日本サッカー協会が14日、都内のJFAハウスで会見を開き、7月27日からアメリカで行われる「2017 Tournament of Nations」に出場するなでしこジャパン(日本女子代表)のメンバーを発表した。
今回はGKの齊藤彩佳、DFの坂本理保、MFの櫨まどか、FWの泊志穂の4人が初招集された。また国際Aマッチデーではないことからキャプテンの熊谷紗希は招集できなかった。
会見には高倉麻子監督が出席。今回の遠征については「ブラジル、オーストラリア、アメリカというFIFAランクの上位にいるチームとの対戦になる。来年4月にワールドカップ(W杯)予選もあるので、選手を試すということもあるが、今回はチームとして勝ちに行くというところにこだわってやっていかないといけないと思っている。この間のオランダ戦とベルギー戦では新しいフォーメーションを試したりもしたが、チームの幅を広げるということとチームの力を上げていくという2つのことをやりながらゲームを進めていきたい。今年はチームの力をつけていくという中で、間を置かずにゲームを組んでもらっているので、とにかく全員で成長していけるように全力でぶつかっていきたい」と話した。
また初招集の4人については「就任した当初から頭の中にはいた選手。最近コンディションが上がってきたということもあるし、少し活性化を図りたいというところもあった。齊藤は仙台で第2GKとして長く下積みをしていたが、このところ力をつけている。サイズも含めても十分やれると感じていた。GKの活性化を図りたいということも考えている。坂本はクラブでもDFの真ん中でリーダーシップを発揮しているし、読みもいい。年代別の代表に選ばれたこともある。センターバックが手薄なところもあるのでどれくらいやれるかも見てみたいということで思い切って呼んでみた。櫨は前から気になっていた。テクニックあるし、チームでは少し前めでプレーすることも多いが、落ち着いてテクニックを発揮しながら、体の強さを生かしつつ変化をつけられるかなというところもある。技術的なレベルでは十分やっていけるということも感じている。また少し違うタイプの中盤の選手が欲しいな、ということで呼んだ。泊は運動量が多くて、攻守にわたってチームに活力を与えることができる選手。動き回るということだけではなく、ボールの受け方、ボールを持った時の判断力は非常に高いものがある。また新しい風を吹かせてくれるのではないかと思っている」などと話した。
高倉監督就任から約1年が経つ。選手を選考しつつ、という側面もあるものの、これまで4勝4敗1分けという成績に終わっている。監督は「一番最初にアメリカ遠征のメンバーを選んだ時に私は“1年後にこの選手たちが半分いるかどうかは分からない”ということを話したが、今回選手の名前を見てみると本当に半分以上変わっている。これは意図的にというよりは選ばれた選手が信頼を勝ち得る、代表として恥ずかしくないパフォーマンスをし続けることが、代表として生き残る道だということを強く感じます。実際、今この状態でW杯、オリンピックというところにいったときに、正直なところまだ勝てるチームではないとは思っている。たくさんの課題がありますし、私の頭の中でまだ埋まっていなしピースがいくつもあります。選手をどこにはめていくかということと、チームとしてどうやって戦っていくかということも含めて、そのピースを埋めていく作業を試合を重ねながらやっていかなければいけない。ネガティブなことは言いたくないが、まだまだこのままでは世界のトップには向かっていけないなということは、厳しいようですが実感としてはあります」と危機感を口にした。
なでしこジャパンは7月27日にブラジル、30日にオーストラリア、8月3日にアメリカと対戦する。