初代Krush -58kg級の王者で、3日に行われた新生K-1の『K-1 WORLD GP 2014〜−65kg初代王座決定トーナメント〜』のスーパーファイトで、Krush −55kg級王者・大雅と対戦、KO勝利を飾った武尊。K-1にはかなりの思い入れがあったと言う。
「自分の原点ですね、K-1は。アンディ・フグがとにかく格好良かった。だから自分も小学校2年生の時に、K-1に出るために空手の道場に通い始めました。アンディ・フグが道着を着ていたから、空手を習えば出れるんだって思って(笑)」
その後、紆余曲折しながらもプロの道へ
「空手はパンチがないけど、K-1はあったので、ボクシングもやればちょうどいい感じになるかなと思って、ボクシング部のある高校に入学しました。でも3カ月で退学になっちゃって…。理由?まあ、いろいろですけど、やんちゃだったのかな(笑)。で、学校もない、ボクシングもできないっていう日々になってしまったけど、格闘技だけは続けたいっていう気持ちはずっと持っていました。だからボクシングジムに入って、そこで毎日練習するようになり、そのおかげで道をふみはずさなくてすんだ。そういう意味では格闘技に感謝をしています。そんな時にK-1甲子園という高校生の大会が始まって、それに出たいと思ったので、通信制の高校に入り直しました。高校に在学しているというのが、出場資格だったので。それまでアマチュアでもほとんど負けていなかったので、いけるんじゃなかと思っていたんですけど、負けちゃったんです。その負けが悔しくて、もっと強くなりたいと思い上京しました」
上京しチームドラゴンに入門。
「ジムの若手はみんな仲いいですよ。入った時はみんな先輩だったので、めっちゃいじられていた(笑)。でも卜部兄弟にはすごくお世話になりました。2人に育ててもらったって言ってもいいぐらい(笑)。お金がなくてご飯が食べられない時は、お腹いっぱい食べさせてくれたり。厳しいこともいろいろ言ってくれたので、今すごく意識を高く持って格闘技に向き合えている。2人がいなかったら、地元に帰ってたかも知れないです。ほんと感謝していますね」
女性ファンから“かわいい”と言われる見た目とは裏腹に、試合中打たれても笑って突っ込んでいく不敵な一面も。
「相手をイラつかせているかも知れませんが、そういうつもりはなくて、ただ試合がすごく楽しいんです。強い相手だと特にテンションが上がっちゃって、ハイな状態になる。その状態になると攻撃が痛くなくなって、自然に笑いがこみ上げてくる。ファイターズハイですね(笑)」