この日、会社からの撮影指示は、「監督多め」
アフロスポーツの撮るべきは、報道写真と作品性のあるスポーツ写真。前者を狙う時間が大半、もしくは全てを占める。周囲に気を張り、シャッターチャンスを逃してはならない。試合展開を自分なりに読み取り、次に起こることを予想する。撮影前にエディターと話し、予備知識や狙うポイントを相談することもよくある。
韓国との試合は始まった。
ボールの行き先やプレイヤーを追いながらスキあらばベンチ前へと望遠レンズを向けていた。
ハリルは感情をストレートに表に出す人柄であり、絵になる男。身ぶり手ぶりで指示を出す姿は順調に撮りたまっていった。
そして、次の絵柄を考える。公開練習での熱心なランニングやリフティング姿が参考になった。彼の足元にボールが転がれば、何かが起きるかもしれない。元スタープレーヤーは動ける監督。
まさかここまでとは想像できなかったが。
(松尾憲二郎)
■カメラマンプロフィール
撮影:松尾憲二郎
1985年 東京生まれ。
都立工芸高校デザイン科、東京造形大学デザイン学科卒業。
学生時代よりエクストリームスキーヤーとしてアメリカを中心にワールドツアーを転戦。
選手引退後、バックカントリースキーを中心に撮影者として雪山を登ってきた。
2014 年より「アフロスポーツ」に所属。
現在は様々なスポーツを撮影している。
■取材歴
2015 冬季ユニバーシアード(スペイン/グラナダ)、EAFF 東アジアカップ(中国/武漢)、世界柔道(カザフスタン/アスタナ)
2016 スキー遠征(モンゴル/アルタイ山脈)、リオデジャネイロパラリンピック
2017 冬季ユニバーシアード(カザフスタン/アルマティ)、冬季アジア大会(札幌)、世界フィギュアジュニア(台湾/台北)、夏季ユニバーシアード(台湾/台北)、フィギュアGPシリーズ(ロシア/モスクワ)
2018 冬季オリンピック(韓国/平昌)
■個展
2011 冷やしボブ(ボブ東京)
2014 YMK_展(EATME GALLERY 南青山)、YMK_展 (UP LAND 札幌)
2016 SKIING MONGOLIA(代官山ヒルサイドテラス)、season(NIKON 新宿フォト・プロムナード)