映画『お嬢さん』のジャパンプレミアが8日、都内にて行われ、来日したパク・チャヌク監督と、ゲストの真木よう子が登壇した。
本作は、「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得したサラ・ウォーターズの「荊の城」を原作にした『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督の最新作。舞台を日本統治下の朝鮮半島に移し、美しい令嬢を取り巻く駆け引きを描く。韓国では、官能描写の激しさから成人映画(R19指定)に指定されるも、成人映画のオープニング記録を樹立。海外映画祭でも注目を集めている。
冒頭、監督は「本作は1930年代の時代背景をもとに、西洋と日本と韓国の融合を覗き見ることができます。私が自分なりに考え、自分なりに解釈した日本文化を、この作品の中で表現しました。韓国の俳優たちが日本語を死ぬ気で覚えて練習して長セリフにも挑戦しました。日本人の皆さんから見たら中途半端に見えるかもしれませんが、韓国の俳優たちが懸命に努力した姿を温かい気持ちで見守ってください」と挨拶。
本作は物語のキーパーソンとなる令嬢と侍女を演じた役者たちの体当たりの演技も見どころとなっていることから、日本を代表する女優として真木よう子がゲストとして登場。真木は「先ほど監督は韓国の俳優さんの日本語セリフの出来を気にされていましたが、むしろ作品のスゴさが圧倒的に勝っていた。言葉なんて関係ない!」と大絶賛。さらに官能描写について「日本の官能作品は女性が引いてしまうくらいに官能的な部分を掘り下げることが多いのに対し、パク監督の作品は女性でも抵抗なく見れ、驚きと衝撃の連続。圧巻でした」と称えた。各国でプロモーションを行ってきた監督も、そんな真木の言葉に「今日のこの言葉が一番うれしい!」と相好を崩した。またキャスティングの話題になると監督は、役に合うことが前提だが自分の好みは出ると明かし「私は、ただ従順で大人しい人はあまり好みではなく、賢明で自分の主張や考えをしっかり持っていて、それを躊躇せずに表現できる女性がセクシーだと思っています。なので(真木さんは)自分の好みに合った女性です」と話すと、真木も「じゃあもうピッタリですね」とニッコリ。さらに「主演の(令嬢)役はやってみたい。役者としてやりがいのある役だと思いました」と熱く語った。そんな真木の出演作『そして父になる』を見たという監督は「深みのある美しさと生活感のある姿の両方を見事にみせてくれた。ふつう相反するものの両立は難しいが、それをやってのけた素晴らしい女優」と絶賛。カンヌ常連監督からの賛辞に真木も「カムサハムニダ(感謝します)」と照れていた。
最後に監督は「本作が日本で上映されることは自分にとって大きなこと。女性の観客の皆さんには自分の快楽を心から楽しんでもらい、男性の皆さんには女性に対してもっと優しくしなきゃ、尽くさなきゃと思ってもらえれば(笑)」とアピールした。
映画『お嬢さん』は3月3日よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開。
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