が観客を翻弄する。成海が演じるのは〈羅針盤〉を立ち上げた演劇一直線の女子高生・瑠美。

「毎回、どんな作品でも“どうしよう〜”ってなるんですけど(笑)、今回は特に分からなくて、不安でしたね。このままじゃマズイと思って、自分から監督に話をしに行ったりもしたんです。いままでは、そんなこと全然しなかったんですけど。でもだからこそ、これまでとは少し違う雰囲気の作品になるんだろうな、とは思っていました」

 すでに何本も主演作を経験している彼女にとっての“不安”とは?

「自分の役作りがどうとかより、どちらかというと周りとのことが大きいんですよね。特に、自分と同世代の役者さんたちとの共演作になると、あれこれ考え込んでしまうんです。柄本明さんや松山ケンイチさんといった先輩たちと共演していたときは、ただ自分の芝居をすれば良かった。でも同世代の女優さんたちとの共演となると、このシーンをもっと良くするにはどうしたらいいんだろうとか、いろいろ考えてしまって、難しいな〜って(笑)」

 成海とともに〈劇団・羅針盤〉のメンバーを演じるのは忽那汐里、森田彩華、草刈麻有。本作ではその絆が重要だった。

「私たちが本当に〈劇団・羅針盤〉になるためにどうしたらいいのかを考え続けた現場でした。長崎監督は、どうしたらいいのかハッキリ言ってくれないんですよ。“今のままじゃ〈羅針盤〉じゃないな。クランクインまでには、なっておいて”という感じで。だから4人で、ホテルの部屋に集まって会議をしました。“監督が〈羅針盤〉になってくれって言っていたけど、どうする?”って。広島で撮影していたんですけど、その間4人で食事に行ったり、何度も稽古を重ねたり、とにかくずっと一緒にいましたね」

 特筆すべきは、劇中で〈羅針盤〉が見せる芝居のインパクトだ。

「本当にたくさん稽古しました。まだやるの?と思うくらい(笑)。あの劇中劇は、実際に劇団で活動している方が台本を書いて、演出もしてくださったんです。台本は全部書かれていて、私たちも台詞を全部覚えて一通り演じました。どの部分が映画で使われるかは分かりません、と言われつつ(笑)」

 この劇中劇を通しで見たい。そして、舞台に立つ成海璃子をもっと見たい。

「それはすごくうれしいです! 以前から、機会を頂けるなら舞台もやりたいと思っているので」

 過去パートでは10代ならではの揺れる心情も描かれるが…。

「私も複雑な時期がありました。以前はあまり人に興味が無かったと言いますか、周りのスタッフと自らすすんで会話することも少なかったです。“若いのに演技ができてすごい”とか“きれいですね”とか言って頂いても、素直に受け取ることができませんでした」

 今は“かわいい”なんて言ってもらえたらうれしいですよ、と笑顔。

「近年『武士道シックスティーン』や『書道ガールズ!!』で、同世代の俳優さんたちと共演することが多かったのが、きっかけになったのかなと思います。自分でもいろいろと考えるようになって、人との付き合い方を学んだ気がします。最近すごく楽しいんですよ。いろいろなこともポジティブに受けとめられるようになったというか。今回の現場はとくに、スタッフもキャストも、みんなのことが大好きでした」

 楽しさと不安、両方のドキドキをいつも持っていたいと笑う。気さくな笑顔も、凛としたまなざしも、女優・成海璃子にしかできない表情をこれからも見せてほしい。

(本紙・秋吉布由子)

『少女たちの羅針盤』

監督:長崎俊一 出演:成海璃子、忽那汐里、森田彩華、草刈麻有他/1時間53分/クロックワークス、ゴー・シネマ配給/5月14日よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて公開 http://rashinban-movie.com/


G.W.映画必見ラインアップ

2011.04.25 Vol.507

今年のゴールデンウイークに旅行の計画を立てられなかった…という人は、スクリーンの向こう側へ“トリップ”を。頑張るパワーを得るためにも、いろいろな映画で気分をリフレッシュ!

 震災の影響などで計画を立てにくいこともあり、今年の連休は特に予定なし、という人も多いかもしれない。それなら映画で、家族や友人と映ステキな時間を共有してみては。

 通常、新作映画は土曜日から公開することが多いが、今年は連休初日が金曜日とあって29日から公開スタートする注目作も多い。また、終盤となる7日が土曜日にあたるため、連休初日から最終日まで、たっぷりと新作映画を楽しむことができる。『岳 -ガク-』で山岳旅行気分を味わうもよし『八日目の蝉』や『キッズ・オールライト』など家族の絆を再確認できる作品に触れるもよし。『これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫』など、肩の力を抜いてくれる作品もおススメだ。もちろん、二宮和也と松山ケンイチ共演の『GANTZ PERFECT ANSWER』や、ジャック・ブラック主演の『ガリバー旅行記』、ザック・スナイダー監督の大作ガールズアクション『エンジェル ウォーズ』など、G.W.前から公開されている作品もお見逃しなく。

『岳 -ガク-』

石塚真一による大ヒットコミックの映画化。厳しい雪山の山岳トレーニングを経た主演・小栗旬が実際に登頂して行った名峰でのロケ撮影に注目。八方尾根、奥穂高岳、立山連峰など、標高3000メートル級の山々の美しさを背景に、感動の人間賛歌が描かれる。

監督:片山修 出演:小栗旬、長澤まさみ他/2時間5分/東宝配給/5月7日より全国東宝系にて公開 http://gaku-movie.jp/


『ジャッカス3D』

体を張った過激なパフォーマンスでおなじみのおバカ集団・ジャッカス。劇場版最新作は3D。おバカ度も過激度もさらにアップしてスクリーンから飛び出す!アメリカでは興行収入1億ドルを突破(約83億円)。彼らの“バカ”人気は不滅!

監督:ジェフ・トレメイン 出演:ジョニー・ノックスビル、スパイク・ジョーンズ他/1時間34分/パラマウント ピクチャーズ ジャパン配給/5月7日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて3D公開 http://www.jackass-3d.jp/


『これでいいのだ!! 映画★赤塚不二夫』

新人編集者・武田初美は、人気絶頂の漫画家・赤塚不二夫の担当となる。ところが遊びとギャグに命をかける赤塚に振り回されて…。ギャグ漫画の帝王・赤塚不二夫と、その担当編集者・武居俊樹の交流を綴ったフィクション「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」が映画化! 主題歌でユニコーンが参加。

監督:佐藤英明 出演:浅野忠信、堀北真希他/1時間51分/東映配給/4月30日より丸の内TOEI他にて公開 http://www.iinoda.jp


『八日目の蝉』

野々宮希和子は愛人とその妻との間に生まれた赤ん坊・恵理菜を連れ去り、自分の子供として育てる。4年後、恵理菜は実の両親の元にもどるが…。直木賞作家・角田光代の原作を『孤高のメス』の成島出監督が映画化! 主人公・恵理菜役に『花より男子ファイナル』の井上真央。その“母”希和子役に『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の永作博美。

監督:成島出 出演:井上真央、永作博美他/2時間27分/松竹配給/4月29日(祝・金)より丸の内ピカデリー他にて公開 http://www.youkame.com


『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』

いま、アメリカで最もホットなティーンアイドル、ジャスティン・ビーバーを追った注目のドキュメンタリー。2010年に行われたコンサートのパフォーマンスを通して、彼の16年をたどりながらジャスティンの等身大の素顔に迫る。全米では公開するやマイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』を超える大ヒットを記録した。

監督:ジョン・チュウ 出演:ジャスティン・ビーバー他/1時間45分/パラマウント ピクチャーズ ジャパン配給/5月7日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズ他にて3D公開 http://www.justinbieber-movie.jp


G.W.は映画館でリフレッシュ&エネルギー注入!

『星を追う子ども』

少女・アスナは地下世界アガルタから来たという少年・シュンと出会い心を通わせるが、シュンは突然姿を消した。アスナはシュンを追ってアガルタへ…。

監督:新海誠 声の出演:金元寿子、入野自由他/1時間3分/メディアファクトリー、コミックス・ウェーブ・フィルム配給/5月7日よりシネマサンシャイン池袋他にて公開 http://www.hoshi-o-kodomo.jp


『鬼神伝』

京都に住む15歳の少年・天童純は7年前に父を亡くし母と2人暮らし。ある日、学校帰りに謎の魔物に追いかけられ、逃げる途中で平安時代へとタイムスリップしてしまう。

監督:川崎博嗣 声の出演:小野賢章、石原さとみ他/1時間38分/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給/4月29日(金・祝)より新宿ピカデリー他にて公開 http://onigamiden.jp


『キッズ・オールライト』

18歳の姉・ジュニと15歳の弟・レイザーはニックとジュールスという2人のママと暮らしている。子供たちは生物学上の父・ポールに関心を寄せるが…。

監督:リサ・チョロデンコ 出演:アネット・ベニング、ジュリアン・ムーア他/1時間46分/ショウゲート配給/4月29日(金・祝)より渋谷シネクイント他にて公開 http://allright-movie.com


『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』

バンド青年・スコットは高校生の彼女がいるのにミステリアスな女の子・ラモーナに一目ぼれ。ところが彼女と付き合うには元カレたちを倒さなくてはならず…。

監督:エドガー・ライト 出演:マイケル・セラ他/1時間52分/東宝東和配給/4月29日(金・祝)よりシネマライズ他にて公開 http://www.scottpilgrimthemovie.jp


『阪急電車 片道15分の奇跡』

自分を捨てた婚約者の結婚式に純白のドレスで出席した翔子。彼氏のDVに悩む女子大生のミサ。曲がったことが嫌いな老婦人・時江。いくつもの人生が小さなローカル線で結びつく。

監督:三宅喜重 出演:中谷美紀、戸田恵梨香他/1時間59分/東宝配給/4月29日(金・祝)全国東宝系にて公開 http://hankyudensha-movie.com/


『豆富小僧』

江戸時代。まだ人間と妖怪が共に暮らしていたころ。人間を怖がらせることができない豆富小僧は、母を追って現代の日本にたどり着き、冒険の中で成長していく。

総監督:杉井ギサブロー 声の出演:深田恭子他/1時間26分/ワーナー・ブラザース映画配給/4月29日(金・祝)より丸の内ピカデリー他にて公開 http://wwws.warnerbros.co.jp/tofukozo/


『ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男』

1971年。売れない作家・アーヴィングはネタに困り有名な大富豪ハワード・ヒューズのニセ自伝を書くことを思いつく。アーヴィングはウソにウソを重ね出版にこぎつけるが…。

監督:ラッセ・ハルストレム 出演:リチャード・ギア他/1時間56分/ファインフィルムズ配給/4月30日よりシアターN渋谷他にて公開 http://www.finefilms.co.jp/hoax/


『マーラー 君に捧げるアダージョ』

作曲家・マーラーは新進の建築家・グロピウスが妻・アルマに宛てた熱烈なラブレターを読み衝撃を受ける。マーラーは精神科医・フロイトに人生を語る…。

監督:パーシー・アドロン、フェリックス・アドロン 出演:ヨハネス・ジルバーシュナイダー他/1時間42分/セテラ・インターナショナル配給/4月30日より渋谷ユーロスペース他にて公開 http://www.cetera.co.jp/mahler


『ミスター・ノーバディ』

2092年。科学の力で細胞が永久再生される不死の世界。永久再生を施さず唯一死ぬことができるニモは死の間際に、記者のインタビューで自分の過去を振り返る。

監督:ジャコ・バン・ドルマル 出演:ジャレッド・レト他/2時間17分/アステア配給/4月30日よりヒューマントラストシネマ渋谷他にて公開 http://www.astaire.co.jp/mr.nobody/


懐かしの香港映画が大集合!

新作公開が目白押しのG.W.だが、特集上映にも注目を。シネマート六本木では“香港ノワール”の金字塔『男たちの挽歌』(写真)を始め、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』各シリーズなど、香港映画の名作の数々をを一挙上映。チョウ・ユンファやジェット・リー、トニー・レオンら黄金期を築いた男優たちの活躍をスクリーンでもう一度、ご堪能あれ。

「香港電影天堂SPECIAL」 シネマート六本木 4月29日(金・祝)~6月3日(金)


“クール・ジャパン”にハリウッドがリスペクト!

2011.04.25 Vol.507

話題のハリウッド大作、ヒロインは“セーラー服と日本刀”!?

海外で“クール・ジャパン” と評価されている日本のコンテンツ。そんな“クール・ジャパン” の洗礼を受けた『300』の鬼才、ザック・スナイダー監督の最新作『エンジェル ウォーズ』。日本のゲームやアニメからの影響も感じる本作を、サブカルチャーをけん引するこの4 人も絶賛! 特別イベント〈COOL JAPAN!! 〜世界を変えるクロストーク〜〉での熱いトークをリポート!

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トークイベントの模様や、インタビューは下記のWEB サイトをチェック。
【エンジェルウォーズ特別試写会トークセッション】http://www.ustream.tv/recorded/13946628/highlight/164890
【桂正和】http://mantan-web.jp/pp/aw_110413/
【須田剛一】http://journal.mycom.co.jp/ad/2011/entertainment/suckerpunch/
【武田梨奈】http://news.livedoor.com/article/detail/5501862/
【喜屋武ちあき】http://movie.nifty.com/sp/angelwars/


『エンジェル ウォーズ』と“クール・ジャパン” の関係は?

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スナイダー監督もビデオメッセージで登場。日本での震災について「日本はこれまでにも世界に手本を示してきた。驚くほどの速さで復興できるはず」とコメントを寄せてくれた。

 本作は、自由を奪われた5 人の少女が、脱出に必要なアイテムを手に入れるためにさまざまな敵と戦う姿を描いた物語。『killer7』など世界的ヒット作を生み出しているゲームデザイナー・須田剛一は「目的のためにアイテムを揃えていく、というのもゲームの世界を思わせるし、ベイビードールが日本刀で武者姿の敵と戦う場面なんて、ゲームの『鬼武者』かと思いました。ドラゴンと戦う場面は『モンスターハンター』を思わせるし」と大興奮。「日本に感銘を受けたというよりこの作品を見て、僕らが感銘を受けると思う」と答えたのは、『ウイングマン』など世界中にファンを持つ漫画家・桂正和。「日本風のバトルシーン、武器の重みとか、ヒロインが飛ばされた衝撃とか、あそこまでリアルに感じられるのは、マンガじゃ無理。もうちょっとこっちもガンバらないと飽きられてしまう」。“セーラー服のヒロイン” に萌えたと興奮するのが自称“グラビアアイドルの威を借るオタク”喜屋武ちあき。「私は妄想の世界に入って戦う主人公・ベイビードールに共感しました。私もツライ現実から逃れるために妄想して日々を生きていたので、この設定はすごく萌えました」。超人的なアクションに反応したのは、本格アクション映画で活躍する空手2段の女優・武田梨奈。「アクションに感激しました。主人公のベイビードールが目をつぶると空想世界に入り込んでバトルになるじゃないですか。アクションが始まると息をするのも忘れるくらい世界に入ってしまいましたね」。

 クール・ジャパンの申し子たる4人も“この映画はスゴすぎる!”と大興奮。なにしろ本作のクール・ジャパンへの傾倒ぶりはハンパではない。

“クール・ジャパン”もザック・スナイダーをリスペクト!?

「現実と空想の世界をつなげるための、あのアイデアは天才的。もちろん、映像やアクションもすごい」と桂が言えば、須田も「『トロン』とか異世界に移行して戦う作品が最近多いけど、桂先生が20年以上も前に『ウイングマン』で描いてますよ。ゲームや漫画が大好きな、まさにザック・スナイダー監督の作品ですね」とコメント。「ベイビードールからして、まさに女子高生というブランドが使われていますからね。それに、ミニスカートのセーラー服ですよ! しかもあのスカート丈は完璧に日本の女子高生の“絶対領域”そのままです」と語った喜屋武は「“萌え”と“燃え”が両方とも入っている映画」と本作の魅力を語った。スナイダー監督、これは相当に日本のアニメやゲームを意識している…と4人の意見が一致したところで、監督からのビデオメッセージが。「僕は『AKIRA』や『攻殻機動隊』など日本のカルチャーの大ファンなんです! 桂先生の作品も大好きです」。そんな監督の熱意に喜屋武は「国や言葉が違ってもオタクはハートでつながることができるんです」。本作は、ハリウッド超大作でありながら本場・日本のアニメやゲームファンに向けたラブレターなのかも。しかも、本作の吹き替えは大人気声優ユニットの「スフィア」。ハリウッドの“萌え”と“燃え”ぶりを受けとめて!

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4人が“萌え&燃え”たシーン・その〈1〉
 日本の人気ゲーム『鬼武者』かと思った、と須田剛一が語ったのが、このシーン。主人公・ベイビードールの最初のバトルステージは、15世紀の日本がモデル。日本刀と銃を手にしたベイビードールが、戦国武将のような鎧姿の巨大な敵に立ち向かう。過酷な訓練を経たヒロインのアクションシーンのカッコよさは必見!

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4人が“萌え&燃え”たシーン・その〈2〉
 何といっても本作の中心は、セクシーでキュートなヒロインたち。アクション女優の武田は「本作のように、ドラゴンと戦ったりする空想の世界でのアクションにあこがれます。それにヒロインたちのセクシーさも身につけたい(笑)」。ミニスカセーラー服で超人アクションを披露するベイビードールは、まさに日本のアニメから出てきたかのよう。


そこは、命がけのミッションが待つ空想世界。
自由をかけた、5人の少女たちの戦いがいま始まる!

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『300〈スリーハンドレッド〉』『ウォッチメン』など究極の映像世界を生み出してきたザック・スナイダー監督最新作! 何が起こるか分からない空想の世界を舞台に、数々の敵と戦い抜く5人の少女たちを描くバトルアクション。かつてない世界観と映像美が、見る者を未知のトリップへといざなう、GW必見の話題作!

STORY:愛する者と自由を奪われた少女・ベイビードールは施設でスイートピー、ロケット、ブロンディ、アンバーという4人の少女たちと出会い、自由を手にするため戦いに挑んでいく。
監督:ザック・スナイダー 出演:エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ他/1時間50分/ワーナー・ブラザース映画配給/丸の内ピカデリー他にて公開中 www.ANGELWARS.JP ©2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES

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ベイビードール
愛する者と自由を奪われた少女。再び自由を手にするため、4人の仲間とともに、空想の世界でのし烈な戦いに挑む。演じているエミリー・ブラウニングはオーストラリア出身の旬な若手女優。

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スイートピー(アビー・コーニッシュ)
リーダー格。新たにやってきたベイビードールに反感を抱く。

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ブロンディ(ヴァネッサ・ハジェンズ)
あだ名とはうらはらの黒い髪がチャームポイント。気弱な一面がある。

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ロケット(ジェナ・マローン)
スイートピーの妹。気さくな性格で、すぐにベイビードールと親しくなる。

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アンバー(ジェイミー・チャン)
仲間思いの少女。脱出計画でも献身的にサポートする。

『エンジェル ウォーズ』“ココがクール”

★ヒロインはツインテール、セーラー服、日本刀
ブリトニー・スピアーズもPV の中で日本の女子高生ルックを披露して話題になったが、本作のヒロインは“萌え”ど真ん中。ミニスカセーラー服と、ニーハイ黒ソックスのヒロインなんて“クール・ジャパン”以外に存在しません!

★これっていわゆる日本の“カワイイ”文化?
過酷なバトルの中でも少女たちは“カワイイ”を忘れない。ベイビードールの銃には女子高生のようなストラップ。アンバーが愛用する有人型戦闘ロボットには、ポップなウサギのイラスト。戦いの中にあっても、だって女の子だもん!


妻夫木&松ケン「魂込めて作った」最新作

2011.04.18 Vol.506
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 妻夫木聡と松山ケンイチが初共演した映画『マイ・バック・ページ』(山下敦弘監督、5月28日公開)の完成披露試写会が13日、千代田区の日経ホールで行われた。上演前、妻夫木は「60年代に生きていなかった僕らですが、魂を込めて作った」と熱くコメント。松山も「今(の時代)に必要な作品」とアピールした。

 妻夫木と松山はこの作品で初共演。妻夫木は「事務所も同じで、初めて会ったのは9年前ぐらい。その時は体育館の隅で体育座りしているような感じで大丈夫かなと思っていた」としたうえで、初共演について、「(青春ものでも)学生がワーイ!といった作品ではなくて、ちゃんと向き合う作品で良かった。刺激を受けます」と、松山をベタ褒め。松山は「今でも体育座りしてますけど…」とユーモアで返しつつ「普通を演じるのは難しいんです……。妻夫木さんは普通を演じさせたら並ぶ人はいない」。あふれ出てきた言葉をつなげて一気に話す松山に、妻夫木が「話がざっくりしすぎなんだよ!」と突っ込むシーンもあった。

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エンディングテーマとして、米歌手ボブ・ディランの「My Back Pages」をカバーした真心ブラザーズと奥田民生

 妻夫木はジャーナリスト、松山は活動家という役どころ。取材する側とされる側でありながら、次第に築かれていく奇妙な関係、緊張感あふれる2人の駆け引きに引き込まれる。専門用語を巧みに繰り出す、“説得力のある”松山演じる梅山のスピーチも見どころのひとつ。松山は「彼がどういう意図で行動しているのか分からない。言葉で絡めとって、みんなを巻き込んでいくような……見てくれれば分かると思います(笑)」と、煙に巻いた。

 映画は、川本三郎による同名のノンフィクション作品を原作とし、1960年代の終わりから1970年代初めの激動の時代に生きた若者たちの姿を描く。


ハリウッドは“クール・ジャパン”に夢中!

2011.04.18 Vol.506
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『300』の鬼才、ザック・スナイダー監督の最新作『エンジェル ウォーズ』の公開を記念して12日、〈COOL JAPAN!!〜世界を変えるクロストーク〜〉と題したイベントが行われ、漫画家・桂正和、アクション女優・武田梨奈、アニメ好きのグラビアアイドル・喜屋武ちあき、ゲームクリエイター・須田剛一が登壇した。本作は、自由を求める5人の美少女たちの戦いを描く空想バトルアクション大作。日本のアニメや漫画が大好き、というスナイダー監督作品だけに、主人公はミニスカセーラー服で日本刀と銃を持って戦うという設定。ポップカルチャーをけん引する登壇者たちも、ハリウッド超大作の中の“クール ジャパン”に大興奮の様子。妄想の世界で戦うヒロインに共感したという喜屋武は「“萌え”と“燃え”がある映画ですね!」。映画は丸の内ピカデリー他にて公開中。


『GANTZ PERFECT ANSWER』

2011.04.18 Vol.506

映画オリジナルの衝撃ラストを見逃すな!

 既刊30巻で累計1550万部を突破した超人気コミックを、二宮和也と松山ケンイチという超豪華キャストを主演に迎えて描く話題作、待望の完結編がいよいよ公開。

 死んだ人間が正体不明の黒い球体“GANTZ”によって集められ、謎の“星人”たちと戦うという独創的な設定。完結編となる本作では、主人公・玄野と加藤の残酷な対決を主軸に、さらなるドラマが待ち受ける。玄野役の二宮、加藤役の松山が、演技とアクションで見せるガチンコ対決は、さすがの迫力だ。他、ミッションのターゲットとなってしまう多恵役の吉高由里子や、玄野たちを探る謎の男・重田役の山田孝之も本格参戦。実際にりんかい線を使ったロケと巨大なオープンセットとで、GANTZの世界観が見事に再現されているのもファンにはうれしい。最後に待つ、映画オリジナルのエンディングも期待大だ。

STORY:黒い謎の球体“ガンツ”に召還され星人との戦いを強いられた玄野と加藤。戦って生き抜くことを選んだ加藤に対し、戦いを否定する加藤。対立する2人が、この不条理な世界に下した究極の選択とは…。

監督:佐藤信介 出演:二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子他/2時間21分/東宝配給/4月23日より全国東宝系にて公開 PG12 http://gantz-movie.com/perfect-answer/


『エンジェル ウォーズ』

2011.04.11 Vol.505

『300』の鬼才監督が描くガールズアクション!

『300〈スリーハンドレッド〉』『ウォッチメン』など究極の映像世界を生み出してきたザック・スナイダー監督最新作! 何が起こるか分からない空想の世界を舞台に、数々の敵と戦い抜く5人の少女たちを描くバトルアクション。

 これまで人気のグラフィックノベルを映像化してきた監督だが、今回はオリジナル原案を自ら映画化。“逃避”をテーマに、究極の空想世界を作り上げる。5人のヒロインを演じるのは、エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ、ヴァネッサ・ハジェンズら、ハリウッドの次世代スターたち。セクシーかつダイナミックな衣装をまとった彼女たちが、披露する激しいバトルアクションも、大きな見どころ。現実と空想とが入り乱れる世界観を、圧倒的な映像美で堪能できるのも、スナイダー作品ならではの楽しみだ。

 ダークなファンタジーゲームに飛び込んだかのような、空想体験を味わえる一本。

STORY:監禁生活を送る〈ベイビードール〉は、つらい現実から逃れるため空想にふける日々を送っていた。あるとき彼女は〈スイートピー〉〈ロケット〉〈ブロンディ〉〈アンバー〉という4人の仲間とともに脱走を図る。

監督:ザック・スナイダー 出演:エミリー・ブラウニング、アビー・コーニッシュ他/1時間50分/ワーナー・ブラザース映画配給/4月15日(金)より丸の内ピカデリー他にて公開 www.ANGELWARS.JP


“悪魔払い”は実在した。では“悪魔”は…?『ザ・ライト エクソシストの真実』

2011.04.04 Vol.504

 現実に存在する、悪魔払いのプロフェッショナル・エクソシストの秘密が、今明かされる―!? ごく普通の神学生がエクソシストになるまでを追い、彼が目の当たりにする“禁断の真実”を描くミステリアスな話題作。

 知られざる神秘の世界にいざなうのは『羊たちの沈黙』『ハンバニル』などで、見る者を戦慄させてきた名優アンソニー・ホプキンス。本作では、主人公の青年を導く一流のエクソシストに扮し、またしても観客をおののかせてくれる。 その弟子となる青年・マイケル役に、本作で長編映画デビューを果たしたイケメン舞台俳優コリン・オドノヒュー。他、キアラン・ハインズ、ルドガー・ハウアーら熟練俳優も顔を揃える。

 バチカン公認の正式な職業として、21世紀の今も実在するエクソシスト。実際に「悪魔はいる」と語る司教もいるという。その事実があるだけに、映画で描かれるエピソードがリアルに迫る。

AKB48・梅田彩佳「来年はイメージガールに返り咲きます!」

2011.04.04 Vol.504

 東京タワーで3月29日、インター FMの公開生放送が行われ、東京タワーイメージガール・AKB48の梅田彩佳が最後のDJ姿を披露。2009年から2年連続イメージガールを務めた梅田の東京タワーでの最後の仕事に、多くのファンがつめかけ、感極まった梅田が番組の最後に涙を流す場面も。番組終了後、「2年間は、自分にとってすごく大きなものでしたが、あっという間の時間でした。誕生日にファンやスタッフがサプライズでお祝いしてくれたり、多くの人の優しさに触れられた日々でした。次はAKB48の小林香菜がイメージガールになりますが、来年は私が返り咲きます(笑)」と復帰宣言も飛び出した。DiVAというユニットでデビューも決まった梅田の今後の活躍に期待したい。

 

『SOMEWHERE』主演 スティーヴン・ドーフ

2011.03.28 Vol.503

ソフィア・コッポラ監督最新作は“アラフォー男”目線!

『マリー・アントワネット』ではガーリーなナイーヴさで世界を魅了したソフィア・コッポラが、今度はアラフォー男の切なさで魅せる! 主役は映画ファンが愛する仕事人スティーヴン・ドーフ。

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エルのお土産はキディランドで買おうか、それとももっと大人めの物のほうがいいかな…とつぶやくスティーヴン。やはりまだ“ジョニーが入ってる”もよう
(撮影・神谷渚)

「昨日の夜は東京でちょっと飲み過ぎちゃって。ソフィアに会ったら、今日はちょっとジョニー入ってます、って言わなきゃ(笑)」と笑うスティーヴン。ジョニーとは、本作で彼が演じた主人公の名。フェラーリを乗り回し、夜は気ままに飲み歩く。自堕落な日々を過ごす俳優だ。

「この作品は、自分のキャリアの中でも最も重要な作品になったと思ってるんだ。パーフェクトなタイミングでやってきたパーフェクトな役、というところかな。もっと若いころに、この役を今同様に演じられたかというと、決してそうではないと思うから」

 ある日ジョニーの前に、別居中の妻と暮らす11歳の娘・クレオが現れる。不器用な父と大人びた娘の数日間。特に衝撃的なドラマが展開するわけでもないのだが、スクリーンを見つめているだけでなぜか切なくなるような、ナイーヴさがにじむ。ジョニー同様、スティーヴンの元にも多くの脚本が送られてくるが、もしソフィアの作品と知らなかったら…?

「それでもたぶん選んだと思うよ。ソフィアが書く脚本は短いことで有名で、今回もすごく薄かったから、きっと“誰だ、こんな薄い台本を送ってきたのは”と、興味を抱いたんじゃないかな(笑)。それに彼女の脚本はとても詩的で、強いものを持っているからね。ただ、例え彼女が監督しなかったとしても僕は、大人びた娘がいる未熟な父親というマルコ役にひかれただろうね。前半は娘と父の立場が逆転しているけれど、しだいに変化が表れて、彼は大人の男に、本当の父親になっていく。僕自身、昔つき合ってた女の子との間に11歳の娘がいたっておかしくないわけで(笑)。共通点を意識したり、あくまで役を演じるというスタンスに戻ったりと、面白い体験だったよ」

 監督はマルコ役にスティーヴンを想定してシナリオを書いたとか。

「これまでにも“アテ書き”してもらったことは、何度かあった。ジョン・ウォーターズ監督の『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』とかね。ジョンはタイプライターに僕の写真入りの記事を挟んで脚本を書いたとか(笑)。今回演じたジョニーと僕は同じ俳優だけど、けっこう違うところが多いんだ。ホテル住まいは僕もやったことがあるけど(笑)。でも演じるという意味では、これまでで一番大変な役だった。『ブレイド』の悪いヴァンパイアのような役のほうが、メイクの助けもあって演じやすい。でも今回はそういった小道具は何もない、ネイキッドな自分だった。素に近いから大変だったというのはあると思う。でもだからこそ、こうやって演じることができて誇らしく思ってる。エンターテインメント作品のキャラクターを演じるのも楽しいけれど個人的には人間を表現する役や物語のほうが好きなんだ」

 娘・クレオ役には12歳の若き天才女優エル・ファニング。

「この作品はやはり、クレオのキャスティングが重要だった。僕をジョニーにしてくれたのはエルだったと言っていい。ソフィアが彼女を選んでくれて本当に感謝してるよ。11歳の女の子を学校に迎えに行くという体験もできたしね。タバコのにおいに気をつけたり、汚い言葉を口にしないようにしたり、運転中も毒づかないようにしたり(笑)」

 父親を“経験”した彼の今後の仕事も楽しみだ。

(本紙・秋吉布由子)

『SOMEWHERE』

監督:ソフィア・コッポラ 出演:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング他/1時間 38分/東北新社配給/4月2日より新宿ピカデリー他にて公開 http://www.somewhere-movie.jp
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