英バンドのオアシスのギタリストとして活躍したノエル・ギャラガーが、自身のソロプロジェクトであるノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズで初来日を果たした。昨年10月にリリースしたセルフタイトルのアルバムを携えての日本上陸で、16日、17日に東京ドームシティホールでライブを展開した。
オアシスとしてスタジアムクラスの会場や野外フェスティバルなどを展開してきたノエルにとってはコンパクトな会場。それだけは、チケットは争奪戦となり、まさにプレミアムライブになった。
初日となった16日。開演時間が迫るほどに会場はノエルのライブを待ちわびていたファンで埋め尽くされた。照明が落ち、会場が闇に包まれると同時に、ステージにノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズのロゴが浮かびあった。歓声がわんわんと響きわたるなか、メンバーが次々に登場。ノエルが最後に姿を現すとオーディエンスの歓声で鼓膜がビリビリした。
ノエルは「ハロー!」と軽く挨拶をすると、オアシスの楽曲『(It’s Good) To Be Free』でセットをキックオフ。何にも縛られず自由であることの素晴らしさを歌い上げるこの曲を、ノエルはステージのど真ん中に陣取り、熱い視線を一身に集めてロック。さらに『Mucky Fingers』と、立て続けにオアシスナンバーで攻める。男性女性の「アイ・ラブ・ユー」の声援が会場のあちこちから飛んだ。
その状況を合図に、いよいよソロプロジェクトの楽曲。『Everybody’s On The Run』『Dream On』『If I Had A Gun』と、次々にプレー。パワフルな演奏はオアシスナンバーで準備が整っていた会場に火をつけたようで、あちこちから歌声が聞こえだすと、それが会場中に広がり、徐々にシングアロング状態へ。ヒートアップする会場に充てられたのか、ノエルは「次は新曲だよ」と紹介ながら演奏したのは別の曲というおちゃめなミスを犯すも、後に照れ笑いで「さて、次は新曲だよ」と仕切りなおし『Freaky Teeth』を披露。迫力のあるロックサウンドに会場はただ圧倒された。
オアシスの名曲『Wonderwall』『Supersonic』の2曲をアコースティックでプレーしてクールダウンを狙うも、会場は熱狂の渦。その勢いのまま、ライブは後半戦へ突入した。『(I Wanna Live In A Dream In My)Record Machine』『AKA.. What A Life!』と転がるように演奏。途中、客席の女性とステージの上と下でのトークセッションになり、会話の流れで「結婚と結婚してほしいの?」と問いかけることに。女性のイエスのアンサーに、ノエルは苦笑いし、「こんな大勢の人の前で?」とおどけるシーンもあった。
アンコールでは、「日本のファンだけに特別な曲をプレーするよ」と、CMソングとしておなじみの『Whatever』を披露。さらにオアシスチューンを続け、『Don’t Look Back In Anger』で幕を下ろした。
アルバム1枚をリリースした段階での来日公演とあって、オアシスの楽曲が多く演奏されたが、報道によれば、セカンドアルバムもほぼ完成段階にあるそう。5月には再来日し、日本武道館をはじめとする東名阪を回る予定。その際には、ソロプロジェクトの新曲ももっと聴けそうだ。